アダルトショップ佐藤へようこそっ! 作:Rヲウ
いつもよりはるかに長く感じた5時間目の授業があと10分くらいで終わってしまう。
彼女は今も腰の下だけをミリ単位で動かして、充血ししこリ立った肉突起を座板に溜まったとろとろの粘液の海で転がし続けている。
ほっぺたに溜まっているこの粘液は彼女の股間から溢れてきたものだけどおしっこじゃないのはなんとなく分かった。
すごく熱くてぬるぬるしてるし、おしっこがこんなにとろとろの粘液な訳がない。
その粘液を肉突起に丁寧に絡めながら押しつぶすのではなく擦りたてる動きに変わった。
肉突起の根元から側面、尖り切ってぷるぷると震える先っぽまで角度を丁寧に変えながら座板を使ってくりくりこりこりと撫でまわしている。
まるで今まで虐めてごめんねと肉突起に対して謝って優しく指で摘まんで根元から先までやわやわと走らせながら傷ついた肉突起を癒しているようだ。
彼女の動きの変化を訝しみながらも、僕なりに彼女が執拗に肉突起と嬲り続ける意味を考えてみた。
彼女は僕が最初考えたようにおしっこやうんこを我慢していたのではなかった。
てっきり痛みを与えることで便意や尿意から気を逸らす行為だと思っていたけどそうではなかったのだ。
仮に僕が自分の人差し指を机の上で擦り続けたら5分くらいでヒリヒリし始め、10分もすれば豆ができたりするかもしれない。
あまり進んでやりたい行為じゃない。
だけど、自分の体を虐める行為って普通に行われているんじゃないかって気付いた。
スポーツ選手がまさにそれだ。
例えば野球、サッカー、陸上とかなんでもいい。
どんなスポーツでも、練習では技量を上げるため、筋力をあげるため、持久力を上げるため、運動神経を鍛えるために延々と反復練習を繰り返し体と神経に負荷を与え続ける。
擦り傷、切り傷、打ち身、捻挫。
スポーツは苦痛の上に成り立っている。
子供の僕でもそれくらいは分かる。
だけどそれでもスポーツを続けるのは試合で勝った時の爽快感や、記録を打ち立てた時の達成感を得られるからだ。
全然ジャンルは違うけど修行僧とかもきっと同じだ。
冷たい滝に打たれるとか、辛くて辛くて僕にはできそうにない。
それでもただひたすらストイックに……。
そう。
そうなのだ。
ストイックなのだ、大西さんは。
日本語で言うと「禁欲的」というやつだ。
彼女が全身を痙攣させた後に蕩けるような笑みと熱い吐息を零すのは、そこでスポーツみたいに達成感を得ているからなんじゃないか。
ならば彼女の目的とはつまり股間をひくひくと痙攣させ、さらには股間の中心のもっとも奥まったところにある大切な部分をきゅっきゅと収縮させてとろとろの粘液を搾りだしそして全身の痙攣に至ることなんだろう。
そうだ、そうに違いない。
僕はようやく彼女を理解できたように思う。
ひたすら禁欲的で、欲望とは無縁の幼くて小さな小さな頑張り屋さんなのだ。
薄い胸と小さなお尻と震える股間に
だけどあと5分くらいで授業が終わる。
そうなれば彼女の腰振り運動も中断せざるを得ない。
彼女の目的である。全身をぴくぴくと痙攣させる桃源郷の心境にはたどり着けないのだろうなと僕は少し残念に思った。
彼女の真っ赤に上気して蕩けきった無防備な笑顔が結構気に入ってるんだ。
だけど僕は彼女を過小評価していたようだ。
緩と急。
強い刺激に慣れきった肉突起は、急に愛撫されるような優しい刺激に変わってしまったら当初は悦んでも次第に欲求不満に陥るのだ。
まさに彼女の思うつぼ。
ぷるぷると震える彼女の股間の肉突起がもっと強い刺激を寄越せと抗議する瞬間に彼女は下半身を隠すスカートの内側で足をがばっと開いた。
腰から下をだけをくいっと座面からわずかに浮かし、尖りしこり立った肉突起だけを座面に密着させる。
彼女の重心は肉突起の真上に移動し、この状態で足から力を抜けば彼女の全ての体重は肉突起だけにピンポイントでかかってしまう。
彼女がガニ股状態で腰を上下に弾ませ始めた。
今までの優雅な腰の動きと違い、ただ強い刺激だけを与えるために特化した動き。
充血し膨れ上がった肉突起をまるでバランスボールに見立てて、股間から突き出た肉突起だけを狙って押し潰し、ぎゅうっと潰された肉突起が内圧で弾ける前に腰は上に弾み上がる。
加重。解放。
たむったむっ。
加重。解放。
たむったむっ。
繰り返し繰り返し座板の上できゅむっきゅむっとリズミカルに腰をはずませ尖りしこり立った肉突起のコリを徹底的に体重を使って揉み解す。
ガニ股で激しく腰を上下させる彼女は耳を真っ赤に染めて
「はっ♥はっ♥はっ♥はっ♥はっ♥はっ♥はっ♥」
マラソン選手のように小さく早く息を弾ませてひたすらストイックに腰を上下に振り続けた。
そして授業が終了する間際に、とうとうその時がやってきた。
小さな足の爪先から肉付の薄い太ももや小ぶりの未発達なお尻、そして細い背中と肋の浮いた皮膚一枚の厚みしかない薄い胸にあるかないかの乳首。細すぎる小さい肩からか細い腕の先まで、小さすぎる彼女が全身を使って徹底的に嬲りぬいた肉突起が痙攣と収縮を開始した。
肉突起のすぐ後ろにある彼女の大切な肉穴から粘液が勢いよく吹き出した。肉突起だけでなく彼女の奥の大切な部分もぎゅっぎゅと虚ろな空洞を堅くて芯のある長いものが入っていると勘違いし締め付け搾り上げ始めたのだ。
そして彼女の股間の小さな粒から弾けて飛び出した大きな波動が彼女の全身に広がり甘く蕩けて彼女の全身の神経を痺れさせた。
股間から脊髄を駆け抜けて脳まで突き抜ける刺激に彼女は堪らず
「あっーーーー♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥」
短いけれど後を引く小さな悲鳴を上げてしまった。
幸いなことに授業の終わる直前のざわめきが響き渡るはずだった悲鳴を掻き消し耳にできたのは僕だけだった。
「起立」
授業が終わり委員長が号令をかけた。
クラスのみんなが椅子をガタガタさせながら全員起立する。
大西さんもふらふらとしながらも立ち上がってくれた。
よかった。立ち上がれたか。安堵すると同時に僕は行動を起こした。
「礼」
クラスのみんながお辞儀をする瞬間を狙って目にも止まらぬ速さで大西さんの椅子の座面をハンカチで拭き取った。
─ 神速 ─
予想通りハンカチ一枚では拭ききれず、左手に持った二枚目のハンカチで拭ききった。
名付けて、秘技【ハンカチ二枚返し】
「着席」
誰にも気づかれなかったことに僕はようやく胸をなでおろした。
大西さんは予想通りスカートを巻き込んでそのままふらふらと着席してしまった。
僕が座面を拭き取っていなければ、彼女のスカートは今頃粘液が染み込んで大変なことになっていただろう。
危うく僕が1年生の時に目撃したおもらし事件が再現されるところだった。
大西さんはというと椅子に座ってどうも放心しているようだった。
号令に反応できたのは奇跡のようなものなんだろうな。
達成感に包まれ頭が働いていないであろうストイックな彼女に声をかける。
「ふぇ? ♥♥」
蕩け切った顔で下から大西さんが僕を上目遣いで見上げた。
彼女は気づいていないのか、口を半分開けて涎が一筋零れている。唇と舌が唾液で濡れそぼり、そこから熱い吐息が零れてきている。
僕を見上げる目は熱く潤みふるふると睫毛が揺れている。
彼女の上気して無防備な顔を見ているとなぜだか急速にちんちんに血液が集まり始めた。
まずい。
股間の前には彼女の上気した顔があり、これではまるで勃起ちんちんを彼女の口元に突き付けているかのようだ。
勃起した責任をその小さな口で取れというように。
僕は慌てて一歩下がり、彼女の口元で強張り始めていたズボンの膨らみを隠した。
そうして改めて彼女を見ると彼女の指は未だに痙攣を繰り返しており、彼女の両足も足の付け根の奥の収縮に引っ張られるかのようにリズムを刻んでぴくりぴくりと左右に揺れて、まるで内側に何かを包み込んで搾り出すような動きをしている。
よく分からないけど彼女の体の奥の大切なところが今もリズミカルに収縮を繰り返しており、それが続いている間は彼女と会話が成り立ちそうにないのだけは分かった。
僕が想像したより痙攣が長く続いているようだ。
もしかしてと思ってほっぺたに意識を集中してみる。
スカートの生地越しだけど、彼女の突起物が突き出されて座板に押し付けられてよじれ、次の瞬間には引っ込んだりを未だに繰り返しているのを感じた。
なんてこった、今もずっと刺激されっぱなしなのか。
ぴくりぴくりと全身を不規則に痙攣させ震える彼女の幸せそうに緩んだ口元から、また一筋涎が床に零れ落ちる。
彼女の股間の肉突起は今現在もきゅむっきゅむっと硬い座板に自らを押し付けて刺激を生み出し続けている。
自分で動ければこの刺激のループから抜け出せるんだろうけど、授業終了と同時に彼女は意識を飛ばしてしまった。今の彼女はどんな刺激を受けても蕩けるだけの存在だ。
どうしよう?
なんとかしないと彼女の体力が完全に尽きるまで、何十分も何時間も蕩けたままになってしまうに違いない。
明日の朝まで全身を包む甘い刺激にひくひく痙攣しながら、ここで幸せそうな顔のまま座り続けるかもしれない。
僕は彼女の手を掴んで強引に椅子から引っ張り上げた。
「ほら、大西さん立って? みんなで掃除しなきゃだめだよ」
彼女のひくひくと痙攣と収縮を繰り返す股間の突起を座面から引きはがして刺激を与えないようにすればそのうち正気に戻るだろう。
「あ♥」
大西さんは蕩けた顔で名残惜しそうに椅子を見降ろした。
「ほら、掃除掃除」
みんなで机を持って後ろに移動する。
ぽーっとしたままの彼女を放っておけずに一緒にくっついて掃除を続ける。
掃き掃除と拭き掃除が終わるころにようやく彼女は正気に戻ったようだ。
「あ、あの……佐藤くん、ありがとう♥ ほぅ♥」
彼女は正気に戻ってもまだ達成感の余韻が若干残っているようだ。
真っ赤になってうつむいたまま僕にお礼を言う大西さんと僕に佐竹さんが不思議そうに声をかけてきた。
「大西さんと佐藤くんってそんなに仲良かったっけ?」
「へ?」
「いや、二人があんまり話しするところ見たことなかったから」
佐竹さんが胸の下で腕を組んで僕を見ている。胸が強調されるから普段佐竹さんはあまりこの腕の組み方はしない。
僕もお返しに佐竹さんのロケットおっぱいをガン見する。
だっておっぱいを見てくれと主張されたら気が弱い僕はその通りにしてしまうのだ。
大西さんの蕩けた顔で始まった僕の勃起は佐竹さんのロケットおっぱいで更に宇宙まで打ち上げられた。
カチカチだ。
「えっと……、クラスメイトだし普通だよ、普通」
大西さんが真っ赤な顔のままチラチラと僕を見ながら答える。
「掃除の間、ずっとくっついてるのって普通じゃなくない?」
「僕たち前と後ろの席だから一緒でもおかしくないでしょ?」
「ふーん、……そうなんだ?」
何がそうなのか分からないけど、僕が佐竹さんのおっぱいから目を離さない様子を確認して何か満足したのかそこで会話が終わった。
─ 夜 ─
晩御飯を食べ終わった僕は、自分の部屋に戻ってベッドにうつ伏せに寝っころがった。
そしてベッドの上を転がりまくってる。
すごくちんちんがいらいらする。
掃除中も帰りの会の時も、下校中も、晩御飯を食べている時もずっと勃起が収まらないのだ。
僕のちんちんが壊れてしまった。
全部大西さんのせいだ。
ベッドに横になって深呼吸をして心を落ち着かせようと何度も試してみた。
でもその度に脳裏に教室の光景が甦る。
僕を潤んだ瞳で見上げてくる大西さん。
だらしなく半開きになった小さな唇の大西さん。
唇から
そして一筋零れ落ちる唾液。
口の中で妖しく光を跳ね返す小さな舌。
その小さな唇と小さな舌で。
ちんちんの勃起が全然収まらないどころかどんどん固く大きくなってるような気がする。
それもこれも全部大西さんのせいだ。
机の方に視線を向ける。
僕のちんちんをいらいらさせている原因の一つだ。
机の上にはビニールに包まれたハンカチが二枚入っていた。
いつもなら学校から帰ってすぐに洗濯機に入れておくけどそうするのは躊躇われた。
彼女の股間から出たねっとりととした粘性のある透明な液体の正体は分からない。
僕には分からなくてもお母さんは分かるかもしれない。
この正体不明の粘液の付いたハンカチをお母さんにもし気づかれたらと思うとそのまま洗濯機にいれることはできなかった。
僕は風呂に入った時に自分で洗おうと、ビニール袋から粘液にまみれたハンカチを取り出してそのまま風呂に向った。
脱衣所で服を脱いで素っ裸になる。
鏡には僕のちんちんが固く上を向いているのが映っている。
おしっこをすれば勃起したちんちんが小さくなることは経験で知っていたから、自宅に帰ったらすぐにトイレに籠った。
おしっこするため便器に向けてちんちんをなんとか下に向ける。
根元から折れてしまわないか心配になるくらい、カッチカチになってしまってる。
手を放せばバチーンとバネのように跳ね返る。
……10分以上かかってなんとかおしっこをしてみたけど全く小さくならなかった。
夜になり、もう4時間は勃起したままだ。
どうしよう、これ。
鏡の前でハンカチを持って悩む僕。
ぽた……
ハンカチから垂れた粘液が脱衣所の床に落ちた。
手から伝わってくるぬるぬるした感触がなぜかちんちんに響いてさらに固くなった。
風呂から出てパジャマに着替えベッドに寝転がる。
まだ勃起は収まらない。
部屋の隅に洗ったハンカチを干すために吊るしてある。
もやもやとした気分のまま、今朝お母さんから受けた性教育を思い出してみる。
男の人は結婚した女性と愛し合って、勃起したちんちんから射精して子供を作る。
結婚してなくても本当の本当に大好きな女性だったら愛し合ってもいいけどね、とお母さん照れながら付け加えた。
……僕はまだ子供で結婚できないから大好きな女の子と協力しないと射精できないわけだ。
精通は射精する準備が整ったよというお知らせだから好きな女の子とかじゃなくても問題はない。
おしっこしても、平常心を保っても勃起が収まらないってことはもう射精するしか勃起を治す方法はない。
となると、どうにかして僕の大好きな女性に射精するために協力してもらうしかない。
佐竹さんと大西さんの二人の顔が脳裏に浮かんだ。
頼み込めば射精するお手伝いをしてくれるかなぁ……
でも佐竹さんは僕とそんなに親しくないし、なんか無理っぽい気がする。
いや、彼女って結構お節介だから土下座して頼み込めばなんとか……
大西さんはどうだろう?
今日一日で彼女とはなんだかすごく仲良くなれたと思う。
彼女なら頼めば一発OKしてくれるような気がする。
明日になっても勃起が収まってなかったら彼女に頼んでみようか……
いやいや待て、早まるな。
今日授業中に彼女が椅子の上で股間の肉突起を執拗に何度も何度も捩じって擦って捻って押し潰していたのを思い出せ。突起が激しく痙攣し続けていたのにそれでもお構いなしに彼女は突起を上下左右斜めへと擦って擦り倒して最後は腰の上下運動でたむたむたむたむとリズミカルに押し潰して刺激し続けていた。
肉突起だけじゃない。プラスチックの硬い何かを彼女の股間の中心に置いて、お尻を叩きつけてその硬い何かを彼女の奥の方にねじ込んで円運動を繰り返してた。
捩じって回して、さらにはくいっくいっと腰を上から斜め下に掬うように前後運動を繰り返し、腰を左右へ振って股間の奥の方にある特定部位を執拗にこねくり回してた。
そうだよ今日一日だけで最低でも3時間以上も肉突起をこね回していた。
僕のちんちんをストイックな彼女に任せてしまうと、彼女に悪気はなくとも彼女の股間の突起と同じよう扱われる恐れがある。
僕のちんちんが彼女の小さな両手で掴まれてぎゅっぎゅと握られたり、少し硬くて小さなお尻を僕の固く勃起したちんちんの上に載せてリズミカルに腰を上下させたり、発育不良で全く膨らんでなくて堅いだけの薄い平らな胸の、あるかないかの乳首で僕のちんちんの先っぽだけをぐりぐりと執拗に何時間にわたって擦られたり。
あるいは小さな彼女がパンツを脱いで僕のちんちんの上にガニ股で跨り彼女の全体重を股間にかけて得意の円運動や上下の腰振りダンスで何時間も彼女が満足するまで擦り続けたり。
もしくは、半開きの彼女の小さな口に咥えてちゅっちゅと吸われたり唾液に塗れながら彼女の唇や柔らかい舌で僕のおちんちんがふやけて溶けるまで舐られるとか。
……その状況を想像しているとなぜかちんちんがもっと固くなってきた。
あれ?
なんかすごく良くない?
いやいやいや。
だめだ、だめだ!
やっぱり僕のちんちんが無事に済むとは思えない。
何かもっと別の手を……ん、……手?
僕にだけ光って見える右手をまじまじと見なおした。
これだっ!
─ 次の日の朝 ─
いつもより1時間も早く誰もいない教室にやってきた僕は一人先客がいることに気づいた。
「おはよう、佐藤くん。今朝は早いんだね?」
「おはよう、大西さん」
ランドセルを机に引っ掛けながら逆に尋ねた。
「大西さんって普段からこんなに早いの?」
「ううん、今日はやることがあったの」
「週番?」
「ふふーん、工作」
といって大西さんは小さな木片とテープやカッター、そしてお菓子を取り出した。
「他のはよく分からないけどお菓子はまずいんじゃない? 先生に没収されるよ?」
「大丈夫、これ空っぽでケースだけなの」
「ふーん?」
……困った。
彼女がいると僕の準備ができない。
僕のちんちんは今朝もずっと勃起したままなのだ。
「何を作るの?」
「秘密。上手くいったら教えてあげるね」
彼女は笑顔のまま床に座り込み、カチカチとカッターの刃を出して彼女の椅子の座板に近づいた。
「ちょっと待った!!!!」
心臓が早鐘のようにバクバクと鳴っている。
「ど、どうしたの? 急に大きな声で」
「ご、ごめんつい。でも、椅子とか机を傷つけると先生に怒られるよ?」
彼女は手に持ったカッターを見て
「大丈夫だよ、椅子に台座を張り付けるだけだから」
彼女は灰色をした幅広のテープをカッターでピッと切って見せた。
「セロテープじゃないんだ?」
「セロテープだと水に濡れたら剥がれちゃうから。これって防水テープなの」
「ふーん?」
「濡れても大丈夫なこれで、台座を椅子に固定するの」
彼女は手にした木片を僕に見せつけてくる。
「なんか手伝おうか?」
「いいの?」
嬉しそうに答える大西さんにちょっと心が痛む。
僕の本心は、彼女の工作を早く完成させてなんとか教室から追い出し僕が昨夜考えた作戦を実行したいからだ。
「ここでこうやって持っていればいいの?」
「うん、そこで動かさないでね」
僕は串団子みたいな形のお菓子のケースを持って彼女の椅子の上で斜めに固定してみせる。
「角度がとても重要なの」
「ふーん」
椅子の横の床に座って斜めに構えたお菓子のケースを見ていた彼女が、今度は椅子に座り、足を少し開き前傾姿勢になる。
……これは彼女の得意とする突起物を中心とする円運動の態勢だ。
「もうちょっと後ろかな」
直径4㎝の球を半分に割ったような形で斜めに突起が2㎝ほどが突き出したような小さな木材を防水テープで椅子に張り付ける大西さん。
イメージで言っていいならオスのカブトムシを角を黒板に向けて彼女の椅子の座面に貼り付けてる感じだ。
張り付ける場所はメジャーで測ってミリ単位で調整してる。
貼って剥がしてを繰り返してもう4回目だ。
「これで大丈夫ね」
「ねえ? 椅子にこんなのがあったら座りにくくない?」
「大丈夫よ、股の間なら邪魔にならないから」
「そうかなぁ?」
試しに座ってみるとお尻の穴と金玉の間の部分が少し押されれて無視できない違和感がある。
「我慢すれば座れなくはないけど、深く座ったらめり込んじゃうよ?」
「男子ならそうかもしれないけど、私は女子だから大丈夫」
ツッコミ待ちかな。大西さんだけが大丈夫なんじゃないのって。
大西さんは作業を進めて台座から突き出てる突起部分にお菓子のケースをセットしている。
そして納得したのかお菓子のケースの底をカッターで削り始めた。
「それ何してるの?」
「引っ掛けるとこを作ってるの」
「ふーん」
「押し込むだけじゃなくて、出し入れするには固定しなきゃいけないんだけど、完全に固定しちゃうと不味いでしょ? ここ教室だし」
「うん?」
「だから必要な時だけ固定して不要な時は簡単に取り外せるように台座だけ椅子に張り付けるの」
「うん?」
「できたわ!」
お菓子のケースの加工が終わったのか、彼女は嬉しそうに飛び跳ねた。
そして加工の終わったお菓子のケースを満足そうに眺めてる。
「じゃあ最後の準備にトイレに行ってくるわ。台座に触らないでね?」
と言い残して彼女は教室からスキップしながら出て行った。
……まぁ彼女が自分から教室を出て行ったのはラッキーだったかな。
これで僕も自分の準備ができる。
僕の小学校では大きめの文具などは生徒が学校と家の間の持ち運びの負担を軽くするため、教室に保管していいものが定められている。
教室の後ろに置かれてる大きな収容棚に生徒個人の棚が割り当てられているので、そこに僕の目的のものが置かれている。
念のため、廊下に顔を出して周囲に誰もいないことを確認してから素早く目的の棚に近づき今日の3時限目に予定されてる音楽の授業に使う楽器を取り出した。
必要な措置を終えて意気揚々と自分の席に戻って座ったけど目の前の彼女の椅子の台座がやはり大変気になる。
というわけで僕は好奇心に負けてしまった。