山本は、日が経つにつれ、今野に惹かれている自分を感じていた。
ダメだ、この子を騙すなんて、俺には出来ない。
計画では、好きにさせるか、上手く自宅に呼び出してセックスまで持ち込み、写真や動画を撮って、ばら撒かれたくないなら美琴の裸を隠し撮りしろと脅すはずだった。
俺はそんな酷いことをこの子にしようとしてたのか?
俺には出来そうもない。
俺はこの子が好きだ。
好きな子にそんな酷いこと出来るわけがない。
工藤たちには申し訳ないが、美琴の裸なんてもうどうでもいい。
俺はこの子と付き合いたい。
隣の席から今野に数学を教えてもらいながら山本はそう考えていた。
いつまで待っても進展がないことに苛々したのは他の3人だ。
特に工藤は今野と仲良く話してる山本の姿を度々見てるし、最近は俺よりも、今野と帰ることが増えてきた。
あいつまさか裏切るつもりじゃないだろうな。
思った工藤は日曜日に山本を呼び出した。
そこには戸川と古角もいた。
呼び出された山本は正直に話すことにした。
そしてこの計画そのものをやめさせようとしたのだ。
「お前、計画から抜けるだけでも許せないのに、やめろってか?ふざけんなよ」
言いながら工藤が山本の腹に一発拳を入れた。
山本は顔を歪めたがそれでも、
「好きにすればいい、俺は降りる。お前らがこの計画をやめるかやめないかは俺の知ったことじゃない。誰にも話したりもしない。ただ、今野さんに酷いことをしたら絶対に許さない」
山本のその目には工藤たち3人を怖気付かせるすごみがあった。
「ちっ、分かったよ、誰にも喋るなよな」
「美琴が今後どうなっても、お前は関わるな。関わったら、死ぬぞ」
「いいのかよ工藤、こんなんで許しちまって」
戸川と古角が口を揃えて言う。
「今こいつをボコって逮捕でもされてみろ、それこそ計画がオジャンだ」
なるほどそう言われたらそうだ。
戸川と古角は納得したようだった。
「お前とは今後、ダチでもなんでもない、さっさと消えてくれ」
そう言って山本を追い返した。
山本を返した後、工藤はニヤリとしながら2人に言った。
「このまま終わらせるわけないじゃないか。今野とかいう女めちゃくちゃにしてやるよ」
「いいのかよ、そんなことしたら、あいつ何してくるか分からないぞ」
戸川がそう言ったが、
「3対1だぜ、バレたところで負けるわけね〜じゃん。写真や動画もちゃんと撮るしな。今野ってやつにも口止めはするさ」
「なるほどな、工藤は相当な悪だな」
言いながら3人はケラケラ笑った。
続く