公爵家次期当主好色物語 作:ルペッタ好き
両家での話し合いの結果、レイヴェルが俺の眷属になる件についてはフェニックス家側で家に持ち帰り相談してからとなった。
俺が受けた印象としては、フェニックス卿は将来的にはともかく今はまだ早いのではないかといった考えのよう。逆にフェニックス侯爵夫人は乗り気のように感じられた。
どちらにしても、反対という雰囲気ではなかったのでまず問題ないだろう。近日中には返答するということだったので、あとはそれを待つのみだ。
さて、今はもうその翌日の朝。
俺はその朝立ちに苦しむ勃起をメイドに慰めさせていた。
「れろっ、にゅちゅ……、ぴちゃくちゆぅ、んぅ……」
舌と唇、口内の各所を適度に使うなかなか丁寧な仕事だ。やはりメイドはドジっ子よりもデキル系が良いということか。まぁドジっ子メイドは、えっちなおしおきシチュのためだけにいるようなものだからな。
「んふぅ……ぴじゅぅ……。じゅぅる、れぇろ、ちゅっ……いかがでしょうか、若さま」
俺のモノから一旦口を離し、媚びた上目遣いで具合を聞いてくるメイドの頭を撫でてやる。このメイドは俺よりかなり年上の女性だとは思うが、何百歳だろうと見た目は十代なのでまったく問題ない。
頭部の両脇、左右の耳の上辺りからそれぞれ角の生えている珍しい姿をしていたので、なんとなく覚えていたメイドだ。名前は知らん。
「ああ、いいぞ。そのまま続けてくれ」
「かしこまりました」
昨日、レイヴェルたちが帰った後、父上と話をした。母上も他の誰も交えない、グレモリーの血を継ぐ者だけに語られる我が家の秘事についてだ。
その話の最後に聞いてみたところ、朝と夜、それから風呂で俺の世話をするメイドには好きに手を出しても良いと知った。なので早速今朝からお試し中ということなのだ。
早朝の寝室、ベッドの端に腰かけた貴族の美少年と、その足の間に跪いて股間に顔を埋めるなめしゃぶるメイド。実に良い光景だ。
くすぐるように玉をころがされ、竿の幹や先端を艶やかな唇とぬめる舌が這いまわる心地よさ。傘の裏側の敏感なところに舌が巻き付き、いやらしい水音と共に背筋にゾクリと走る快感。ブルブルときてよだれが垂れそうになる。
実に達者な技量だ。昨日までの童貞な俺だったなら、即座に発射していたことだろう。これは相当な数を熟して来た猛者に違いない。
性欲の処理をさせるだけならば、手慣れた者の方が早くて良いな。俺は別に処女性に深いこだわりがあるワケではないし。まぁ、生娘を一からいただくということにロマンを感じないわけでもないが。
ヤれればいいんだよ。ヤれれば。精神的には初めてからの方が盛り上がるが、特に思い入れるつもりもないのならプロフェッショナルな技巧者も良いものだ。
「うっぐぉうう゛……お゛っぐぅっ……う゛ぇぇえ♡」
コイツはこの角がいいな。丁度掴みやすい形状をしている。左右の角を掴んで、メイドの頭部をぐっと引き寄せた。
喉奥に先端を突き立て、ぐりぐりと自分勝手に快楽を貪る。ぐぐぐっと玉から子種が昇ってくるのを感じる。
咥えているモノが大きくなったことでそれを悟ったのか、角メイドの目が見開かれた。彼女は僅かに首をふって、哀願の眼差しで何かを訴えてくる。
「う゛っぐ、ぐぽっぉ……じゅっ……。はぁ、はぁ……若さま。どうか……」
「まあいいだろう。そこに手をついて尻を出せ」
コイツは俺の子種が欲しいのだ。「はい」と嬉しそうに返事をすると、指し示したテーブルに片手をつき、ゆっくりとスカートをめくり上げた。
どうでもいいが、俺はメイドのスカートはロング派だ。別にミニも嫌いではないが、隠されているものがこうやって表れる瞬間の喜悦はこちらの方が大きい気がする。
「どうぞ、存分にお使いください」
ほう、黒ストか。これをビリッとやるのはちょっとした夢だった。これはいい。
では、遠慮なくと楽しく破き、湿った下着をずらして早速ぶち込んだ。
「ああ、いいぞ。いい具合だ」
「ああっ、はい。はい! ありがとうございます」
少し聞いただけの話だが、メイドが俺の子を宿した場合、その子は領内の開拓地の代官などになることが多いらしい。辺境とは言え一地方をグレモリー家の代理者として治める支配者だ。
もしくは、グレモリー領軍の幹部候補になるか。
下賤の血が混じるので純血の上級悪魔、貴族としては扱われないが、代官にしろ軍幹部にしろ悪魔内部の地位としてはかなりのものにはなる。
その母となれば、産んだ者もいい思いが出来るというワケだ。メイドにとっては功績を積み上げ上級悪魔へと昇格するなんて夢を見るよりは、ここで俺のモノを咥え込んだ方がよほど現実的なのだろう。そもそも下級悪魔を眷属にする上級悪魔が少ないからな。
「とりあえず一回出すぞ」
さんざんしゃぶられた後だ、一発目が早い。
「くださいっ、ああっ、ください!」
俺が押し込むのと同時に、角メイドが尻をこちらに押し付けてくる。最奥の突き当り、そのさらに先まで突き刺さったような感じがしたのと同時。
「おおっ」
「ああぁぁ!」
搾り取ろうと蠢く穴の中にびゅるびゅると注ぎ込む。しばらくして「ふぅ」、と息が漏れた。
挿し込んだまま少し休んで、角メイドに告げる。
「もう一度いくぞ。少し練習相手になってもらう」
「はい、若さまの思うままに扱ってください」
ここまではメイドのサービスへのチップのようなものだ。孕むといいね。
ここからは、次にレイヴェルが来た時や、朱乃の躾けに向けた練習だ。
それに、昨夜父上から聞いた『グレモリーの魔力特性』も確かめておきたい。レイヴェルとの時は無意識に使用していたようだが、アレは意識してコントロールできるようにしないといかん。何重にも響く甘い嬌声で脳がとけそうになったからな。
角メイドの膣を穿りかき回しながら、昨夜の会話を思い出す。
◇◆◇
呼ばれて向かったのは、先日婚約の話を聞いた部屋だった。
「来たか」
「はい、父上。話があるとのことでしたが、レイヴェルを眷属に迎えることについてでしょうか?」
「それもあるが……まあ慌てず、まずは座りなさい」
どうにも、鼻息がふんすふんすとなっていたらしい。でも、しょうがないでしょう? 初めて眷属を得るんだもの。
父上に促され、向かいの席に腰を下ろすと、
「お前はどうにも入れ込む性質のようだから先に言っておくが、落ち着いて聞きなさい。落ち着いて、怒りを抱かず、冷静に、だ。頼むぞ」
前置きとして、ひどく緊張した様子の父上に何度も釘を刺された。父上から若干の怯えさえ感じる。一体、何を言うつもりだというのか。
これから自分が口にすることは、俺が憤怒するようなことだと言っているようなものだ。
「約束はできませんが、冷静であろうと努力はします」
「本当に頼むぞ。父をあのグラシャラボラスの息子のようにはしてくれるなよ」
俺がカッとなって攻撃的な魔力行使してしまえば、父上であっても塵一つ残らない。
「そこまで念を押されると、非常に不安になるのですが」
本当に何なのだ。実は父上が朱乃かレイヴェルにでも手を出しちゃったテヘペロッとか、そんな話か? いや、レイヴェルはタイミング的にあり得ないな。
「実はな……レイヴェルくんとお前の行為なのだが……確認させてもらった」
今、なんと言われた……確認していた? つまり、父はあれを見ていたということか。
「いいか。これは必要性があってのことで、決してやましいことは何もない。グレモリー家の当主の務めだったのだ!」
必死の様子でその必要性を俺に伝えようとする父上を、俺はたぶん睨みつけていたと思う。
別段、俺が見られていたことはどうでもいい。だが、レイヴェルのあの痴態を父とはいえ他の男に見られたことに、どうにもグツグツと怒りが湧いてくる。
「理由を聞いても?」
「ああ、当然だな。グレモリーの血に宿る魔力の特性、それがお前に在るか否か、それを確かめなければならなかったのだ」
「グレモリーの血筋の特性は、魔力の量に恵まれるということではなかったのですか?」
貴族家の血に宿る魔力の特性。これは重要な話だ。確かにそれが絡んでいるのならば、父上が覗きをしなければならなかった理由にはなる。
よーし、落ち着け。頭を冷やせ。俺は独占欲は強い気がするが、そこまで怒りっぽいヤツではないはずだ。そうしなければならない理由があったのなら、話しぐらいは聞くべきだ。ぶん殴るのはその後でいい。いや、殴るのは良くない。
発想を変えるのだ、この経験を後に活かせ。むしろ見せつけて喜べる方向にシフトできれば……いいや、無理だな。まだ経験値が足りない。
少しくだらないことを考えたおかげか、膨れ上がりそうになっていた滅びのオーラを抑えることが出来た。これだから「まだまだ制御が甘い」などと言われてしまうのだ。
「はぁー、どうやら落ち着いてくれたか。やれやれ息子に殺さるかと思ったぞ」
「とりあえず、その特性とやらは聞いておこうかと。ちなみに、穴は間違えていませんよ」
「うん、まだ少しおかしいな。頭が冷えるよう遠回しに話すとしよう」
父上はやれやれと大げさな仕草をすると、酒杯をぐっとあおった。
「お前はグレモリー家の者の評判、評価というものを聞いたことがあるか? 主に身内に対する扱いなどで、だ」
「グレモリーは情が深い悪魔だ。優しく寛大と言えば聞こえはいいが、あれは身内に甘いだけだ。といった内容でしたら」
「他にもあるだろう? 夫婦の関係などで」
「ああ、グレモリーの男は昔から妻に弱く頭が上がらない者ばかり、でしたか」
うむうむと父上は頷いた。この父上自身、母上の尻に敷かれている様子ばかり見かける。
「あれはな、確かに気質としてそういったものがあることは否定できないが、家訓でもあるのだ。グレモリー家の生存戦略と言ってもいい」
「家訓ということは、父上はあえて母上に……?」
「いや、あれは素だ。演技をしているわけではない。お前は見たことがないかもしれんが、昔のヴェネラナはそれはもうとんでもないじゃじゃ馬でな……」
暴れん坊大王姫ヴェネラナ・バアルの噂は俺でも聞いたことはある。なんでも三勢力による大戦前の頃に強大な消滅魔力を振り回してぶいぶい言わせていたとか。
友人たちと連れ立ってあちらこちらで大暴れ、そんな母上とこの父がどうやって結ばれたのか……案外、押し倒されたのかもしれない。抵抗する父上を手籠めにする母の姿を想像し、なんとなくありそうだなと思ってしまった。
「なに、そんなヴェネラナもベッドの上では可愛いものだ。……話がそれたな」
今の話は母上には内密に、と頼む父上に首肯で返す。
「生存戦略というと……」
「こと婚姻に関して、グレモリーは相手に困ったことがない。どこかしらから良い縁がやってくる」
「一度身内と認めた者には情が深い、からですか?」
「そうだ。この家訓は初代さまの頃からのもの。一万年を超えて続く我が家のこの在り方は、もはやグレモリーとは
これは最早呪いだ。父上はそう続けた。
一万年、力ある悪魔達が「グレモリーかくあるべし」としてきたその在り方。この身に流れる血と魔力には、それが染み付いているのだと。
「嫁でも婿でもいい。グレモリーは迎え入れた者を、冷遇することはない。必ず大切に扱い、決して不幸にはしない。
なるほど。仮にどこかの家が娘の嫁ぎ先を探すとして、他の条件に差がないのであれば他家と比べてグレモリー家を選びやすくなるだろう。
「バアル大王家の当主殿はこの点では失敗したな。魔力を持たない息子の立場が悪くなったのは仕方なかったところもあるだろうが、第一夫人として迎えたミスラをあのようにしては……ウァプラ家の恨みは長く続くぞ」
悪魔は総じて、プライドが高い。貴族ともなればなおさらだ。嫁に出した娘を無下に扱われるということは、自身の家を蔑ろにされたということ。
ウァプラの娘程度ならば、この扱いで構うまい。息子の身柄を枷にして、領内の辺境でさしたる予算も付けず飼い殺しにしてもいい。
俺はまだ子を持っていないが、自分の娘がそんな目にあわされたならと考えると……愉快な気分には到底なれそうもない。
「悪魔の寿命は長い。一万年を超えて未だ初代の健在な家もある。悪魔にとって千年前の恨みというものはな、人間のそれとは違って記された歴史ではなく生の記憶なのだ」
プライドを傷つけられ、恨みを抱いた当人がいつまでも死なずに在り続ける。寿命の短い人間ならば、何世代か過ぎればそれは歴史の一部であり、「そんな昔のことを」と流せるかもしれない。
だが、悪魔はその怒りを抱いた当人が千年先でも残っている。それは恨みも残り続けるということだ。
「バアル家に嫁ぐとあのようにされるかもしれない。その記憶がいつまでも残り続ける。これは良いことではないだろう?」
それでも、現状の悪魔社会において最も家格が高く力あるバアル大王家ならばどうとでもするのだろうが。
「そうだな、それでもフェニックス卿はこちらを選んだ」
「と言うと?」
「フェニックス卿はレイヴェルくんの相手として、バアル家の次期当主となるだろう次男はどうかと考えていた節がある。政治のみならず多くの場面で権勢を振るう大王派の領袖たるバアル家の次期当主、その正妻に娘を据える。そういった考えを持つことは貴族の当主として当然のことだ」
だが、レイヴェルの婚約者は俺になった。魔王派のトップであるサーゼクス・ルシファーの弟であり、グレモリー家の次期当主であるリヴラクス・グレモリーに。
絶大な回復効果を持つ秘薬『フェニックスの涙』を独占製造するフェニックス家は、レーティングゲームの流行によって大きな利益を上げている家だ。バアル大王家としても申し出があれば、十分に考えたことだろう。
「お前が個人的にバアル家との伝手を持っていることも影響したのだろうが……。情が深いとされるグレモリーならずとも、悪魔とて我が子を可愛く想う気持ちはあるのだ」
現悪魔社会の二大派閥、魔王派と大王派。魔王派トップとの繋がり、大王派トップとの繋がり、どちらもそれぞれに大きな利がある。
二つを天秤にかけたとき、グレモリー家とバアル家、どちらがより娘の扱いが良さそうか。その情の重みがフェニックス卿の心の天秤を揺らした可能性はある。
「婚姻以外にも、ベルゼブブさまが『悪魔の駒』を開発してからのことも無視はできない」
「駒と言うと、転生悪魔についてですか?」
「そうだ。基本的に悪魔という種族は信用がない。何か悪いことを考えているだろうと思われるものだ」
それはそうだ、何せ悪魔だ。悪魔というだけで、邪悪だろうと思われる理由になる。
「駒によって悪魔に転生させた下僕の扱いは、その『王』である上級悪魔ごとに様々だ」
眷属のトレードを繰り返しいつもメンバーが違うような者、ゲームでの勝利のために無茶な命令を平然とする者。これらはまだ良い。レーティングゲームで勝利するための行動だから。
ただ、中には相当酷い扱いをする者もいるようで、そのせいもあって主である上級悪魔の下から逃げ出し『はぐれ悪魔』となる転生悪魔は一向に減らない。その討伐を主導するアガレス大公家の心労と同様に。
「グレモリー家では『悪魔の駒』が開発されて以降、駒によって転生させた者は全て身内として扱っている。領地も与え、教育も施し、治療は優先し、家中の使用人よりも明確に上の立場に置く。『王』の側近としての待遇だ」
この意味は分かるか? 父上の目がそう問いかけている。
「先の一万年の積み重ねてきた他種族にすら通じる、
「ああ、実際、
情愛深く、身内には寛大で優しい悪魔グレモリー。他の悪魔はイマイチ信用できないが、遥か昔からそうあり続けてきたグレモリーであれば……と考える者もいるということか。
「さすがに初代さまも『悪魔の駒』のことまでは予想されていなかっただろうが、結果としてグレモリーの者は強い下僕を集めやすくなった。その土壌を積み重ねてきたからな」
父上はそう言ってから、ニタリとスケベ親父のような笑いを浮かべた。
「グレモリーの男は妻に頭が上がらない。これも積み重ねてきた評価だ。……お前もグレモリーの男、レイヴェルくんを立てるのだぞ」
「父上のように尻に敷かれろと?」
「言っただろう。ヴェネラナもベッドの上では可愛いものだ、と」
ふむ、と考える。グレモリー家が婿を迎えた場合は良い。もとよりカカア天下の家と知って婿入りしてくる夫だ、次期当主の妻に頭が上がらず言いなりで結構。
だが、他家から嫁を迎えたときは少し問題だ。グレモリーの当主が他家からやって来た妻の言いなりでは困る。妻を通してその生家が、グレモリーからむしり取ろうとするかもしれない。
「だいぶ遠回しになったが、お前が今考えているだろうことを問題としないのが『グレモリーの魔力特性』だ」
じっと聞く姿勢を取る。
「グレモリーの魔力の特性は二つある。魔力量に恵まれやすいことも含めると三つになるが」
特性が三つ。なかなか豪勢なことだ。
「魔力量のこと以外は、耳にしたことがありませんね」
「そうでなくては困る。余所にはもらさぬ秘密の特性だからな」
我が家がそうならば、他の家にも秘した魔力特性なんてものがありそうだ。
「グレモリーの魔力はその者に『女性の愛を得る術を与え』、『求める宝へと導く』特性を持っている」
ほう、と息を吐いた後、口元がニヤついたのを自覚した。
女性の愛を得る術を与えてくれる魔力、なんと素晴らしい特性なのか。ベッドの上では何の役にも立たない消滅魔力とは大違いではないか。
「この女に関する特性は祖先からの経験上、性交の際に自覚するもののようだ。だから、お前にグレモリーの特性が受け継がれているのかどうかを確認したかったのだ」
なかなか遠回りだったが、ようやく父上が息子とその嫁の初行為をのぞき見した理由が出てきた。
ここまでが遠かったからか、俺の内のグツグツとした怒りは冷めていて、その理由をすんなりと心が受け入れた。
「嬉しそうな顔をしていますね、父上」
「ああ、嬉しいとも。初代から続くグレモリーの力だ。これを次代に継いでいくこと、その肩の荷が少し下りたのだからな。ほら、お前も飲め。これほど嬉しい日は久しぶりだ!」
心底ホッとした様子で、上機嫌に秘蔵の酒を進めてくる父。
その杯を受け取って、グイと傾ける。
「まだ舌が子供だったようです。……それにしても兄上がいるでしょうに」
俺は父・ジオティクスの次男だ。性交によって自覚するというのなら、既に子供のいる兄が知らぬはずがない。
「サーゼクスには伝えていない。あれは、いつの間にかグレイフィアと会っていたようでな。当時の事情もあったが、気づいた時にはルシファーとなっていて、その機会がなかった。……その後も、もし聞いてくることがあれば、と待っていたのだが特に何も言ってこない。グレモリーを出てルシファーとなった以上、こちらから我が家の秘事は明かせない。かと言って、魔王の寝所を探るわけにもいかんだろう?」
魔王ルシファーの寝床を盗撮する父上、そんな姿は見たくないものだ。ついでに普通にヤバイ。
「それに……サーゼクスはグレモリーの魔力を受け継いでいないのかもしれない」
「髪はグレモリーの紅ですが」
「お前はサーゼクスの真の姿を見たことがなかったか……」
「真の姿……ですか」
「人型に凝縮した莫大な消滅魔力の塊。それがサーゼクスの本当の姿だ。アレは、バアルの力、滅びのオーラの化身とも言うべき存在だ。そこにグレモリーの魔力の混じる余地がなかったのかもしれない」
戦の時代故のことかもしれん、とこぼし父上はちびりと酒を舐める。
「お前もバアルの力が強く現れていたので、もしや……と恐れていたのだ。我が家の特性がバアルに飲まれて消えてしまうのではないかとな」
父上は本当に嬉しそうだ。だからと言って、レイヴェルとのことを根掘り葉掘り聞かれても困るのだが。
何が悲しくて父親に、初体験の詳細を話さねばならないのか。俺は話さんぞ。
「そうか……少し残念だが。女の身体の声が聞こえる、そのことが分かっただけで良しとしよう」
「それだけでお願いします。ところで、女の尻に敷かれても問題ないということと、この魔力の性質の関係ですが」
「まぁ、既に分かっているだろうと思うが、傍から主導権を妻に取られてるように見えようとも、その心、愛さえ掴んでおけばなんら問題ない!」
ちょっと酔っぱらっているのか、父上はそう叫んだ。ここが多重に防音措置の取られた部屋で良かった。
ただその言うところは分かる。一見妻が仕切っているように見えても、その心が当主の下にあるのならば、その仕切りはグレモリー家のためのものなのだ。むしろ自身の仕事が減るので、やや他家から侮られやすくなることを除けば問題はなくなる。
そしてそのグレモリーの男は牛耳りやすいという侮りさえ、他家の女を引き寄せるためのグレモリーの用意した蜜なのだ。
「これが初代より続く戦略……」
「そうだ。いかに力に恵まれたお前であっても、こればかりは守ってもらう」
割と好き放題させてもらっている自覚はあるし、一万年の伝統と言われては無下には出来ない。ここは大人しく頷いておこう。
別に困らんし。つまりレイヴェルに実務を放り投げて、ちょっと叱られつつハーレムハーレムしていればいいんだろう? サイコーじゃないか。いや、サイテーかもしれん。
「ところで父上、この女の愛を得る魔力特性ですが、グレモリーの女性はどうなるのですか?」
俺に娘が出来たとして、その子が百合百合ハーレムでも形成することになるのだろうか。それはそれで見てみたくなるが。
「グレモリーの魔力の特性は『女性の愛を得る術を与え』るものだ。男のグレモリーはそれを己のものとして振るうが、女の場合はそれを他者に与えることが出来る」
「となると、誰かをとても女性に好かれやすくすることが出来ると……」
「そうなるな。女の場合、自覚がないとこの特性を無意識のうちに自らの愛する男に与えてしまうらしい。お前も娘が出来たならそこをよく注意しておけ。下手をすると、娘の婿候補の周囲が女だらけになるぞ」
「あー……ということはさっさと経験させて、魔力の特性を自覚させた方が良いのですね」
「娘にこれぞと思う相手が出来たなら、取り返しのつかなくなる前にさっさとくっつけてしまえ」
「分かりました。……これはなかなか、大変そうです」
娘に彼氏が出来たら、「ほう、お前が娘の……そうか、そうか、ところでもうヤッたのか? 何ィまだだと!? さっさとシろよこのヘタレ野郎」とか言わなきゃいかんのか。
なかなかキツイな。でもそうしないと、娘の彼氏がハーレム作ってしまうということに。うーむ、難しいぞこれは。
「もう一つの『求める宝へと導く』特性だが、これは実は本当にあるのかハッキリしていない。その運命や因果律に干渉するその性質上、これだと言える証拠がないのだ」
「運命に因果律とは、それはそれで壮大ですね」
「お前の場合は……あれかもしれんな。たまたま気晴らしに行った人間界の地で、偶然殺される寸前の堕天使幹部の娘に出会ったりしただろう」
「よく考えるとすごい偶然ですね」
「そういった偶然を拾い集めてくる魔力なのだと考えられている。こちらは他家に知られてもあまり問題はないが、あてにされても困るのでな」
偶然を引き寄せる力か。意識して使えないとなると、これはもう本当に運任せだな。まぁ、俺の場合は赤龍帝のそれと合わさって堕とし頃の美女・美少女と出会いやすくなるのならラッキーといったところか。
「グレモリーの者は求めている何かに関して運が良い。なんだか分からないが引きが強い。そう思わせておけば良いと」
「そんなところだ」
その後、上機嫌の父上の酒にしばし付き合った。
そこでついでのように、「魔力特性の練習相手として、お前の好みそうなメイドを配置しておいたのでよく励みなさい」と言われたのだ。
なんでも俺の魔力量は、真なる姿の兄上を除けばグレモリー史上でもぶっちぎりの最大値なので、加減を覚えないと相手の女性が壊れてしまうかもしれないのだとか。
まったく、ここまで用意してくれるとは、我が父上は最高だな!!
そういえばはっきりとは言われなかったが、父上はあれか、俺がレイヴェルを壊さないようにかぶりつきで見ていたのか……?
うーん、メイドさんで許す!
原作の状況に無理矢理こじつけた捏造設定
イッセーがモテてるのはドライグだけじゃなくて、リアスの魔力の影響もあるんだよ。一巻で悪魔グレモリーを召喚してるし!
リアスの引きの強さは彼女が仲間を己の宝だと認識しているからなんだよ。
だから死にかけの将来有望な人物にバッタリ出会うんだ!
ということなので、お宝の認識が美女・美少女なこのオリ主は男のピンチには偶然居合わせたりしないです。アーメン
次回「『女王』の価値」