―達也―
休憩は、わずか3分だった。
予想外に早い再開のリクエストには逆に心配に思ったけど、亜美さんが言うんだから仕方ない。それに亜美さんとしても、なるべく早く終わらせてしまいたいという思いはあるだろう。そう考えれば、3分というブレイクタイムは決して短くはないのかもしれなかった。
だから、動く。亜美さんの状態を気遣いながら、一定のペースで腰を前後させる。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あぁぁっ…」
さっきからずっと、亜美さんから聞かれる声はほとんど同じだった。最初は声を我慢しようとしていた、でももう我慢しきれないと悟ったのかそれとも我慢する必要がないと思ったのか…どっちにしても俺がモノを抜き差しするのに合わせて、『女』としての声が漏れる。
そんな亜美さんを見下ろしながら、腰を前後させ続ける。あくまで優しめのペースを維持して。
正直に白状すると、この時の俺はギリギリ冷静を保っているというのが正直な所だった。というのも、亜美さんがアンアンと喘ぐ姿は…普通に美しかった。そして何より、10歳以上も年上の美人女性を喘がせている自分というものは…中々の恍惚だった。やっぱり俺って特別な男だよなぁ…そんなナルシズムを抱かずにはいられなかった。
だから、もっとガンガンと力強く腰を送りたい…そんな衝動を抑えるのに必死だった。俺の本当の強さを、この年上の女性に見せ付けてやりたい…最近の若者は凄いんだぞって教えてやりたい…なんて気持ちをぐっと堪えながら、優しく腰を送る。
ただ、一方で困った事態も生じていた。
もう動き始めて軽く10分は経っているというのに、射精感が一向に訪れないのだ。
その原因がスローで単調な腰の動きに求められる事は言うまでもなかった。というか、今の動きのままではいつまで経っても射精できそうな気がしなかった。というのも、俺は普段から射精に時間がかかるタイプなのだ。まあ、基準がどんなものなのか分からないから何とも言えないけど、おそらくは遅漏って側に分類される方…だと思う。挿れてからフィニッシュまで30分以上って事も珍しくないし、その気になれば1時間以上腰を振り続ける事だってできる…と思う。
これまでは「早漏よりは全然いいだろ」ぐらいに思ってたけど、種付けの場合はむしろ早漏男の方が有利かも、なんて思い始めていた。まあ、とはいえ早漏には絶対になりたくないけどさ…
何にしてもこのままじゃいつまで経っても終われないよな…ってのを自分への言い訳にして。
「亜美さん、今大丈夫ですか?」
「は…はいっ…な、何でしょうっ…?」
腹をくくって、言ってみる。
「この調子じゃちょっと出そうにないんで、もう少し強めに動いてもいいですか?」
「っ…」
その問いかけに、亜美さんは一瞬体をこわばらせて。
でもすぐに、何かを覚悟したように、小さく頷いて。
「はい…ぜひ…お願いしますっ…」
「ありがとうございます」
了解を得て、俺は亜美さんの腰のぐっと引き寄せる。
これからギアを上げます、という無言の伝達に、亜美さんがギュッと歯を食いしばって。
いざ、後半戦。
有言を実行するように、腰を前後させるスピードを一気に倍まで上げる。
「ああっ!!あっ、あはあああああっ!!」
不意に亜美さんの体が左右にくねった。おそらくは、急に荒々しさを増した動きに体が無意識に逃げようとしたのだろう。
でも、申し訳ないけど逃がす訳にはいかない。動きを強めますって、きちんと了承を得た所だから。
それに何より、俺の本当の強さを知って欲しいから。
「そんなっ…あっ、ちょっ、ダメぇぇっ…!!」
「すみません、ちょっとだけ我慢してください」
小さく謝りながら、でも本心では後ろめたさなんて全く無い。亜美さんの腰を掴む腕に力を込めて、逃げようとする体を力強く固定する。
たとえ亜美さんが全力で暴れたとしても、所詮はか弱い一人の女性の抵抗。俺の力を持ってすれば押さえつける事ぐらい訳もない。事実、腕に少し力を入れただけで亜美さんの腰は膠着したようにぴくりとも動かなくなる。
鍛え上げた肉体を、正しくない事に使っているような背徳感を少しだけ覚えながら。
でも、俺からは絶対に逃げられませんよと、無言でそう教えて。
亜美さんの体を抵抗も脱出も不可能な状態にしてから、勢いよく腰を送る。
「あはあぁぁぁっ、あっ、ああっ、ダメぇぇぇっ、こ、壊れちゃ…うっぅぅぅぅぅっっっ!!!」
さっきまでとはまるで違う、悲鳴のような声。でも体の方は逃げられない事を悟ったのか、だいぶ大人しくなった。そんな様子を見おろしながら腰を送っていると、まるで亜美さんをレイプしているような感覚に陥ってしまう。
それが、気持ちいい。不謹慎だけど、嘘偽りなく気持ちいい。
年上の女性を押さえつけ、自慢のモノを思いっ切り抜き差しする。ガツンガツンと、最奥を遠慮なく連打する。
どうですか、俺のモノは?亜美さんの元彼はこんな風に奥を突いてくれましたか?そんな事を聞いてみたくなる。俺という男のレベルを、亜美さんの口から直接聞いてみたくなる。
気持ち良かった。俺がこれまで経験してきた、何人かの同世代の女の子とのHとは全く違った。年上の女性を完膚なきまでに支配する、それは俺が生まれて初めて知る快感だった。
そして、ついに。
「あはあああっっ!!あっ、ああっ!も、もう…ダメ…ですぅぅぅっっ……」
亜美さんの体から極端に力が抜けた。そして、ピクピクと小さく痙攣する。俺の攻めに屈したのだ。
「すみません、もう少しですから」
明らかにイってしまった亜美さんの体を、なおも延々と揺さぶり続ける。もう腕に力を込める必要はなくなっていた。亜美さんの体には、すでに力は篭っていないのだから。
そんな状態が3分…5分…そしてとうとう、確かな射精感が込み上げてくるのを感じる。
「亜美さん、そろそろ出しますね」
射精は事前通告制。だがその通告は、おそらくは亜美さんの脳には届いていない。
だからこれは、単なる勝利宣言。
動けなくなるまで甚振(いたぶ)った女性に、これからトドメを差しますねと伝えるだけの、冷酷な宣言。
「では、いきますっ…」
最後にもう一回、ダメ押しのように勝利宣言を繰り返してしてから。
腰をドンッと突き出して、マニュアルにあった通り、可能な限りモノを奥まで突き刺して―――
「はあおおおおおおおおおおおおおうううううっっっっ!!!」
断末魔にも等しい亜美さんの悲鳴の中、ドクドクと射精を開始する。
ビシャッ、ビシャッと精液が噴き出されるのが分かる。精液検査でも極めて優秀と証明された濃い精子たちが、亜美さんの子宮を目指して我先にと飛び出していくのを感じながら。
「ん…」
思えば俺にとっても、人生初の中出し。それはこれまで何度も経験したコンドームへの射精とは全く違う、力強い射精で。
ゴムのバリアを剥ぎ取っただけで、精子たちはこんなにも元気になるものなのかと呆れるほどの勢いで…
「くっ…」
最後、下腹部にグッと力を込め、最後の一滴まで搾り出すように吐き出して…
「ふう…」
射精終了。一息つくと同時に、すぅっと興奮が冷めていく。そのまま眠り込みたくなるような脱力感を、心地よく受け流して。
「亜美さん、終わりましたよ。お疲れさまでした」
そう言って亜美さんの表情を確認すると、亜美さんは白目をむいて失神してしまっていた。
酷い表情だった…でも
こんな事を言ってしまえば…人として最悪だっていう事は疑う余地もないけど。
白目をむき、口が半開きのまま気を失っている亜美さんを見て、俺の心に湧き上がってきたのは罪悪感ではなく、圧倒的な充実感と征服感だった。女性の膣内に自らの精子を注ぎ込んだ…女性に、俺の子どもを産ませるための行程を施してやった…しかも、100%俺が望むやり方で…その事実に得体の知れない恍惚を感じていた。