恋姫†無双 ~漢ノ朱儁ココニ有リ~ 作:黒影
十九 愛紗
黄巾の乱が終焉となり、一応の平和が訪れたかに見えたものの、その傷痕は決して浅くなかった。今回の乱は、元はといえば悪政に耐えかねた民衆による反乱なのだが、それが大陸中に広がった為にいっそう各地が荒れ、難民となる者が増えてしまった。
しかし、これで漢王朝が変わったかと言われると、結果は何も変わらなかった。洛陽の都では、相変わらず権力闘争が繰り広げられ、宦官と重臣たちによる足の引っ張り合いが繰り返されていた。黄巾の乱も、特に宦官にとっては対岸の火事でしかなかったのだ。
もちろん、一刀たちも裏では危機感を抱いているものの、政変を起こすには時期尚早であった。各部署に所属する、文官である風鈴の弟子たちが一人前になるまで、もう少しの時間が必要だったのだ。
そのような状況でありながらも、一刀と女たちの交流は変わらない。中でも、一刀に最も執着しているのが、愛紗であった。
愛紗にとって一刀はもちろん初めての男であり、あれほど濃密に激しく愛し合ったのだから、当然自分が特別な存在だと思い込んでいた。だから、一刀には他にも愛し合っている女が居ると知った時はかなり驚き、怒ったものである。しかも、その女たちが明らかに自分では敵わないような美女(だと愛紗は思っている)ばかりなので、ひどく落ち込んだ。
しかし、一刀の部下である以上、ほぼ毎日顔を合わせるのである。あれほど激しく求め合い、激しく愛し合ったのだから、当然何事も無かったかのように過ごせる筈も無い。しかも、一度惚れてしまったらとことん尽くし抜くのが愛紗という女である。そんな彼女が一刀を拒絶できる訳もなく、洛陽に戻ってから再び一刀に抱かれて以降は抵抗感も無くなっていき、頻繁に一刀の下に忍んで行った。
楼杏や風鈴たちに女性的な魅力で勝てないと思っている愛紗だが、一つだけ彼女らに勝っている部分があった。それは、一刀と一緒に過ごす時間が長い事である。楼杏たちは一刀と同じ将軍といえども、各々それぞれの役目があるので、逢い引きできる機会はそれほど多くない。それに対して、愛紗は一刀直属の部下である。必然的に側にいる事が多くなる。
もちろん、真面目な彼女らしく、与えられた任務はきっちりこなす。その分、夜は堂々と一刀の部屋に入り浸り、毎晩のように身体を重ねていた。そして今夜も、愛紗は一刀に抱かれ、激しく求め合っていた。
「ああぁっ❤ んああっ❤ ご主人様っ……ご主人様ぁぁっ❤」
パンパンっとナカを突かれ、歓喜の声をあげて何度もイってしまう愛紗。結合部からは愛液が飛び散るくらい止めどなく溢れて来ており、濁ったそれは抜き差しする一刀の肉棒にねっとりと絡み付いき、真っ白に染め上げていた。そして、そのように本気汁を垂れ流しながら喘ぎまくる愛紗に、一刀はますます興奮するのであった。
「愛紗の感じてる顔、かわいい」
「ああんっ、そんなっ、お戯れをっ❤」
あまりの恥ずかしさに、両手で顔を覆ってしまう愛紗。しかし、それを一刀が許してくれる訳もなく、両腕を捕まれてバンザイの形で押さえられてしまう。
「戯れなもんか。本当にかわいいのに」
「あんっ❤ もうっ、ご主人様のバカぁ❤」
若干涙目で一刀を睨む愛紗。だが、本気で怒っている訳ではなく、その証拠に一刀が愛紗の唇を奪うと、彼女もそれに答えて自ら舌を絡ませる。
「んんっ❤ んちゅっ……くちゅっ❤ んっ、んはぁっ❤ ああっ……ああん❤ あんっ❤ あんっ❤ あはぁっ……あむっ❤ んむぅ❤ ん、れろっ、れろっ❤ ちゅうぅっ❤」
すっかり夢中になり、積極的に舌を絡めて唇を貪る愛紗。一刀が腕を押さえ付けていた手をどけ、愛紗を優しく包むように抱きしめると、彼女はそれ以上に強い力でしがみつく。愛紗は今や完全に一刀の虜になっており、片時も離したくないとばかりに全身で抱き着いていた。
一方の一刀も、愛紗の身体に夢中になっていた。愛紗の秘所はまだまだ男に不慣れなせいか、ギチギチと強烈に肉棒を締め付けてくる。その刺激が強烈で、たちまちの内に一刀は絶頂にまで追い詰められる。
「愛紗っ、そんなに締め付けたら……もう出るっ!」
「ああんっ、出してぇ❤ ご主人様のお情け、全部ちょぉだぁいっ❤」
目をトロンとさせ、すっかり甘えた様子でナカ出しをねだる愛紗。そんな彼女に応えるように、一刀は思いっきり何度も腰を打ち付け、そして最奥にまで肉棒をねじ込んで一気に精液をぶっ放した。
「んあぁぁっ❤ ご主人様のがいっぱいっ……んひぃぃっ❤ イクっ、イクっ❤ イクぅぅーーーっ❤」
一刀が射精するのとほぼ同時に、愛紗も盛大に絶頂に達してしまう。一刀と一緒にイけたのが余程嬉しかったのか、愛紗の表情は普段の鍛練様子からは考えられないくらい、穏やかなものだった。
「ご主人様、好きです……お慕いしております❤」
一刀が離れるのを拒むかのように、愛紗はしっかりとしがみついたまま、柔らかい笑みを浮かべていた。
✳✳✳✳✳
さて、宦官と反対勢力がお互いに牽制していたものの、表向きはこれまでと変わらぬ日常が過ぎていく洛陽。しかし、水面下では刻一刻と事態が進行していった。
風鈴の私塾の生徒を文官として育て、来たるクーデターの為に徐々に勢力拡大を進めていた一刀たち反宦官勢力。一刀を中心として傾や他の将軍たちがまとまっており、宦官からすれば付け入る隙が無い。その状況は宦官にとって非常に都合が悪く、このままでは風前の灯である事は間違い無かった。
そこで宦官勢力が計画した対抗策は、将軍の暗殺および外部勢力の取り込みである。その白羽の矢が立てられたのが、涼州最大の勢力を誇る董卓であった。
「ちょっと月、まさか宦官の要請を受ける気なの!?」
自らの主君である董卓にずけずけとものを言う賈駆。宦官の要請は、明らかに董卓を権力争いの道具にしようとしているのが丸分かりである。洛陽に進出できるという利点はあるものの、それ以上にリスクが大きい。用が済めば、消される事だってありえるのだ。もちろん、そうなればただでやられる気は無く、逆に大陸最大の武力で返り討ちにすれば良いのだが、その覚悟が心優しい董卓にあるかどうか。
だが、そんな詠の不安は、杞憂だった。
「宦官が私を利用しようとしているのは分かってる。でも、今の朝廷は腐りきってて、宦官や何進たちには任せておけない。誰かが立ち上がらないと、何も変わらない」
「月、それじゃあ……」
「詠ちゃん、私は洛陽に行くわ」
宦官の誘いに乗ることを決めた董卓。しかし、その心の内では別の思惑がある様子。それを幼馴染の賈駆は、董卓の心を正しく読んでいた。
洛陽の権力争いが飛び火し、再び大陸中に徐々に広がる戦火の兆し。それぞれの思惑が絡み合い、事態は刻一刻と動きつつあった。