遊戯王Cruel 猟奇的殺人デュエルと少年少女の破綻 作:胡麻野すり子
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路地裏を駆ける。
そんなボクらを阻むように、汚い男が鉄パイプを振りかぶる。
それに反応して、【クオリアーク】が触手で男をふっとばす。
「うーん……異様にしぶといな」
赤黒い触手にふっとばされた男が、痛がる素振りもなく再び突進してくる。
それなりの力で【クオリアーク】は攻撃しているはずなのだが、まったく手応えがない。
まるでゾンビの相手をしてるみたいだ。
「か、廻理さん……!こいつら……全然倒れません……!」
どれだけ殴られても倒れる気配のない浮浪者たちに、ベニアちゃんが驚いたような声を出す。
「だね。普通なら立っていられないはずなんだけど……」
うめき声を漏らしながら、汚い男たちは立ち塞がる。
その目には理性がなく、ただ虚ろに襲いかかってくる。
「なるほど、これは……
懐から1枚のカードを取り出し、迷わずディスクにセットする。
「この子を使って、試してみるかな」
すると、ボクの腕に巻き付くようにして、1匹の蟲が現れた。
それは、毒々しいほどに青い甲殻に包まれた、百足みたいに細長い寄生虫。
「やって、【寄生虫パラノイド】」
近くにいた浮浪者へと腕を伸ばせば、パラノイドは勢いよく飛びつく。
その勢いのまま、寄生虫は小汚い浮浪者の口から体内へと侵入していった。
「うぼぁっ!?う、うばぁぁっ!!」
パラノイドに侵入された浮浪者が、驚いたような、あるいは苦しそうな様子を見せる。
どうやら、体内で寄生虫が暴れまわっているらしい。
それを表すように、男の喉や腹が不自然に盛り上がったり凹んだりを繰り返す。
「うばぁぁぁああぁぁっ!?うばあぁぁぁ!?!?」
「さて、どうなるか……」
浮浪者が痙攣を始め、苦しそうに上を向く。
喉の肉が大きく膨れ、開きっぱなしの口から寄生虫の青色が覗いた。
ギチギチと軋む音がして、小汚い男から蟲が這いずり出す。
『キシャァアァァァァァァァァァァァァァァアァァァ!!』
甲高い鳴き声が、路地裏に響いた。
男から出てきたのは、パラノイドと、もう1匹。
それは、肌色のぶよぶよした触手の怪物だった。
先端に赤い目を持ち、地面の上で蠢く気色悪い怪物。
そんな怪物は体液でぬめる身体を捩り、悲鳴に似た鳴き声を上げていた。
「な、な、なな、なんですかコレぇ……!?」
「見たところ……【精神寄生体】だね。モンスターだよ」
地面でのたうち回る怪物に、ボクは見覚えがあった。
こいつは【精神寄生体】。
レベル2、闇属性、悪魔族のモンスターだ。
「なるほどねぇ。コレを取り憑かせて操ってたわけか」
虚ろな目の浮浪者たちを眺めて呟く。
通りでクオリアークの攻撃を食らっても立っていられるわけだ。
この浮浪者たちの肉体は、完全に精神寄生体の制御下にある。
寄生され、操られているから、何度でも立ち上がれる。
恐怖や痛みを全部無視して身体を動かされていたから、絶対に倒れない。
『キシャァァァァァアァァァァァァァ!!』
「おっと危ない」
せめてもの抵抗だろうか。
精神寄生体が奇声を上げて襲いかかってくる。
「
命じれば、クオリアークは赤黒い触手で精神寄生体を捉え、そのまま、凄まじい力で締め上げていく。
『キィ……キ、シャァ……キィアァァァァァァァァァァァ!?!?』
ブチブチという音と共に、精神寄生体は悲鳴を上げて……
やがて気色悪い寄生体は引きちぎられ、無残な肉片と成り果てた。
「か、廻理さん……!モンスターがいるってことは、もしかして……!?」
なぜモンスターが実体化しているのか?
その謎の答えに。
「うん、間違いない。相手はサイコデュエリストだね」
実体化したモンスターがいるということは、つまり
この度の標的である『殺人犯』は、サイコデュエリスト。
カードの力を自在に操る化け物が、ボクらの相手というわけだ。
「か、廻理さんと同じ……サイコデュエリスト……!」
相手がサイコデュエリストだと分かったからだろうか。
ベニアちゃんが怯えたように、ボクの服の袖を掴んでくる。
「あはは。とはいえ珍しい話じゃないさ。
こっちの世界には、サイコデュエリストなんてうじゃうじゃいるからね」
「えっ………!?」
「裏デュエル界は、マトモな世界で生きてられなくなった人間の終着点だ。
サイコデュエリストなんて化け物は、基本的にこっちに堕ちてくるんだよ」
この社会において、デュエルは日常に深く食い込んでいる。
デュエルは遊びとして、コミュニケーションとして、そして人生として、人々に浸透しているのだ。
そんな状況で、カードを実体化させ、人を容易に傷つけられる存在がいたら、どうなるだろうか?
間違いなく迫害される。
普通の世界において、サイコデュエリストなんてモノは害獣でしかないのだ。
「っても、そーゆー天然物のサイコデュエリストは珍しいけどね」
「…………天然物…?」
「あれ?知らなかった?『人造サイコデュエリスト』のこと」
聞いてみれば、ベニアちゃんはきょとんと首を傾げた。
あぁ、なるほど。説明されてないのか。
「えーとね、裏デュエル界にはサイコデュエリストを人造的に作る技術があるんだよ」
「え、えぇぇぇぇっ!?そんなことができるんですか!?」
左目を見開いて、ベニアちゃんが驚愕する。
それを見て、ボクは困ったように頬を掻いた。
「まぁ、さっきも言った通り、裏デュエル界には行き場を失ったサイコデュエリスト達が何人もいるからね。
でもって、こっちの世界には倫理観なんてモノがないんだ」
世にも珍しいカードを実体化させる異能者と、倫理観ガン無視のクズ共。
それらが組み合わさった時に起こることは、ただ一つ。
「そりゃあ、とりあえず実験するし、解剖もするよね」
そう。裏デュエル界で起こったのは、凄惨な人体実験だ。
こっちの世界にはタブーなんてない。だから、どれだけ冒涜的なことでも躊躇いなく実行された。
それによりサイコデュエリストの研究はとてつもない速度で進められた。
「で、人体実験の結果、サイコデュエリストの原理はおおよそ解明された。
そして解明されたから再現が可能になった」
「………それで、人造サイコデュエリストが生まれたんですか……?」
「うん、その通り。人為的にサイコデュエリストを造る技術が確立されたからね。
だから裏デュエル界には結構いるんだよ、改造手術で作られたサイコデュエリストがさ」
実際、『孤児院』のメンバーは全員がサイコデュエリストだ。
そして、その大半が後天性の人造サイコデュエリストだったりする。
ボクだって『孤児院』に買い取られた際に改造されてサイコデュエリストになったクチだ。
「ほへぇ………なんというか……スゴイですね」
「他人事みたいに言ってるけど、キミもだよ」
「えっ」
「キミも改造されてサイコデュエリストにされてるんだよ」
「えぇっ!?なんで!?いつの間に!?」
あぁ、やっぱり説明されていなかったのか。
「昨日、傷を治すために手術したでしょ?」
「は、はい…」
「そのタイミングで、ついでにサイコデュエリスト化の改造手術もされたんだよ」
「な、なにやってるんですかー!?」
ちくしょう『ドクター』め。
事後でもいいから患者にはちゃんと説明してほしかったなぁ。
「えぇ……ということは、あたしにも勝手にカードを実体化させる力が……?」
「だね。適当にモンスターを出してみるといいよ」
これも新人研修の一環だ。
まだ彼女にはカードを実体化させる感覚がないだろうし、そういう部分も教えておきたい。
「えーと、デュエルディスクの上に置けばいいですかね……?
じゃあ……来て、【セグメンタル・ドラゴン】」
どこか慣れた手付きで、ベニアちゃんがデュエルディスクの上にカードを置く。
すると空間にノイズが走り、コードを靡かせた電子の竜が出現した。
「わぁ……すごい…!ホントに、出ました……!」
召喚されたセグメンタル・ドラゴンを眺めて、ベニアちゃんが目を輝かせる。
好きなカードが実体化できて、ワクワクしているのだろうか?
「あははっ。じゃあ一緒に、浮浪者たちを倒してみよっか」
言いながら鉄パイプで殴りかかってきた浮浪者を蹴り飛ばす。
このしぶとい連中には飽きてきたところだ。
ここはひとつ、ベニアちゃんにも手伝ってもらうとしよう。
「は、はい…!えーと……じゃあ、お願い!セグメンタル!」
ベニアちゃんが指示を出せば、下僕たる電子竜は小さく頷き、淡い光を纏い始める。
…………ん、待てよ?セグメンタル・ドラゴンの効果は確か……!?
「「あっ」」
瞬間、電子の竜は炸裂し、路地裏は眩い電光に包まれた。
──────────────────────────────
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
爆発した雷電に吹き飛ばされ、ボクたちは転がりながら路地裏の奥へとなだれ込んだ。
どうやらボクらの攻撃力は2600以下だったらしい。
電撃に焼かれ、肌全体がヒリヒリと痛む。
吹っ飛ばされた際にできた擦り傷と打撲も痛い。
(浮浪者諸君は……もう大丈夫か)
周りの浮浪者たちは、セグメンタルの衝撃で動かなくなっている。
死んだ……というわけではなく、電撃で体内にいた精神寄生体が焼き切られたようだ。
かなり手荒ではあるが、精神寄生体が死滅したことで、彼らは解放されたらしい。
「いたた……大丈夫?ベニアちゃん」
「な、なんとか…………」
側に転がってるベニアちゃんに手を差し出す。
彼女はボクの手を掴んで、ふらつきながらもどうにか立ち上がった。
「うぅ…………すいません……」
「いいよ、吹っ飛ばされたなお陰で、奥まで来れたし」
結果オーライというやつだ。
だったらちょっとの負傷くらいなんてことはない。
「────あっ」
ふと、ベニアちゃんが声を漏らした。
その視線の先を、ボクも追う。
路地裏の最奥に広がっていたのは、凄惨なレイプだった。
高校生くらいだろうか。
茶色い髪の可憐な少女が裸に剥かれ、汚い男たちに群がられている。
男たちは少女が抵抗できないように四肢を掴み、その白い肌を舐め回し汚い唾液で穢していく。
少女の秘所と後ろの穴には男性器が深く突き刺さっており、白濁した粘液がナカで不快な音を立てている。
結合部からは赤色が滲んでおり、その色彩は少女がつい先程“はじめて”を奪われたことを意味していた。
彼女の瞳は虚ろで、頬は涙で濡れている。
表情は絶望で染まって、悲鳴も出せないほどだった。
少女の尊厳が貶められている。
処女を散らされ、みずみずしい双丘を揉みしだかれ、身体の内も外も汚されて。
ただグチャグチャに。惨めに。
美しかった少女が、下卑た欲望に汚されていた。
「ッ!なんで、こんな……ッ!」
強姦されている女子高生を見て、ベニアちゃんが声を漏らす。
その声を横切り、ボクは地面を蹴って男たちに近づき、その顔を思い切りぶん殴った。
「ヤなもん見ちゃったよ、ホントにさ」
少女の舐めしゃぶっている浮浪者の髪を掴んで引っ剥がし、少女に挿入している男どもを蹴り飛ばす。
操られている彼らには悪いことをしたとは思う。
が、そんな悠長なことをいってる場合でもない。
「大丈夫……じゃないな、これは」
汚い男たちから少女を解放したが、彼女の受けた心の傷はかなり深いようだ。
もう身体を動かす気力もないみたいで、少女はべしゃりと地面に倒れ伏した。
「……………ごめんね」
羽織っていたカーディガンを脱いで、そっと少女にかけてあげる。
別にこんなことをしても、なんの意味もありはしない。
けれど、彼女の裸体をこれ以上晒すのは、どうにも我慢ならなかった。
「うばぁぁ………うばああぁ……!」
うめき声と共に、汚い男たちが立ち上がる。
その腕にはデュエルディスク。
どうやら、やる気らしい。
「いち、に、さん………5人か」
男の数は5。
ボクひとりでどうにかなるか。
面倒だが、相手してやるとしよう。
「あ、あの……あたしも手伝ったほうが……いい感じですかね…?」
デュエルディスクを構えたところで、ベニアちゃんがおずおずと聞いてくる。
おっと意外だ。とはいえ、このタイミングでその行動はかなり助かる。
「マジで?手伝ってくれるんだったら、お願いしちゃおっかな」
流石に一気に5人を相手にするのがしんどい。
ベニアちゃんが何人か相手してくれれば、とても助かる。
「りょ、了解です……!」
「ありがとね。それじゃあ……2人お願いしようかな」
ベニアちゃんがどんなデュエルをして、どれくらい強いかはおよそ分かってる。
彼女なら、2人をいっぺんに相手取っても勝てるだろう。
「2人……が、頑張ります……!」
「頼むね。期待してるよ」
「うぅ……プレッシャーが………」
気負っている様子だが、まぁベニアちゃんは大丈夫だろう、たぶん。
そういうわけで、ボクは浮浪者3人に向き直り、ディスクを構え直す。
「操られてるキミたちには申し訳ないけど……やる気だってのなら叩き潰すよ」
「「「うばぁぁあ………!!」」」
虚ろに男たちが揺れる。
その目に理性はない。
どうせ内部に【精神寄生体】をぶち込まれてるのだろう。
可哀想とは思う。
だからさっさと、デュエルで解放するとしよう。
「「「「───────
──────────────────────────────
「ボクの手番は………げぇ、一番最後か」
嫌だなぁ。バトルロイヤルルールは最初の手番のプレイヤー以外は普通に攻撃できるからなぁ。
こういう多対一の状況だと袋叩きにされるから、一番最後は避けたかったんだけど……
「お、おぉ…おでの、ターン……!」
なんて、そうこうしているうちにターンが始まる。
操られているから、汚らしい男はぎこちなく宣言をした。
「お、【おろかな埋葬】をぉ……はつ、発動…!
デッキ、から、ぎ、ぎぎぎ……【ギガプラント】をぉ……墓地に送る…!
そしてててて……お、【思い出のブランコ】を、は、発動……墓地の【ギガプラント】を、特殊召喚するぅ…!」
ギガプラント
レベル6/ATK2400
巨大な植物の化け物が現れる。
ふむ、【ギガプラント】か。
植物族デッキの代表的なカードの1枚だね。
(【ギガプラント】が出てきたってことは……まだ動く気だな)
「……【ギガプラント】を再召喚しししし……効果発動…!
手札から植物族モンスター、おぉお【
桜姫タレイア
レベル8/ATK2900
桜の蕾が開き、その中から美しい女性が姿を見せる。
和風の装いの、麗しいお姫様だ。
「【桜姫タレイア】の攻撃力は、自分フィールドのしょしょしょしょ、植物族の数かける100ポイント、アップするぅ…!
おおお、ぉ、おでは、たた、ターン、エンド……!」
桜姫タレイア
ATK2900→3100
汚らしい男A
場:ギガプラント
桜姫タレイア
手札:2
伏せ:0
「おでのターン……どどど、ドロー…!
てて、【手札断殺】……!すべてのプレイヤーは、てて、手札を2枚捨て……2枚ドロー、す、するぅ…!」
「へぇ、いいね。それじゃあボクも、手札2枚を交換させてもらおうかな」
全員が手札を2枚捨て、デッキから手札を2枚ドローする。
手札が事故ってたのか墓地肥やしをしたかったのかは知らないけど……
………うん、この場合は中々の悪手だったね。
「あはっ!墓地に送った【ゴキポール】の効果発動!
デッキからレベル4の昆虫族をサーチし、それが通常モンスターなら特殊召喚できる!
ボクが手札に加えるのは、通常モンスターの【G戦隊 シャインブラック】!よってこのカードを特殊召喚するよ!」
G戦隊 シャインブラック
DEF0/レベル4
「特殊召喚後、【ゴキポール】のさらなる効果が発動!
この効果で特殊召喚したモンスター以上の攻撃力を持つモンスターを破壊するよ!
さぁて、【桜姫タレイア】にはご退場願おうかな!」
爆発と共に、黒光りするスーツに身を包んだ戦士が颯爽と登場する。
そのまま【シャインブラック】が手元のデバイス的ななにかを弄り、ポーズを決めたとかと思えば……
『ハァァァァァァァァァァッ!!』
【シャインブラック】が天高く飛翔し、勢いをつけて【タレイア】に飛び蹴りをぶち込んだ。
ゴキンッ!メキャァ!
蹴り込まれた首から、骨がへし折れる小気味よい音が鳴る。
そして【シャインブラック】の足は桜の姫の喉元をぶち抜き、美しいその首を刎ね飛ばした。
『グッ!』
惨殺された【タレイア】が大爆発を起こし、赤い炎の中で【シャインブラック】がサムズアップする。
「グロいよ、ヒーロー」
よくやったとは思うが、明らかにヒーローの
「お、おぉぉぉお、おで、おでは……【ローンファイア・ブロッサム】を、つつ、通常召喚…!
そそ、そのまま、効果発動……!【ローンファイア・ブロッサム】をりり、リリースし、デッキから植物族モンスター、ぎぎ、ぎ、【ギガプラント】を、とと、特殊召喚…!」
【シャインブラック】とバカなやり取りをしている間に、汚らしい男がプレイングを続行していく。
現れるは、先程の男も使用した、巨大な植物の化け物だ。
「おっと、動いてくるか……!
なら、【増殖するG】を手札から捨てて効果発動!
キミが特殊召喚を行う度にドローするよ!」
【ギガプラント】が出現すると同時に、路地裏からカサカサと音が聞こえ出す。
その音の正体である黒光りする害虫は、夜闇に紛れてカードを1枚運んでくれた。
「てて、手札から装備魔法……すす、【スーペルヴィス】を、ぎ、【ギガプラント】に装備…!
【ギガプラント】を、ささ、再召喚扱いとし、しし……効果、発動ぅぅ……!
墓地から植物族モンスター……よ、【妖精弓士イングナル】…を、と、特殊召喚ん…!」
【ギガプラント】の身体をかき分け、中から弓を持つ少女が現れる。
それに合わせて、デッキから1枚ドローする。
妖精弓士イングナル
レベル6/ATK2400
「【妖精弓士イングナル】の、こここ、効果発動…!
植物族の効果で、特殊召喚されたとき……ぼ、墓地の、レベル6以上の、しょしょ、植物族モンスターを、しゅ、守備表示で特殊召喚…するぅ…!
ぼ、ぼぼ、墓地の【妖精王オベロン】を、とと、特殊召喚ん……!」
妖精王オベロン
レベル6/DEF1500
妖精の弓士が呼ぶは、妖精の王。
さっきの【手札断殺】で墓地に落としたカードか。
(へぇ、無駄のない動きじゃないか……)
少し関心しつつ、【増殖するG】の効果で1枚ドローする。
「お、おお、【オベロン】が守備表示で、そそそ、存在するとき…自分フィールドの、植物族の攻守は……ご、500ポイント、あ、アップするぅ……!」
ギガプラント
ATK2400→2900
妖精弓士イングナル
ATK2400→2900
妖精王オベロン
DEF1500→2000
「ば、バトルぅ……!
ぎぎ、【ギガプラント】でぇ…【シャインブラック】を攻撃、ぃぃ…!」
「残念!手札の【寄生虫パラノイド】の効果発動!
このカードを【ギガプラント】に装備するよ!」
黒光りの戦士を屠ろうと動き出す【ギガプラント】に、青い蟲が寄生する。
すると、植物の化け物は苦しみだし、その動きが停止した。
「【パラノイド】に寄生されたモンスターは昆虫族になり、昆虫族を対象とした効果は無効化され、そして昆虫族を攻撃できなくなる」
「………【妖精弓士イングナル】は……特殊召喚した、たた、ターンには、攻撃できないぃ……
た、たたた、ターンエンドぉ……」
汚らしい男B
場:ギガプラント
妖精弓士イングナル
妖精王オベロン
手札:3
伏せ:0
さてと、これで2人。
残すはあと1人のターンだ。
「お、おでのぉ……ターンん…どど、ドロー…!
まま、魔法カード、【ワン・フォー・ワン】を、はつ、つつ、発動ぅ…!
手札のモンスターを、い、1枚捨てて……デッキか、から…レベル1モンスター……【コピー・プラント】を特殊召喚ん…!」
「手札の【応戦するG】の効果を発動。
相手が特殊召喚する効果を含む魔法カードを発動したとき、このカードを特殊召喚するよ」
コピー・プラント
レベル1/チューナー/DEF0
応戦するG
レベル4/DEF1500
「フィールド魔法……【
このカードの効果によりぃぃ…レベル5以上のデュアルモンスターの、りり、リリースをなくしぃ…【ギガプラント】を通常召喚ん…!
さささ、さらに【化合電界】の効果ででで、【ギガプラント】をさささ再召喚ん……!」
「どいつもこいつも【ギガプラント】を出して……」
またこいつか。
まぁ、チューナーの【コピー・プラント】を出した時点でもう少し動くとは思っていたが。
「ぎぎぎ【ギガプラント】の効果発動ぅ……!
手札から植物族の、ばばば、【バラガール】をを、特殊召喚…!」
バラガール
レベル3/DEF600
「こ、【コピー・プラント】のここ効果発動ぅ…!
フィールドの植物族モンスター…【バラガール】の、れれ、レベルをコピーするぅ…!」
コピー・プラント
レベル1→3
「ぉぉおぉ……れ、レベル3の【バラガール】ににぃ…【コピー・プラント】をチューニングぅ…!
シンクロ召喚ん…!レベル6…【ヘル・ブランブル】…!」
ヘル・ブランブル
レベル6/2200
「げぇ……地味に厄介なのが出てきたな……」
【ヘル・ブランブル】……花で作られた白い女を見てぼやく。
あのカードの効果は、手札から植物族以外を出す場合のライフコストの強要だ。
1体出すだけで1000ものライフを要求される。
でもって、当然ボクのデッキに植物族はいないわけで。
「とはいえ、今は攻撃を凌ぐほうが先か……!」
思考を切り替え、動こうとする植物どもを見据える。
「ばばば、バトルぅ……!
【ギガプラント】でぇ……【シャインブラック】を攻撃ぃ…!」
巨大な蔦が振り抜かれる。
対して黒光りの戦士は勇敢に立ち向かうが……
『グバァァァ!?』
哀れ。【シャインブラック】は蔦によって真っ二つにされ消滅した。
「へ、へへ、へ【ヘル・ブランブル】でぇ……【応戦するG】を、攻撃…!」
「おっと、破壊された【応戦するG】の効果発動。
デッキから攻撃力1500以下の地属性・昆虫族を手札に加える。
ボクは【クローラー・グリア】を手札に加えるよ」
【ヘル・ブランブル】に潰された虫が、死に際にカードを持ってきてくれる。
うん、最大限のリカバリーはできたね。
「……たたた、た、ターンエンドぉ…!」
汚らしい男C
場:ギガプラント
ヘル・ブランブル
手札:1
伏せ:0
「ふぅ……終わった、終わったっと」
一息ついて、周囲を見渡す。
場には合計3体の【ギガプラント】と、多彩な植物族。
「さてと、手札も増えてるし……さっさと倒しますか」
手札を確認して、デッキに指をかける。
まぁ、この男たちは本命じゃないしね。
操られている彼らには悪いが、このターンで片付けるとしよう。
「───あははっ!ボクのターン、ドロー!」
弾けるように笑い、カードを引く。
いざいざ、3キルといこうじゃないか。
読んで頂きありがとうございます!
少しばかり時間が足りなかったため、今回はここまでとなります。
次回、後編にて決着がつきますので、申し訳ありませんが、しばしお待ち下さい