ハルタは一定のペースで腰を動かしていた。
最近は慣れてきたようである程度の余裕もある。すぐにイッてしまうことはなくなり、自分だけでなくアンドロイドたちを満足させられるようになってきた。
ベッドがギシギシ鳴っている。
最初は外に漏れ聞こえるのではないか、心配で仕方なかったその音にも慣れた。
羞恥心がなくなったわけではないとはいえ、今は扉の前で誰かがこっそり聞いているかもしれないと考えると、少し興奮する。
慣れた結果、おかしな癖まで備わってしまったようだ。今は裸になることも躊躇わない。恥ずかしさは残ったまま、悪くない気分だと知ったのである。
全裸のハルタが腰を前後に振っていて、同じく裸である2Bの膣にペニスを挿入し、ペースを変えずにピストンしている。
柔らかい肉ひだに包まれて、擦りつけて動く度にくちゅりといやらしい音がする。
2Bは静かで声一つ漏らさなかったが小さく息を吐き、この時を楽しんでいる様子だった。
「はぁ、はぁ……2B、2Bぃ……」
「ん、何?」
「気持ちいい、気持ちいいよ……2Bは、いい?」
「ええ。でも私のことはいいから。ハルタに気持ちよくなってほしい」
「そんな……うんっ、んくっ、あはぁっ……!」
2Bが円を描くように腰を動かし始めて、ハルタが思わず声を大きくした。
淡々と動いていたはずの腰が止まってしまう。
予想外の刺激に苦しそうにも見える表情で、必死に耐えようとするハルタが手加減しようと動きを悪くするため、今度は2Bが主導権を握った。
ぐいんと腰が動かされて、引き継ぐようにしてペニスの出し入れが2Bの意思で行われる。自らの意思とは違って想定していない快感に襲われた。
ハルタの腰は完全に止まってしまい、体はぶるぶる震えている。
「2B……ちょっと、待って……!」
「待つの?」
「えっ、あっ、その……」
言われた通りに2Bが動きを止めた。
確実によがっていたはずのハルタも驚いてしまい、考えることもなく素直に従った2Bを見ると、自身も冷静になったようで気まずそうに視線をうろうろさせる。
止まった2Bが姿勢を変えずに振り返ってくる。よかれと思ってそうしたのに止められて、言葉にはせずとも少なからず動揺があったらしい。
考えて、ハルタは結局恥ずかしそうにしながらも言った。
「あ、えと、やっぱりやってほしい……かな」
「そう。わかった」
冷静に答えて2Bは再度動き出す。
少しだけ腰を動かすと、ペニスが刺さったその位置がぬちぬちと音を立て、彼を受け入れるために分泌する液体が絡みついている。
ハルタは動けず、2Bの動作に従ってくうっと情けない声を漏らした。
彼女たちの体は、ハルタを受け入れるために調整されている。彼を気持ちよくするために最善の状態を保っている。
淫らにひだが絡みつき、痛みを感じさせないよう柔らかく迎え入れる一方、出ていくのを嫌がるかのようにぎゅうっと締めつけてきて、挿入しただけで出してしまいそうなほど気持ちいい。
経験を重ねても、まだまだ余裕を得るのは先になりそうだ。
普段は自分のペースで動くのがほとんどで、彼女たちは受け入れるだけ。
初めて2Bに任せてみた結果、自分で動くのとは違って情けない声が出てしまう。
やけに力が抜ける。これはこれでいいものだとハルタは新たな刺激を覚えた。
「これは、気持ちいい?」
「えっ、あっ、うんっ。気持ちいい、よ……」
「そう……よかった」
淡々としたクールな声だが、以前とは何かが違う気がする。2Bの反応にほっとした。
ハルタはおもむろに彼女の尻を掴み、再び自ら腰を振り始める。激しくペニスが出入りし、彼女の尻に腰をぶつける度に肉がぶるりと大きく揺れた。
「はっ、はっ、はっ……! 2B、2B……くぅ!」
どれだけ必死に突いても喘ぎ声一つ漏らさないのは気になるものの、今はもう慣れた。
とにかく気持ちよくなればいいのだと繰り返し言い聞かせられていて、気にしないことに決めたハルタは乱暴にペニスを突っ込み、射精しようと急ぐ。
そろそろだ。もうすぐ出る。
そう思った矢先に部屋の扉がノックされた。
「ハルタ。ちょっといいか?」
「うわっ!? えっ、ちょっ……!」
聞こえたのはアネモネの声だ。
途端に緊張してしまい、当然のように腰が止まって、慌てふためいて返事に困ってしまう。
動揺するハルタだったが、深く考えずとも待ってもらえばいいだけだと気付いた。途中で終わるのは辛いが待ってもらうのはもっと辛い。しばらく離れてもらってもう一度訪ねてもらうのが一番いいが説明できるほどの余裕はない。
閉じられたままの扉に腕を伸ばして、届きもしない、外からは見えもしないのに掌を向ける。
待ってもらうためにハルタが声を発したまさにその瞬間、無情にもがちゃりと開かれた。
「ちょっと待っ――!」
「おや。ふふ、やはりそういうことだったか」
待たずに扉を開けて入室してきたアネモネは、おそらくそういった状況だろうと察した上で敢えて入ってきたのだろう。最中であった二人の姿を見てにんまりしており、扉を閉めてロックをかけると何も言わずに近付いてくる。
流石にこういった状況は初めてだった。ハルタは声も出せずにうろたえている。
「気にしないでくれ。私も同じ立場だからな」
「え、えー……あはははは。あの、そういうことだから、ちょっと……」
「言わずともわかっている。任せてくれ」
そう言ってアネモネは退室するのではなく、ずかずかとベッドに近付いてきた。
安堵したのも束の間、驚くハルタが反応するより早く、彼の背後に陣取って強く抱きしめ、すかさず耳に息を吹きかけた。
「うひゃいっ!? ってちがっ!? そういうんじゃなくて!」
「ん? 参加してほしいのではないのか?」
「違う! だ、だから、途中だから、ちょっと待ってほしくて……!」
「手伝おう。ん、もう少しだったのだな」
肌を撫でながら右手が下りてきて、そっと玉を握られる。
体はびくっと反応してしまい、2Bの膣に刺さったままのペニスはさらに硬くなっていた。
その光景をじっくり見下ろして、アネモネは微笑み、ハルタの耳元に唇を寄せて囁く。
「君が幸せになるのなら、私はどんなことだってする」
背筋がぞくぞくする。
それはハルタが人間で、彼女がアンドロイドだからだと理解している。しかしはっきりそう言われてしまうと胸にくるものがあった。
耳を舐められて力が抜け、ペニスは膣にきゅうっと締められていて、玉をふにふに、もう片方の手では乳首を撫でられている。
意識的なものがあった。断ることを許そうとしていない。どうあっても認めさせる気だ。
わかっていながら抗えず、ハルタはアネモネの囁きに頷きを返した。
「私も手伝うよ。構わないだろう?」
「はぁ、はいぃ……」
「ふふふ。たくさん出してやってくれ。その後は私が……な」
頬にキスをされて、優しく唇が押し当てられる。
そうしながらもアネモネの両手は玉と乳首を同時に転がしていて、ピストンを促すように腰をくいくいと押し当ててきていた。
我を失っていたハルタだが、彼女の腰に押されたことで目的を思い出す。
2Bは何も言わずに待っている。不満を抱いている様子もない。
再びハルタが腰を振り始めたことで、中断されていた彼女とのセックスが再開された。
じゅぽじゅぽと滴る液体を掻き出しながら、反り返るペニスで膣内を抉る。
相変わらず2Bの声はないものの、気付けば彼女もわずかに腰を動かしていた。ハルタを気持ちよくするために自発的に刺激を与えようとしている。
先程まで我慢していたのをすっかり忘れていた。ほんの少しの刺激でさえすぐに思い出し、直前まで達していたことに気付かずにはいられない。
再開してすぐにイクのは流石にいかがなものか。ハルタは思わず耐えようとしたが、目敏く気付いたアネモネが見逃すはずもなかった。
「なぜ我慢するんだ。気持ちよくなったらすぐに出してしまえばいい」
「ちょっと、流石に、今は……!」
「出していいんだぞ。いつでも好きな時に、好きなだけ」
指先で引っ掻くように乳首をこりこりされながら耳元で囁かれる。
どうしても力が抜けて腰が止まってしまうのだが、すかさず2Bが動き、大胆な腰使いでペニスの先端から根元まで深いストロークを行っていた。
「あっついちんぽ汁、おまんこの奥まで、どぴゅどぴゅっていっぱい出して……」
「うおおっ、ふおおぉ……!」
脳髄を蕩かすような声だった。囁いたのは銜え込んでいる本人ではなく、背後から抱きしめてくるアネモネなのだが関係ない。
びゅくっと思い切りザーメンを吐き出してしまい、ハルタは全身を震わせた。
気絶してしまいそうな衝撃だった。口の端からこぼれるようにして間抜けな声が出て、力強い射精を終えて途端にくたりとしてしまったハルタを、アネモネは愛おしそうに抱きしめる。
「はあっ、はぁっ、はぁっ……!」
「たくさん出したようだな。2Bのボディから漏れ出ているぞ」
言われて視線を向けてみた。
確かに尻を突き出したままの姿勢でいる2Bの膣から、ごぽりと精液が漏れ出てくる。
アンドロイドによって毎日射精しているというのに尽きることがない。自分のことながらどうかしているのではないかと思ってしまう。しかしそれで彼女たちが喜んでいるのも事実だった。
精を吐き出した直後の倦怠感に包まれながら、アネモネに抱きすくめられて体重を預けて、何も考えずにぼけっと2Bの裸体を眺める。
自身の劣情を思い切りぶつけても嫌な顔一つしない。それは他のアンドロイドもそうだ。その中でも彼女は特に感情を表に出さない。
何を考えているのかわからない。それでも彼女の方から求めてくれる。
考えてみれば不思議な関係だ。
ぼけっとしていると後頭部に押しつけられていた胸がむぎゅっとさらに強く押しつけられた。
思わず振り返るとアネモネが興奮した顔で見下ろしてくる。
ああ、そうだ。彼女の相手もしてやらなければ。
アンドロイドにも性欲があるらしいと知って、不思議に思いながらも難なく受け入れた。
彼女たちは以前から人間への奉仕に飢えていたようで、人間を守るために生まれながら人間に会うことを許されずに存在していた。会うことさえできない人間のために、自殺同然の作戦に逆らうこともできずに、人類の敵である機械生命体と戦ってきた。
ハルタと出会ったことで、もはや自分自身の衝動を抑えられなくなっていたのだ。
「はあ、ふぅ……ハルタ。次は、私だぞ」
「う、うん。おいで、アネモネ」
「あぁ、ハルタ」
痛いほどに抱きしめてくるアネモネに押し倒され、ハルタはすぐに次の行為を始めた。
感情が高ぶっていたのか、まるでレイプ同然であったが嫌がったりしない。求められるのは非常に嬉しいことだと自覚している。
ハルタはアネモネと繋がり、下から突き上げて、ふとこちらをじっと眺めている2Bに気付いた。
今日はやけに彼女の視線が気になった。