※この作品はR-18です。

100000000000   作:アンデッド

5 / 8
さまよう二人

1995年

 

同年代なんですけど、まだ〈呪いの家〉は

存在してました。野良猫が異様に集う

から“猫の集まる家”など呼ばれていた時期です。

 

「イヤっ」

 

「動いたら危ないよ~」

 

 

その家へ同級生に連れこまれた女子高生(当時)、

聖美さん。友人だと思っていた女子二人に

両腕を押さえられ、他校の男子学生に

暴行されかけた時でした。

 

 

「なにやってんねん」アイスピック片手に

気配なく現れたレイン。男子学生の脇腹へ

何度もアイスピックを突き刺す。

「頼む、や、やめてくれ……」さらに

靴底で容赦なく、佐伯の顔面を蹴りつけました。

男子の鼻がひしゃげ、大量の赤い飛沫

しぶきが噴出。震える女子二人をよそに

男子の髪を鷲わし掴づかみに何度も、何度も、

額をブラウン管テレビに叩きつける。

「やめでぐだざい……お、お願いしまふ……」

鼻血が噴き出し滝のように垂れ流す男子学生の

頭髪から手を離しました。口角から

鮮血が滴り落とす彼を蹴り飛ばし、懐から

有名な軍用自動拳銃の中国製コピー、ノリンコ(中国兵器工業集団有限公司)1911を抜き彼女たちに向けたんです。

 

「にゃーっ」そしたら女子の片割れが、

猫のような声を出し始めた。とっさにレインは

ヤバいと思いスライド(遊底)で

その子の頭頂部を殴りつけたらしいんです。

「この娘つれて早く出ろ! カバン持って!!

早よせぇ!!」拳銃を突き付け、玄関まで見送り

置いていたガソリンの蓋をあけて

撒きはじめたんです。

 

 

「お姉さんも手伝って。そのアホも

焼いてエエから」力なく座り込んでた

聖美さんもガソリンを渡され、うずくまる

男子に浴びせかけました。レインは

C-4──プラスチック製の遠距操作型爆弾を

家中に設置してまわったんです。

聖美さんが二階に上がろうとしたら「ダメや。

玄関におり、何が見えても気にしたらアカン」

キツ目に言われました。まぁ結(・)果(・)的(・)に(・)は(・)

二階にあがらなくて良かったと、聖美さんは

のちに神妙な顔で呟ってましたよ。

 

「逃げるで」ほぼ見ず知らずの少女に、手を

ひかれて玄関を蹴破りダイナマイトと

US MkII手榴弾を巻きつけたやつを投げ捨て

男子学生ごと吹き飛ばしました。閃光とともに

一階から轟音が響きわたり、二階がくずれ

落ちたんです。

 

 

レインは拾った車(細かく聞いたところ、

違法駐車されていたホンダS-MXらしい)の

トランクからお手製の缶詰め爆弾や火炎瓶、

パイプ爆弾を投げ込み、必要以上に爆破を強めて

完全に、家を粉々にしました。助手席へ乗ったら

「どこに住んでの?」彼女に訊かれました。

聖美さんは口ごもってしまう。それはお母さまが

手当たり次第に転校を繰り返し、担任や同級生と

肉体関係を持つ淫売。さらに聖美さんが

可愛がってた猫を死に追いやるコトまで

やったそうなんですよ。

 

なんとなく様子から察したレインは「ムッコロ

しちゃう?」と母親殺害を提案しました。

静かにうなずいた聖美さんを連れて、

車を走らせる。

 

後に『謎の事故! 自宅に無人車が突っ込み

大爆発。女性は即死、娘は行方不明』という

ニュースが数ヶ月ほど盛り上がったそうです。




呪いの家を恐ろしいヒロイン。怪談でまさかの
『淫売』という単語。



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