司令官とハルタはベッドで寝そべり、向かい合っていた。
司令官の腕枕にハルタが体を預け、正面から顔を覗き込まれている。
服は全て脱ぎ、裸。
どちらも一糸纏わぬ姿で見つめ合っている。
「……ママ」
ぴくん、と確かな反応。
喜びを抑えられない様子で司令官はにんまり微笑む。
ハルタの頬にそっと手を触れ、優しく撫でて、愛おしいと表情や手つきで伝えていた。
「ほら、おいで。もっと甘えていいんだぞ」
「うん……」
司令官の甘い声に導かれて、ハルタは彼女に身を寄せる。
胸元に顔を埋め、嬉しそうなため息を間近で聞いた。
初めは、彼女に気を使っての行動だった。「ママと呼んでほしい」と言われた時には驚き、理解に苦しんだものだが、そうして身を寄せ合うとその理由がわかる気がする。
ひょっとしたら寂しかったのかもしれない。
ただ傍に居る。それだけで嬉しそうな司令官に、ハルタは早々に警戒心を解き、素直に甘えることを受け入れるようになった。
アンドロイドたちに囲まれた生活はそれこそ甘えることが喜ばれる環境だ。
甘え上手になった、と言えば聞こえはいいかもしれないが、今や彼女たちが居なければ生きられない状態にまで堕落している。徐々に自己というものを作り替えられ、甘えることが当然という生物に成り下がった気がする。
それでも、司令官に抱き着くハルタは安堵していて、現状を嫌がっていない。かつての価値観を考えればどうしようもなくダメな自分だと思ってしまいがちだが、今の彼を否定する存在は皆無。
優しくも強く抱きしめ、頭を撫でられて、司令官の胸の中でハルタは至福を感じていた。
「ママのおっぱい触って」
「うん」
「ちゅぱちゅぱしてもいいから……んっ、ふっ」
言われるがまま、そっと支えるように手を触れて、指先がふにゅりとわずかに肉に沈む。
顔を動かしたハルタは胸の先端に口を触れた。誰に見られたこともなさそうな美しいピンク色。きれいだと思うと同時に、可愛いとも思う。
わずかに口を開き、そこを迎え入れる。
ちゅっ、と小さな音。唇で挟んで優しく吸い、舌で少しだけ触れてみる。
司令官は拒むどころか好意的に受け入れていた。ハルタの頭を撫で、我が子か、それとも恋人を想うように、微笑んで彼の行動を受け入れていた。
まるで全身から感情が溢れるかの如く。自分自身の制御すら叶わなくなる。
司令官は思わず声を漏らしていた。
「ハルタ……あっ、うんっ」
「んっ。嫌だった?」
「そうじゃない。ただ嬉しいんだ。君に求められていることが」
後頭部をわずかな力で押して、再び胸に顔を押し付ける。ハルタは応えて、乳首に吸い付いた。赤子がそうするようにちゅーちゅーと吸い、司令官は恥じらいもせず堂々と受け入れる。
痛みを与えないよう気をつけていたが、一方では強く抱き合い、肌がぴったりくっつく。
司令官の笑みはさらに深いものに変わった。
屹立したペニスがぐっと押し付けられている。肌に触れるだけでその硬さがわかった。
司令官の手が静かに下へ伸びる。
彼のペニスを握り、初めての感触に驚きながらも、慈愛に満ちた表情で彼の顔を見つめる。
「ふふふ。ママのおっぱいでおちんちんを硬くしたのか? ハルタは悪い子だな」
「だ、だって……」
「仕方ない子だ。でも心配いらない。ママが処理してあげるから」
「うん……ママ、お願い」
全身を巡る衝動を感じた。まるで人間かのように。
司令官はかつてない感覚を知る。傍から見ればただのエラーに見えるそれをしかし享受し、誰にも否定はさせないという強い意志さえあった。
指先でペニスの竿を摘まんで、そっと撫でるとぴくぴく反応しているのがわかる。嬉しそうだと判断できる些細な動き。それだけで心が躍っている。
姿勢を変えて、司令官は両手でやんわりと包んでやり、揉むようにしてペニスに触れた。
ハルタが小さな声を漏らした。これで間違っていないのだと思う。
顔を寄せて、ハルタの唇にキスをしながら、司令官は彼のペニスをしこしこと刺激した。
抑えられない息遣い。合わせた唇から声が漏れるのが心地いい。
「んんっ、んむっ……んふふふ。ハルタ。ハルタ」
「ん、ママ」
「もっと、もっと呼んでくれ」
「ママ、ママっ」
「んんんんっ!」
呼べば呼ぶほどに高ぶり、テンションが高まっていく。
高ぶった結果、もはやなりふり構わずに、司令官はハルタの唇をべろべろ舐め回し、彼の口内へ舌を差し込んで深いキスをした。ハルタは最初に驚きこそするものの、すでにこうした行為には慣れているのだろう、すぐに受け入れて順応する。
ぴちゃぴちゃ、ぶちゅぶちゅ、卑猥な水音が室内に響き渡っていた。
「はぁ、あぁっ……! ハルタ、ママだぞっ。もっともっと甘えてくれっ」
「ママ、きもちいい、ママぁ……!」
甘える素振りも堂に入って、ハルタの態度に恥じらいはない。司令官に会う前に、全く無関係にデボルポポルに甘やかされて仕込まれていたことも関わっていただろう。司令官の望む通りに甘えるのはわけもなかった。
もはや自らを制御することなどまるで不可能。司令官が大胆に動き出した。
ハルタを仰向けに押し倒して、司令官が彼を見下ろした。
するりと指先でペニスを撫でて、強く意識させると、期待した彼の目に胸の奥がざわつく。
吐息がこぼれて、司令官はハルタのペニスを自身の股に擦らせた。
「ここ……ママのお腹に帰ってきたいか?」
「うん、ママのおまんこに入りたい」
「ふふふふ。そうか」
ずぷぷ、と膣に押し当てられた亀頭が入り込んでいく。
柔らかい肉の感触。無数のひだがきゅうと絡みついてきて、迎え入れていることを言葉もなく伝えると同時、うねうね動き始めて独りでにペニスを刺激し始める。
体を動かさずとも扱かれているかのようだった。ハルタは苦しそうにも見える顔をして、何かを言うより先にへこへこと腰をゆすり始める。
「ふふ、こら、勝手に動かしてるな」
「う……だめ?」
「いいや、いいよ。でもママがしてあげるから。ママに体を預けてくれ」
がに股になってぐっと腰を持ち上げ、ゆっくり上下した。ペニスを膣に銜え込んだまま、彼を迎え入れるために分泌する液体がぐちゃぐちゃと騒がしく、制御できずさらに溢れてくる。
非常にスローなピストン。
甘やかすようでいて責めるかのような動きに、敢えて動かなくなり享受したハルタは、だらしないと思うほどにゆるんだ顔をしていた。
「気持ちよさそうな顔……どうだハルタ? 気持ちいいか?」
「うん、気持ちいい……ママは? 気持ちいい?」
「ああ、もちろんだとも。ハルタのおちんちんが硬くて立派で、ハルタがよがっているとママも気持ちよくなってしまうんだ」
ずぷっ、ずぷっ、と一定のペースでペニスが呑み込まれ、再び吐き出される。
繰り返される単調な動き。しかし今までと違うのは異様に遅い速度。他のアンドロイドの膣内を知っているがそのどれとも違う。優しくて欲深くて、迎え入れたペニスを一息に取り込んでしまうような、不思議だが魅力的でもあった。
ずにゅ、ずちゅ、卑猥な水音が響く。
気をやられそうだ。体が熱くなり、まともな思考など跡形もなくなる。
ハルタが呼吸を見出して余裕を失っていく中、司令官は興奮しながらも冷静で、その顔を見下ろして恍惚としており、かつてない感覚に驚きつつも受け入れてもいた。
叫び出してしまいそうな幸せに包まれて、考えることは彼の幸せのみだった。
「あぁっ、おちんちんがぴくぴくしている……ハルタ、もうイク? イクのか?」
「うん……イキそう」
「あぁ、いいぞ。ママが全部受け止めてあげる。さあ、おいで……」
「うっ、うぅ……!」
誘われるまま、びゅくびゅくと吐き出す。
スローペースで導かれたせいなのか、いつもの勢いはなく、垂れ流れるようにして精液が彼女の膣内へ取り込まれていく。
どちらにとっても心地よい一瞬。司令官はじっとハルタの目を見つめる。
「きちんと出せたな。偉いぞ」
「うん……」
「よしよし、いい子だ。でもまだ足りないんじゃないか? ハルタのおちんちんが元気なのはもう聞いているんだぞ」
「あっ、そうだけど、いいの?」
「もちろんだ。したいことを素直に言っていい」
慈愛に満ちた表情。
息子を前にした母親の顔、ではないだろう。慈愛と母性に満ちてこそいるが、その顔は明らかに恋をする女。彼女はひどく興奮していた。
「これから、どうしたい? ママに言ってごらん」
「……もう一回、ママの中に出したい。それから、頭撫でてほしい」
「ふふふ。もちろん」
司令官はハルタに抱き着き、胸に頭を掻き抱いて撫でてやる。
「何度でも出させてあげる。その後はお風呂で体を洗ってあげよう。望めばいい、私がなんでも叶えてやる……」
全ては意のままに。
それは、口にするかは別としてどちらも考えていたことだ。
人間が望む通りの生活を。アンドロイドが望む通りの“人間”を。
至福の一時であった。
幸せそうな司令官に抱かれて、ハルタもまた穏やかな顔で目を閉じ、身を委ねる。