※この作品はR-18です。

恋姫†無双 ~漢ノ朱儁ココニ有リ~   作:黒影

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八

 紆余曲折はあったものの、風鈴と楼杏は傾や瑞姫と打ち解けるようになり、真名まで交換する仲となった。それも、一刀の努力の賜物だと言えた。とはいえ、一刀の(性的な意味での)身体的負担が増えたのだが、それはまあ、自業自得というものだろう。それに、傾や瑞姫だけでなく、風鈴や楼杏といった一刀好みの年上豊満美女と恋仲になり、充実した私生活を送っていたのだから、文句を言える立場ではない。

 

 

 さて、何とか無事(?)に女性問題を切り抜けた一刀だが、世情は悠長に待ってはくれなかった。近年、大陸で勃発していた黄巾の賊どもの動きが活発化し、その対応に追われる事となった為である。だから、一刀たちは洛陽の都を出て討伐に向かう事となる。

 このような状況の為、一刀は一刻も早く宦官どもを排除し、朝廷を立て直さなければと決意を新たにする。ただ、今すぐに動く訳にはいかなかった。何だかんだで、宦官どもやそれに連なる佞臣どもの経験値というものは大きく、それらを一気に排除して経験の薄い者を役職に据えたところで、国が回らなくなる。宦官どもも現状では必要悪であり、だからこそ慎重に事を進める必要があった。

 その第一歩として、風鈴の故郷の私塾で優秀な生徒たちを朝廷の各部門の文官として入内させているし、都でも風鈴は私塾を開いて次世代の育成に努めている。これらの者たちがやがて政務を覚え、要職に就くようになれば、その時こそが政変の狼煙を上げる時である。その為にも、今は時間が欲しかった。さっさと賊どもを打ち破り、漢王朝は未だ衰えずというところを見せつける必要があったのだ。

 

 ただ、今回のその賊の討伐に関して、不安要素が一つあった。それは、一刀の軍の調練が、完全に終わっていない事である。

 先述したように、一刀の軍は揚州兵で成り立っている。これらの兵は出身地の関係上、水戦には滅法強いが中原での戦いには不慣れなのである。その為に、楼杏にお願いして調練で鍛えてもらったのだが、あまりにも時間が足りなかった。前回の出兵時は賊相手に大苦戦しており、共同で出兵した楼杏の助けが無ければ確実に負けていただろう。

 だが、今回は多方面での討伐の為、楼杏も風鈴も別方面への出兵が決まっており、一刀は自分一人で賊に向かわなければならない。そのような状況なので、風鈴も楼杏も一刀の事を心配するのは当然であった。

「一刀さんだけで、本当に大丈夫かしら」

「はは。まあ、何とかなるよ」

 楼杏に心配の言葉を掛けられるも、一刀は笑って返す。せめて、表面上でも自信満々でいないと、楼杏が心配するだろうから。そして案の定、楼杏は心配のあまり自分の軍を貸そうかと提案してくる。

「良かったら、私の所の副官をつけるわよ」

「いやいや、そこまでしなくても大丈夫だから」

 一刀は慌てて楼杏の申し出を断る。副官を貸すという申し出はありがたいのだが、楼杏が対峙する賊は、黄巾党の主力軍である。戦力を割いたことで楼杏が不覚を取っては申し訳なさすぎるし、こっちの事情で足を引っ張る訳にはいかない。

 それに、一刀には援軍の当てがあった。今回は、それを頼りにするつもりである。

「援軍って、誰を呼ぶつもりかしら?」

「炎蓮(孫堅)さんだよ。あの人とは同郷なんだ」

 ただ、炎蓮の名を聞いた楼杏は、複雑そうな顔をする。炎蓮は戦に強いが気儘な性格であり、どう考えても簡単に協力するとは思えなかった。

「……確かに、孫堅どのが援軍に来たら安心だけど、あの人が協力するかしら」

「大丈夫。実は前にも協力して貰った事があるから」

「それなら良いのだけど……」

 一刀の言葉を聞いて一旦は納得するものの、どうしても不安をぬぐえない楼杏であった。

 

 

*****

 

 

 とはいえ、一刀も今回の出兵には若干の不安を感じていた。

 楼杏にも言った通り、一刀は揚州に居た頃、炎蓮の力を借りて反乱軍を鎮圧したことがあるのだ。そもそも、無官だった炎蓮を自身の後釜として朝廷に推挙したのは一刀自身であり、炎蓮が援軍に来るかどうかに関しては、一刀は疑っていない。

 では、何が不安だったかといえば、炎蓮との交渉そのものであった。

 

 前に炎蓮の力を借りる際、一刀は彼女に(性的に)食われたという経緯があった。彼女自身、三児の母で夫を亡くしている未亡人であり、やり場のない性欲を持て余す身であった。だが、元々苛烈な性格をしている上に、戦となると真っ先に突っ込んでいって敵を文字通り粉砕して回るものだから、男は彼女を恐れて寄り付かない。その為、一刀が彼女にものを頼む際、その熟れた身体を満足させるという取り決めになったのだ。

 実はこの炎蓮という女は、一刀にとって初体験の相手でもある。一刀が年上の豊満な美女が好きなのも、この経験が大きく影響しているのは間違いない。

 ただ、一刀には炎蓮に閨で気絶するまで貪り食われたという記憶しかない。そもそも、童貞だった者と熟れた身体を持て余していた未亡人では、あまりにも経験値が違い過ぎる。当時の一刀では、炎蓮が相手では勝負にならないのは当たり前であった。

 その時の記憶が残っているからこそ、一刀は重い溜息をつく。今回は色々と大変な討伐になりそうだ、と。

 

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