※この作品はR-18です。

恥を晒して殺された男たち   作:gamacchan

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第九話

 工藤はパソコンの前で考え込んでいた。

 どうやって脅すかだ。

 美琴はただでさえ男嫌いで自分から男に近づかない。

 動画を写真にするのは簡単だが、それをいつ、どうやって美琴に見せるかだ。

  

 考えても答えは一つだ。

 下校時に美琴を待ち伏せして、封筒に、写真と電話番号、メールアドレスを書いた紙を入れて渡し、連絡を待つしかない。

 決まれば、作業開始だ。

 工藤は動画を何度も見直して、一番脅しに最適のアングルを選んで写真に加工していった。

 そして、勿論その夜は美琴をおかずに2回ぬいたのである。

 

 翌日の学校は時間が経つのがいつもの倍以上遅く感じた。

 やっと放課後になり、美琴が出てくるより先に学校を出て、美琴が通る道沿いにある公園で、美琴が来るのを待ち伏せた。

 

 10分ほど経ったころ、美琴がやって来た。

「春風」

 と声をかけてた。

 美琴は迷惑そうに、

「何?あなたに名前を呼ばれる覚えがないんだけど」

 つっけんどんな態度は予想通りだった。

「いや〜、春風に渡したい写真があってさ。これ受け取ってくれよ。受け取らないと後悔するぜ」

 と言って、封筒を渡した。

「ここで開けるなよ。家に帰ってから開けた方が楽しみが増えるからな」

 そう言って、さっさと歩き出して行ってしまった。

 

 美琴は嫌な予感がしたが、家までそんなに遠くはない。

 家に帰ってから開けることにした。

 美琴の家庭は両親が共働きの為この時間は誰もいない。

 家に帰ると、台所にのテーブルにカバンを置き、工藤が渡した封筒を開けた。

 そこには10枚ほどの写真と、メッセージが書かれた紙が入っていた。

 写真には両胸を露わにして身体を拭いている自分の姿や、ショーツを履こうとしている自分、要するに、男には絶対に見られたくない自分の姿が写っていた。

 工藤はこの写真をネタに私を脅したいのだろうことは疑いようがなかった。

 今の時代、簡単に盗撮など出来てしまう。迂闊だったと後悔した。

 後悔してもどうにもならない。

 あいつのことだ、小学生の時の恨みを持ってのことだろうし、それなりに用意してのことだろう。

 しかし、誰が撮影したのだろうか?

 女子の着替えはプールのそばにある専用の更衣室でする。

 ロッカーの位置は決まっていて、大体みんな自分のロッカー付近で着替える。

 私の名字は"は"から始まるから、特定は難しい。

 ただ、体操服に着替える時のブラジャー姿の写真があって、その写真の角度から大体割り出せるのは3人になる。

 おそらくこの3人のうちの誰かだ。

 しかし写した人物を特定出来ても、その人だって脅されて仕方なく撮影したかも知れないし、理由が分からなければ責めることも出来ない。

 とにかく工藤に連絡して、あいつが何を要求するか確かめなければならない。

 

 声さえ聞くのが嫌な相手だが、かけないわけにもいかない。

 工藤に電話をかけた。

「はい、工藤です」

「春風です」

「やっぱりちゃんとかけてきたね。これは春風さんのスマホかな?登録しとかないとね」

 そんな話は無視して、

「あなたはやっぱり最低ね。山本くんは今野さんと仲良くしてて、変わったなって思ったけど、あなたは何も変わってない。理性ってものがないの?」

「言いたい放題言ってくれるね。確かに昨日は君の動画で2回ぬいたけどね」

「最低ね、何が望みなのよ」

「何が望みって、君が着替えてるところは全て動画で保存されてるんだ。要するにそれ以上を望んでるわけさ。例えば君の真っ裸な姿とかね。だって、俺は君にペニスを見られてるんだ。君のを見ないと平等じゃないだろ?」

「見たって、小学生の時の話じゃない」

「見られたことに変わりはないんだよ。嫌なら写真や動画をばらまくだけさ」

「そんなことしないでよ」

「なら、裸を見せるんだな。ちょうど、明後日の日曜日、家には俺しかいないんだ。俺の家分かるだろ?昼に来てくれよ」

「裸を見るだけで済むとは思えないんだけど」

「春風の悪いところだな。思ってても言わない方がいいこともあるんだよ。じゃあ待ってるからな」

 それだけ言うと一方的に電話を切った。

 

 美琴は今野に電話をかけた。

「もしもし今野です」

「あっ、今野さん?私、春風よ」

 後ろめたさがあるので話がしどろもどろになってしまう。

「は、春、春風さん?ど、どうしたの?」

 美琴は思わず笑ってしまった。

「今野さんわかりやすいわね。そんなにビクつかなくても大丈夫よ」

 今野はそれでも何のことか分からないふりをした。

「え?な、何のこと?は、初めてだよね春風さんからの電話」

「学校から帰るときに、工藤から封筒に入った写真を渡されたの。家に帰って確認したら、私の着替えてる写真が入ってたわ。胸や陰毛まで写ってる写真。その中に、体操着に着替えてる写真があってね。角度的に3人に絞ったの。あなた以外の二人は工藤との接点が見当たらないのよ」

「私は何が接点なの?」

「まだ、しらを切るのね。接点は山本くんよ。彼は小学生から工藤と仲が良かったの。高校生になるまでずっとよ。ところがあなたと付き合って山本くんは変わったわ。いい方向にね。それが気に入らないから工藤はなんらかの方法であなたを脅した。元々狙いは私なわけよ。小学生の頃にちょっとした恨みをかう事件があったし」

 そこまで聞いて、この人は私だって確信して電話してるんだ……と気づいた。

「ご、ごめんなさい。私、あの人達に酷いことされて、脅されてたの」

 そこまで言って、泣き出してしまった。

「私はあなたを責めたりしないわ。だから泣かないで。ただ脅されてるなら助けてあげなきゃって思ったのよ」

 今野はわけが分からなかった。

「写真を渡したってことは春風さんを脅す為だよね。私には脅すためには使わないって言ってたのに……自分が脅されてるのに私のことなんて……」

「酷いことって、強姦されたんだよね?今野さんは経験あったの?」

「経験なんて、キスだって唇を合わせるだけのキスだし」

「ふふ、それって山本くんだよね?」

「うん」

「幸せ真っ只中のあなたに強姦なんて平気でしたんだ、あいつは」

 許せないと思った。

「強姦は工藤だけにされたの?」

「違う、工藤を入れて4人。一人は兄だって言ってた。その人の車で拐われたの」

「なるほどね。あとの2人が誰なのか察しがつくわ」

 今野が訪ねた。

「どうするの?」

「日曜日に呼び出されてるのよ。だから行くわ」

「行っちゃダメだよ。私みたいに酷いことされるよ。私ね2回強姦されて、写真や動画をばら撒かれても、もう嫌だって言ったの。殺されてももうしないって。そしたら、もうしないから、その代わりに春風さんの着替えを撮れって……こんなことになってほんとにごめんなさい」

「そんな理由聞かされてあなたを責める気にはならないわ。悪いのは全てあいつらよ……私はね、キスの経験どころか手を繋いだこともないんだよ。そんな私の処女が欲しいのならくれてやるわ。そのかわり、それ以上の代償を払ってもらうけどね。もう頭の中でプランが出来上がってるのよ」

 今野は、この人は凄すぎると思った。

 

 本心は美琴だって怖い。キスもしたことがないのだから怖くないはずがない。しかし今野が力をくれた。女の敵を野放しには出来ない。必ず責任を取らせるわ。

そう思うと勇気が湧いてくる美琴だった。

 

続く

 

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