シャワーを使ってみると当然のようにお湯が流れ出てきた。
廃墟を見た後だったせいか、そこに用意された家は多少使い勝手が悪くても文句を言うつもりはなかったのだ。しかし意外にもアンドロイドたちが作った家は寝室のベッド、リビングのテーブルや椅子、風呂場の浴槽やシャワー、トイレまで完璧な状態で揃えられていた。
色々と驚いていたのだが有り難いことは間違いなくて、あとでみんなにお礼を言わなければならないと思っている。
心地よいと感じる程度に温かいお湯を頭から全身に浴びながら、ハルタは裸で、アネモネと抱き合ってキスをしていた。深く深くつながるために舌を絡め合い、彼女の舌がハルタの口内に侵入してきて、あちこちを丹念に探られている。逆に彼女の口内へ誘われるタイミングもあって、彼女の動きをそのまま真似るように、とにかく彼女の口内で舌を動かしてあちこちに触れた。
興奮で頭がどうにかしそうだった。
キスが初めてで、女性の裸を見るのも自分の裸を見られるのも初めてで、一緒にシャワーを浴びるのもこれが初めての経験だ。
つい先程、初めて女性にペニスを触られて、フェラチオをされてイカされてしまった。自分でするのより何倍も気持ちがいいと感じて満足している。しかし興奮冷めやらぬうちにシャワー室に連れ込まれて、彼女に導かれるままに抱き合い、キスをして、彼女の下腹部に押し当てられたペニスが体をよじる動きで擦られているのである。
こんなことがあっていいのだろうか。充実感を得ながら、何も考えられずとにかく必死だった。呼吸の乱れを整える暇もなく、アネモネが大胆に動いている。
冷静な思考などすでにない。わけもわからず手を動かして背中を撫でる。
アネモネの手がハルタの頬を掴む。痛みは伴わないが、感情の大きさが伝わるほど強く、固定されて逃げられない。
彼女が満足するまで、一度も離れずにキスが続けられた。
「ん、むちゅ、ずずっ、んむっ……!」
「んっ、んふっ、んっ――」
熱烈なキスで息苦しさを感じていて、嫌だとは思わないが一度落ち着きたい気持ちはある。それでも抵抗できずに身を任せていると、ようやくアネモネが顔を離す。
とろんとした目で、一瞬たりとも視線を外さない。必死に乱れた呼吸を整えようとするハルタは羞恥心を隠せず、ペニスがますます硬くなっていく。
擦りつけながらも見つめ合い、ひどい興奮状態にあった。
アネモネは見るからに望んでいる。それがわかってハルタは意を決した。
両手で腰を掴まれた時、彼の覚悟が伝わって、アネモネは恥じらう様子で反応する。
自分のペニスを掴み、彼女の股に擦りつけて太ももに挟まれる。アネモネはあっという間に受け入れて協力的な態度を見せた。
自らの意思で膣へ誘い、挿入を手助けしようとする。しかし待ちきれないハルタは彼女の太ももに挟まれたことで気を良くし、腰を動かして感じていた。アネモネのおまんこに擦りつけてもいるのだが、それ以上にオナニーをするような自分勝手な行動だ。
本音を言えば、アネモネは一刻も早く挿入してほしかった。しかしハルタがしたいことをしているなら邪魔をしたくないという思いもある。判断に困り、しばらくは彼をそのままにしておいて、途中で止めずに愚直にも待った。
余裕のないハルタの顔にうっとり見入って、アネモネは笑っていた。
「あぁ、ハルタに……私は人間に使われている。こんなことが本当にあるなんて」
「あ、うぅ、うっ――」
「え? あっ」
見惚れている間にハルタがイッた。太ももに挟まれた肉棒がびくんっと跳ねて、おそらく出された精液はシャワーに流されてしまっただろう。彼の顔を見るのに忙しくて行方は追えず、もったいないと寂しさを覚える。
「あぁ……ハルタ」
「ご、ごめん……」
「いいんだ。謝らなくていい」
愛おしそうに抱きしめて、胸に抱えた頭を撫でる。
まるで母のような慈愛を感じてハルタは安堵していた。今まで感じていたはずの緊張がゆっくりほどけていく気がする。
アネモネは彼が落ち着くのを待ち、やがて顔を上げたハルタは目を潤ませていた。
「満足したか?」
「えっと、その……」
「それとも、まだできるか?」
「う、うん……大丈夫」
それならと、アネモネが彼の手を引いた。
シャワーを止めて、浴室を出て体を拭いた後、寝室のベッドへ向かう。服を着る必要性は感じずに裸のまま移動した。手を繋いだ二人はベッドに腰掛けた。
アネモネが自ら仰向けで倒れて、脚を開く。両手を添えて見せつけたそこは、ハルタが初めて肉眼で見る女性器だった。
指先でぐっと肉を押し広げ、小さな穴を確認させる。
整備を終えたアンドロイドのボディはいつでも彼を迎えられるようになっているらしい。
濡れそぼっているように見えるのは、ハルタに躊躇いを持たせないためで、彼の肉棒を迎え入れるためだけに搭載されている。
見るからに誘ってくるアネモネを前にして、今更後戻りできるはずもなかった。ハルタは息を呑んでそこを凝視し、恐る恐る動き出した。
勃起したペニスを押し当て、不安そうにアネモネの顔を見つめる。
「いいぞ……そのまま、押し込んでくれ」
本当に大丈夫なのか。不安を抱きながらも体を止めることはできない。
力を入れて押し込むと、彼女の膣はすんなり彼を受け入れて、柔らかくもぎゅっと締めてくる感触に包まれ、大きなため息をついた。
アネモネは自身のボディが感じる神経系の伝達以上に、ハルタの様子に注目していて、どうやら彼が感じているようだと伝わってだらしなく表情を緩めている。とろんとした目と普段なら見られないほど口角が上がっているのは、ハルタが人間だったからだ。
確かに今、彼が喜んでいる。彼の役に立っている。それが嬉しくて仕方ない。嬉しいという感情はこういうものかと、かつてとは比べるまでもなく大きく、初めて知ったかのように新鮮に感じていたようだ。
「うぅ、う、うあっ……!」
「平気か? 痛くないか?」
「だい、じょう、ぶ……はあっ」
「ゆっくりでいいんだ。私は平気だから、自分のペースで私のことは気にせず動いてくれ。道具のような物だと思ってくれていい。例の……オナホールというやつみたいに」
「そんなわけには……」
体を倒して顔を近付けてきたハルタは、ちゅっと唇にキスをして、至近距離で見つめてアネモネに語りかける。一挙手一投足に見惚れるアネモネは彼のことであれば何事でも素直に受け入れる状態にあって、体が勝手に動いたかのように彼を抱きしめ、その距離を心地よく思いながら聞いた。
「アンドロイドだからって、物みたいに扱いたくないんだ。俺からすれば、みんな人間と変わらないんだし……」
「そうか。君がそう思うなら、そうしてくれていい」
「えっと……」
発言すれば全て鵜呑みにしてもらえるような状況で、流石に戸惑いを覚えるものの、この状況では長々と話していられる余裕もない。
ハルタは彼女に抱きつき、回した腕にしっかりと力を入れ、隙間がなくなるほど肌を密着させた状態で腰を振り始める。
ペニスが膣の中で動いて閉じていた道をこじ開けて、引き抜こうとすれば強く吸いついてきて、情けない声を出しながらも体は勝手に動く。
熱っぽい息を吐き出したのはハルタだけではない。感じるハルタの顔を眺めているだけで胸に何かがこみ上げてきて詰まったかのような感覚に陥る。胸が苦しい、けれど嫌ではない。ずっとこうしていたいと気付いた時には考えていた。
ピストンにより小さな水音が鳴る。膣内がうねって硬いペニスに絡みついていた。
ハルタは一心不乱に腰を振った。慣れていないせいでぎこちなさはあったが、アネモネとて経験はない。それを嫌がる態度は皆無であり、むしろ彼の初めての相手になれたのだから生まれてから一番と言っていいほど嬉しい。
体が言うことを聞かなくなる。スピードはますます速くなっていった。
それはもはや自分の意思ではなかったし、余裕などとっくに失われていたのだが、ハルタは自分でも止めることができずに、アネモネはそんな様子を可愛らしいと思っていた。
射精した時、ペニスを引き抜く最中であり、入り口付近に熱を感じた。漏れ出てくるのを感じながらアネモネは甘い声を出し、ハルタは彼女の首筋に顔をうずめて脱力する。動けないまま荒い呼吸を続けてぐったりしていた。
アネモネが彼の背をぽんぽんと軽く叩き、撫でてやり、落ち着かせる。
「はぁ、ふぅ……ありがとう、アネモネ」
「いいんだ。こちらこそ」
「あの、ついでってわけじゃないんだけど」
体をわずかに起こして、顔を見つめ、戸惑いがちだが本心を伝える。
「このまま、もう一回、いいかな?」
「ああ。君が相手なら何度だって」
「あ、ありがとう」
「こちらこそ」
アネモネが彼の頬に手を添えて、引き寄せるようにキスをする。そのまま引き抜かずにおいたペニスをゆっくり動かし始め、ずぶずぶと肉を押し分けるようにして奥へ進めた。
数度の射精を経ても興奮は冷めやらず、治まるどころか増してさえいる。
さらに硬くなったペニスが膣の中で暴れ回り、アネモネが嬌声を響かせて、その声を聞くハルタは我慢できずに自分も声を出していた。
パンパン肉をぶつけて声を重ねて響かせた。
二人で協力しているようでもあって気分はますます高まっている。
だんだん慣れてきたらしく、ぐりっと腰をねじって、アネモネの声が跳ねた。
がむしゃらでぎこちないながらも、ハルタの動きはますます大胆になっていき、気付けばアネモネも彼のために自らの腰を振っている。
その時が来るのはそう遅くなかった。
再び膣内に精子が放たれ、びくびく動いた後に脱力し、ぐったりして動かなくなる。
体が重なった状態でまどろむ。
緩慢な動作で顔を動かして、視線を合わせる。アネモネは幸せそうに微笑んでいた。
「ありがとう」
「え、いや、こちらこそ……」
「平気か? 辛いところはないか?」
「あ、全然。むしろ気持ちよかった、です」
アネモネが彼の頭を自分の胸に押しつけ、抱きしめた。
最初は気恥ずかしかったものの、それ以上を経験した今、平然と受け入れられる。
ハルタは安堵した顔で目を閉じた。身を委ねてアネモネに頭を撫でられ、まるで母親に抱きしめられているようだと感じ、彼女の胸の中でふぅと息を吐いた。