なんだかんだあって生徒会の役員となって振り回される毎日。
タカトシはその生活が楽しくなってきていた。
私立桜才学園。そこが慣れない環境と慣れない人たち。
最も、因幡さんたちよりかは幾分かましな方である。
何もない日常よりかはいいと思うが、女子高ならではの空気で時としてタカトシは困らせられる。
「ごめーん、誰かナプキン持ってない?」
一人の女子生徒が入ってくると教室は笑いに包まれる。
「ほら、いくよ。」
「ありがとー、サンキュー。」
男子生徒がいるのに生理用品を恥じらいもなく渡すところを何とかして欲しいと思うタカトシなのであった。
そんなことを重い廊下を歩いていると一人の女性生徒がタカトシの前にまで来た。
周りに押されるように前に出てきた彼女は表情を赤らめていた。
「どうかした?」
「え、えっと・・・・・あの・・・・・津田君!いやタカトシ君!」
「・・・・・・・・なんで言い直したの?」
「ちょっと今時間ある?」
「まぁ・・・・・・」
「あの、その・・・・話が、あるの。」
「うん・・・・・・」
相手が顔を赤くしているため、こちらも釣られて顔を赤くしてしまう。
「あのね、私・・・・・」
「はい。」
「私、私作りたいの!柔道部を!」
「・・・・・・・・・・・はい?」
「私ね、この学校に柔道部をって・・・・・・・どうかした?」
胸を抑え込んでいるタカトシに女子生徒は首を傾げる。
(年甲斐もなくドキドキしてしまった自分がいて少し恥ずかしいけど、なんか悪くなかったかな///////)
少しドキドキさせて顔を赤くしている
「そういや名前知らなんだけど・・・・・」
「あ、ごめん。私三葉ムツミ。」
「三葉さんね。なんでそれを俺に?」
「タカトシ君生徒会副会長でしょ?協力してくれないかな?」
「いいよ。俺ってば変に緊張したよ。」
「私も緊張した―。」
互いに頭を掻いて言う。
生徒会室でアリアの隣でシノは机の上に修学旅行の資料を広げて読んでいた。
「ほぉ・・・・・・」
観光地である京都の観光スポットが楽しみで仕方ないシノ。
「いかん。生徒会長である私がこんなに浮かれていては生徒に示しがつかん。」
ふと手に取っている資料のある建物に目が行った。
「金閣寺 楽しみだ
こう日の光を受けて 緊縛がキラキラと 」
「緊縛じゃなくて金箔。」
「おお、私ということが。つい夢を見すぎてしまった。」
するとタカトシが生徒会室に入ってくる。
「会長。」
「なんだ津田か。」
「あって欲しい人がいるんです。」
そう言うとタカトシはムツミを生徒会室に入れる。
「結婚するのか?」
「色々飛びすぎてるから落ち着きなさい。」
一旦シノを落ち着かせて三葉が自己紹介をする。
「私、タカトシ君と同じクラスの三葉ムツミです。実は新しい部を作りたいと思いまして。」
「それで、なんの部を?」
アリアが尋ねるとムツミは元気よく答える。
「柔道部です!」
「ああ、知ってる。寝技が48個あるやつね。」
「アンタの柔道への偏見がすごすぎる!」
「本当はムエタイ部にしたいんだけどね。」
「ムエタイって名前は聞くけど俺よく知らないな。」
「それでメジャーな柔道部を。」
「三葉って格闘技好き?」
「うん!己の技を磨いたからだと体のぶつかり合い、熱いじゃん!」
それを聞いてシノは反応する。
「うん、確かに熱い!」
「手に取るようにわかるアンタの考え!」
性行為の体位を考えていることがタカトシには手に取るようにわかってしまった。
するとスズが規約を書かれている紙を手に近づいてくる。
「部員は5人以上が必要よ。それに満たなければ愛好会になるわね。」
「なんでこんなところに子供が?」
ムツミの純粋な反応にスズは反応する。
「津田!肩貸しなさい!」
そしてなぜか肩車する。
「私は萩村スズ。あんたと同じ16歳。しかもIQ180の帰国子女。英語ペラペラ、10桁の暗算なんて朝飯前。どお?これでも子ども扱いする?」
「へー、すごいねー。」
ムツミの頭の中には簡単な10億+10億の足し算が行われていた。
「もっと複雑な計算しろー!」
(むしろそこまで意固地になってる時点で子供って思うのは気のせいだろうか?)
ムツミは再度会長の方に懇願する。
「とにかく、部員5人のところ4人にまかりません?素手に3人キープしています。」
「却下に決まっているだろう。」
「ちゃんと理由があるんです。ストレッチする時、二人一組になるじゃないですか。一人余っちゃって仲間外れみたいでいやでしょ?」
「ふむ、一理あるな。今後は必要定員を6人に使用。頑張って探してこい。」
「あれー?ハードル上がっちゃったー!」
そんなやり取りにタカトシは溜息を吐く。
「会長、何も解決していませんし今の部活で6人未満の所が今後は同好会になるって言ってますよ。それじゃあ生徒から反感買いますって。」
「言われてみれば確かに。」
「それになんで5人って中途半端なんですかね?」
「どういうことだ?」
「その部活にしてもチームやバディがあるじゃないですか。サポート含めても最低限度は3人って考えた方がいいんです。それに武道は基本組手をしますから二人一組ですし、人数に関することは少し改善されてもいいのではないかと。」
「むぅ・・・・・・難しいな。」
シノは顎に手を当てる。
「会長、もう部活勧誘の時期は過ぎているんですし、今回は特例ってことでいいんじゃないですか?今から部員勧誘をするとしても大抵の生徒は部活に入ってますし、なにより三葉たちが圧倒的不利じゃないですか。」
「なるほど。納得できる理由だな。」
「あ、そう言えば大事なこと聞くの忘れてた。」
「なに、タカトシ君?」
「顧問の先生は?」
「もっちろん声かけてるよ!そこもキープしてるから大丈夫!」
こうして桜才学園に新しく柔道部が設立されることとなった。
ムツミが去った後の生徒会室でシノは津田に声を掛ける。
「津田、ありがとう。津田がいなかったら少々揉めていたかもしれない。」
「いえ、ただ微力を尽くしただけですから。」
「津田君は何か部活やってたの?」
「あんまり。でもトレーニングとかはしてます。強いて言えば・・・・・投擲できることですかね?」
「投擲?まぁその話はまた今度にしよう。さて、本題だ。来週から来週から中間考査なわけだが、知っての通り我が校は試験結果が張り出される。そして生徒会役員は学年20位以内をノルマにしている。」
「え!」
突然のことにタカトシは驚く。
「大丈夫よ。」
「問題ありません。」
そう答えるのはアリアとスズである。
「各自しっかり勉強しておくように。」
そう言われてタカトシは少し不安になる。
「なんだ津田、自信ないのか?」
「はぁ平均的なところですかね。」
「よくそれで生徒会に入ると思ったな。」
「勧誘してきたのは誰か自分の胸に問いかけなさい。」
カリカリとペンを走らせ勉強するタカトシ。
数学と理科に関しては特に問題ないが英語が苦手である。
(やっぱり英語が苦手だな。社会に関することに関してはまぁ問題ないけど、国語も少し不安だな。)
英語に関しては授業内容を復習すればいいわけではなく、応用も必要になる。
(優太くんに頼りたいけど・・・・・多分無理だな。因幡さんは論外で荻さんは忙しそうだし、夏輝ちゃんはダメだ。弥太郎さんは追跡中。他に頭が良くて英語できる人・・・・・・出来る人・・・・・・)
ふと考えながら辺りを見渡すと自然とスズに目が留まった。
正確にはスズの髪の毛の色にだ。
(・・・・・・・・・・・・いたー!よく考えればあの人ステラの世話係でも時間取れるから行けるかも。)
タカトシはすぐにでも電話をしたかったがあいにくと学校で携帯電話は使えないのである。
近日中に校則が改善されるかもしれないとのことで少し心待ちにしているのだが。
「そんで俺にわざわざ電話してこっちに来たってわけね。」
「すみません、お時間取らせてしまって。」
タカトシが今いるのはオオカミの家。
今はステラと夏輝、そして緒方である。
洋の方はただいま荻さんと捜査中、遥はベッドで療養中(朝足を滑らして全身骨折)。
「それにしてもタカちゃんが高校生か・・・・・18だけど高校に通っていても何らおかしい話じゃないね。」
「まぁ、俺も探偵業するんだったらせめて高校出ていた方がいいって因幡さんから言われましたし。」
「洋はおせっかい好きだなー。それじゃあ勉強始めようか。」
「よろしくお願いします。」
タカトシは緒方に英語を教えてもらった。
お礼として世界の犬図鑑を渡して大いに喜ばれた。
そしてテスト結果発表日まで時間は過ぎる。
二年生中間試験総合成績順位でシノが1位、アリアは6点差で2位になっていた。
「まぁこんなものか。」
「あーあ、またシノちゃんにトップとられちゃった。こっちのトップはシノちゃんより上なんだけど。」
そう言いながらアリアは自分の胸を見る。
「あはははは、アリアは面白いことを言うなー。なぁ?」
どこか遠い次元を見ているまなざしで同情の言葉を投げ掛けるシノ。
「ツッコめない案件振らないで。」
昼休みの時間、成果改質では会議が行われていた。
「来週は高総体か。行事が多くなると忙しくなるから気が滅入るな。」
「俺は祭り好きですよ。会長は学園のイベントで好きなものないんですか?」
タカトシにそう言われ少しシノは考えると答えた。
「学校を遅刻しまいと走っていると曲がり角で運命の人にごっつんこ。」
「それギャルゲーだけだよ。」
「パンを咥えてが抜けてるわ。」
「アンタらの方がいろいろ抜けてるよ。」
では改めて考えて答えを出す。
「悪役が倒されたが、だがそれは四天王の内に一人で実は小物だったのだ。」
「ゲームありきたり展開!もはや日常でも何でもなーい!」
「ラスボスのチラ見せもしないとね。」
「パーティー会場の外で剣舞をしている婚約者がーーーー」
「ふざけすぎて意味わかんないよ!」
(津田がいるとすっごい楽。)
タカトシの隣で食事をしているスズはすごく楽していた。
「そのお弁当、会長が自分で作ったんですか?」
ふとタカトシはシノの弁当を見る。
「ああ。」
「おお、本当に何でもできるんですね。」
「そうだな。口だけの安い女になりたくないからな。でも、お高く留まっても鼻について嫌な感じだな。と言うわけで、手ごろな女を目指している。」
「言葉選んで!いろんな意味で自分の価値ダダ下がり!」
「俺の弁当昨日の残り物が大半だよ。」
「学校に持ってくるお弁当ってそんなもんでしょ。」
タカトシの言葉にスズが反応するとアリアも反応する。
「そうねー。私のお弁当も残り物よ。」
そう言いながら箸でつまんでいるのは厚さ2cmはあるステーキ肉である。
(残り物とは、一体・・・・・)
タカトシとスズはその答えを求めている。
シノはお茶で口の中をゆすいでから話した。
「昼食時に集まってもらったのは他でもない、二階の使用していない教室の整理をお願いしたい。その教室内の備品を各関係教室に運ぶこと。昼休みに三日かけて行う。大変だがよろしく頼む。」
空き教室への移動中、雉の鳴き声が聞こえる。
「あ、雉だ。小学校に頃とか学校で飼ってましたけど流石に高校じゃないか。」
「私としてはありがたいわよ。」
「どうして?」
「私、動物嫌いだし。」
「またまた―。」
アリアがスズのほっぺを突く。
「なんですか?」
「だってよく動物のイラストがプリントされた下着はいてくるし。」
アリアに言われてスズは暴れる。
「でもそいう割に萩村動物飼ってるじゃん。もしかして、犬?」
「・・・・・・なんでわかったのよ。」
「たまに萩村の服に毛が付いてたからさ。白みがかった金色って言ったらいいのかな?明らかに萩村の髪色じゃないし、それにそんな髪の生徒学校にはいないと思ったのと、よく足の方に毛が付いてたから。」
「よく見てるわね・・・・・・それもバイトの経験?」
「まぁそんなところ。」
そして一同は使っていない空き教室に入る。
中には段ボールがびっしり入っていた。
「結構ありますね。」
「よし、取り掛かるぞ。」
一同行動を始める。
タカトシに関しては中に入っているものを確認してダンボールに書いておく。
引っ越しの時にもこうしておけば中に何を入れたかもわかる。
「結構見た目より重いわね。」
「そう言うのは俺がやっておきます。」
そう言うとタカトシは重い荷物を持って運ぶ。
「力仕事だったら任せてください。」
「ならばその力を貯めさせてもらおう。」
そう言うシノは廊下の前で仁王立ちしていた。
「今日の私は重い日だからな。」
「別の意味で重いよ!」
シノと並んで歩いているタカトシ。ふとタカトシの方から話しかける。
「会長ってなんでも完ぺきにこなせそうですよね?」
「私だって失敗談はあるぞ。あれは中学の英語の試験お出来事だった。」
鉛筆を英語で答えろと言う問題で持っていたシャーペンにpencilと印字されていた。
「戒めとしてその問題だけを空欄で出した。」
「まじめすぎるのも問題ですね。」
タカトシが生徒会室に入ると知らない女性がそこにはいた。
「?・・・・・うぃ!」
手を上げながら挨拶する女性にタカトシは困惑する。
「誰、関係者以外ココは立ち入り禁止よ。」
「・・・・・あなたこそ誰ですか?」
「私は生徒会担当顧問よ。よう、天草。」
シノがタカトシの隣に来て先生を見る。
「ココは関係者以外立ち入り禁止ですが。」
「あれぇ?」
「存在すら忘れらてるのか。」
「では改めて、私が生徒会担当顧問の横島ナルコよ。」
「そう言えば横島先生は生徒会の顧問でしたね。」
「全然来ないからすっかり忘れていたわ。」
「お前ら・・・・・」
尊敬も何もされていない横島は落胆する。
「んで、あんたが新しい生徒会役員?」
「はい。津田タカトシです。」
そう言うと横島は舌を舐める。
その瞬間タカトシの防衛本能が働いた。
腕を回して近づこうとする横島に対しタカトシは右手でチョキを作るとそのまま目を攻撃する。
「目ぇええええええええええええええええええええ!」
見事なブリッジを決める横島。
「すみません。でもなんか似たような人・・・・・・・・・より別のベクトルで危ない感じがして、つい。」
彼女はある意味救われた。
彼を下僕にしようとするあの人がこのことを知れば確実に心臓に一発を入れていただろう。
翌日の生徒会室では相変わらず豪華なアリアの弁当に津田は驚かされていた。
「相変わらず七条先輩の家のごはん豪華そうですね。」
「でも私、高級料理より庶民じみた物の方が好きなんだけどね。特にアワビは苦手ね。」
「へー。」
「共食いしている気分みたいだから。」
「全世界にいるアワビに謝りなさい!」
昼食が終わりふとタカトシは身の上話を話し始める。
「そう言えば俺の通っていた小学校なんですが廃校が決まったそうです。」
「私の通っていた小学校も学年が二クラスしかなかったらしいわ。」
「この少子化問題、我々生徒会も出来る限りのことをやろう。」
「将来性行為をする時は、常に中出しだ!」
「・・・・・・・・・・問題点はそこじゃないでしょ。」
タカトシは溜息を吐く。
現実問題とすれば派遣社員制度による住所定着の不安定化、そして保育園の少なさ差問題視されている。
派遣社員制度に関しては政府が汚してしまっているので正社員登用があるという話を持ち掛け使いつぶされる話がある。
派遣社員制度は本来契約なのだが、今の法律で契約過ぎたら再度契約すればまたは県としてその会社に使われるという話である。
更に保育園の数もある。
保育士の数が少ないのもあるが保育園を作るに当たって住民からの反対運動が大きい。
子供の声がうるさいと言う人たちが多いからだ。
なので子供を作ったとしても保育園に預けられず仕事も出来ないなどと言った話もある。
何より問題としてどっちも給料が低いと言うのがあって難しい問題である。
夜遅くアリアは下校している。
周りに人はおらず、こつこつと自分の靴の音だけが聞こえるが不意に後ろを振り向く。
しかしそこには誰もいない。しかしよく目を凝らせば誰かがいたがその人はすぐそこの曲がり角で曲がって行った。
翌日、アリアはそのことを生徒会室で話していた。
「後ろから近づいてくる音ってドキドキしちゃうわよね。」
『そうですねー。俺もオナニーしているとき近づいて来る足音にドキドキします。』
そんな妄想をした目でタカトシを見るシノ。
「何考えてるかわかってしまう自分が悲しいです。」
そして三日目の整理の日。
「流石に校舎内の間取りは覚えたな?」
「はい。そう言えば俺の妹も来年ココを受験するんですよ。」
「17か?」
「いえ。いま15です。三つ歳離れてるんで。」
倉庫につけば各自着々と作業を進行させる。
「一応聞くが、脳内設定の妹じゃないよな?」
「殴りますよ?」
廊下で掃除道具を持ち歩くシノとアリア。
「シノちゃん、昨日のドラマ見た?」
「うん。主人公の母親が実子でなかったというのは衝撃だった。まぁ、ああいった驚きの出征の秘密はドラマに限るな。実際にあったらさぞかし辛いことだろう。」
「あら、私は実際に出征に秘密聞かされたわよ。」
「ん?」
「私が種付けされた時、青姦だったんだって。」
「アウトドア派なんだな。」
「ナチュラルに言える家族関係にツッコめよ!」
二人の後ろにいた津田はツッコミを入れた。
「よっ!」
ぽよん
「よっと!」
ぽよよん
「「おおー!」」
体育倉庫の高いところにアリアが勢いをつけておく度に胸が揺れる。
その光景にシノとスズは声を上げる。
「どうかしたの?」
「いや、重そうだなって。」
「ああ。」
ところ変わって廊下で多くの荷物が入っている荷物を運ぶアリアにタカトシが声を掛ける。
「重いなぁ。」
「先輩、俺が持ちますよ。」
するとアリアは自分を抱きしめて顔を赤くする。
「ええ、セクハラだよ!」
「それはこっちのセリフだよ!」
そして何とかみんなで頑張って整理と掃除が終了した。
「よし、片付いた。皆ご苦労。今日はみんな自由に過ごしていいぞ。」
「お礼にお菓子を持ってきたぞ。」
そう言うと横島はお菓子の入ったビニールを出す。
『・・・・・・・・』
皆が驚いた反応に横島は目を点にする。
シノが代表していった。
「なんで先生っぽいことしているんですか?」
「先生だよ。」
生徒に手を出す人は教師ではなく狂師であるがな。
生徒会室でタカトシたちはお菓子としてもらった饅頭を食べていた。
茶をすするシノが眉間をほぐしながら言う。
「最近ドライアイに悩まされて困っている。」
「目薬とか差したらいいんじゃないです?」
「確かにそうなのだが、少し怖くてな。」
「へー、目に入れるのがですか?」
「いや、ラブジュースを掛けられると思ってな。」
「アンタはいろんな意味で目の病院に行きなさい。」
タカトシの隣でスズはスペイン語の勉強をしていた。」
「萩村、フランス語の勉強?」
「ええ、高校を卒業したら留学しようと思ってるの。英語の他にもイタリア語とスペイン語と五か国話せるわ。」
「ロシア語は?」
「まだ話せないけど、なんでロシア語?」
「知り合いにロシアの子がいてね。日本語堪能に話せるけど風邪ひいているときとかロシア語で話してたから。」
「へー。今度会ってみようかしら?」
「保護者の方が時間取れるか怪しいね。まぁ聞いておくよ。」
「さて、私たち二年生は明日から修学旅行だ。生徒会長である私が学校を離れるのは不本意ではあるが、行事への参加は生徒の義務だ片仕方がない。」
そう言ってシノはマジックでカレンダーに書く。
言葉では毅然としているが文字が心が躍ってる事を証明していた。
(隠せてないよ・・・・・・・・)
「その感性と回は君たちに任せる。」
「「はい。」」
夕方の帰り道、タカトシとスズは並んで歩いていた。
「会長って子供っぽいところあるよね。」
「そうね。大人っぽい女性が子供っぽい一面を持つと愛らしく思えるわよね。なのに、子供っぽい人が大人っぽい行動を取るとなんで小生意気に思えるのかしら?」
「別に思ってないよ。それに、大人げない大人見たことあるし。」
「どんな人よ?」
「ハロウィンに子供にお菓子をあげないでいたずらしろって言って泣かせる大人。」
「・・・・・・・・・マジ?」
「マジ。ちなみにその人事務所の元社長。」
そして翌日の新幹線。
桜才学園二年性は京都への修学旅行に行っていた。
新幹線の中でアリアの向かいに座っているシノは修学旅行のしおりを抱きしめて眠っていた。