公爵家次期当主好色物語 作:ルペッタ好き
海遊び用に購入した島。その島の森に建てたコテージ内に設置した男女が行為を行うのに十分な大きさ広さを持たせたソファの上。リヴラクスは小柄な美少女を組み敷いて、その身体を抱きしめ、なぞり堪能し始めていた。
お互い服は既に脱いでいる。亜空間に何着か収納しているリヴラクスはともかく、エルメンヒルデは吸血鬼の国から攫われてくる際に一着しか服を持ち出していないので汚したくはなかったのだ。
裸の男と女が抱き合い、肌が触れ合う。
エルメンヒルデ・カルンスタイン。身長150㎝、体重42㎏、B75W56H80のBカップ。冥界に連れて行った後、既製品で当座の衣服を用意させるために聞きだした彼女のスタイルだ。
リヴラクスが理事長をしている日本の駒王学園の生徒で言えば初等部高学年程度の身長と体重。それでいて、彼女のスタイルは異形の者らしく大人のそれ。
「ん……んんっ……」
ただし、彼女の股間は無毛だった。排泄を必要とせず、汗もほとんどかかないだろう吸血鬼という種には必要ないものなのだろうか。それともエルメンヒルデの個人的な特徴なのだろうか。
リヴラクスにはその判断が付かなかったが、小さく細い体躯の彼女のそこがつるりとしていると、童女を犯しているような気がして背徳感が湧き上がってくる。それで萎えるような繊細な男の象徴ではなかったけれど。
エルメンヒルデは長い寿命を持つ吸血鬼の中にあって、暴虐なる『紫紅の龍帝』との折衝を任された者。見た目通りの年齢ではなく、リヴラクスよりもずっと年上だ。
前世の祖母より年上で、それでいてロリっぽい女など異形の世界では珍しいことではないので、男の主砲は元気に装填中だ。
「ふっ、ん……」
男の手のひらと指が、彼女の太腿から尻を徹って腰までを幾度も往復する。細く蒼白い脚はスラリと長く、尻は小振りだが丸みを帯びてキュッと上がり、腰の括れは男の情欲を誘うに足りるラインを描いている。余分な贅肉もむくみもたるみもないスレンダーなボディだ。
エルメンヒルデの胸のふくらみは控えめだが、普段豊満な女に囲まれているリヴラクスとしてはその慎ましさにどこか懐かしいものを覚えていた。彼女の身体の上に伸し掛かって背中に腕を回し、胸と胸を合わせてきつく抱きしめるとリヴラクスの胸板の上で潰れる柔らかな乳肉の感触が確かにある。
細いが痩せ過ぎてはいない。ガリガリにやせ細った骨ぼねしさはなく、柔らかさと丸みをしっかりと帯びた彼女の身体は、単純に骨格からして細く小さいのだろう。
「吸血鬼の身体は冷たいな」
ウェーブのかかった薄い色合いの金糸のような髪をソファの上に散らす彼女の唇は、リヴラクスの血と二人の唾液に塗れ淫靡に紅く濡れ光っていた。
強く抱きしめれば折れてしまいそうな脆く儚そうな線の細さ、男の両腕ですっぽりと抱え込める華奢で小さな体が庇護欲を煽る。それでいて大人の女性の身体が持つ曲線の魅力が情欲を湧き勃たせる。
「気に入らなければ、離せばいいでしょう」
唇を吸い上げ、散々に唾液を飲ませた時点でエルメンヒルデの肢体からは力が抜けていた。吸血鬼らしくプライドの高い彼女だが、既に
「離すものか。気に入っていると言っているんだ」
エルメンヒルデは両の瞳をきつく閉じているので、彼女の深紅の双眸に宿る感情の色は分からない。
生命の熱のない吸血鬼の身体は冷たく蒼白いものだ。それは悪魔に転生しても変わらず、命のオーラも血の気もないまま変わっていない。整い過ぎた美貌と生気の無いエルメンヒルデを人形にたとえる者もいるだろう。
だが、今の彼女の肌は薄っすらと赤く色づいていて、腕の中の女が性的な興奮状態にあることをリヴラクスに教えてくれていた。そして、その彼女の発情度合いは強く抱きしめるほどに、力づくで押さえつけるほどに、高まっているように思われてならない。
「そうですか……。でしたら、売り飛ばされる心配はしなくても良さそうですね」
「トレードに出される心配をしていたのか?」
「当然の憂慮です。私は……だから……、とにかく、他の悪魔に引き渡されては、契約が履行されませんから。詐欺同然です」
上級悪魔の間では、お互いの眷属を交換したり、売却するといった行為が行われていることはエルメンヒルデも承知していた。
トレードによって他の上級悪魔の眷属とされてしまった際にも以前の契約内容が引き継がれるようだが、リヴラクス・グレモリーと他の上級悪魔とでは、エルメンヒルデにとっての重要事が違い過ぎる。
現悪魔の名門六家の内、最高峰の大王バアル家と現ルシファー輩出のグレモリー家。その二つの血を引いた、超越者クラスの魔力を保有する者。さらに、転生により人間の魂を宿したことで、神滅具『赤龍帝の籠手』までも所有している男。
これほどの希少な血を持つ者などそうはいない。これに勝るほどの血があるだろうか。血を条件に悪魔へと転ずる契約をしたことになってしまったエルメンヒルデにとって、この男以外の主などあり得ない話だ。
「俺はお前が『はぐれ』て出て行くことを心配し、お前は捨てられてしまうことを恐れている。つまり、俺たちはどちらも離れたくないと思っているわけだ。両想いだな」
「訳の分からないことを……私は単に貴方以上の食糧係がいそうにないと考えているだけです。悪魔の中での立場も高い位置にあるようですし」
あくまでも、打算、取引。エルメンヒルデがこの男に従うのは、もう後戻りできない状況になってしまったから。そして、転生悪魔として生きていくにあたって都合が良さそうだからだ。
それ以外の理由はない。あの過ちも、あの時に口にした言葉も、魅了の魔眼がお互いに作用してしまったせいでしかないはずだ。
「そうか。なら、お前が俺の下に居続けたいと思えるようにしてやらないといけないな」
そう考え瞳を閉じたままであいるエルメンヒルデの尖った耳に、男の手がするりと触れた。目を閉じて視覚を遮っているせいか、彼の手が触れている場所に意識が集中してしまう。
耳から始まり、首筋、鎖骨、胸の周囲、脇腹へと指先がかすめるように伝っていく。下腹部に到達した男の指は、エルメンヒルデの無毛の股間の周辺を通り過ぎて行った。
太腿、膝裏、ふくらはぎ、足首に足の裏、足指までもを何かをそっと探るようにリヴラクスは撫でまわす。
「犯すなら、犯せばいいでしょう? 下僕の身ですから、逆らいはしません」
「なんだ、早く挿れて欲しいのか?」
「ふっ、ぅ……ち、違います」
身体中をまさぐられていると、くすぐったさと共にむずむずとした感覚が湧き上がって来てしまう。
エルメンヒルデはカーミラ派にあって外交を任されていた身。それなりに年齢も重ねていたので、男女の行為の経験もある。
ただ、その際も女性が主導権を握るべきであるという考えがあったので、この男にいいようにされている状況には慣れないものがあった。
いっそ自分から積極的に動いてもいいくらいだ。どうせ下僕の身の上、求められれば従うしかない。ならば、自分から動いてもいいはず。そう思うのに、なぜか任せてみたい、委ねてみたいと思ってしまっていた。
「こうしてじっくりと触れてみると、やはり美しい身体だな。肌も滑らかだ」
エルメンヒルデは褒められるのには慣れていた。こんな女の身体を評価、値踏みするような言葉で喜ぶほど初心ではない。
それなのに、つい声が漏れてしまう。
「あっ、んん……ん……」
エルメンヒルデの視界は閉ざされていて、彼の視線がどこに向いているのか分からない。
ただ、彼に触れられている場所がとても熱い。今触れられている場所もそうだが、なぞられた跡に熱が残っているように感じてしまう。
(ああっ……どうして、こんなに……)
全身を筆先で刷くように触れ回っていた手が、再び頬に戻って来た。上下の唇の間をすっと撫でていく指の腹の感触に、エルメンヒルデは僅かに唇を開いてしまう。口の中で舌が踊ってしまった。
「エルメはずいぶん敏感なようだな。感じ始めているなら、素直に声を出してくれた方が俺は嬉しいぞ」
冷たい血の流れる吸血鬼の男と比べると、リヴラクスの手は熱い。その熱が肌からエルメンヒルデの身体の奥へと伝わってきているようだった。
これまでになく肌の感覚が敏感になっている。目を閉じているせいもあるのだろうが、男の指の動きに合わせていちいち身体が反応してしまう。
「べ、別に感じてなんか……いませんけど」
相手は『王』だ。エルメンヒルデがこれから従って行かなくてはいけない相手だ。その男が素直に感じていると言った方が嬉しいと言うのなら、それに合わせてやればいい。
そうは思うものの、そのはずなのだけれど、何故かエルメンヒルデの口からはそういった言葉が出てこなかった。
「そうは見えないが……エルメがそう言うのならそうなんだろうな。なら、少し小道具を使わせてもらうとするか」
エルメンヒルデは、魔力のゆらぎのようなものを感知した。リヴラクスが亜空間から物を取り出したり仕舞ったりするときに感じる気配のようなものだ。
「なにを……?」
「気になるなら目を開けるといい」
「嫌です」
自分自身でも抑えきれない衝動が、エルメンヒルデの内で渦巻いていた。捕食者の本能がどうしてもこの男に魅了を仕掛けようとしてしまっている。
言われるままに瞼を上げて、もしも目が合ってしまったら……昨夜の二の舞だ。理性が消失して「愛している、愛しています」と繰り返し叫んでしまうような事態は避けたかった。
「なに、ただのマッサージ用のオイルだ」
頑固に目を閉じたままのエルメンヒルデを見て、リヴラクスは無理に目を開けさせようとはしなかった。
最初のタッチで彼女の感じるポイントは探り終えていたからだ。あとはとろとろに身体も心も解してしまうだけでいい。
好きにすればいいと観念してソファに横たわるエルメンヒルデの裸身。男は小瓶からとろりと垂れ落ちたオイルを手に取ると、彼女にぬたくり始めた。
「んぅ……んんぅ……」
つるりとした首筋から鎖骨、慎ましやかに盛り上がった乳房の上辺りを男の手が這いまわる。ぬるりとしたオイルが擦り込まれていくと、エルメンヒルデはピクリとピクリと反応し始めた。
指の腹で押し込むように、手のひらで擦るようにと、特に首筋への愛撫は念入りだった。丁度、吸血鬼が獲物の血を啜るポイント付近を丁寧に丁寧に男の指が揉み解していく。
指と肌の間にオイルが挟まったことで密着度合いが増し、男の熱も良く伝わってくるようになっていた。
触れられている場所から、身体が熱く敏感に変えられていってしまう……。
「あっ、いやぁ……こん、な……あんっ……んっ……あっ」
思わずエルメンヒルデが上げてしまった声に満足したのか、男の手は脇の下や肋骨、胸の周囲へと移動していった。乳輪や乳首には触れず、その周辺を指先がぬるりぬるりと撫でていく。特に脇から乳房の中途までの動きを何度も何度も繰り返される。
エルメンヒルデの呼吸に熱っぽいものが混じり始め、「はぁー……、はぁー……」と荒く小刻みになり始めていた。緊張していた身体から力が抜け始め、男の手に身を任せるかのように手足が垂れる。白く細い彼女の両脚が薄っすらと桜色に染まり出し、紅潮が深まるにつれて股が開き気味になっていった。
「そろそろ可愛らしいここも解してやろう」
「あはぁ……っ!」
乳首をちょんとつつかれると、ビクっと身体が跳ねてしまう。刺激を受けたことでエルメンヒルデの意識が胸に集中する。
そのタイミングを見計らって、男の手が彼女の胸を揉み解し始めた。
敏感な乳首には触れず、その周囲だけを狙って指が食い込んでくる。
「はぁぁん……あぁぁ……あふぅ……」
柔いふくらみをもてあそばれ、エルメンヒルデの小さな唇が勝手に開き甘い声が漏れ出てしまう。
彼女の頭に靄がかかり、驚きが広がっていく。これまでこんなに胸で感じたことは無かったからだ。
「だいぶ善くなってきたみたいだな」
女の昂ぶりを確信した声音が降ってくる。男の指遣いはその確信に後押しされて激しくなっていき、先ほどまでの丁寧で繊細なものとは違う痛みさえ伴うものになっていく。
「ああっ、んっくっ……いっ、んん……はぁ♡ よくなって、何か……あっう♡」
声に滲む甘さを抑えられない。エルメンヒルデは胸を揉み込まれ、きゅうと中心に向かって絞られるたびに無意識に白く細い両腿をよじり合わせ始めていた。
触れられない乳首が疼く、半開きになった唇の奥で舌が蠢いて歯茎をなぞってしまう。
乳頭から刺激を求める電流が脳髄へと流れ込んでくる。自分がどうなってしまているのか気になって仕方がなくなり、エルメンヒルデの伏せていた睫毛が上がりかけた。
「ここがいやらしく腫れてきているぞ」
オイルにまみれて淫靡に照り光る乳房の先端は既に硬く勃起していた。その欲しくてたまらない場所をツンと小突かれると、もう我慢できなくなってしまう。
「あっ♡ もう、焦らさないで……」
エルメンヒルデの口から出た言葉には、懇願の響きが強く滲んでいた。
「どうして欲しいのか言ってみろ。お前の主、お前の『王』に乞い願うんだ」
「ああっ……そんな、こと……ああぅっ、うっ、くぅっ……んんっ♡」
男に命じることならば慣れていた。だが、「乞え、願え」と言われてはこれまで培ってきたプライドが邪魔をして言い出せない。
「言えないなら、ソコはおあずけだ。ふふ、こっちも熟して来ているようだからな」
男の片手が胸から離れ、下腹部へと滑っていく。もう一方の手はエルメンヒルデの背とソファの間に入り込み、彼女の上半身を抱き起すようにして脇の下をくすぐり始める。
エルメンヒルデの股間に至った手は、クリトリスや陰唇を避けるように無毛の周辺地帯を周回する。脇をくすぐる男の指先はくすぐったさと快感の中間のような感覚を押し付けてくる。
昂らされたままの乳首が疼く。新しく刺激を受けている箇所が、オイルを通して伝わる男の熱で蕩け始め、エルメンヒルデを身悶えさせる。
「言う、ああっ……言います。言いますから……」
いう、いうと声を上げ始めたエルメンヒルデにとどめを刺すように、リヴラクスは彼女の首筋に犬歯を軽く埋め込み甘噛みした。
これはリヴラクスがプライドの高い女によく使う手だった。オイル程度と油断させて女体を昂らせ、ねだらせる。そうして、その場での上下関係を構築するのだ。
「ふぁっう♡ ……ああっ、乳首、乳首を触ってください。お願いします。ああっ、お願い……。して、ください。どうにかしてください」
首に食い込んだ歯が去り際にペロリと舌を這わせてから離れて行った。首筋を舐め上げられたエルメンヒルデは、鼻から「ふぅーん♡」と甘えた音を漏らしてしまう。
そのことに羞恥を覚える間もなく、エルメンヒルデは「ひゃぁん♡」と唇から声を出すことになった。
ほんのりとした曲線を描いて盛り上がるBカップの頂上、そこで勃起し疼き続けている乳首の天辺を硬く尖らせた舌先がつついたからだ。
「自分で摘まんでみたらどうだ?」
嘲るような声音を受けて、エルメンヒルデは身を震わせた。男の見ている眼の前で、自分で弄って見せるなんて……と。
(ああっ、でも、こんな……もう)
疼きに耐えられなくなり、エルメンヒルデの頭の中で逡巡が薄れていく。そろりそろりとためらいがちに、白く細い十本の指が自身の両胸に向かう。
もう少しでそれが届くというところで、彼女の乳首の片方がちゅぷりと男の唇に挟み込まれた。
「ひああっ、あふぅっ、あああッ♡」
自分で触れようとしていた場所なのに、男が唇が乳首の側面をこすり合わせるようにして転がされると、これまで経験したことのない強い痺れが背中へと身体の表から背中へと突き抜けていく。
さらに勃起乳首の側面を捉えた唇はそのままに、舌先が先端を押し込んでくるとエルメンヒルデは背を反らして悶え狂った。
オイルで濡れ光る白く細い肢体が、男の腕の中で白蛇のようにくねくねとのたくりまわる。そうして、エルメンヒルデが身体をくねらせればくねらせるほど、背の下から脇の下へと回された男の腕と、両脚の間へと伸ばされた男の腕が彼女の身体に絡みついてぬるぬるとした刺激を与えてきた。
(あふっ……あっ、こんな、こんなの……今までに)
悶えのたうつのを止めれいいはずなのに、身体が言うことを聞いてくれない。両の太腿が男の腕を挟み込むように閉じてしまい、膝をすり合わせて擦りつけるようにしてしまう。
「エルメは感じやすいな」
リヴラクスはオイルの滑りを利用して、挟み込んでくるエルメンヒルデの両脚の間を指や手のひらだけでなく手首までも使って愛撫し続ける。
合間に言葉を挟みながらも、乳首への責めも続く。口を付けている側とは反対の胸は、乳輪の手前から脇までを撫で下ろし、擦り上げ、中心の頂へと向かう快楽の波を送り続ける。
「ああっ、こん、な、あああっん♡ ひっんんんぅ……」
「エルメ、もう片方は自分でするんだ。いいな?」
「は、はい……はっ、あああん」
どうしてか、エルメンヒルデは素直に命令に従ってしまっていた。そうすることが自然なことのように思え、言われるがままに口付けられていない側の乳首に指を伸ばしてしまう。
「合わせろよ」
気付がつくと、男からの強い命令口調にこくこくと頷いてしまっていた。エルメンヒルデは右乳首を責め立てる男の口の動きに合わせ、擦り、押し……歯で軽く噛まれたチクリとした痛みに合わせて強く自身の左乳首を摘まみ上げる。
「ああ~~~~♡ あああ~~~~ッ♡゛」
声が抑えられない。エルメンヒルデの蒼白だった顔は今や真っ赤に染まり、隙間から牙をのぞかせた唇の間から絶え間ない喘ぎがあふれ出る。
(あ、イク。イってしまう……)
まだ膣への挿入どころか、クリトリスへの本格的な責めすらも受けていないのに、エルメンヒルデはこれまでに感じたことのない昂りの中にあった。
熱い。吸血鬼の男たちの冷たい身体とは違う熱い悪魔の身体に抱えられていた。
激しい。どこか遠慮がちだった国の男とは異なる、女をモノにしようとする意志を感じさせる責め。
それがエルメンヒルデを狂わせていく。血の味だけではない。
男に上から命じられて、従わされ、それによって得る快楽の渦。この、これまでに受けたことの無い扱いに逆らいたくないと、エルメンヒルデは思い始めてしまっていた。
「そら、一度イッておけ」
「ダメ、ダメです。ああっ、これ、こんなのダメに……、ダメになってしまう。ああっ、イって、イッてしまいます。ああっ、ああっ、んんっぅ~~♡♡♡゛」
両脚の間に挟んでいる男の手が敏感な肉芽を振るわせると、エルメンヒルデは落とした瞼をより強く閉じ、よがり啼きながら腰を跳ね上げた。
それに合わせて、キュッと閉じた彼女の内腿の間にするりとリヴラクスの腕が滑り込んでいく。男の指が浮き上がった彼女の尻肉の下へと入り込む。
「はぁはぁ…………はぁ♡ ……ああ♡」
極まった余韻で、エルメンヒルデはぐったりとソファの上に身体を投げ出し。絶頂すら言われるがままに至ってしまったことに、なぜか得も言われぬ陶酔感を覚えてしまっている自分自身に困惑していた。
どうして、どうしてこんなにも気持ちがいいのだろうか。目を開けて彼の顔を見つめたくなってきてしまう。
「そういえば、吸血鬼のココはどうなっているんだ?」
そんなエルメンヒルデの戸惑いなど構わないとばかりに、リヴラクスは彼女の両脚の間から尻へと忍ばせた手を動かした。
「あっ、そこ、そこは違う、違います。触ったら、ああっ……」
ヒップの割れ目の間にある小さな窄まり。菊の花のように閉じた穴が指先で押し込まれている。
エルメンヒルデはその穴は違うと抗議するが、男の興味深そうな男の指戯は止まらない。どうにかそこから指を離れさせようと彼女は尻を振って逃れようとする。
だが、絶頂の余韻の残る身体には、まだ快感の痺れで力が入らず。ぬめるオイルに照り光る裸体をくねりくねりとさせる様は、男の情欲を誘っているようにしか見えなかった。
さらに今まで乳首を責め立てていた彼の口と片腕が胸から離れ、エルメンヒルデの下半身へと向かってしまってはもう止められない。
「良く見せてみろ」
リヴラクスはエルメンヒルデの右足を自身の左肩に担ぐようにして腕を巻き付けると、エルメンヒルデの股間に顔を埋めた。そのまま愛液を垂らす無毛の媚肉周辺に舌を這わせ始める。
「ああっ……んふぅっ……んああっ♡」
発情しきったクリトリスを舌で舐めしゃぶられると、抵抗する力も気力もなくなってしまう。そうして、くたりとされるがままになったエルメンヒルデの尻穴をリヴラクスの右手が弄り回し始めた。
「なぁ、エルメ。たしか、吸血鬼は排泄をしないんだったな?」
「そ、そうです。身体から汚らしいものを垂れ流すような下等種族とは……違いますから」
吸血鬼は、その名の通り血を啜ってさえいれば生きていける種族だ。趣味として特殊な紅茶を嗜みもするが、基本的には液体しか口にしない。
そして、それら口にする僅かな種類の飲食物は、彼女たちの体内で完全に吸収されてしまう。混じりの雑種ではない、高貴なる真の吸血鬼は汚物を外部にひり出すような下賤な行為は必要としない。
エルメンヒルデが口にすることのない下品な言葉遣いになるが、純血の吸血鬼の中には人間とのハーフを蔑んで「糞たれ」と呼ぶ者もいるくらいだ。
「じゃあ、この穴は何のためについているんだ?」
「そ、それは……あひっ、ああっ、触らないで、いやっ、ああ、入れないで、ああっ、ああん、待って、待ってください……そこはちがっ」
言葉では抵抗して見せるが、エルメンヒルデが大きく身をよじらせようとするたびに陰唇やクリトリスを刺激され、くたりと力が抜けてしまう。
そうして抵抗を封じながら、男の指は彼女の肛門を嬲り続ける。
「ああっ、そこは、そこはやめてください。ああっ、やめて、やめてください、押し込まないでぇッ」
ついには、これまで身体に備わっていながらも何の役に立つこともなかった穴に、男の指が侵入し始めてしまう。
人間ならば、排泄の感覚を知っていただろうが、エルメンヒルデにとってこれは本当に初めての感覚だった。これまで意識することすらなかった場所に、男の指がぬるぬると入り込んでくる。
その感触にエルメンヒルデは両手で顔を抑えて悶えた。
尻穴を右手で弄りながらも、彼の左手はエルメンヒルデの右足の内側を撫で擦り続けることを忘れてはいなかった。さらにその舌と口はピチャッピチャッ、ジュジュッズジュリュとわざと卑猥な音を立てながら彼女の愛液を啜り上げ、敏感な肉芽を舐め転がし続ける。
「はひ、ああっ、いやああ、そんな、そんなところ、何の意味も……ああっ、なんで、どうして、こん、な……はぁぁん♡」
クリトリスからの強烈な快感に混ざって、アナルからの未知の官能が湧き上がってくる。
下等生物、汚らしい種族が排泄物を垂れ流す穴で快感を得てしまっている。そのことを自覚し、エルメンヒルデは惑乱し大いに乱れてしまう。
(ああ、すごい。なに、なんで、これ……は、これは……なんなのですか……?)
まだ経験のあったクリトリスや陰唇への刺激を、アナルからの快感が上回っていく。吸血鬼の身体には必要ない、何のためにあるのか分からなかった器官が、男の手によって性器として目覚めさせられようとしているのが分かってしまう。
「こっちはまだ経験がなかったようだな。初物というわけだ」
その言葉とともに、前から後ろからエルメンヒルデを嬌態に追いこんでいた責めが止んだ。
「ああっ、なに、何をするつもりですか……」
未知の恐怖と、それに相反する快楽への期待。両者の間で彷徨い声を震わせるエルメンヒルデ。
彼女の排泄行為すら知らなかった尻穴に男の肉槍があてがわれた。そしてオイルの小瓶に残されていた中身が、雄の性器官と雌の尻穴にとろとろと塗り付けられていく。
「エルメ、お前の身体にこの穴が付いている意味を教えてやろう」