3人の関係は一体どうなるのでしょうか。
麻美と浩一のカップル、プラス美琴という奇妙な関係は高校を卒業したあとも4年間続いた。
麻美と浩一が会うのは週5日、大抵平日4日プラス日曜日で、美琴は平日1日プラス土曜日だった。
勘違いしないで欲しいのは、すべての日にセックスをしていたわけではない。
麻美は平日はもっぱら買い物や、帰りに寄り道して、ファミレスでのひとときを楽しんでいた。
身体を重ねるのはせいぜい2日だ。
日曜日は少し遠出をして、遊園地だったり、映画を見たりコンサートに行ったりもした。
春風とは、週2日ということもあり、両方でセックスをした。
浩一の車でラブホがメインだった。
大学を卒業し、23歳になった時、浩一が麻美にプロポーズした。
当然、断る理由などなく、めでたく二人はゴールインしたのである。
何故に結婚を急いだか?
それは美琴の居場所を作る目的もあった。
実家に居たのでは思うように美琴と麻美が会えなかったからだ。
美琴にしてみれば、週に2日しか会えないのだから、たっぷり浩一に愛されたい。
麻美と、会っている時間がほとんど取れなかったのだ。
勿論、平日は3人でファミレスや、スタバ、マックなんて行ったりもしたが、時間が短い。
浩一と麻美が結婚することで、美琴は浩一達の家に行き、3人で楽しく過ごせる時間が持てた。
ネットゲームや、テレビを見たり、料理にお菓子作り、ゆっくり読書をしたり、と出来ることは沢山あった。
美琴は浩一の家にいる時には、決して身体を求めたりもしなかった。
(ここでだけは求めてはいけない)
そう言い聞かせていた。
遅くても8時には浩一の家を出るようにしていた。
美琴なりに気を使っていたのだ。
2年が過ぎたある日、麻美が、
「生理が遅れているの」と言った。
こんな日のために買っておいた妊娠検査薬を麻美に渡した。
麻美は、
「あまり期待しないで〜」
と言いながら、検査薬を使ってみた。
結果は見事陽性だった。
「陽性反応が出ても、産婦人科で違うなんてこともあるからまだ喜ばないでよ〜」
と、言ったが、浩一の喜びは収まらなかった。
翌日、会社に電話をかけ、妻の病院に付き添うことを伝えたら、上司が、
「今日は休んでいいよ。ケーキでも買って食べればいい」
と言ってくれた。
浩一は産婦人科を選ぶのに大変だった。
独占欲が強いなんて思っていなかったが、気づけば、女医さんのいる産婦人科を探していた。
運良く、自宅から4キロの産婦人科は女医さんらしく、そこへ行くことにした。
そんな浩一の姿を見て、
「ありがとう、私、あなたを選んで本当に良かったわ」
と言った。
産婦人科でもやはり陽性だった。
「おめでとうございます。6週目ですよ」
と、看護師は言った。
「美琴にも報告しないとな」
「そだね」
そう言って、美琴にLINEを送った。
美琴も大喜びだ。
実は、美琴は数ヶ月前に子宮の摘出手術をしていたのだ。
子宮筋腫にかかり、治療していたのだが、今後、子供を産みたいと思っていないことや、それで、癌のリスクを下げれるならその方がいいと思った。
ただ、医者は反対した。
「あなたのような若い年齢で、わざわざ子宮を摘出する必要はありません。子宮筋腫は良性の腫瘍で悪性に変わることは殆どないのです」
考えを改めてもらおうと説得したが、美琴は首を横に振るばかりだ。
私は、4人もの命を奪った殺人者だ。
子供を産む資格などない。
そんな考えもあった。
結局、医者が根負けし、子宮を摘出することになったのだ。
なので、麻美の妊娠は自分のことのように嬉しかった。
仕事が終わり、ケーキ屋さんに寄って、ケーキを6つも買った。
浩一の家に行き、チャイムを鳴らす。
「あっ、美琴、どうぞどうぞ」
「お邪魔しまーす。これ、買ってきたんだ〜、一緒に食べようよ」
「わ〜ケーキ、ありがとう」
麻美はそう言って、コーヒーを作る。
美琴にバレないように冷蔵庫の中にあったケーキの箱を冷凍庫に移した。
(あなたたちは明日食べてあげるからね)
「麻美は?男の子がいいの?女の子がいいの?」
「う〜ん、私は男の子かな。浩一くんみたいな優しくて、かっこいい男の子が欲しいな」
「だよね〜私も男の子がいいと思う。だって、女の子なんて生まれたらさ、浩一、絶対子供にメロメロで、私たちなんか構ってもらえなくなるよ」
「失礼だな〜、俺はお爺ちゃん、お婆ちゃんになっても、二人とも大好きだよ」
「本当かな〜」
それから約9ヶ月後、生まれたのは女の子だった。
名前は、ひらがなで『ことみ』になった。
女の子なら、そうしようと初めから決めていたのだ。
美琴にも予め伝えていた。
女の子と知って、美琴は
「まぁ、麻美、二人目頑張りなよ」
他人事のように言う。
「あのさ、美琴は浩一くんの子供欲しいとか思わないの?」
麻美が尋ねた。
「私ね、子供が出来ない身体になってるんだよ。子宮がないの」
麻美はびっくりした。
美琴が経緯を話した。
「やっぱり、私は浩一が大好きだし、麻美も大好き。この関係、絶対に壊したくないの」
「美琴〜」
言いながら、美琴を抱きしめてわんわん泣いた。
これから先、いつまでこの関係を続けられるか分からないけれど、私の浩一への想いはいつまでも変わらない。
そう、それだけは自信を持って言える美琴だった。
終わり
ご愛読ありがとうございます。
読み切り以外では初めてラストまでたどり着いた作品になります。
誤字脱字、文法的な間違い等、多々あったかとは思いますが、最後まで読んでいたき、心からお礼申し上げます。
もうすでに次の作品も投稿を開始しています。
そちらはR18のような性的な表現のない、一般向けのラブコメになりますが、よければそちやも読んでみて下さい。