公爵家次期当主好色物語 作:ルペッタ好き
父上に朱乃を眷属の『戦車』にしたことを伝えた。
すると父上からの朱乃の呼び方がアレとかバラキエルの娘などから「朱乃くん」に変わった。
そしてすぐさま、我が家の使用人からの扱いも『朱乃さま』に変更。清々しいまでの変わりっぷりである。
朱乃の部屋も例の監禁施設から、俺とレイヴェルに割り当てられている区画(ほぼ城)に移り、いくつかあるプレイルームの一つを与えることになった。
一応そこには、朱乃の好みそうなアレやコレな道具一式も運び込ませたが、俺は使用人たちからどう思われているのだろう。まぁ、どうでもいいか。
「朱乃、とりあえず適当に領地を選べ」
「ええと……」
俺の眷属となったからには、朱乃も小領主さまの一人。そこから上がる収入のいくらかが朱乃の個人資産として入ってくるので、そこそこの贅沢は出来るだろう。なお実際の統治は代官が行うので、名目上の領主さまである。
この待遇の変わりように朱乃は戸惑ってばかりだが、これがグレモリー本家の眷属悪魔の扱いなのだ。
ちなみにレイヴェルには領地の割り当てはしない。
「朱乃ばかりずるいですわ」
「レイヴェルは、俺と一緒にグレモリー領全体をみてもらうから」
「いえ、そちらではなく。人間界の山をもらったと聞きましたので」
いつの間にか、二人でそういう話をしていたらしい。
「と言っても、まだレイヴェルの趣味もあまり知らないからな」
山をもらっても困るだろう。
ヤルことはがっつりヤッておいてなんだが、レイヴェルとの付き合いはここ最近のものだ。暇な時間に会うと大概、YesYes香水にやられて突入してしまうので、実はあまり普段の趣味などについて話していない。
「私、料理が趣味ですの。特にお菓子が得意ですわ。あと、庭をいじってみたいです」
料理を趣味とする貴族は多い。特に女性に多いが、男も結構やる。男性貴族の筆頭ともいえるバアルの祖父さんの得意料理は、アップルパイだ。おそろしく美味い。年季が違い過ぎる。
そして、俺は……女性貴族の趣味の料理にややトラウマがある。妹分的な幼馴染の作るケーキ……あれは実に恐ろしいものだ。ソーナの愛妻料理なんてものを食すことになるかもしれない未来の旦那さんには合掌である。
バアルの祖父さんから、「嫌なら嫌とその場ではっきり言いなさい。怒りは溜め込まずにすぐに表すように」と滾々と諭されたこともあって、それまで「あー……うん、まぁ、美味しいよ」などと濁していたところを、「クソマズイ」とハッキリ言ってやったときのソーナの泣き顔が忘れられない。
すぐに飛んできたセラフォルーさんにオシオキされたことも忘れない。「おねえちゃんて呼んでね☆」とか言っていたのに、所詮俺のことなんて遊びでしかなかったのだ。実の妹には勝てない。
兄上はそんなに俺に構ってこないぞ。独立した成人の兄などそんなものだと思うが。
「庭は好きにしていい。ただ……」
「ただ……?」
「一度、レイヴェルの手料理が食べてみたいな」
その味によっては、レイヴェル料理禁止令を出さなければならないかもしれない。
「お任せ下さいまし! 朱乃、手伝いなさい」
「あ、はい」
張り切ったレイヴェルの手によって、厨房がひとつ占拠され。何故かお菓子作り教室が始まった。
いろいろとまだギクシャクしている二人だが、レイヴェルとしてはちゃんと面倒を見てくれるつもりのようで一安心なのだろうか。
「それは違いますわ。こうです、こう」
「うん……はい」
レイヴェルが指示を出し、比較的簡単な工程を朱乃にやらせている。
これは……まともな出来を期待できるのではないだろうか。見たところ、おかしなところがないように思えるぞ。
「美味い!」
しばしの時間が過ぎ、完成したケーキを食べた俺は感動した。
良かった。本当に、良かった。普通に美味しいって素晴らしい。
「この腕前なら毎日でもいける」
「もう、いやですわ。そんなに褒めないでくださいまし」
胸を張って得意そうなレイヴェル。こっちもまだ小ぶりながら美味いので、そのうちクリーム乗っけて食べてやろう。
「やった……じゃなくて、うふふ、照れますわ?」
朱乃は現在口調が混乱中だ。俺の趣味でメイド服を着せているので、グレイフィアに頼んでメイド道を習わせている。やはり形だけではな。中身もそれらしくしないと。
さらに、レイヴェルから淑女のたしなみ的なあれそれも教えられている。
さらにさらに、俺とのプレイで「オチンポぉ♡ オマンコいいのぉ♡ 好きぃ♡ いっくぅんんっっ♡ ああぁっ、ご主人さまぁ♡」とか言わせまくっている。
そりゃ混乱するだろう。元々の口調は、十歳で家を飛び出したころからのものなので、いろいろ合わさってしまう。
しばらくしたら落ち着くとは思うが。
「庭は一緒に考えるとして……」
庭をいじりまわすのも、これまたよくある趣味のひとつだ。俺にはよく分からないが、出来を競ったりしている連中も多い。趣向を凝らすのが大事なそうな。
我がグレモリー家はなぜか日本文化贔屓のちょっと間違った感じになっているので、あのカッコーンとかいうのがあったりする。そしてその近くの茶室にででんと鎧兜と刀剣が飾ってあったりする。たぶん、何かが違う。
「レイヴェル、今度キッチン一式を買いに行こうか」
「あら、そんなもの取り寄せればよろしいでしょう?」
「まだ二人で出かけたことがないからな」
「ああ! 喜んでご一緒させていただきますわ!」
まずは、キッチンの形状からか。レイヴェルが趣味で使うだけなら、あまり大きく広くても使い勝手が悪いだろう。
諸々の配置や、高さもある。使う道具にしても、あえて古い薪を燃やすオーブンを使う者もいれば、自動で調整してくれる最新式のものを好む者もいる。
「そのあたり、考えながら決めていこう」
「はい!」
―〇●〇―
さて、朱乃に関してだが我が家の外にも知り合いの一人くらいは欲しいところだ。
上級悪魔とその眷属は社交に出かけることもよくある。その際に基本的には『王』と『女王』はセットで動くことが多いので、現状では朱乃が一人で残される場面も出てくるだろう。そんなときに知り合いの一人でも別にいれば──ということで俺は朱乃を横に立たせて、知り合いを紹介しておくことにした。
『こちらで繋いでくるということは、そういう話なのですよね?』
通信用の魔方陣が起動し、映像の出現と共に声を発したのは、シーグヴァイラ・アガレス。緑がかった長い金髪と、いかにも知性派ですとアピールしているような、切れ長な目つきのクール系を装った眼鏡っ娘だ。純血の貴族悪魔なので当たり前のように美人である。悪魔の身体能力を考えると、メガネはファッションだと思う。
「やあ、
『その呼び方。こっち以外では使わないでね』
「分かってる。からかっただけだ」
『それでそちらの堕天使の翼の子が、
うふふと笑うシーグヴァイラは、公私をかっちり分けたがるタイプだ。わざわざ趣味用とそれ以外で通信も分けている。というか、この趣味用回線、もしかして俺しか使っていないのでは……?
「朱乃だ。例の布教用一式全て学習済み、何度もループして観ていて、セリフを言えば第何話のどの場面かも分かるレベルだ」
『素晴らしいじゃない! ……朱乃さん』
「あっ、はい」
目をキラキラと輝かせるシーグヴァイラの様子に、朱乃は若干怯えているようにも見えるが、
『少し語り合いましょうか?』
俺はそんな朱乃をこのロボマニアに差し出した。えっちなモノ以外にもロボアニメを観させていたのは、全てはこの日のためだったのだ。
存分に語り合い、気に入られてくれ。シーグヴァイラは、悪魔の国の二大派閥双方から気を遣われている大公家の姫君だ。どこかの場で、気安く声をかけてもらうだけで朱乃の扱いが変わってくる。
女ばかりの場とかあるしな。男には分からん社会があるのだ。
ちなみに『リーくん』とは、セラフォルーさんが使う俺の呼び名だ。レヴィアタンさまが使っていい呼び方ではない。一度、公式な場面でそれをやられて、無性に恥ずかしかった覚えがある。
あれ以来、俺への反撃としてたまにシーグヴァイラにも呼ばれることになってしまった。シーグヴァイラの『シーちゃん』呼びはソーナが小さい頃にそう呼んでいたことが一時期あった。覚えているかは知らないが。
ソーナもなぁ、あの頃は可愛かったのに、最近はなんだか真面目な話題以外は冷たいんだよな。元『おにーさま』は悲しいです。反抗期なのだろうか。
なんてことを俺が考えている間に、二人の話題は「宇宙空間でレーザーの軌跡が視認できるのはアリかナシか」などというものになっていた。
「いや、そんなの見栄えの問題だろ」
『そんなことは分かっているわよ。それでもあえて……というところが分からないのかしら?』
シーグヴァイラの言うことは難しい。
「シーグヴァイラ、俺は他に用があるので席を外すが構わないか?」
『ええ……、それで、それで?』
返事がいい加減だ。すでに俺の話などロクに聞いていないなコヤツ。珍しいプラモデルでも見つけたら賄賂として送っておくか。
さて、朱乃は『戦車』なので戦闘技術も磨いてもらわなければならない。まず襲撃をかけてくるであろう白龍皇に備えて最低限、人質に取られたりしない程度の実力は欲しい。ドライグの話では龍のアルビオン自身はそんなことはしないヤツのようだが、所有者はどうだかわからんからな。
俺なら白龍皇の身元が判明したら、人質、奇襲不意打ち、毒を盛る、多数の人員を動員できる立場を利用し休む暇を与えず攻め続け疲弊させるくらいはやる。きっと、向こうもそうだろう。
まぁ、予定では命までは取らないつもりなので許すがいい。単に永久封印してやろうというだけだ。神器が新しい所有者に移るたびに戦い再開など、やっていられないからな。
朱乃の魔力の扱いは、俺が教えてやればいい。特に防御に関してはプレイしながらでも出来る。
光力は現状自力で頑張ってもらうしかないな。あれに詳しい知り合いなんていない。
『戦車』ならば近接戦闘も要練習だろうし、朱乃には鬼を従える才能もあるようなので、そのあたりもコミで兄上の眷属に依頼していおいた。あの新選組やってた人は、刀も魑魅魍魎妖怪変化の扱いも達者だからな。
ふふふ、しかし兄上に朱乃を眷属にしたことを伝えたときは大喜びしてくれた。正直、婚約者を紹介した時よりもニコニコだったと思う。
やはり兄弟、俺が堕天使の娘を虐げていることを知っていて、くくくくと内心で魔王笑いしていたのだろう。あの人も、ときどきヒーローコスして遊んでいたりするからな。義姉上まで付き合わせていたりするし、きっとヒロピンシチュとかも嗜んでいるのだろう。敵に捕らわれたヒロインが、アーンなことヤーンなことをされる感じで。
朱乃には普段メイド衣装を着用させているが、巫女服や侍っぽい和服を着せてもいい。黒髪長髪なので、時代劇なんかで見た位置高めのポニーテールもきっと似合うだろう。それをこう、女武芸者緊縛調教みたいな感じで……ふふん、夢が広がる。和と縄は相性がいいと、勉強のために読んだ本にも書かれていた。縄の扱いって案外難しい。本番前にメイドで練習しておかないと。
さてさて、それはそれとして、朱乃を眷属にしてから少し経ったが、やはりレイヴェルだけに運営を任せておくのも忍びない。
一人から二人へ、ここが最初の第一歩。長い長いハーレム坂の始まりの一里塚。ここで躓くわけにはいかない。
今後のハーレム人員増加の簡単な解決策としては、肉欲堕天使バラキエルがやったように、愛人をどこかの別荘なり離宮に隔離して、本拠地にいる本妻と会わせないようにしてやればいい。
だが、俺の場合は眷属でハーレムを作ろうとしているのだからそうもいかない。眷属とは一群の戦闘集団でもあるのだ。連携などもしなければいけない。
あっちこっちに愛人用の別宅を作って飛び回っては楽しんでそうな、淫欲に溺れて天より堕ちた男とは違うのだ。
「義兄上、そこで相談なのですが」
何事にも先達はあらまほしきもの。そして俺には頼れる先達が既にいる。悩み事を相談するのは、恥ずべきことではない。
『要するに、お前のハーレムの最初の二人を仲良くさせるにはどうすればいいか聞きたいと』
そう通信魔方陣に映るのは頼れる義兄、ハレキン先輩ことライザーさんだ。
「ええ、レイヴェルは気を回してくれていますし、朱乃も素直に言うことを聞いているのですが……やはりどこかギクシャクとしているところがあって。まずは、ここからですし、経験者から何かアドバイスを頂けたらと」
『そりゃあ、なぁ。まぁ、あれだ……お前、レイヴェルとはどうなんだ?』
「こっちに泊まるときは毎晩一緒に寝てますけど」
レイヴェルの部屋のベッドって使われたことあるのだろうか。ほぼ俺のところに連れ込んでいるんだが。いや、だってあの娘さん、いつもそのくらいのタイミングになるとYesYes香水つけてくるし……応えちゃいますよ、そりゃね。
『あー、そうかー……。で、もう一人とは?』
義兄上は、それを聞いて何やら微妙な表情。
「レイヴェルが泊まらない週と、あとは学校に行っている間にですかね。俺、学校行ってないですし」
うむ、俺は嫁さんが学校で勉強しているだろう時間に、訓練終わりの朱乃を捕まえておっぱい揉んだり、尻叩いたりしてヤっているのだ。
『そうかー……』
何やら悩んでいる様子のライザー師匠。葛藤が渦巻いているようだ。
『俺がどうしたのか、言わないとダメか?』
「是非とも教えていただきたく」
『あー、なー、まぁー、うーん……』
「いや、男を焦らしても仕方がないでしょう。お願いしますよ義兄上」
『どうしてもか?』
「どうしても」
『そうかー……。どうしてもかー』
「なんとか、どうにかお願いします」
『あー…………』
義兄上は、眉を寄せ目をつぶり、苦渋の決断をするように両の肘をテーブルにつき、組み合わせた両手を額にあてる。
『……さんぴーした』
「えーっと、良く聞こえなかったのですが?」
『だから、三人でヤったんだよ!』
おお、なるほど。それはそれは、裸の付き合いで仲よくしようってことか。
『お前な! レイヴェルは俺の妹なんだよ! これでも結構可愛がってんの! それを、こう、そういうだなぁ! 分かるか、今の俺の気持ちが!』
「あっ、はい。そうですよね。すいません」
『ちょっと想像してみろ』
俺に妹はいないが、妹っぽい娘はいる。
えーとつまり、ソーナの夫になるヤツが通信してきて『すいません、グレモリー先輩。ソーナさま……じゃなくてソーナと愛人の仲を上手くやるにはどうすればいいっすかね?』とか聞かれて「んじゃ、3Pしてみたら? 上手くいくかもよ?」と答える状況か……。
「嫌すぎる……」
『だろぉ!? だから、もう俺にその手の話題を振って来るな』
「いやいやいや、しかし、ライザー義兄上が頼りなんですよ。こう具体的なことは言いませんから、今後も人数が増えていく形成過程のこととかをですね」
『あー、分かった、分かった。俺のときの話なら、話せるところは話してやる。だから、そっちの今の、生の状況を伝えてくるな』
「はい、了解しました。ありがとうございます」
先輩、あざーっす。と頭を下げておく。
ふむ、しかし、なるほど、3Pか。今生ではメイドさん達で経験済みだが、いざレイヴェルや朱乃と、となると緊張するな。
しかし、俺の夢は広間いっぱいに蕩けた女を侍らせて、ワハハと余裕のエロゲ魔王的ハーレム。これぐらい、やれないでどうするというのか。
「しかし、どうするか……」
二人の姿を思い浮かべ、それを脳内であられもない姿にしてみる。
ふむ、これだけでいいのか? 何か足した方がいいのでは? 初回であるし……。
そういえば、レイヴェルと調理関係一式を買いに出かける約束をしたな。
ふむふむ、調理、ケーキ……トッピング。
よし! 二人が作ってくれたケーキのお礼をしよう。
次回『女体ケーキ二点盛り』
君は何をトッピングする?