公爵家次期当主好色物語 作:ルペッタ好き
――『
「私がいま管轄を任されている日本のエリアの近くに魔王アジュカ・ベルゼブブさまの隠れ家がある」
数少ないクレーリアのセリフらしきもの。いずれもディハウザーの回想
相変わらずバアル主導で、大王派に都合よく話が進んでおります。
『クレーリア! その姿は……なぜ、なぜ君まで……そんな……ッ!』
クレーリア・ベリアル。
従兄のディハウザー殿と同じ灰色の髪に灰色の瞳、その身体つきは出るところは出て引っ込むところは引っ込んだ分かりやすい女の色香を体現していた。
サイズ的にはセラフォルーさんくらいだろうか。悪くない。
悪くはないのだが、いかんせん既に彼女は死者だ。肉の身体がない。生前の姿を映した魂の形はそそるものがあるが、亡霊らしく透けてしまっている。
あれでは女体に触れる愉しみも、子作り交尾の快感も得られはしないだろう。
『正臣……。私は……』
突然出てきたかと思えば、周囲を放置して二人の世界に突入した恋人たちの魂。その会話を聞いていると、どうやら八重垣の側はクレーリアの死を知らなかったらしい。
クレーリアと八重垣正臣は、それぞれバアル家の粛清部隊と教会戦士団によって処分されたということなので、同時期に別の場所で殺されたのだろう。心中でも、手に手を取っての逃避行中に追っ手に襲撃されて……という形ではなかったのだな。
散々それぞれの所属勢力から警告を受けたらしいのに駒王町に留まっていたとすると、なんとも暢気なものだ。
『なぜだッ! なぜクレーリアまで殺したッ! バアルの悪魔どもッ!』
クレーリアから事情を聞かされ、怒りわめく八重垣。
彼は自身の死の瞬間、これで禁断の愛によってクレーリアまでも害されることはなくなるだろうと考えていたようだ。自分の死がまったくの無駄ではなかった、少なくともそれによって愛する女だけは助かるはずだと、そう思っていたらしい。
「クレーリア・ベリアルは過ちに身を投じた。それはその女の死をもってしか治めることのできないものであった。それだけのことだ、教会の戦士よ」
『僕が、僕が死んだなら、もうクレーリアは……、彼女の命まで奪わなくとも良かったはずだ!』
憤怒の様相の八重垣に、叔父上は冷徹な瞳を向ける。
それは、俺に対するときのような何かしらの感情の籠った視線ではなかった。
「少々騒がしいか」
ゼクラム祖父さんが八重垣を指さすと、再び怒れる教会戦士の瞳から意志の光が消え失せ、場に静けさが戻る。
『正臣! 伯父さま、正臣は……彼を……』
八重垣の魂が沈黙すると、クレーリアは縋るように伯父であるベリアル卿へと目を向けた。
クレーリアはベリアル卿に言葉を重ねるが、その内容は感情的なものばかりで具体的に何をどうしたいのかが俺には分からなかった。
これについては、まぁ無理もないのかもしれない。死後に悪霊と化してまで愛する男の傍にいたいと想う。それだけの執着を抱いていたからこそ、今も魂が残っているのだろうから。
それだけの想い、深い感情がなければとうの昔に彼女の魂は消え去っていたことだろう。だから感情が先だってしまって、言葉が上手く出てこないのだと思われる。
「クレーリア……」
ベリアル卿がそんな姪の魂に注ぐ眼差しは、憐憫の情に満ちていた。涙ぐんでさえいるように見える。
ここに叔父上やゼクラム祖父さんがいなければ、ベリアル卿は魂を留め置くための魔方陣の内へ踏み込むことさえしていたかもしれない。
俺にとっての「おじさま」は白けた様子でベリアル家の伯父と姪のやりとりを見ているバアル家当主殿になるわけだが、もし叔父上の前に俺が亡霊になって出てきたら、ペッと唾はかれそうだ。いや、そんなお行儀の悪いことはしないか。というか、俺ぐらいの魔力があれば死んでもそのまま魂だけで活動できるかもしれん。
とりあえず、このクレーリアには死してなお自身を維持し続けるだけの力がないようなので、このやり取りの間にも徐々に存在が薄れて行っている。こうして姿を現しているだけでも相当な消耗なのだろう。
愛という執着の対象であった八重垣の近くに出来る限り長くいたければ、もっと慎ましく潜んでいなければならなかった。
まぁ、その八重垣の魂がゼクラム祖父さんの『滅び』を受けそうになったから出てきたわけなのだが。
「クレーリア・ベリアル。それ以上の醜態を晒すようであれば、まずおまえを消し去ることになるぞ」
ベリアル卿に配慮してか、しばらく状況を見守っていた叔父上が上向かせた手のひらに『滅び』を乗せた。顔には出していないが、内心相当イライラしているのだと思う。
ゼクラム祖父さんの前だしな。進行役をやっている叔父上としては、恋人劇場や親族劇場をいつまでも展開されていては困るはずだ。これはたぶん脅しではない、クレーリアが大人しくしなければ普通に消滅させるだろう。
それを見て取ったベリアル卿が、必死でクレーリアをなだめて大人しくさせた。
愛は盲目、その上さらに感情がダイレクトに出てしまう魂状態というのは、なかなかどうして難しいものだ。
そう考えると、肉体を失った魂だけの状態でもドライグって落ち着いてるよな。伊達に赤き龍の帝王とか呼ばれているわけではないってことか。
というか、どうして俺はこの場に呼ばれたのやら……タイミング的に『王の駒』ならぬ『
「ようやくか、これで話を続けられる。ことの張本人が出てくるのは想定外だったが、ある意味都合が良いとも言えるな」
ふぅと一息つくと、叔父上はベリアル卿に問いかけた。
「ベリアル卿は、アドバンスト・クラウンについてどこまで話を聞いているだろうか?」
俺はラティアから聞いたが、アジュカさまは大王派にも『王の駒』問題の落としどころとしてのアドバンスト・クラウンの話を伝えていたのだろう。ぶっちゃけ呼び方を変えて、あとは「秘匿軍事技術の試験運用だった」ということにしただけだ。
少なくとも大王派のパーティー会場に俺が顔を出した時点で叔父上は知っていたし、利害関係のある連中にも説明がされている様子だったのだが。
「はい、私の聞いたところでは──」
アドバンスト・クラウンとは、『悪魔の駒』を製作したアジュカ・ベルゼブブさまが現悪魔勢力存続のために上級悪魔をさらに強くできないかと考えて試作した強化アイテムである。その強化率は使用者の全能力を10倍から100倍ほどにまで引き上げる。
アドバンスト・クラウンは、製作者が同じで一部の術式が共通している『悪魔の駒』と併用した場合にエラーを起こす危険がある。
アドバンスト・クラウンは、突出した力の持ち主が使用した場合に力のオーバーフローを起こす危険もある。
このエラーやオーバーフローが生じた場合、命の保証は出来ず、死なずとも深刻な後遺症が残る可能性が高い。
アジュカさまは、それらの危険を承知で悪魔の未来のために名乗り出た一部の勇士にアドバンスト・クラウンを使用し、レーティングゲームを通して試験的な運用を行いデータを収集していた。
このことは他勢力への情報流出を避けるためもあり、現在まで重要な軍事機密として秘匿されてきた。
「ですが、その被験者のひとりであるロイガン殿がリヴラクス殿の『騎士』になることを強く望まれ、さらに昨今の情勢もあって公表されることになった、と聞いております」
リュイことロイガン・ベルフェゴールは、アドバンスト・クラウンの使用者の一人である。彼女の現在の実力、特に周囲からも保有量を測りやすい魔力はこれによって大幅に強化されている。
彼女が俺の騎士になろうとすれば、アドバンスト・クラウンを摘出する必要がある。『悪魔の駒』とアドバンスト・クラウンの同時使用は深刻なエラーを引き起こす可能性が高いからだ。
そうなるとランキング2位で有名なロイガンの魔力が急激に低下することになってしまう。『騎士』とはいえ『悪魔の駒』の恩恵を受けたのなら魔力が上がることはあっても下がることはないはずなのに……だ。
アドバンスト・クラウンを機密情報としたままでは、急激に魔力が低下した理由を説明することが出来ない。
折しも旧政府残党の活動活発化、それに影響された堕天使勢力の軍事的な圧力が迫っていたこともあり、アジュカさまはアドバンスト・クラウンの公表を決断された。
相手が見積もっているよりも、こっちにはより強い力があるんだぞ! その気になれば最上級悪魔クラス、魔王クラスを量産できるんだ! と現悪魔政府の軍事力を示すことで旧政府残党や堕天使側に戦争を思い止まらせようとして。
とまぁ、こういうシナリオだ。
ちなみに兄上は公表反対らしいのだが、最大派閥の大王派と、第三派閥の現ベルゼブブ派が同意すれば現ルシファー派だけでは抑えきれないので、叔父上がゴーサインを出せば公表決定である。
流れ的にもう公表決定になりそうなので、ここでクレーリアや八重垣に聞かせちゃっても構わないわけだ。まぁ、叔父上としてはこの後に消滅させるつもりなのかもしれないが。
八重垣はどうでもいいとして、クレーリアはちょっともったいない気もするが……魂だけで肉体ないからなぁ。
「私が若さま……リヴラクスさまの下へと行きたかった。ただ、それだけのことだったのですけれど……大事になってしまって。お騒がせしております」
リュイの話のさらに元をたどると、父上が俺の「おせっせ先生」を募集したからこうなったわけで、因果とはなんとも不思議なものである。
これも『お宝』との縁を繋いでくれるグレモリーの魔力特性によるものなのだろうか。改めてスゲーなグレモリー、因果律への干渉って。……まぁ、多くの神話に因果をいじれる運命神がいるんだけどさ。
『ロイガンさま。アドバンスト・クラウン……それは『
「アドバンスト・クラウンが正式名称よ、クレーリア。ゴシップ誌の記者たちは『王』の駒と名付けておもしろおかしく書き立てていたけれどね」
リュイとクレーリアは世代が近い。さらにディハウザー殿とも長年のライバルだったので、面識があるようだ。
クレーリアとしては、面識のない俺やゼクラム祖父さん、いかにも怖そうな叔父上よりも話しやすい相手なのだろう。
「さて、これでようやく本題に取り掛かれる。実は本日ベリアル卿に来てもらったのは、クレーリアの真の粛清理由を伝えるためだ。これまではアドバンスト・クラウンが機密情報であったため、伝えるわけにはいかなかったのでね」
叔父上の言い方だと、クレーリアは教会戦士とのガチ恋ではなく、アドバンスト・クラウン絡みの何かで粛清されたように聞こえるな。
「どういうことでしょうか、バアル卿。私は、クレーリアは教会の者、この八重垣との許されぬ関係のために粛清されたと聞いていたのですが……」
ベリアル卿も俺と同じように考えたのだろう。叔父上へと問いかけながらも、リュイと八重垣との間で視線を彷徨わせている。
「さきほどの繰り返しになるが、たとえ敵対勢力に縁深い者であろうとも『悪魔の駒』によって眷属、下僕としたならば受け入れる。それが現在の我々の在り方だ。リヴラクスの『戦車』のようにな」
叔父上が言っているのは朱乃のことだ。堕天使幹部バラキエルの娘でも、転生悪魔にしてしまえば愛でまくってオッケー。それはさっき確認したところだ。
「ならば、何も貴重な数少ない純血悪魔であるクレーリアまでも殺す必要はない。過ちを正すだけならば、その教会の戦士だけを殺してクレーリアの前に転がしてやればいい。そうすれば、その男に『悪魔の駒』を使うことを躊躇いはしなかっただろう」
叔父上のセリフの後半は、クレーリアへと向けられていた。
たしかに、愛する男の死体を死にたてホヤホヤの状態で目の前に転がされたなら、クレーリアは八重垣を否応なしに転生させただろう。『悪魔の駒』による転生には、死を覆す効力があるのだから。
『悪魔の駒』を埋め込むのに、眷属となる者本人の同意は必要ない。無理矢理に下僕にされた転生者が主の下から逃げ出し、「はぐれ」化するなんてのはよく聞く話。俺はやらないが、可能ではあるのだ。
『それは……はい。では、なぜ私は……殺されたのですか?』
強引にでもクレーリアに『悪魔の駒』を使わせる。それで過ちを正すことは出来たのだ。形だけだが一応はなんとかできた。
その後に八重垣が「はぐれ」るなり教会と内通するなりしたなら別だが、主がクレーリアであればそのまま下僕の身に留まった可能性は高かっただろう。
教会側から厳重抗議必至な行為だが、ディオドラはよく攫ってきてるしな。
ああもう少し考えれば、八重垣をクレーリアの下僕にする必要すらないのか。叔父上は口にしていないが、八重垣を無理矢理大王派の誰かの下僕にしてしまっても良かったのだ。
むしろ、その方がお年寄り方には都合が良かったのかもしれないくらいだ。
ディハウザー殿はクレーリアを大層可愛がっていた。そして、クレーリアは八重垣を愛していた。
その八重垣の身柄を抑えてしまえば、間接的にディハウザー殿への影響力を持つことさえ可能だ。八重垣を人質にクレーリアを動かすことで、ディハウザー殿に働きかけてゲームの勝敗操作に巻き込むことさえ出来たかもしれない。可愛い従妹の大事な恋人を痛めつけられたくなければ……くらいのことは、古き邪なる悪魔ならやるだろう。
いや、ディハウザー殿に恨まれるリスクを考えたらやらないかな?
「アドバンスト・クラウン、当時のお前の認識では『王』の駒か。お前はそれを探っていただろう。そのときのお前の行動、それが問題だったのだ。ああ、大問題だった。……ベリアル卿が勘違いしないように言っておくが、お前がトップランカーの過去を探った程度のことはどうでも良かったのだ。そんなものは、記者どももやっていることだ。素人のお前よりもずっと長く探り続け、より深く調査を進めていた者もいた」
その程度の者をいちいち処理したりはしていない──叔父上はそう続けた。
探ろうとすればある程度までは誰でも可能なことだったからだ、と。
まぁ、リュイの弱かった頃の記録をどうこうしたところで、その当時からのレーティングゲームファンなら記憶に残しているだろうしな。
レーティングゲームの視聴者・観客がどれだけいるかってことを考えると、過去の戦績・試合内容を知る者を全て消すなんてことは、いくら大王派でも無理だろうな。
貧乏貴族なベリアル家のクレーリアには、自由にできる金もなければ、名門学校で得られるようなコネもない。叔父上の言うように雑誌記者の方が調査能力は上だろう。
「ロイガン殿に聞きたいが、レーティングゲームのプレイヤーは対戦相手の調査をしないのだろうか?」
「当然しますね。上位陣の過去の試合データや判断の傾向は、眷属のものも含めてほぼ記憶しています。リュディガー・ローゼンクロイツでしたら、家族や友人関係、生まれ育ち、現在の生活の状況までも詳しく調べ上げていたでしょう」
そういえばローゼンクロイツを引き抜いた時に、滅茶苦茶大量の資料がついてきたな。
アイツ、相手の弱みを探るためなら捕まるスレスレのところまで調べ上げていたようだし。
今回の事があったのでディハウザー殿の分だけでもザっと目を通そうと思ったのだが、まだ100分の1も読めていない。いや、男の好物料理の情報とかいらんし……。ディハウザー殿の愛用している下着メーカーの名前まで調べてそうなんだよな、ローゼンクロイツって。
「クレーリア・ベリアル。なぜ粛清されたのかと聞いたな? お前は越えてはならん線を越えてしまったのだよ。選手たちの過去を調べる程度は構わなかった。素人の小娘ひとりで調べられることなどたかが知れている。それを専門としている平民どもにも劣るだろう。ロイガン殿にも答えてもらったように、選手たちもそれぞれ対戦相手のことを調べている。お前が調べた程度のことを知る者はいくらでもいたのだ。……ここまで言えば、何が問題となったのか分かるはずだ」
『ベルゼブブさまの……』
クレーリアの答えに、叔父上はわざとらしく大きなため息を吐いた。そしてベリアル卿へと顔を向ける。
「ベリアル卿。この者は縄張りとして貸し与えた地の近隣にあるアジュカ殿……ベルゼブブさまの施設に侵入し、何らかの情報を盗み出したのですよ。これが粛清にたる十分な理由であることは、ベリアル卿には理解できるはずだ」
片手を顔に当て、ベリアル卿は天を仰いだ。
「クレーリア……お前は、なんということを……」
『おじさま、私は、ディハウザー兄さまが悪く言われていたから、どうにかできないかと思って』
うん、それでアジュカさまの施設に無断侵入して情報の窃盗か。それはもう、どうしようもないな。悪く言われたからって、やっていいことではない。
「叔父上、それは……その、この男、八重垣との件の最中のことでしょうか?」
なんというか、もう大体わかってきたが、一応確認しておきたいところだ。
「そうだ。この女は、教会の戦士と通じている状況で、悪魔の機密情報を探り、魔王の隠れ家にまで侵入したのだ。大王派のベリアル家の娘が、グレモリーとバアルから土地を借りている状態で、教会と通じながら、ベルゼブブ派トップの施設にな!」
本人たちがどう思っていたのか知らないが、傍から見たら完全にハニートラップな状況ですね。
敵対勢力の男に色恋で惑わされた女が、自身の所属する勢力の情報を探ってまわり、技術担当の魔王の施設に入り込んだ……うん、もう、そりゃ、そうなる。
叔父上の目も吊り上がるってものだ。思い出しただけで、腹が立って仕方がないのだろう。
表沙汰になった場合、どうなっていたんだろうなコレ。
アジュカさまとしては抗議するしかないが、それはそれとして侵入されてしまったということで面子も潰れる。
グレモリー的にも土地を貸した者のやらかしだ、良いことなんてない。
バアル家は言うまでもなく。ベリアル家は御家が残っただろうか……少なくとも信用はゼロを下回ってマイナスに行きそうだ。
その上、クレーリアが証言台にでも立って今のように「ディハウザー兄さまのためにやりました」なんて口にしようものなら、『皇帝』の立場はない。引退も十分にあり得る。
そうなったら、ディハウザー殿でもっているベリアル家完全終了のお知らせだ。
「教会の者たちは、ときに『色』を用いることがある。教義を曲げてでも『神』に尽くそうとしてね。悪魔は人間を惑わし弄ぶ側でなければならん」
祖父さん、それ俺に言ってますか? いや、女好きと言われているが、さすがにここまでのことはやらかさない……はず。
うん、教会女には気を付けないとな、ホント。骨抜きにするのはいいが、こっちの骨が抜かれたら洒落にならん。
「ベリアル卿。アドバンスト・クラウンが公表された後ならば、このことを『皇帝』に伝えてもらって構わない」
叔父上からそう言われたベリアル卿は、頭が膝に付きそうなほどに背を曲げ、
「分かり……ました。ディハウザーには、よく言い聞かせます。クレーリアが犯した罪の事を……」
腹から絞り出すようにそう答えた。
原作を読んで考えるほどに、これは粛清されるよなって気になってしまうクレーリアさん