優香がサキュバスだと分かったのは高校生になってすぐの事だった。
その日は、いつものように優香が拓哉の部屋に遊びに来ていた。
「人のベッド占領しやがって……。しかも、そんな短いスカートで――」
「ん? ……にひ、気になるの?」
彼女はスカートの裾を掴むと、ぴらぴらと軽く振って見せる。
「ばっ、誰がお前のなんか!」
そう言いながら拓哉は慌てて顔を逸らした。その頬をわずかに赤くしながら。
初めはそんな風に普段と変わらぬ様子だったが、それからしばらく経ったある時、優香が突然息を荒くして胸を押さえた。それを見た拓哉も慌てて声をかける。
「お、おい優香!? 大丈夫か!?」
「はぁ、はぁ……っ!」
――いきなりどうしたんだ!? まさか、何かの病気か!?
急いで救急車か彼女の母親を呼ぶべきかと拓哉が考えていると、突如として優香は彼の肩を押さえて押し倒し、さらにその上に馬乗りになる。
「な、なにする――」
背中と肩の痛みに顔をしかめながら、拓哉は彼女のその行動を止めようとした。だが優香の表情を見た瞬間、彼はその言葉を続ける事が出来なかった。
「はぁ♡ はぁ♡ たくやぁ……♡」
甘く蕩けるような声音と潤んだ瞳。そしてその頭に生えた角。
状況を飲み込めず混乱する拓哉の目の前で、彼女の変化が始まっていく。
「お、お前……その姿……」
「ぇ……?♡」
彼が絞り出したその言葉に、優香もようやく自分の身体にそれまでなかったモノの存在に気付いた。
「なに、これぇ……♡」
自身の角を撫で、翼と尻尾を動かす。だが、そんなモノへの興味はすぐに薄れる。
今の彼女には自分の身体に起こった変化よりも、目の前で組み敷かれている“獲物”の方が大事だった。
「――あは♡」
「優香……ッ!?」
優香を上から退けようとする拓哉だが、肩を押さえ付けている彼女の手は尋常な力ではなく、全くビクともしない。その事に動揺していると、頭上から声が降ってくる。
「ねぇ拓哉……私、おかしいの……♡ 今、アンタのこと……すっごく美味しそうに見えるんだぁ……♡」
その言葉に拓哉は背筋が凍った。
ゆっくりと彼女の顔が近付いてくる。
「大丈夫……痛くしないから……♡」
――く、食われる!?
彼は恐怖で目を閉じた。しかし次に襲い掛かってきたのは、唇に当たる柔らかい感触であった。
「ん……♡」
「――んんッ!?」
驚いた拓哉が目を開けて、そこでようやく彼女にキスをされたのだと理解した。それだけならまだ良かったのだが、彼はすぐに優香のキスによってもたらされた異変に気が付く。
――なんだ、これ……。
「れぁ、んぅ♡」
舌までも絡めたキス。それだけのはずなのに。
――体が熱くなって……。
彼女とのキスだけで拓哉の肉棒は普段より熱を持って硬くなり、その存在を主張している。
何故そうなったかの理由は彼には分からなかったが、これは優香の放つサキュバスの気に当てられた事と、キスによって催淫効果のある唾液を飲んだのが原因だった。
上に乗っている彼女自身もそれに気付いていないのだが、サキュバスの本能によって自然と体が動く。
「ちゅぅ、ん……♡」
拓哉の舌を吸いながら、その手は彼の隆起したペニスへと置かれ、ズボン越しに優しく擦られる。
――うっ、直に触られてないのに……!
優香がほんの少し触れただけで、拓哉は強い快感に襲われた。しかし今の彼には、彼女の行動を止める事が出来ない。
と、優香は唇を離す。
「たくやぁ♡ ごめん、ねぇ♡」
それは何に対する謝罪なのか。
頭が回らない拓哉がそれを受け止める前に、彼女によってズボンのチャックを下ろされ、すっかりガチガチになった剛直を曝け出された。
「――はぁ♡」
ぺろり、と淫靡な表情で舌なめずりをする優香。そんな彼女の顔を見て、拓哉のペニスはさらに硬さを増して、その鈴口からはカウパー腺液が零れる。
優香の方も彼の肉棒を直接見るや、それまで以上に興奮した様子で自分の下着をずらし、そのまま躊躇うことなく一気に奥まで挿入した。
「あぁっ!♡」
「うぐっ!」
とてつもない快感をもたらす優香の蜜壺に、セックスが初めての拓哉はすぐに射精しなかっただけでも大したものだろう。
しかし同じく初めてだったはずの優香が、挿入して間を置かずに腰を激しく動かしてしまうのだから、彼の陰茎は大きく震えてあっという間に子宮めがけて精液を吐き出してしまった。
「なかぁ……あついのが、いっぱいぃ……♡」
彼女はそう口にしながら、恍惚とした顔で下腹部を撫でる。拓哉はと言うと、今まで味わった事のない射精の量と気持ち良さで頭の中が真っ白になっていた。
それから少しして落ち着いた彼が、変わらず様子がおかしい優香を止めようと手を伸ばす。
だが――
「たくやぁ、もっとぉ!♡」
拓哉の手を掴んだ彼女はそのまま自身の胸へと押し当てると、止まっていた腰の動きを再開させる。
「ゆ、優香っ! ダメだって!」
「ダメじゃないよぉ♡ んっ♡ 拓哉も一緒に、もっと気持ち良く……なろぉ?♡」
彼の制止も聞かず、優香はまるで何かに取り憑かれたかのように腰を動かしていた。
――コイツがこんな風になってるのって、もしかして急に生えた角とかが関係して――うぁっ!
彼女がこうなった原因を考える拓哉だが、ぐりぐりと腰を押し付けられるその刺激に、思考を強制的に打ち切られてしまう。
「これぇ、とっても気持ちいぃ♡」
「優香、そんなにしたら、また……!」
「また出しちゃうのぉ?♡ いいよぉ♡ どぴゅどぴゅって、中に沢山出してぇ!♡」
本能のままに、優香は拓哉の射精を促そうと膣肉で彼のペニスを締め付ける。
「やば――ッ!」
一度射精していたとは言え、連続で強い刺激を与えられた拓哉は当然それに耐えきる事が出来ず、またしても彼女の子宮内へ呆気なく吐精してしまった。
「やっぱりこれ、いいよぉ……♡ あっ、イくっ!♡」
中出しされた事で優香も絶頂を迎え、射精を誘う為に締め付けられていた拓哉の剛直を、彼女の膣壁がそれを押し潰すのかと思うほど強く圧迫する。
「ぐッ……!」
連続で二度も射精したばかりの拓哉には、この強烈な感覚はもはや拷問に等しかった。
「……もっと♡」
――冗談だろ!?
抜かずにすぐさま三回目を始めようとする優香に彼は困惑し、このままではマズいと感じてどうにか抜け出そうとする。だが、やはり今の彼女を自分の力で退ける事は出来ない。
「も、もう無理だって!」
この優香の状態を止めなければ、確実に拓哉の生気を吸い尽くしてしまう。
「無理じゃないよぉ?♡ だって拓哉のおちんちん、まだこんなに元気なんだからっ♡」
「せめて休憩させてくれ! そんなに連続でされたら死ぬ!」
彼女が止まってくれる事を願いながら叫ぶ拓哉。
すると、
「――拓哉君の言う通りね」
突如として拓哉のものでも、優香のものでもない声が聞こえた。
それと同時に、腰を動かしていた優香は意識を失って倒れそうになる。だが途中でそれを謎の声の主が彼女を受け止めた。
「全く、この子ったら……相手が拓哉君だったのは不幸中の幸い、と言うべきかしらね」
そこにいたのは優香の母親だった。
「おばさん……!?」
「ごめんなさい、拓哉君。あなたと優香には、ちゃんと説明しないとね」
そう言いながら彼女――
「まぁ、沢山出したわねぇ」
「こっ! これは、その……!」
「ふふっ、こんなので怒ったりしないから、心配しなくても大丈夫よ。それよりも――」
佳奈はその目線を拓哉の下半身へと落とす。
「
苦笑いを浮かべながら口にする彼女に、拓哉は慌てて精液と愛液でぐしょぐしょになっているペニスを隠す。
「拓哉君もこれ、必要でしょう?」
「あ、ありがとうございます……」
彼は顔を赤くしながら、佳奈から差し出されたティッシュを手に取り、陰茎に付いた体液を拭き取っていく。チラリと彼女の方に目を向ければ、同じように優香の陰部を丁寧に拭いていた。
「優香もすぐに目を覚ますから、安心して頂戴」
その視線に気付いていた佳奈が笑顔でそう口にし、それを聞いた拓哉は驚きと共に目を逸らすのだった。