※この作品はR-18です。

公爵家次期当主好色物語   作:ルペッタ好き

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 回復の術式は……使い手が限られており、最上級の魔法に属する。さらに失った体の一部を再生する魔法とまでになると、異常なまでの魔法力か、禁術でも使わない限りは、とうてい無理だろう。
 つまり、アジ・ダハーカはその両方を使ったのだ。となると、リスクは大きい。失った肉体を再生するほどの力は、何かを犠牲にするはずだ。寿命か、それとも――。しぶといとされる邪龍に寿命を問うたところで無意味だろうが。

 21巻 ヴァーリvsアジ・ダハーカ より








2-30 魔王の計画

 朝方、なんだか股間が気持ちいいなと目を覚ますと黒歌が肉棒をちゅぷちゅぷとしていた。

 こいつ別の部屋で寝たはずだよな? と思いつつも心地よさに身を任せていると続けて起きたらしいレイヴェルが騒ぎ出したので唇を塞いで黙らせる。

 ついでに、レイヴェルとは俺を挟んで反対に寝ていた朱乃のおっぱいをもみもみとして起こす。

 なんだかよく分からんが、こうなれば4Pだ! と突入。

 

 しばらくお待ちください。俺が大変なことになっています。

 

 と朝っぱらから盛りまくって一息つくと、部屋のドアの前で待機していたリュイが「若さまぁ……♡」と桃色吐息。

 そういえば「明日の朝はお前に任せるぞ」と言っておいたのだったと思い出し、続けざまにもう一回戦。

 

 喰らえ今、必殺のサイズ倍加、快楽数百倍ピストン!! 

 

 白目をむいてアヘ顔を晒すリュイと、それを為した俺に恐れおののくレイヴェル。「ドラゴン……」と呟く黒歌。自分にもして欲しいと頬を染める朱乃。

 そんな皆を引き連れ、足腰立たなくなったリュイを抱えて皆で朝風呂にGO。

 

 その後、ふー、朝からサッパリしちまったぜ。とホクホク笑顔で朝食に向かおうとしていると、何やら通路が騒がしい。

 

「お待ちください!」

「どうか、お待ちになって下さい!」

 

 メイドたちの騒ぐ声に興味を覚えてそちらへと向かうと──。

 

「ミリキャスさま。どうか、どうかこれ以上は進まれませぬよう……伏してお願いいたします」

 

 ミリキャスがメイドに土下座をさせていた。

 

 さすがは我が甥っ子。幼くして既に卑しい身分の女を好き放題に弄ぶ醍醐味を覚え始めていたか。侮れん……。

 しかし、そのメイドたちは俺のだからやらんぞ。

 欲しかったら、キミのパパに「メイドを辱めて楽しみたいから、ちょーだい」とお願いするのだ。

 メイドスキーの兄上ならば、きっと「よーし、パパ張り切っちゃうぞー!」とイイ感じの娘を集めてくれることだろう。

 

「どうしたんだ、騒がしい」

「リアス兄さま!」

 

 俺の姿を見つけて、パッと顔を輝かせるミリキャス。

 なるほど、目当ては俺だったか。モテる男はツラいな。だが、残念ながらミリキャスは甥っ子だ。姪っ子ならば悪魔の紳士として是非とも可愛がりまくるところだが、甥は範囲外だ。

 ベルゼブブさまも言っていた。「弟はどうでもいいが、姪は滅茶苦茶可愛い」と。

 兄上だって、俺が女で妹だったなら、きっと溺愛してきたに違いないのだ。

 それが、悪魔紳士の実態である。

 

「どうしたんだ、ミリキャス。ここに来てはいけないと言っただろう?」

 

 寄って来たミリキャスを抱き上げ、ちょっとキツイ口調で訊ねる。

 グレモリー公爵邸のこの一角は俺の城であり、後宮(ハーレム)である。

 俺以外の男は、たとえ下働きだろうが侵入禁止だ。悪魔は女性でも腕力があるし、ここに来るメイドは純血には遠く及ばずとも魔力面でも優れたものが選ばれているので、男手などは必要ないしな。

 

「お母さまが……」

 

 と一言こぼしたきり、ミリキャスは黙ってしまう。

 目線を追うと、どうやら他の者に聞かれたくないようだ。

 

「レイヴェルもダメか?」

「レイヴェルねえさまは……いいです」

 

 ミリキャスとレイヴェルはわりと仲が良い。うちのカミさんは母上との仲も良好なようで何よりだ。嫁姑問題とか起きたら困るしな。

 だからといって、仲良くなりすぎてミリキャス×レイヴェルとかなったら大変困るが……。

 レイヴェルは俺の嫁さんになる女だからな。ミリキャスにはやらんぞ! 

 妻を甥っ子に寝取られたりした日には、恥ずかしくて社交界に顔出しできなくなること間違いなし。どこかにそんなことを仕出かした野郎がいたような気がするが、気のせいだろう。

 俺はいいんだよ、俺は! 紫紅の龍帝さまはワガママなんだ。

 

「そうか……朝食は済ませているか?」

「いえ、まだです」

 

 答えを聞いてから我が婚約者殿に目を向けると、無言で頷いてくれた。

 

「レイヴェル、三人で食事にしよう」

 

 それでこう言ったら、なにやらグッと気合の入った雰囲気を見せるレイヴェル。

 

「かしこまりましたわ! では、用意いたしますのでお二人は紫の御庭でお待ちくださいませ!」

 

 紫の庭というのは、いつぞやにマグダランからもらった花を植えた庭園だ。

 あれ以来、我が家にはバアル家の次期当主殿が現代に復活させた花があちこちに飾られている。甥っ子のくれた花を母上が気に入って、何故かそれに対抗心を燃やした父上が紅のバラを用意させたりしたので、二つが合わさってちょっとばかり邸内が派手気味だが、まぁヨシとしようじゃないか。

 

 来客用のところにもあの花が飾られているので、客人がそれを見かけたときの顔を観るのが面白かったりするしな。

 顔に出てしまう者はいるものだ。「あれ? グレモリーとバアルって仲悪かったんじゃなかった?」みたいな表情がさ。

 

「頼む、朱乃と黒歌はまた後でな」

「私はレイヴェルさまの手伝いに参りますわ」

「白音の所に戻ろうと思ってたから大丈夫よ」

 

 我が家の食事は一緒にとることもあれば、個別のときもある。今は父上も母上もエダーギ殿の事件を受けて忙しいので、各人それぞれとなっていた。

 そういうときぐらいは眷属と食事でもと思っていたのだが、ミリキャスよりは優先できんよな。

 一応、俺が希望すれば眷属をグレモリー家の食卓に座らせることは可能だ。ただ、朱乃は遠慮するし、黒歌はまだトレードが済んでいない。

 黒歌は礼儀作法が出来ないわけではないようだが、あまり堅苦しいのは苦手なようなので、正式に眷属入り手続きが済んでも嫌がるかもしれないな。

 

「では、向こうで待っているとしようか」

「はい」

 

 なんだかミリキャスがくっついたままなので、そのまま抱えて庭へと向かうことにするか。

 リュイを従えてテキパキ指示出しをしているレイヴェルを後ろに歩みを進めようとして、ふと気付いた。

 

 まだ土下座のままのメイドがいたので、立つように促すことに。

 ミリキャスもかなり才能があるから、怖いと思うんだよな。俺よりはマシなのだろうが、メイドから見たらミリキャスでも魔力量の差で震えがくるレベルだろう。

 するとミリキャスがメイドごときに謝ろうとしていたのでそれを咎めると、兄上に教えられたことと違うと返してくる。

 

「平民如きに頭を下げてはならん。自分が正しいという顔をしていろ」とは、はて父上から言われたのだったか、祖父さんから言われたのだったか。

 

 どっちにしろ俺は平民なんぞに頭は下げんがな! 命の価値は平等ではないのだからして、謝罪の価値もまた強さによって異なるのだ。

 

「俺と兄上では考え方が違うからな」

「リアス兄さまとお父さまは違うのですから、考えが異なるのは仕方ありません」

 

 俺の甥っ子、ませてるな。学校の成績も良いようだし。

 前世の記憶があるから勉強楽勝とかなかったしなぁ……。俺は今生の肉体の脳みそスペック頼りだよ。前世で分からなかったことがスラスラ分かるし、記憶力も段違い。

 悪魔ってスゴイってよく思ったものだ。

 そう考えると、ミリキャスくらいは普通なのか? 学校行ってないから、純血悪魔の子供の普通レベルが分からん。分からんが、ミリキャスが俺よりも賢そうなことだけは分かる。

 

 次期当主はミリキャスさまに! って派閥が家臣の中に出来るのも分かるね。譲るつもりはないが。

 

 学校と言えば、現在上級悪魔向けの学校は休校中だ。なので、レイヴェルも家にいる。

 エダーギ殿の事件を受けて、各施設の結界その他セキュリティの見直しが行われているのだ。貴族の子息が集う学舎で、集団誘拐事件なんぞが発生したら洒落にならんからな。

 父上と母上もグレモリー領各地のそういった対応で忙しいと聞いている。

 

「テベランか」

 

 我が家の男子俺以外禁制の領域を出たところに、厳つい悪魔が待機していた。

 グレモリー領の軍の偉いさんで、たしか大戦で亡くなられたグレモリー家のご先祖の血を引いていたはずだ。片親が下級悪魔なので、軍で働いている。

 なので、このテベランは俺がメイドに産ませた子のたどる道の先輩になるわけだ。

 

「はっ! ミリキャス様の護衛を務めさせていただいていたのですが……」

 

 護衛対象のミリキャスが男が入ったらぶっ殺す領域に侵入してしまったので、ここで待っていたと。

 失態だが、まあいい。またミリキャスと同じ話を繰り返すのも面倒だ。

 テベランも長い間実戦から遠ざかってデスクワークに就いていたのだから、ある程度は仕方あるまい。父上も半ばリハビリのつもりでミリキャスに付けたのだろう。

 

「足の調子はどうだ?」

「経過は順調であります。失っていた期間が長かったものですから、調整に戸惑っておりますがじきに慣れるかと」

 

 このテベラン、大戦も内戦も潜り抜けたベテランの軍人なのだが最近まで片足がなかった。戦時中に失ってしまっていたのだ。

 で、俺が『赤龍帝の籠手』の禁手でレイヴェルの『不死身』の特性を他者に『譲渡』出来ることを知った父上から、軍に在籍しているそういった者の治療を頼まれた。

 数百年単位の期間そのままだった負傷に『赤龍帝からの贈り物(不死身)』の効果があるのかどうか、その検証も兼ねてやってみたのだが今のところ順調な様子。

 次期当主さまからの無料サービスであるぞ、泣いて喜べって感じでな。本当に泣いて喜ぶヤツが多かったのだが、人間感覚でもそりゃ嬉しいと思う。

 このテベランも泣いていた気がする。

 

「ならいい。バアル家に頼まれた連中も同じような感じか?」

「はい! 経過を知るために連絡は取り合っておりますが、皆口々にリヴラクス様への感謝を述べておりました」

 

 バアル家は母上の実家だ。母上にもグレモリー家に来る前に世話になった者がいる。

 その縁もあるので、バアル家から依頼された者も幾人か治療したのだ。こちらは、有料。

 我が家の軍の力を戻すことは、将来的に当主となる俺の力の増大させることになるので、自分のためのようなもの。だが、いくら親戚といってもバアル家はバアル家、余所様なので対価は必要だ。

 

「結構な金額を頂いているから、感謝など必要ないんだが」

 

 バランスブレイクして、『譲渡』をポンと一回するだけでフェニックスの涙を上回る料金とかウハウハ過ぎる。フェニックスの涙には、失われた四肢や眼球などの身体部位の欠損を戻す効果はないので、こちらの方が金額が上になるワケだ。

 

「これまではいくら金額を積んでも治せなかったのですから、当然のことでしょう」

 

 剣でスパッと斬り落とされるなどして、欠けた部位そのものが綺麗に残っている状態ならフェニックスの涙でも繋げる。だが、焼かれたりして部位の大部分が失われてしまっていると無理なのだ。

 神器でもこれが可能な代物はほとんどないということなので、かなり希少ではあるのだ。現状、所有者不明となっている『幽世の聖杯』ならばあるいは……といったところか。

 そう考えるとあらためてスゴイな。悪魔では聖杯の恩恵なんて与れないだろうし。

 

「そう考えると安いくらいか?」

 

 料金は父上と母上がフェニックス卿と相談して決めた。フェニックスの涙の値段に連動して上下する変動時価制である。

 俺とレイヴェルの合体能力なのだが親に値段を設定されてしまった……まぁ、結構な額なので文句はない。入って来た金は俺個人の資産ってことでいいらしいし。

 ちょっとばかりレイヴェルと分け前を巡って揉めてしまっているところが悩みの種か。奥さん、なんで半々じゃダメなのですか? 俺が「9」でレイヴェルが「1」じゃあ強欲龍帝呼ばわり必至になってしまう。悪魔的にはそれでいいのかもしれんけど。

 

「兄さまと姉さまはすごいですね」

 

 レイヴェル的には、自分はフェニックスの涙で稼げるからいいらしい。俺がこの治療をしたところで、フェニックスの涙の価値は落ちないし。

 あれの有用なところは小さく携帯可能で、速攻性があるので、時間も場所も選ばず瀕死の傷をすぐさま治せるところだ。現状一番使われる場面はレーティングゲームの試合中なこともあって、特に問題はないそうだ。俺以外は、俺とレイヴェルを試合に持ち込めないしな。

 あとミリキャス、そう俺を尊敬のまなざしで褒めるな。誉められるとすぐ調子に乗るのが俺だぞ。ほら、もっと褒め称えろ。

 すごい、すごいと褒めてくれるミリキャスには悪いが、俺はコレを当主引退後の稼ぎにしようとしていたのだ。エダーギ殿との試合内容を知った父上から言われるまで軍兵の治療など思いもしていなかった。

 まぁ、口に出していないはずだから結果オーライ。家中での評判も上がったようだしな、特に軍部の。

 

「本日は私が作らせていただきましたわ」

「レイヴェル姉さまの手作りですか!」

 

 とまぁ、ミリキャスによいしょされた俺がいい気になっている内に朝食の準備が整った。

 なんだかレイヴェルが気合入っているなと思ったら、甥っ子に手料理を振舞う良い機会だと考えていたのか。

 

「簡単なものですけれど」

「いや、十分美味いぞ」

「はい! 姉さまは料理が上手ですね」

 

 家事全般わりと万能にやってのけるのが悪魔の貴族女性の嗜みの一つである。男も趣味で出来るようにしている方が結構いる。父上もゼクラムの祖父さんも料理が上手だ。

 俺はいまいち面倒臭がりなので苦手だが、別に自分でやらなくても使用人がやってくれるから大丈夫。独身一人暮らし男程度のスキルは一応あるが、コンビニの世話になることも多かったしな。

 あれだろうか、前世の死因は食生活の偏りにあったのかもしれない。何百年か経ったら、暇つぶしに覚えてみるのも悪くないかもな。

 

「うふふ、そんなに褒めないでくださいまし。照れてしまいますわ」

 

 ちなみに、レイヴェルも誉めまくると調子に乗るタイプだ。ただ、乗りに乗った調子のままその後の結果までも良くなっていきそうなところが俺とは違う感じがする。

 

「それで、どうしたんだ?」

 

 食事もあらかた済んで落ち着いたところで、ミリキャスに話を振ってみた。聞き分けの良いこの子にしては、さっきのあれは珍しかった。

 

「実は、リアス兄さまにお母さまを治していただきたくて」

「義姉上がどこか怪我をしたのか?」

 

 そんな話は聞いていない。

 

「怪我ではないのですけど、なんだか……様子が」

 

 ああ、精神的なものか。義姉上もユーグリッドさんのことでいろいろと思うところがあるのだろう。

 なにせ死んだと思っていた弟が現れて、しかも貴族の行方不明事件の重要参考人だ。それを受けて旧魔王の勢力の活動が活発化したのではないかとあちらこちらで大騒ぎ。学校も臨時休校状態である。

 

「グレイフィアさまが……」

 

 呟くレイヴェルに目を向けると、小さく首を横に振ってくる。

 精神的なダメージには、さすがのフェニックスの不死身特性も効果はない。それがあったら、フェニックスの一族は不屈の闘志を燃え立たせた、常時ハイテンションな一族になっていたことだろう。

 

「俺も義姉上のところに顔を出そうかと思っていたところだ、そのときに診てみるよ」

「リアス兄さまがそうおっしゃってくださるなら安心ですね」

 

 あああ、なんだこの甥っ子は、笑顔が可愛いぞ、クソ。

 ついさっき賢いなぁとか思っていたのに、ここで俺ならなんでも治せるとか思い込んで頼って来るとか。しかも、適当に口にしたことを真に受けて心底安心しましたーって顔するとかさ。

 危険だ。もしも俺が女だったらブラコン気味にされていたかもしれない。

 

「リアスさま、聞いてませんわ」

 

 おっと、レイヴェルが少々焼きもち気味だ。

 父上や母上、ミリキャスとの仲は良好なレイヴェルだが、実は義姉上とは微妙に距離がある。義姉上が普段メイドの立場でいると言うのもある。そうなるとレイヴェルも呼び捨てで命令口調になるから。

 

 でも一番の原因は、たぶん俺。

 

 前世では例の初恋爆散以降とんと女性に縁のない生活を送った俺だ。そんな俺が生まれ変わってから一番長く接した女性は義姉上だと思う。

 ということで、前世を無視した俺の今生での初恋は義姉上だったりするのだ。美人なんだからしょうがないよな。

 血のつながりもないし。すごく世話してくれたし。母上とは貴族の慣習的に一般庶民人間のような関係はなかったが、義姉上はメイドの仕事ですからってすごく構われたんだよ! 

 シスコンは悪魔のよくかかる病だって、それいろいろなところで言われてるから。

 

「いや、後で言おうと思っていたんだ。今回のことで義姉上も思うところがあるだろう……と」

 

 ムムムとなるレイヴェルと、やや慌ててしまう俺の様子をミリキャスが不思議そうに見ている。

 ちなみに、ミリキャスはあまり義姉上に世話されていない。義姉上は、ミリキャスが幼稚舎に通うようになるとすぐにメイドに復帰して以降は俺の周りにいることが多かった。

 母上が俺にあまり構わなかったのと同じ理由だろう。兄上が母上に頭が上がらないことからも分かるように、悪魔男性はマザコンも発症しやすいのではないかと俺は勝手に思っている。

 

 なぜって、我々悪魔は聖書の神話から生まれ出でた存在である。そして、やはり聖書関係となると人間界の本場はローマ。

 有名な悪魔に関わり深い『獣の数字666』もローマの皇帝を表しているなんて説もあるくらいだ。

 そしてローマと言えばイタリア。イタリア男といえば、マザコンで有名。はい、Q.E.D。

 きっと母親が子供、特に男の子にベッタリすると、マザコン発症率が高いのだろう。きっとそう、勝手にそう思っているだけだが。

 たぶん、違うだろうけど。今適当に思い浮かべているだけだし。

 

 まぁ、俺がガッツリ母上に逆らえない状態になってしまって、その母上がバアル家の意向を汲んでいたりすると、グレモリー家的にはよろしくないしね。

 義姉上の場合はもっと深刻だ。元々は内戦時に敵同士だったそうなので、特に旧魔王の動きが確認された今現在などは。

 そう考えると、あまりその手の話を聞かない女性の方が当主に向いているのでは……と思ったが、リュイのことを考えると男でコロッといってしまうのかもしれないか。いや、あれは『赤龍帝の籠手』が凄いのだろうけど。

 

「ご歓談中、失礼します! 緊急の連絡が!」

 

 ジーっと見つめるレイヴェルの視線にどう返そうかと思考を明後日の方向に逃避させ気味に考えていると、使用人がこちらに駆け寄って来た。

 

「何事だ」

 

 内心ちょっと助かったなんて思いつつ、その緊急の連絡なるものを聞くことに。

 

「大公家、シーグヴァイラ・アガレスさまが魔王ベルゼブブさまの眷属なられたとのこと」

「は!?」

 

 あまりのことに思わず素の声が出てしまった。

 いや、なんだそれは……シーグヴァイラはアガレス大公家の跡取りだぞ。彼女がベルゼブブさまの眷属=下僕となると、アガレス家が現魔王派の中のベルゼブブ派に従いますと言ったようなものではないか。

 

「父上には?」

「お伝えしております。ご当主さまより、リヴラクスさまからシーグヴァイラさまに確認をとっていただくようにとのご指示です」

 

 こんな発表の直後ではアガレス大公は忙しいだろう。たしかにまだシーグヴァイラからの方が話が聞きやすいかもしれん。

 で、我がグレモリー家でシーグヴァイラとの仲が一番良いのは、たぶん同世代の俺だろう。

 しかし、それぐらい通信魔方陣で伝えてくれても……そうか、今父上の周辺はセキュリティの見直し中か。

 

「ミリキャス、すまないが」

「はい。あの……お母さまのこと」

「ああ、任せておけ」

 

 ミリキャスには本邸に戻ってもらって、シーグヴァイラに繋ごうとするがなかなか繋がらない。

 プライベートの趣味用の方を使えばいけるかもしれないが、そっちは『ロボ話』専用だ。こういうときに使うべきではないだろう。命がかかっているワケでもないしな。

 

「ダメだな」

「どこの御家も考えることは同じなのでしょうね」

「レイヴェルはどう思う? 大公家の次期当主がベルゼブブさまの眷属になるなど」

「前例はありませんが……今回の旧魔王派の動きが関係しているとしか」

「タイミング的にそうとしか考えられないな……。しかし、いいのか? 次期当主が誰かの眷属になるというのは」

「貴族家同士ですと問題でしょうけど、相手が魔王となると命に従うのが本来の筋ではありますし」

 

 兄上たちの四大魔王の派閥と、大王家がトップの貴族の集まる大王派。その間でバランスを取って来た大公家の中立派。

 あまり機能していないが、レイヴェル言うように貴族家も本来は魔王に従うことになってはいるのだ。だから、

 

「建前上は、問題ない……のか?」

「本当に建前だけですけど」

 

 うーん、これはどういうことなんだシーグヴァイラ。

 しかし、これは、あれだ……つまり、魔王ならば貴族家の当主や次期当主を眷属にしてしまっても構わんということなのか?

 

  

 




 
シーグヴァイラ=魔王眷属

若手悪魔の集まった場面で、魔王アスモデウス輩出の名門グラシャラボラス家の次期当主候補ゼファードルが、アガレス大公家の次期当主シーグヴァイラに向かって言っていたので、シーグヴァイラは魔王の眷属のはず。

サーゼクスは、眷属が全部埋まっているので、なし。
ファルビウムは、最初期に全力で眷属集めに頑張ったらしいので全部埋まっているはずだから、なし。
セラフォルーは、原作で666退治に眷属引き連れて隔離結界行ってしまった覚えなので残した『女王』以外は、なし。『女王』は、ちょっと無さそうかな、戦闘力優先な印象があるので。
アジュカは居残り組なので、余裕がある。ということでここではベルゼブブ眷属ということで。

オリ主くん、魔王になれば当主や次期当主でも眷属(ハーレム)入りしていいってよ。
ゼファードルくんのお陰だから、感謝して?



お金稼ぎ:
フェニックスの不死身特性は、涙よりも遥かに上の効果。原作でライザーがリアスにバカスカ消し飛ばされても平気で再生してたから。

和平後にアザゼルが義手になっていたり、666の襲撃を受けたセラフたちが手足や目を欠損したってあったはずなので、治療方法はそうそうないはずのD×D世界。

アジ・ダハーカくらいの魔法力持ちが何らかの犠牲を支払ってやっと使えるくらいの代物ということで(まえがき)

なお、オリ主はこれに何の犠牲も必要としていない。
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