薄暗い部屋、軋むベッド、漏れる女性の喘ぎ声。
この日も達也は、仰向けになる女性の上になり、腰を前後させていた。
しかし、どこか心ここにあらずといった表情。それもその筈、達也は金田戦のシミュレーションで頭が一杯だった。なので腰の動きも、いつもとは比べ物にならない程に単調だ。
試合を受けるか否かの回答期限は来週に迫っていた。それでもまだ、達也は答えを決める事ができかねていた。本心としては戦いたい、生意気な金田をぶっ倒して自分の強さを…空手の強さを見せ付けてやりたい。しかし勝利への道筋は依然として全く見えず、無惨な敗北のイメージだけが達也を覆っていた。
ガードポジションを構築する訓練に関しては、それなりに手応えを得られるようにはなっていた。だが、ガードポジションはその名の通りあくまで防御の姿勢。ガードポジションになれたからといって勝てる訳ではないのだ。結局の所、勝つためにはグラウンドでの攻防を避けるしかないのだが、しかしどれだけシミュレーションを繰り返しても寝技に持ち込まれるのは不可避に思えた。一度や二度ならともかく、試合開始から終了までずっとタックルや組み付きを回避し続けるなんてどう考えても不可能だ。
そして一度グラウンドへと引きずり込まれれば、もう勝ち目はない。よしんばガードポジションに入れたとしても、KO負けを免れるのが精一杯だろう。
(やっぱ寝技でも対抗できるように…いやそれこそ無理か…)
いいアイデアが浮かばないまま、不毛な思考だけが頭の中をぐるぐると回る。まさに八方塞がりである。
(うーん、どうすればいいかなあ…)
思考を一旦リセットしてみようと、達也は種付けに意識を戻した。
視線を下げると、女性がアンアンと喘いでいるのが目に入る。
(女の人って、やっぱ声出ちゃうんだよなあ…)
達也の腰の動きはあくまで一定、しかもかなり力を抑制したスローな動きだ。それでも女性は体の奥から溢れ出る呻きを我慢できないといったように、哀れみを感じさせる声を上げ続けていた。膣内を行き来するモノがあまりに長大かつ極太なために、動き自体がスローで単調でも女性を狂わすには十分な破壊力を有している証左だ。
(待てよ…)
そんな女性の様子を眺めながら、達也はふと思った。
(軽い攻撃でも、元のパワーさえ十分なら威力はしっかり伝わるんだよな…)
総合格闘技で使用するのは、オープンフィンガーグローブという薄いグローブである。ジャブでもしっかり当たれば、その威力は十分だ。
(となると遠目からでのジャブでも、それなりのダメージは与えられる、か…)
ほんの少しだけど勝利へのヒントが見えたような気がした。
その時…
「んっ…!?」
前後させていたモノに不意に強烈な締め付けが襲い、達也は思わず声を上げてしまう。
直後、射精感が有無を言わさぬ勢いでせり上がって来るのを感じて。
(や、やばっ…!)
本能的に堪えようとしたが、直前まで気を抜いていた事もあり、もう時すでに遅しだった。腰の辺りに独特の快感が込み上げる。
種付けにはすっかり慣れて射精のコントロール技術もほぼ会得した達也だが、それはあくまで集中していればの話。今回はあまりに気を抜き過ぎていたから…
「じゃあ…そろそろ出しますねっ…!」
射精感を止められない不甲斐なさを感じながら、でもやっぱり我慢できないという事実を認めた達也は、射精は事前申告制というマナーだけは守りつつ、フィニッシュに向かうべく腰の動きを強める。
そして発射の瞬間、1ミリでも子宮に近い場所に精子を着弾させるために、女性の腰をしっかりと引き付けて…!
「はぁうううぅぅぅぅぅぅっっっっっっ!!!!」
ドスン!とモノを最奥に突き刺した瞬間、女性はカッと目を見開いた。
まさに、その瞬間だった。
(え…?)
達也の中に、予感めいた何かがぞわぞわっと走った。
(引き付けて…一突き…)
相手を引き付けての、全力の一撃。その破壊力は、相手を一瞬で戦闘不能に追いやるほどに絶大で…
つまりは…リングの上に当てはめると…
(そうか、その手があるじゃん…!)
子宮へドクドクと精液を流し込みながら、達也は金田戦への確かな突破口を見出した…かもしれなかった。