公爵家次期当主好色物語 作:ルペッタ好き
ヤルことをヤルときの男の興奮度合いを表すとされる言葉だ。
一番興奮するのは盗むこと。つまり寝盗りだ。他の男の妻や彼女とやってしまうわけだ。ディオドラなどは、神に仕え神に操を立てる聖女やシスターを奪うのが大好きなので、ここ好きなのだ。他所の神話の神に喧嘩売ってる神話間戦争上等なハイレベル巫女スキーなバラキエルもここだ。
性の技の巧みさによって、他所から盗み取る。これぞ真髄、的な感じか。
二番目は婢、漢字の形たちから分かるように、卑しい女。つまり身分の低い者を抱くことだ。メイドスキーはここである。抵抗も反論も許さず、身分と力をかさにきて蹂躙する悦びってヤツだろうか。俺はここ。妻をメイドにして愉しんでいる兄上は、ここにいるようでまた違う上級者だと思う。平民や人間を嬲るのはいいぞーって感じの雰囲気を感じるバアルの祖父さんもきっとここに違いない。俺には分かる。さすが俺の師匠。
というか大王派のお偉方の多くはここではないだろうか。見下すの好きだしね。分かる。
己の権力を誇るのは気分がいいぞ。貴族に生まれて良かった。
三は妓、娼婦・娼妓。金で買う女だ。前世の俺はここがよく分からなかったが、エダーギ・ナベリウス殿からの提案を受けた際の興奮によって、少し理解した。安っすい女ではダメなのだ。高い金を出すほどに、あれだけ出したんだぞ俺は! と燃え上がるのではないかと思う。時代劇などで豪商が花魁に入れあげているようなシーンを見かけたが、まさにそれがここだろう。
財力を誇示して、俺スゲーって気分になれるのだ。
四は妾。愛人である。うん、これはまぁ俺の場合は朱乃になるのか。ここについては、五の妻との関りが大きいと思う。書いて字のごとく愛する人だしね。
最後の五は妻。説明不要。妻なのだから抱けて当たり前。というか普通に抱く、むしろ義務。だから興奮度合いは低い。
あとは他にも、この言葉を考えた人が出していないパターンがあるが、それについては後日考えよう。
では、逆に男の執着度合いで考えるとどうなるだろう? つまり、寝盗られて一番くやしいのは誰かと言う話だ。
一番の盗は論じるまでもない。最初から他人の女だ。完全に奪い取ってしまったらそれは妻か愛人になってしまうので、ヤッてからリリースが基本。というか旦那の目を盗んでってことになるので、他の男がいるのが前提なのだ。執着度は低い。
二番目の婢。これまた自分より身分が低いことが要点なので、入れ上げてしまったらそれは愛人である。つまり、ここも執着度合いは低い。むしろ低いからイイ。好きになっちゃうと踏みにじって悦に浸れないからね。あ、サディズムはまた別の話で。
三番、妓。払った金の分だけ、執着度は高くなる。安い女は低く、高ければ高いほどに、あれだけつぎ込んだのに! となりそうな気がする。ここは未経験ゆえに語れない。
四番目は妾。愛人。当たり前だが、怒るだろう。執着しているから囲い込むのだ。はぁ、何やってくれてんの? ぶっ殺すぞとなるのは確実。俺ならの話だが。
くそっ、兄上め、朱乃に粉かけてんじゃないぞ! となるかもしれない。
五番、妻。正妻だぞ、お前それを、おま、この、死なす! ってなるだろう。当たり前だよなぁ。
だったら、正妻だけにしてよそ見するなよって話なのだが、そこはそれ。どうしようもないサガなのである。いや、割とそっちの一穴主義に引っ張られそうになるのだけれど、もうたくさん他の穴に入れてるしね。
というか、執着心と安心感はだいたい一緒のような気がする。
あとは、興奮度合いの一から四は、基本的に正妻があることを前提にしているのではないだろうか。つまり、正妻がいるのに、俺はそれなのに、他の女と……という背徳感というか、後ろめたさが反転して興奮を増すのである。
ここで、正妻との仲が最悪で、完全に冷え切っていたならば。「愛人のところ行ってくるわ」「あっそ」みたいになってしまう。
しかし、正妻との仲も良好な場合、「今日は朱乃と寝ようと思う」「グスッ……私がいますのに」となるかもしれない。
どっちが興奮するかと言うと、俺的には仲が良好な方だ。くっそ酷い話だが、そうなのである。
ギリシャ神話の浮気エピソードで有名すぎるゼウス神とか、浮気しまくるくせにその後の浮気相手へのフォローが物凄く適当な気がするのだが、あれはきっと正妻さんにヤキモチ焼かせて、それでゾクゾク興奮していたのではないだろうか。分かる。もし会えたら語り合いたい。
しっかし、それだけやっておいて、たしかゼウス神は一年の内数か月しか正妻とのプレイをしないとか神話にあったような……嫉妬煽りをしつつの放置プレイ。
ハイレベル過ぎる。ギリシャ神話のエロさはバケモノか。
姦淫禁止とかやってる性欲への強い抑圧が前提の聖書の神話に属する悪魔では、神レベルのギリシャ神話エロには対抗しえないのかもしれない。
と、まぁ、いろいろと思い浮かぶが、正妻が基礎であり土台、そこから出発して、またそこに帰るのがハーレム王の道ではないだろうか。
ゼウス神もやっていることだし。
つまり、何が言いたいかというと、可愛い感じでヤキモチ焼きな正妻はくっそ可愛いということである。
さすがにゼウス神の正妻さんクラスの神話レベル嫉妬は困るが……。俺のまだそこまでの上級者ではない。
風呂で念入りに身体を洗わせる。本日は風呂場メイド踊り食いもなしだ。身体をほっかほかに温めて、レイヴェルとどっぷりヤルのである。だから期待されても、応えてはやれないのだ。スマンなメイドたちよ。
というか、俺って公爵家の男として生まれた時点で、既にメイドハーレムの条件揃ってたんだな。俺はもうハーレム王だったらしい。メイド限定だが。
うむうむ、アッサリと叶えてしまっていると、なんというか拍子抜けするものがある。
だからなのかもしれないな、抵抗も反論もしないメイドよりも、ちょっと拗ねて見せるレイヴェルの方が本日の興奮度合いが上なのは。
『なぁ、ドライグ』
『なんだ?』
湯船に浸かりながら、我が相棒こと赤龍帝ドライグに話しかけてみる。
『お前って奥さんいたの?』
『急になんの話だ』
『いや、
『ふん、話す必要はないな』
『その反応……ドライグ……お前、まさか……』
『なんだ……その、哀れむような気配は』
ドライグさん童貞説。いや、まさかね……赤き龍の帝王ともあろう者が、ライバルとの喧嘩ばっかりしてて、未経験なんてことあるはずが……ふふふ。
『いや、なんでもない。なんでもないさ』
『なんなのだ、いったい』
『今度、父上から良さそうな酒でも分けてもらって、宝玉に流し込んでやるよ』
『……む。度数の高いのを頼む』
『おう、任せとけ相棒』
もしそうだとしたら、俺は既にドライグより上の存在だな。憐れんでやろう。
怒らせると怖いから、ハッキリとは聞かないが。
『なぁ、ドライグ』
『なんだ?』
『お前って、こうヤリてーって悶々としたりしないの?』
『身体がないからな』
『いやさ、この間タンニーン殿から娘さん紹介されてな』
『ああ……』
『さすがに姿が違い過ぎて勃起しないから断ったんだけど。あのあと調べただろ、ドラゴンの生態』
『ああ……』
『ドラゴンって他の種族にも、性欲湧くんだな……と。俺ってこの神器のせいでドラゴン属性付いてるだろ?』
『ああ……』
『そうなると、さ。いるじゃん、ドラゴンが全然姿の違う種族と交尾して生まれたっぽい魔物というか幻獣というかがさ』
『ああ……』
『龍と馬の混ざった龍馬とか、龍と魚の混ざった龍魚とか……中国にいるっぽいんだけど。お前って実は、人間型の生き物にもこう、クルものがあるのかなって……ほら、龍人とかいるし』
ドラゴンってどうなってんの? なんで全然姿違う生き物とヤっちゃってるの? 変態度数高すぎるだろ。こわ。
『俺をそんな変態どもと一緒にするな』
『だよなぁ……龍の帝王だもんな。そんなことないよな。いや、良かった良かった。本当に』
『赤龍帝の籠手』の影響でドラゴン属性付きの俺だが、このままドラゴン指数上がったら魚や馬見て興奮するようになってしまうのかと……。ドライグが変態性欲の持ち主でなくて良かった。
『北欧のロキ神とかさ。たしか、狼とか蛇の子供がいなかったっけ?』
『いるな』
『変態じゃないか』
『ああ、ヤツは変態だ』
こっわ。ロキ神こわ。なんでそんなこと出来るのか理解できんわ。
いや待て、安易に神のエロを否定するものではないな。たしか、お相手はどちらも同じ女巨人だったはず。ふむ、元は普通に人型の嫁さんなのかな。
それで子供が狼や蛇の姿で生まれるとなると、やはり変身して両方もしくは片方がその姿になってヤッたのだろう。
となると、これを俺にあてはめると……狼に変身した俺がレイヴェルに襲い掛かって、ケダモノックスでバックからヤリまくる。ふむ。
蛇に変身した俺が、レイヴェルに巻き付いて逃げられないようにして、一旦おっぱじめると数日間はヤリ続けるという超絶倫な蛇ックスでヤリっぱなしにする。
あれ? 結構アリなような気がして来たぞ……逆バージョンや、両方バージョンでも元がレイヴェルだと知っていればいけなこともない気がする。
……どうやら俺はドライグ基準では立派な変態だったらしい。
変態ドラゴン化してヘンな生き物に欲情しないように、普段から抜いておかないとマズイかもしれないな。これは。
ところで兄上は昔、黒猫の姿であちこちうろついていたことがあったと聞いた覚えがある。ということは、つまり兄上は黒猫に変身できるわけだ。
ならばきっと、猫ックスも嗜んでいるに違いない。
こう猫の姿で義姉上の膝に乗ったりして甘えて撫でてもらったりしてるワケだ。で、その後に棘がたくさん生えているという猫肉棒で……。さすが兄上だ、上級者。
『なぁ、ドライグ』
『なんだ……』
『猫又ってさ、あれって本来の姿と言うか、本性は猫なのか?』
『そうだぞ。猫が人型に化けているんだ。たしか……』
『そうか……じゃあ、昼間猫又に興奮していた俺は、立派にロキ神のお仲間だったんだな』
やや記憶が怪しいようだが、長く神器やっているドライグの言うことだ。間違いあるまい。
兄上も猫しているようだし、猫又にギュンと来たのは血筋かもしれないなこれは。
『自覚したか』
ふむ、つまり元々の姿が、本来の姿が人型から外れた他の動物であっても、人間形態があればイケルということか、俺は。
というか、フェニックスって火の鳥、不死鳥とか言うくらいだから。レイヴェルも実は燃えてる鳥なのか? うん、人型を知っていればイケル気がする。熱そうだが。
『なぁ、ドライグ』
『なんだ!』
『俺、魔力で変身する術覚えてみようと思うんだが』
『ほう、確かに戦闘に緩急・変化が付けられるかもしれないな』
『とりあえずドラゴンからかな。術との相性もいいだろうし』
『そうだろうな』
『で、タンニーン殿には、子供の婚活に困っているなら人型変身を練習させろって伝えておくことにする』
『……もらうのか?』
『いや、分からんが。結構世話になっているしなぁ。まぁ、縁があれば?』
『そうか……そうか……』
『というか、悪魔の中に、ドラゴン忌むべしみたいな感情があるの半分くらいはドライグのせいだろ。悪魔でドラゴンなタンニーン殿の苦労ってさ……』
神如きが、魔王如きが! とか吠えて、悪魔もいっぱい殺したんだろうし。いや、俺も強いから正面からそうそう言われないし、縁談もあるのだけど、古い悪魔の中には結構あるんだよね。
苦労するわー、あーあードライグのせいでなー。俺はまだ利益受けてるからいいけどさー。タンニーン殿なんて何もないのに迷惑だけ受けて、それなのに文句の一つも言わないどころか、むしろ気にかけてくれるって、どれだけ人が良いのやら。
『言うな……思うな……』
『今度会ったら、謝っておいた方がいいんじゃないだろうかと思うんだが』
『俺は謝らん』
『じゃあ俺が、うちのドライグがご迷惑をおかけしまして誠に申し訳ございませんって言うのか』
まぁ、縁があったとしたら、完全人間形態じゃなくて、角と翼と尻尾くらいは残したドラゴン娘さんとかだと萌えるんだが。
ドライグのせいで苦労もあるが、ドライグのお陰でモテオーラも出ているらしいし、良し悪しか。
『さて、バカ話している内に温まったな。それじゃあ、ドライグ。俺これからヤルからさ』
『ああ、警戒を頼むと言うのだろう』
『そうそう、お願いします』
ふんふんふふーんと鼻歌で気分を誤魔化しつつ、すぐに脱ぐだろう寝間着をきせてもらう。この後のことを想像すると、硬くなって服が着づらいのでな。歩きにくいし。
さてさてと俺の部屋にいるのか、レイヴェルの部屋で待っているのか。どっちなのか聞いていない。一発で当たれば嬉しいし、外れてもそれはそれで楽しい。ふんふんふふーん。
おや、外れ。半ばレイヴェルとの共同部屋と化している俺の部屋だが、今回は違ったようだ。実はあまりレイヴェルの部屋でしたことがないので、これはこれで良い。
扉を開けると、
こういうときは、いつもアレだったのに、違うとなるとなんだか気になってしまう。ちょっとドキドキしつつ、ベッドの上のシーツのふくらみへと近づく。
実はシーツの中は違う人でした! なんてオチを喰らわないように、そっと引きはがしてみる、と。
「うわ、えっろ……」
ちゃんと下着姿のレイヴェルだったのだが、これはまた……なんとも。
「レイヴェル、それ……」
「い、言わないでくださいまし。自分でも、なんでこんなことをしてしまったのか……」
ベッドに上がり、膝立ちでにじり寄る。そして、レイヴェル胸の突起をピンとはじいた。
「ううんっ♡」
そう、生乳首なのだ。上下の下着を着けているのに……。両方の胸の頂点とその周囲の桜色、そして下の牝豆と女の割れ目。そこだけが、下着に覆われていない。
大事なところ、敏感なところだけを露出した、下着本来の用途を完全に捨て去った代物。
エロ専用、性交専門の、男の劣情を煽るためだけにあるその姿。ありがとうございます。大成功です。性交しようと言わざるを得ない。
レイヴェルのような、ちょっと大丈夫かなと最初だけは思っていた小柄な娘がこんな物を着てしまった日には──。
「レイヴェル……なんで、こんな……」
「分かりませんわ……でも、んぅぅぅ♡♡」
よし、どうでもいいな。細かいことは! もう止まらんぞ、レイヴェル!!
次回『説得』(予定)
タンニーン:(子供の)婚活ドラゴン。パーティーとかにも小型化してよく出席する。