※この作品はR-18です。

公爵家次期当主好色物語   作:ルペッタ好き

126 / 127
  ミルトンの失楽園を読んで──リヴラクス・グレモリー


 ――こうしてイヴはサマエルの言葉に導かれ、禁断の知恵の実を口にしてしまった。そうして女は善悪を識る者となった。
 そしてイヴはこれまで存在しなかった悪というものの価値をアダムにも識ってもらおうと、彼もその実を食べて欲しいと願うのだ。
 私はこのあとの部分は、この物語のなかでも特に重要な部分だと思う。


 ふたりはこの果実を貪り食った。その実はふたりにある作用は引き起こした。それは二人の心に燃え盛る肉欲を焚きつけるものだった。アダムはイヴに向かって淫らな視線を投げかけ、彼女もまた同じように淫らな視線を彼になげかけてそれに応じた。二人は情欲に燃えた。そして、やがて、アダムはイヴを愛の戯れに誘おうとしてこう言った。

「……あぁ、すばらしい。私は今こそすべてを識ることが出来た。今日お前が用意してくれた御馳走に賛辞したい。この果実を今まで食べなかったがために、多くの悦楽を逃して来た。味わうには味わっても、本当の味わいを今まで知らなかった。さぁ、一緒に来るがいい。こんなに元気が出たのだ。今から二人で楽しもうではないか」

 アダムはそう言って、情欲に燃えた眼差しをイヴになげかけ、愛撫の手を差し伸べた。イヴもまた男の「元気が出た箇所」を見てそれを察し、情欲をかきたてる火のような眼差しを返した。
 二人は褥の上で愛と愛の戯れに心のままに耽った。やがて肉の甘い戯れに疲れ果て、二人は心地よい眠りに襲われた。

 目覚めた二人の心からは「無垢」が消え失せていた。「無垢」はこれまで二人に悪を知らないままでいさせてくれた。ヴェールのように蔽い守ってくれていた。「無垢」を失い、二人はその代わりに「羞恥」を得た。「羞恥」は二人に衣装を着させ裸を蔽い隠したが、それはかえって恥ずかしさをより一層高めて二人を苛んだ。


 こうしてサマエル(神の悪意)はヒトに善悪を識る実を食べさせ、目を開かせた。その心を知恵の光で照らさせ、欲望の暗い翳りを認識させたのだ。他者の目で自分を見るということ、他人からどう思われるのかを考えると言うこと、この認識の光によって闇がようやくその姿を現したのだ。
 サマエル(神の毒)がヒトに咎を犯す悦びを、罪に耽る愉しみを、甘く仄暗い背徳の果実の味を教えたのである。

 これはつまり、今日我々が着衣の下に裸体を想像して興奮を覚えるのは、サマエルさんのおかげということだ。もしも、このときサマエルが人の子に知恵の実を食べさせていなければ、未だに人は動物であっただろう。動物は恥を知らない。倫理も善悪もない。生まれたままの姿であることに疑問を覚えないし、自らの行動が善いか悪いかなどと考えない。
 無論、叱り躾ていけば一見飼い主にとって都合の良い行動を取るようになるだろう。だが、そこにあるのは子孫を残そうとする本能。食事を得ようとする本能。痛みを避けようとする本能だ。
 倫理や道徳などではない。
 もしもイヴがこの実を食べていなければ、今も人は裸のままで堂々と過ごしていたことだろう。恥ずかしげもなく交尾する姿を晒し、食事を得るためにはなんだってする。そういう存在のままであったはずだ。
 善悪を知らなければそこに悪は生まれない。無垢なる動物は罪が無い。調教のために罰を与えられることはあっても、それは罪の穢れを濯ぐためのものではないのだ。
 恥を覚えなければ、羞恥に顔を染めることもない。動物にも原初のエロス=愛はあるのかもしれないが、サマエルに与えられたそれはまさしく愛欲のエロ。
 私は堕天使が好きではない。むしろ大嫌いだ。だが、サマエルに限っては違う。彼こそが着衣ックスの始祖。恥ずかし気もなく晒される全裸になどエロはない。半脱げの色香の発明者、それこそがサマエル。 
 人に悪と恥の光を与えたこと、これはどうしようもなく偉大なサマエルの功績であり、悪の魔たる我々もまた人の心に悪が無くては生まれて来ず――



 読書感想文はまだまだ続いている……


誘惑の果実(Bad Apple)

 

 地平線が捲れ上がってくる。足元の大地に巨大なひび割れが生まれ、それまでなかった峡谷が出来る。曲がって折り重なって大山脈が瞬時に形成され、ひしゃげ、ねじれ、砕けて飛び散る。

 

 

 怒りという感情は一時的に強大な力をもたらしてくれる。怒り狂っている間は、恐怖心も消え去り、身体が竦むこともない。それどころか、普段は発揮できない力を奥底から呼び覚ましてくれたりもする。

 普段これを超えると危険だと感じる領域。自分自身を保つための限界点。それを振り切って、頭を狂わしてぶちかます瞬間。

 

 前世で小学生をやっていた頃、田舎道で野犬と出会ったことがある。噛みつかれることをよしとし、その代わりに首を締めあげへし折ってやった。あのときに感じたものに似ているかもしれない。熊は賢かったのか、目ん玉にボールペン突っ込んでやるつもりで睨み合ってたら逃げて行ったっけな……賢い。

 あるいは中学生のころ、下駄箱で跳び蹴りかましてきたクソ先輩。報復に玄関出てすぐの階段でタックル決めてやった次の日、アイツがお仲間連れてやって来たときもそうだった。真冬の放課後、川沿いの帰り道、アイツ一人に的を絞って特攻からの諸共川ダイヴ。アレを決めてやったときの爽快感、は少し違うか。

 大学生やってた頃、駅のホームで酔ったその筋っぽいのに絡まれた。あのときは、レールの上に引きずり込んで組み付いて粘ってやったんだったか。大仰に肩揺らして胸倉掴んで来やがった野郎の引きつった顔は最高だったな。

 給料とるようになった後、コンビニ帰りの夜道。金おろすところを見ていたらしい、いかにもな感じの未成年集団に囲まれたこともあった。あのときはライターと買ったばかりのライターオイルでやり合ったらどうにかなったっものだ。俺をボコって金とろうってんだ、プリンみたいな色の頭が焼きプリンになっても文句ねーだろ、一生ハゲてろ。

 

 俺の前世で特に覚えのあるブチギレなんてこの程度のものだ。カッとなってやっちゃったぜ! って感じだな。

 退けばなめられる。なめられたらむしられる。踏みつけられて生きたくはない。そう思えば、ああ、俺のあのときの対応は間違っていないのだ。少なくとも俺の中ではそう。

 強いか弱いか、生きるか死ぬか、踏むか踏まれるか、どうせどちらかならば踏み躙る側でいたい。前世じゃそれだけの力はなかったが、今の俺にはそれがある。

 

 だというのに、このオーフィスが! 殴っても殴っても、滅ぼしても滅ぼしても、一向に終わらない、堪えた様子がない。

 破壊、破壊、破壊、破壊、破壊……猛り狂って爪を振るう。滅びを混ぜたブレスで存在を消去しながら、それを燃料に焼き滅ぼす。尾で薙ぎ払い。牙を立てて噛みつき、食い千切り、血の流れない肉を飲み干す。

 悪魔の基準で言えば魔王クラスの蛇の群れ相手に、何時間戦っているのか。人間界の時間では数分も経っていないのかもしれないが、1000倍に加速した世界で過ごす俺にとっては、その数分が途轍もなく長い。

 憤怒は短い間だけ、その力を貸してくれる。怒りに我を忘れていられる時間はそう長くない。この感情は消耗が激しい。感情で出力が左右される神器使いとしては、これが衰えるのはよろしくない。

 全く善くないのだが、瞬間沸騰の怒りは冷めやすい。だからだろうか、前世のブチギレ案件なんてものを思い出してしまったのは──自分から苛つきに行かなければならないなんて事態になるとは、ああ、クソ苛つく! 

 

 なんか、もうやるだけやったし……いいかな。負けちゃってもさ。

 といった感情が湧き始めているのがクソムカツク。オーフィスが強いのは分かっている。強いヤツは偉い。オーフィスは強いから、偉い。だから、言うこと聞け。

 その理屈は俺の理屈であり、まったくもってその通りとしか思えないのだが……それはそれとして、一発ぶちかましておかないと気が納まらない。

 正面からマトモにやり合えば勝てない。そうだとしても、相手に傷のひとつも残せないのでは、その後に何を要求されても受け入れなければならなくなる。

 要求が過ぎれば痛い目に遭わされる。最低限そう思わせなくてはならない。

 なめられるわけにはいかんのだ。貴族はな! 俺もグレモリーの看板背負ってるんだよ! 

 

 足場が脆い。苛つく。俺の重量がありすぎて、岩盤が沼地のようだ。歩くより飛んだ方が消耗がすくないって馬鹿みたいだな。

 だが、それでも巨大な姿には意味がある。デカくて硬くて重けりゃ強い。人間の格闘技だって体重でクラス分けされている。

 一匹の蛇の頭を握りつぶしていると、別の蛇が背中に喰い付いてきやがった。アッサリ貫通しやがって、この鱗の厚み何メートルあると思ってやがるんだ。無限め! 貫通力特化のミサイルくらいなら余裕で弾く龍鱗が、竹槍も防げないダンボールアーマーのようじゃないか。

 食い千切られた背中から炎が噴き上がる。『不死鳥(レイヴェル)』の特性が俺の命を繋いでくれる。

 俺の牙がオーフィスの蛇を喰らい、オーフィスの蛇が俺の身体をついばむ。喰って食われて繰り返して、消耗して行くのはこちらだけ。『無限』はいつまでも減少しない。

 

 そろそろ……厳しい、か。

 

 頭の中を焦がしていた熱が急速に冷めていく。

 気付けば魔力が心もとない。無限の軍勢を蹴散らしてはいるが、どこまでも追い込まれている現状が身に染みてくる。

 周囲360度、地平の果てまでぐるりと囲んだ巨大蛇の群れ。空を覆い尽くす黒雲のような蛇たち。それらの動きが止まった。

 数え切れないほどの分身たちを従え、遥かな高みからオーフィスの光の無い瞳が見下ろしてくる。

 

「我は無尽。尽きることは無い。ドライグでは我に勝てない。それが理解できたなら、もう終わりで良い?」

 

 平坦なその声にイラッとするが、発狂モードはこれまでだ。もう余裕がない。

 ゲームのボス敵なんかは、HPが少なくなると攻撃が激しくなりがちだが、普通に考えれば傷つき消耗してからではそんなことは出来ない。万全の状態であればこそ、存分に暴れまわることができるというもの。俺の魔力はもう給油マークが点灯中なのだ。消費に回復が追い付いていない。

 だから、ここからはやり方を変えよう。俺はコイツに俺の価値ってものを理解(わから)させてやらなければならない。

 

『聞こえるか、ラティア』

『ええ、聞こえてるわよ。頭はもう大丈夫なのかしら?』

『押し切れたら良かったが、そうもいかなかった。ここからは魔力の運用に関しては全部、俺の「騎士」に任せる』

『……そう。せいぜい上手く龍を乗りこなしてみせるわ』

 

 アスタロトの特性で制御に長けたラティアに魔力の運用を丸投げ。空いたリソースを朱乃から譲り渡されている雷光と、黒歌の妖力と仙術の資質に回す。

 光力、妖力は魔力とは別会計。まだ使っていないから満タンだ。魔力と比べるとかなり少ないが、そこは『倍加』で増やしてやればいい。

 光力は悪魔や吸血鬼には強いが龍に特攻があるわけではない。それでも通用しないわけでもないのだから、攻撃手段としては有用だ。

 妖力は直接的な破壊力に変換するよりも、「化かす」ことに向いた力だ。幻術的な作用を発生させるのに向いている。といって肉体的な攻撃の手段として使えないわけではないのだから、混ぜて使っていくとしようじゃないか。

 仙術は正直難しい。ついでに言えば、無限の生命力を持つオーフィス相手には通用しないだろう。スプーンで海の水をかき混ぜようとするようなものだ。それでも無いよりマシだが。

 

『ドライグ』

『なんだ兄弟?』

『お前が知っているオーフィスの情報を教えろ。何でもいい、戦いながら聞く』

『構わんが、オーフィスについて俺の知っていることはそれほど多くないぞ』

『知っているだけのことでいい』

 

 敵を知り己を知らばなんとやらと言うが、俺は自分の全力もまだ知らないし、オーフィスのことなどサッパリだ。

 まったく、来るなら来るで事前に入念なミーティングをさせて欲しいね。事前に検討していたら、そもそも戦うって結論が出ないだろうが。

 

「まだ続ける?」

「続行だ、オーフィス」

 

 理解できないと言った様子のオーフィスに、戦闘継続を伝えて光の槍を掌に。槍に『倍加』を繰り返せば、ちゃんと今の俺用のサイズになった。

 いや、でもこれなんか扱い難いな。そもそも槍とか剣とか手習い程度にしかやってないわ。俺が一番慣れ親しんでいて、かつ朱乃と縁のある武器って言ったら、やはり鞭だろう。鞭。朱乃はムチムチ。

 両手に二本の雷光鞭を生成。バジン、バジンと振り回す。これでいい。雷光が狙ったところに飛んで当たって弾けて焦がす。プレイの最中に急所を的確に撃ち抜くために磨いた技だ。練習の本気度が違う。だいたい光力なんて、武器の形がどうあれ当たればいいんだよ、当たれば。武器の重量や勢いではなく、光力でダメージを出しているのだから。

 打つ、撃つ、討つ。雷光の鞭で打擲し、妖力の帯で巻き取り、地に引き倒して踏み潰す。地平の果てまで埋め尽くし、空を覆う黒蛇の群れを──。オーフィスに仙術は効かないが、気配を探る役には立つ。無限の龍神に技巧はない。詐術もない。戦術もなしの力押しは、普段の俺と似たようなもの。無限のパワーとスピードがあれば、そんなものは必要ない。

 だから、気配を読むことは頭が冷えていればたやすい。攻撃の気を感じ取り、機を外すことでなるべく回避。それでも物量の前に、躱しきれはしなくなるがそこはラティアにお任せだ。

 俺がやると常時全身を覆う形でしか使えない『滅び』のオーラによる防御。それが攻撃を受ける一点、その瞬間のピンポイントでカバーに入って来る。薄く広く全身にではなく、濃く小さく被弾しそうな箇所のみを守る運用。そいつで黒蛇の牙を防ぐ。

 空を舞う百千万の蛇たち、その顎が開くと炎の弾が降り注いでくる。狙いは甘い。甘いがその分回避の余地がない。ああ、喰らうなこれは……と思った瞬間、直撃コースの火炎弾の中心に『裂け目』が入った。それによって、火球の形が崩れるまではいかないがコースが変わる。

 爆ぜる。無限の放った無限の熱量が、直撃せずとも周囲一帯を焼き尽くす。岩石が融解・蒸発する。

 

 

 

 

 ―○●○―

 

 

 

 

『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』オーフィス。

 

 混沌、虚無、無限を象徴するドラゴンの神。オーフィスは自身がいつから在ったのかを知らない。人間の祖先が二足歩行を始めた頃、あるいは人が初めて道具を使い始めた頃、もしかしたら人が「火」を扱い始めた頃か。

 少なくともオーフィスが人間界に目を向けた頃には、既に人間たちは死者を埋葬する習慣をもっていただろう。

 オーフィスは人間たちがそうしていることは知っていたはずだ。ただ、親もなく子もなく、兄弟もいない無の独り子であるオーフィスはそれの理由を理解することは出来なかったと思われる。

 ただ、いつの頃からかオーフィスはひとつの疑問を抱くようになっていたらしい。あるいはそれこそが、オーフィスの生まれた意味、存在の始まりに繋がるものなのかもしれない問いかけだ。

 

『我、なぜ存在するのか。その理由、何なのか』

 

 オーフィスの求める答え。それは人間の哲学において有名な問題だ。究極の問い、存在の謎とも言われる問題である。

 

 なぜ何もないのではなく、何かがあるのか。

 なぜ我は我なのか。

 我とはなにか。

 

 真の無からは何も生じない。だが、たしかにここに我がいる以上、無ではない。では、無限を生じさせる無とは何か。

 この世には、たしかに「何か」が在る。だが、「なぜ」それがあるのかという問いの行きつく果ては誰も答えられない。

 

「宇宙は何故ある?」「なぜビッグバンが起きる?」「なぜ起きるようになっている?」……「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」

「最初からすべては在った」「なぜ最初から在ったのか?」「永遠に続いているから」「なぜ永遠に続いている?」……「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」

 

 それは考えても考えても答えの出ない、無限後退の謎。それは生命の存在意義の問いにも繋がる疑問。

 

「どうせ死ぬのに、なぜ生きる?」「世界は辛く苦しいのに、なぜ子供を産む?」「生きる意味は? 存在の理由は?」……「どうして?」「どうして?」「どうして?」

 

 知恵を得たが故に、人間は永遠に答えの出ない謎について思考するようになった。その答えを求めるオーフィスのかつての姿は、哲学者の老人のようだ。

 そして、現在のオーフィスは親に答えを尋ね続ける幼子のような姿をしている。そこにどんな心境の変化があったのか。

 また、オーフィスはこうも言っている。

 

『我、次元の狭間に戻り、静寂を得たい』

 

 オーフィスは次元の狭間の『無』から生まれた。次元の狭間とは、オーフィスにとっての親、母の胎と言ってもいい。ならば、母の胎の中で誰にも邪魔されず、煩わされずに過ごしたいというオーフィスのこの願いは、一種の胎内回帰願望のようですらある。

 かつては知識として知ってはいても、何も思わず何も味わわずに数万、数十万の年月を過ごしていた隠者のごときオーフィス。それがなぜ、今になって母に抱かれたいと欲するようになったのか。

 

 

 

 

 ―○●○―

 

 

 

 

 思考を巡らせながら夢中で戦い続けるうちに、いつしか周囲には小島ほどの土地しかなくなっていた。見渡す限り、地平線の向こうまで延々と広がっていた大地は細切れになって消し飛んでしまったらしい。

 そして、オーフィスはそろそろ終わらせるつもりなのか黒蛇の群れを引き上げ始めた。

 魔力はほとんど底をついていた。光力も妖力もない。そんな俺の身体には、これまでになかった力が宿っているが、こんなものはオーフィスから見れば塵芥も同然だろう。

 サイラオーグのヤツは、身体を苛め抜く修業をしていたら身に付いた……とか言っていたかな。うん、あれだな、闘気って黒歌の素質ありならオーフィスの蛇と戦ってるだけで出てくるものなんだな。

 まぁ、俺の生命力を振り絞ったところで、無限には通用しないワケなんだけどさ。それでも次元の狭間の『無』に呑まれないためには役に立つ。

 

「我は無辺。はてはない」

『どこまで巨大になるつもりだ、オーフィス……』

 

 ドライグが慄くのも分かる。なんだ、あの大きさ……いくら無限と言ったって、限度ってものが……限度が無いから無限か。オーフィスは、無尽にして無辺。視界の全てがオーフィスの蛇体で埋まる。

 スケールがデカすぎておかしくなりそうだが、あの鱗の一枚一枚がグレモリー領くらいあるかもしれんな、コレは……。

 天も地も、前も後ろも左も右も、全方位がオーフィスの蛇体に囲まれた。無限のオーラが吹き荒れて、転移の術は使用不能。逃げ場はない。

 

「付き合うのは、これで終わり」

 

 獲物を絞め殺す大蛇のように、オーフィスは残された大地ごと俺を潰しに来た。こちらに抵抗する力はない。逆らうことは許されず、全方位から圧迫されて、圧縮されて、龍の姿を維持することも出来なくなっていく……。

 

 だが、まぁ……勝つのは俺たちだ!

 

 純粋にして無垢。宗教、神話、現実の苦労。それらに未だ穢されていない、ナマの疑問を抱き続ける幼子。

 

 それがこれまでに考えていたことと、ドライグから聞いたことを合わせ、俺がオーフィスに抱いた印象だ。

 

 グレートレッドによって次元の狭間から追い出される以前のオーフィスは、もっと超然とした存在だったらしい。だが、今の彼女は生まれた場所から出たことで、世の中について知り始めたばかりの小さな子供のようになっているのではないだろうか。それは世間に毒され、汚れ始めたとも言える。

 

 仮定であり、推測に過ぎないが、もしもオーフィスに知識はあっても経験がない。経験があっても浅く薄いものでしかない。

 そういうことならば手の打ちようはある。純粋さはいずれ擦り切れるもの。無垢は汚され穢されるのが世の定めというものだ。

 

 次元の狭間を追い出された今のオーフィスは、徐々に変質し始めている。汚れ始めている。

 

 だったら、その穢れ方を……この俺が決めてやる。どす黒い悪魔らしく、染め上げてやろうではないか。

 ジジイだったらお断りだが、幸い今のオーフィスはロリロリではあっても女だ。だったら、ヤレる。俺はヤルときはヤル男だ。見た目はともかく滅茶苦茶年上なので問題ない。オーフィスは合法ロリである。いや、たぶん人類に「法律」なんて概念の無かった頃から存在しているだろうから、オーフィスは無法ロリなのかもしれない。

 魔力や魔法、あるいはギリシア神話に悪名高いエロスの矢でもオーフィスには通じないだろうが……。俺はただこちらに興味を持っているらしい彼女に、情報を与えるだけだ。

 

『Transfer!!』

 

 勝利の鍵は、朱乃の特性(性癖)。俺は股間のコイツで無限に勝つ!

 

 とてもとても頑張ってくれたラティアにはすまんが……。

 これも勝利のためだ。耐えて欲しい。

 








サマエルさんはエロの開祖。堕天使総督はもっとリスペクトすべき



オリ主がいろいろぐちゃぐちゃ言ってますが、要は純真無垢(原作)なオーフィスちゃん(数百万~数十万歳)に特性「М」を『譲渡』してやろってだけの話。



みんな大好き(?)オーフィスのシーンどうしようかって考えていたら、禍の団結成前じゃないと厳しいよなって無理矢理ねじ込む形に……でもこれR18なので汚す方が優先です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。