※この作品はR-18です。

公爵家次期当主好色物語   作:ルペッタ好き

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2-16 猫をかう

 ミスラさんが覚めない眠りについてしまって寂しくなったので、先行して白い毛並みの猫を飼ってみることにした。

 くりっと大きな瞳が愛らしい成長途中の子猫だ。大きな獅子の代わりにはならないが、猫科ではある。

 

 俺には猫に服を着せる趣味はないので、もちろん生まれたままの姿で過ごしてもらう。尻の穴から何から丸見えだが、猫なら当然だよな。

 移動はもちろん四つ足でやってもらう。絨毯の上を這いずり回って生きるがいい。

 お尻をフリフリして歩く姿はなんとも可愛らしいものだ。

 

 俺の所有物、ペット、愛玩動物であることを示すため首輪をはめるのは欠かせない。

 最初は嫌がって暴れて抵抗していたが、無理矢理つけてしまった。着けてからしばらくは首回りが気になるのか、しきりに引っ掻いて外そうとしていたようだが、やがて諦めたのか今ではすっかりなじんだものだ。

 リードは付けない。猫を繋いで飼うのは俺の趣味ではないので、城の中や庭などを人目を気にしながらとことこと移動しているらしい。

 まぁ、使い魔契約も強引に結んでおいたので用がある時は呼びつけるだけのこと。逃げられはしない。

 

 食事は床の上に丸い皿を置いてやる。猫と言えばこれだよな。

 これまた最初は警戒して口を付けなかったのだが、空腹には勝てない。やがて舌を伸ばして舐め始め、どろりとしたエサをガツガツと貪るようになった。

 ふふん、冥界でも最高級ブランドな猫餌の味はどうだ? 美味いか? もう病みつきだな。もう他のエサでは満足できない身体になってしまったに違いあるまい。

 

 排泄は部屋の隅に用意した砂箱の上でさせる。覚え込ませるのにやや手間がかかったが、今ではそこで大きいのも小さいのもするようになった。横たわる大きいのを他人に見られるのはさすがに恥ずかしいのか、上から砂をかけて隠そうとするがそんなことは無駄無駄。猫知恵の浅はかなことよ。きちんとメイドたちが処理していく。

 とはいえ、さすがに俺がジッと見ている前では出るものも出ないのか、悲しそうな鳴き声をあげて余所を向いて欲しいと訴えかけてくるので、そこだけは聞いてやることにした。

 犬ではあるまいし、飼い主に飛びつきながら小便を漏らすようになられても困るしな。

 

 もちろん風呂には入れる。汚いのはよろしくないからな。熱いしぶきをぶっかけると、目を閉じて逃げ出そうとするが所詮は猫の力、この俺に首根っこを押さえつけられてはどうにもなるまい。

 さんざん肢体を弄んだあとには、恐怖の熱風の時間だ。怖がる身体を熱く熱くして、渇きを思い知らせてやる。

 

 ペットを飼うならスキンシップも重要な要素だ。こうした時間を通して上下関係を肉体に叩き込んでやるわけだな。

 捕まえてあちらこちらをいじっていると、だんだんとコイツが何処をどうされるのが好きなのかが分かってくる。

 こいつは特に尻尾の付け根がお好みらしい。そこをトントントンと軽く刺激してやると、だんだんと尻が持ち上がっていき、気持ちよさそうにうっとりとした顔つきになる。

 もちろん他の場所だって触りまくりだ。とくに耳や尻尾は触れずにはいられない。そうやっていると、そのうちあごの下を少し撫でただけで甘えた声を出し続けるようになった。

 頭から尻尾までをそうっと流すように何度も何度も繰り返し撫で、前足や後ろ足ももみほぐすようにしてやる。首輪の下や、小さな両方のなで肩のもマッサージしてやる。指の一つ一つ、そしてその間ももみもみとして感触を愉しむ。

 やがて、白猫は俺が近くに立って見下ろすだけで、コロンと転がって両足を広げて腹も胸も顕わに身をくねらせるようになった。もはや俺の撫でテクに陥落という風情だな。

 その証拠に、今も俺の脛にピンと尻尾を立てたお尻をこすりつけてきている。

 まったく、いやらしい雌猫だ。可愛がってやるとしよう。

 

 

 と、俺の部屋のドアが開いた。

 

「リアスさま、そろそろライザーお兄さまが……またその猫を可愛がっているのですか」

 

 レイヴェルはすぐに拗ねる。そこが可愛いのだが。

 最近使い魔にした猫の「シロ」を手放し、自分の膝の上をぽんぽんと叩くとレイヴェルがその上に座ってくる。

 シロはテテテと広い部屋の隅の方に退散していった。フェニックス家の方々はあまり猫が好きではないと聞く、不死鳥の一族で鳥系統だからだろうか。

 

「義兄上がいらっしゃったのか」

「いえ、そろそろ時間ですので、呼びに来ただけですのでまだ余裕はありますわ」

 

 膝上に乗せたレイヴェルをいつものように抱きしめる。これが落ち着くのだな。ノーマルポジションって感じだ。

 

「エダーギ殿は午後からだったな」

「はい、その前にお兄さまと軽く打ち合わせですわ」

 

 本日はいよいよ待ちに待った黒猫購入会の当日である。体裁だけではあるが、レーティングゲームの形式をとってエダーギ・ナベリウス殿の連れてくる眷属たちの能力も見なければならない。

 目玉は黒歌という猫又の『僧侶』なのだが、他にもあちらの眷属がいる以上、無視ってわけにもいかないのだ。そこは向こうの眷属たちも分かってはいるのだろうが。

 で、現在俺の眷属は『王』である俺と、『女王』のレイヴェル、『戦車』の朱乃しかいないので、足りない分はライザー義兄上からレンタルする手はずになっている。義兄上が早めに我が家にやって来るのは、そのためだ。

 試合自体は、魔方陣で跳んだ先の会場に作った異空間内ゲームフィールドで行うのだが。

 

「朱乃の様子はどうだった?」

「張り切っていましたわ。でも、あの子はどうして魔力で火の鳥を作るのに熱心なのでしょうか」

「まぁ、母親の実家関連だな。あそこは確か霊獣の朱雀だったかの力を借りていたはずだから」

 

 朱乃の母親の実家である姫島家は『火』を司る退魔士の一族だったはずだ。その血を引く朱乃が、魔力を用いて『火』を扱いたがったのは何かしらの思い入れがあるからだろう。

 普段のトレーニングメニューは父親譲りの『雷光』だけでいいと伝えてあるので、まぁ魔力に関しては好きにしたら良い。俺が教えてやるって言ったのに、レイヴェルに習いだしたのは……ヤリまくったことで許してやろう。

 炎と風と不死身のフェニックス家のレイヴェルなら『火』の魔力の扱いはお手の物だしな。そこから二人の仲がより良好になっていっているようなので文句はない。

 しかし、火の鳥、鳳凰と呼ばれてはいてもフェニックスは悪魔。見た目だけは似ていてもそのオーラの質はまったく異なるので、悪魔となった朱乃がフェニックスから学んだ『火』を振るうというのは、姫島家の者からしたら憤慨ものだろうな。

 もう一切の関係がないことになっているので知らんが。精々どこかで見知って歯ぎしりするがいい。俺、姫島家嫌いだしな。朱乃を追い回して殺そうとしやがって、日本の神話勢力を刺激するから手を出せんが……その分は聖書神話内の堕天使にぶつけてやるとしよう。

 まぁ、姫島の立場は理解するが。バラキエルの節操無しが問題の根本なわけだから……とはいえあのクソネグレクト堕天使がやらかしていなかったら朱乃は生まれていなくて、俺と出会うこともなかったわけだから、なんとも複雑である。

 子供作ったら独り立ちできるまでは育てろよなって話だ。途中で放り出しやがって! 悪にして魔たる純血の悪魔でもそうそうそんなことせんぞ。叔父上みたいに評判悪くなるしな。

 そういえばメイドのひとりが妊娠して去っていったのだった。下半身が蛇の娘、結構気に入ってたんだけど契約通りになるそうで。あのぎちぎちに巻き付いて絞めてくるラミアロールックスはなかなか良かったんだがなぁ。

 魔王レヴィアタンは海蛇のような姿に変じることが出来たらしいが、仮にセラフォルーさんを口説いたとしても今のレヴィアタンさまは、名前はレヴィアタンでもシトリーの娘だから出来ないだろうし……うーむ。

 

「まぁ、また機会があればでいいか」

「なんの機会なのか教えてくださいまし」

 

 無意識に弄り回していたレイヴェルが、ちょっと不機嫌な声を上げる。悪魔ってオーラの方向性と言うかでど(・)こ(・)の(・)誰(・)に(・)感情を向けているとかがなんとなくわかるので、レイヴェルを抱きながら他所の女のことを考えているとバレるんだよな。

 そりゃ不機嫌になるわ。当たり前だ。俺だって、他の男の名前を呼ぶ女を抱いたら……あれ? 興奮しそうな気がするな。

 

「いや、メイドが一人いなくなったからな」

「ああ、あの蛇の……」

 

 とりあえずこのことはおめでたいこととして扱われている。何故って人間の魂やらドラゴン因子やらが混じっている俺でもキチンと悪魔を妊娠させられたということだからな。あの蛇メイドは転生悪魔と下級悪魔のハーフだった気がするが……まあ、めでたい話だ。

 まずまず大丈夫だろうと言われていたが、実例があるとより安心できる。

 

「ここも早く大きくしてやりたいな」

「もう……そんなことで、誤魔化されませんわ」

 

 レイヴェルの下腹部にツーっと指を這わせながらそう言うと、彼女は上気した頬をさらに赤く染めた。

 うむ、これでご機嫌が直るのか、チョロくて良し。向こうが分かるように、こっちだって魔力の波動で機嫌がなんとなくわかるのだ。しょっちゅう身体を重ねていればそうなる。

 

「さて、義兄上を出迎えに行くとするか」

「はい!」

 

 なんとなく一発したくなる気分だったが、「あんたの妹とパコパコしてて、お迎えに出られませんでした」なんてことをライザー義兄上に言えるわけがないので、頑張って抑え込むとしよう。

 

 

 

 ―○●○―

 

 

 

 で、品評会というか試合となったのだが、

 

「レイヴェルがやられた……だと!」

 

 隣の席でライザー義兄上が驚いているが、俺は『女王』レイヴェルを倒した対戦相手の『僧侶』黒歌に感心していた。

 なるほど、不死身のフェニックスをそう下すか。

 

 フェニックスの一族は強力だ。炎と風と命を司る御家だからな。攻撃力のイメージが強い炎、素早さの風、そして代名詞にもなっている不死身の生命力からくる耐久性。おおよそまともな戦闘に必要な素養を血筋の特性として生まれながらに備えている。

 そこに『女王』の駒を挿入したのだから、レイヴェルもまだ幼いとはいえ弱くはない。そこらの下級悪魔どもが群れた野盗程度ならばまとめて焼き払えるだけの力を持っている。

 まぁ、学校もあるし、将来的にグレモリー家に入るための勉強もあるし、ラクダの世話させたりしているしで、訓練など俺と一緒に走る程度しかしていないのだが、それが一般的な貴族悪魔ってものだ。

 生まれ持ったセンスと経験、あとは成熟するにつれて勝手に増大していく魔力で戦うのが基本である。あとは俺の嫁さんになる女なので、グレモリー家秘伝(ということになった)俺式魔力増大トレーニングも一緒にやったりしてはいるが。

 それでも、地獄の業火とも称される炎の攻撃力は強化され、風を操り飛翔する速度もアップ。防御力の上昇は不死身の耐久性とも相性が良く、魔力の増大はそれらすべてを支える土台を押し上げている。

 レイヴェルが長ずれば『駒なし』のライザー義兄上よりも上を行くだろうことは確実。

 

 とはいっても、なるほど、動(・)け(・)な(・)く(・)されてはあとはどうとでも料理されてしまうか。

 

「『僧侶』の黒歌は妖術・仙術・魔力を練り上げて毒などを生み出す術に長けておりましてな」

 

 本来の試合であれば、対戦相手の『王』であるエダーギ・ナベリウス殿と席を並べてなんてことはありえない。だが、今回の試合は商品説明会でもある。

 なので解説役のエダーギ殿は俺の隣、義兄上とは反対側の席に座って説明してくれているワケだ。商品の説明をしてもらわないとだからな。

 

「とすると、あれは麻痺毒といった感じですか?」

「ええ、そうでしょうな。悪魔によく効くように調整した、身体の動きを封じる術といったところですか」

 

 研究者にありがちな長々とした説明ではなく、サクッとした答えを返してくれるエダーギ殿。これが眷属ブリーダーということか。

 

 フィールド内の地面に突っ伏したレイヴェルは、ピクピクと指を動かす程度しか出来ない様子で悔し気に黒歌を睨んでいる。

 これはまぁ、相手にここから拷問プレイなどされたらレイヴェルの精神が折れて試合終了になるだろうな。

 

「義兄上、これはレイヴェルの負けで良いですよね? 俺はレーティングゲームの試合をしたことがないのですが、ここから長々と痛めつけられるのを見たいとは思いませんし」

「仕方ないな……。レイヴェルはまだ未熟だから、復活するたびにスタミナを奪われてしまうだろうから、毒が消えるまで耐えるなんてことは無理だろう」

 

 それに効果が切れる前に毒を追加されたら、そこからまた延々と嬲られることになるだろうし。

 こちらの考えが分かっているのだろう。買い主になるだろう俺の嫁さんを痛めつけて心証を悪くするつもりもないのか、黒歌はこちらの判断待ちをしてくれている様子。

 

「というか、フェニックスの不死身の特性は体力を消耗するのではなかったのですか?」

 

 俺はレイヴェルからそう聞いた覚えがあるが、

 

「いや、俺のように成熟したフェニックスならば魔力を少しばかり使うだけだ。心を折られるか、一撃で完全に消し飛ばされるかでもなければやられん」

 

 なるほど、レイヴェルが未熟だから肉体的な疲労も発生してしまうわけか。俺はてっきり義兄上たちはとんでもないスタミナモンスターなのかと思っていたぞ。夜のベッド戦で鍛え上げまくったのかと。

 

 とりあえず、レイヴェルをリタイヤさせて回収することにした。ついでに黒歌に術を解除してもらう。実際の試合ならこんなこと出来んな。

 麻痺や封印、強制的な睡眠でレイヴェルがやられることも考慮しておくべきか。なかなか難しい……ああ、いや、その黒歌を俺のところに連れてくるのだからそっちの対策は出来るようになるのか。

 

「毒の術を使うということは、それらへの対抗方法も会得しているのですか?」

「無論ですな。術を返すなどという手合いもいますから、そういったことには気を付けさせております」

 

 ほー、優秀。やっぱ眷属鍛えて売り物にしてる方は違うわ。

 

「うーん、あの『僧侶』、俺が欲しいくらいなんだが……」

 

 チラチラとこちらに視線をよこす義兄上に首を振っておく。あの『僧侶』は俺のものだ。

 ここで下手に取り合うと、エダーギ殿に値を吊り上げられそうで怖い。

 

「ううぅ……悔しいですわ」

 

 戻って来たレイヴェルをひょいと抱え上げて慰める。公衆の面前だとマズイかもしれないが、別に放映しているでも観客がいるでもないから、構わないだろう。エダーギ殿にはちょいと失礼かもしれないが。

 その後は義兄上の眷属残りと、エダーギ殿の眷属の残りをぶつけていったのだが……うん。あっちの方が強いな、完全に。

 

「義兄上の眷属、弱くはないはずなんですが」

「ぐぅぅ……俺の眷属がこうも容易く」

 

 エダーギ殿のところの眷属、売り物にするだけあって強いわ……黒歌ほどではないにしろ全体的にレベルが高い。

 義兄上が悔しそうな顔をしているが、その表情は兄妹だけあってレイヴェルと結構似ている。

 

「エダーギ殿、教えて構わない範囲で良いのですがどのような練習をさせているのですか?」

「ああ、そうですな──」

 

 どんな鍛錬を積ませているのか気になったので聞いてみると、

 

「うわ……キツいな」

「おー……それだけやればこうもなるのか……。俺には真似できん」

 

 俺もライザー義兄上もハーレムメンバーを兼ねているからな眷属が……エダーギ殿の語るような厳しいトレーニングは課せんわ。抱く相手でもあるのだから、ついつい甘くなってしまうのは仕方のないことだ。

 いや、さすがに眷属を商品にする方は違うな……強く仕上げて売りに出すことしか考えていない。

 

「ハハ、あれですよ。私が厳しくすればするほど、出荷した先での扱いが相対的にマシに思えるということでもありますな」

 

 ああ、なるほど。

 転生悪魔の扱いが悪くて逃げ出され、『はぐれ』になるなんて話はよく聞くものだ。だが、トレード前の方がより厳しかったのならば、まぁ、次の主が良く見えるってこともあるか。

 どうせ鍛え上げた後は他所に売り飛ばす下僕悪魔だ。売れるまでの間に逃げられては困るが、だからといって必要以上に好かれる意味もないか。

 

「強くなればより良い条件で上級悪魔に引き取られることも多くなります。そう言っておけば意外と厳しく鍛えてやっても耐えるものですよ」

 

 希望をエサに強く鍛え上げて、より高く売りつける。うーん、合理的。

 実に悪魔悪魔しておられる。素晴らしいな。

 

「さて、次はどうしましょうか。リヴラクス殿のお目当ては黒歌のみのようですし……」

 

 と、エダーギ殿は自身の眷属を眺めまわした。

 ああ、まぁ、俺に引き取られる可能性のあるのが黒歌のみでは他の眷属のやる気が出ないか。あとはゴツイ男や、知恵のある魔獣のようなのばかりだしな。

 

「そうですね。俺は眷属を女で固めようと思っているのであれですが……知り合いにエダーギ殿の眷属のことを話しておきますよ」

「ほうほう、そのお知り合いのお名前を教えていただいても?」

 

 分かってくれたか、といった目付きで聞き返してくるエダーギ殿。

 

「ミリキャスに、マグダラン・バアル、ソーナ・シトリー、シーグヴァイラ・アガレス、ラティア・アスタロトくらいですかね。ああ、あとはタンニーン殿の息子さんくらいですが」

 

 俺の交友関係って狭いからそういくつも名前は出てこない。

 ディオドラは守備範囲が狭いから、エダーギ殿の眷属では無理だろう。既に結構な数が揃ってたはずだし。

 

「ハハハッ! いや、素晴らしいお名前の数々ですな」

 

 エダーギ殿の後ろにいる彼の眷属連中の目の色が変わっている。ものすごいヤル気だ。

 

「おい、リアス! 対戦相手の士気を上げてどうするんだ!」

「いや、これは正式な試合でもないですし。どうせ見るなら、本気を出してもらった方がいいでしょう」

「だからと言ってなぁ!」

 

 ほぼほぼ義兄上の眷属たちが相手をすることになるのだから、怒られるのも仕方がない、のか? 

 

「ああ、ライザー殿にも、のちのち良い娘が入ったら紹介いたしますが」

「お、本当ですか? では、次の『僧侶』は是非美少女でお頼みしたい!」

「承りました」

「よっし、よーっし!」

 

 嬉しそうだな、義兄上……。思わずガッツポーズしているくらいに。

 

「ライザーお兄さまの、おバカ……」

 

 というわけで、商品説明試合は激しく続行され、また黒歌の出番が回って来た。

 

「リヴラクス殿の側はどうされますかな? 駒価値『6』まででお願いしたいのですが」

「エダーギ殿、今度は行動不能などを狙わずに撃ち合っていただきたいのですが……構いませんか?」

「構いませんよ。おい、黒歌!」

 

 黒和服の猫耳美女は、それになんてことのないように答えた。

 

「わかったにゃん♪ それで、グレモリーの王子さま、私の相手は誰になるのでしょうか?」

 

 その質問に、俺は後ろに控えていた黒髪ポニテはいから娘メイドな朱乃へと目を向けた。

 

「次は朱乃だ」

「お任せください、ご主人さま」

 

 さて、堕天使と悪魔の翼を広げてやる気満々な朱乃だが、現状どれぐらいになっているのか。

 俺が相手をしていてもよく分からないからな。だいたい消滅魔力と基礎スペックの差で圧し潰せてしまうから、上級悪魔クラスも下級悪魔クラスもさして差を感じないから困る。

 

 袴ブーツ堕天使メイド美少女 対 猫耳和服美女

 

 うーん、絵になる。

 

 





使い魔の「シロ」:原作小猫の使い魔の白猫。


ナベリウス家分家当主の眷属について:

原作で主殺し後に討伐対を何度も壊滅させて逃げ続けた黒歌が、白音を回収して一緒に逃げるのが無理と判断する程度には強かったはず。分家ですし、他にそうそう戦力もいなかっただろうから。
となると、最上級悪魔クラスって言われていた黒歌が突破は無理と判断した他の眷属の強さは上級悪魔クラスはあるはずで……ナベリス分家当主って育成能力に関してはとても優秀だったのではないかと。
まだ妹と二人で暮らしていくのが厳しかった(弱かった)黒歌を見出して、『僧侶』2駒使って眷属にして、強く育てたのは確かですし
その育成方法は、妹がアレやらされるくらいならぶっ殺して『はぐれ』になった方がいいって黒歌が考えるくらいにはキツかったらしいですが。

という設定でいくので、原作二巻のリアス眷属にほとんどがやられちゃうライザーさんの眷属では相手にならないのです(優秀な『女王』は出てないですし)



フェニックスの特性:
二巻で「炎と風と命を司る」と言われていたのでその後目立ちませんが風使いの家系でもあるらしい。
不死身については、二巻のライザーとアザゼル杯でのレイヴェルで性能差が激しいので、二人の違いってなんだろうって考えた結果、年齢差、悪魔としての成熟度の違いによるものということにしました。

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