続くかわかりません。
「今回の狩猟、誠に助かった!それにあやつも超一流のハンターというものを知れて勉強になったと言っておったぞ?」
「俺のような人間を真似すると早死にすると注意しといてくれ」
あの顔に幼さの残るハンターを思い出し、目の前の里長にそう言って肩を竦めると、里長はそれもそうだなと笑っている。
転生したここがモンスターハンターの世界だと気がついたのは、赤ん坊の頃に行商人だった親父にアプトノスの背中に括り付けられて運ばれていた時だった。
赤ん坊の俺を育てる為に何処か腰を据えることにした親父は、ドンドルマの近くによさげな村があったので、その辺りで行商をしながら俺を育ててくれた。
因みに母親は生きているし、なんなら親父とお袋は結婚すらしていない。
その理由はお袋がハンターだったからだ。
ハンターというのは刹那的に生きるせいか男も女も性に奔放で豪快だ。
ましてやお袋は脳筋だから、一緒に狩猟に行って意気投合した奴は即合体みたいなことをしょっちゅうやっていたらしい。
だから俺と親父に血が繋がってない可能性も大いにありえた、DNA鑑定なんてないから確認しようがないけどな。
それでも親父はあの人の子供だし、お前の事は自分の子供だと思って育てるからと、親父の懐の深さに頭が下がる思いだった。
まあ俺が五才くらいになると親父も行商途中で良い仲になった人と合体してたんで、下がった頭は元に戻ったけどね。
まあそれだけこの世界は危険が一杯で、危ない場面が多いから盛り上がっちゃうのも仕方がないんだけど。
なんせ普通の人間はモンスターには勝てない。
ドスランポスですら村によっては一大事、ましてやリオレウスなんか出た日には周辺の村に避難勧告が出るのは当たり前だし、なんなら村を捨てる事になりかねない。
ゆえに強いハンターというのは決して手放したくない資産となる。
理由は大きな街から手に負えないモンスターの討伐依頼で強いハンターを派遣すると、ハンターが来るまで時間がかかるし、依頼料金も割り増しされるので村や里としては大きな負担になるからだ。
いくらモンスターの体が金になるからと言っても依頼料をけちればハンターは来てくれないし、遅れればモンスターに壊滅させられかねない。
だから村に住むハンターの育成は盛んに行うし、更に流れの上位ハンターが来たら村に長く滞在してもらうように村は色々なもてなしを用意する。
滞在用の家を用意するものは勿論のこと、山海の珍味だったり、温泉や希少な鉱石の鉱床の一時的な採掘権だったり、未だに解析の出来ない再生する古の武器を少しずつ砕いて強い武器の材料にさせてもらったり。
……そして、村にいる器量の良い娘や未亡人を夜に同伴させて一夜の共にさせたりなども行っていたりする。
「しかし良いのか?あの姉妹はあのハンターの事を少なからず想っていそうな空気だったぞ?」
俺の話に里長は難しい顔をして。
「まあそうなんだがな……わしとしてもヒノエとミノトはあやつを支える両輪となって貰いたい……だが、生憎今はこの里も入り用で懐が厳しいのだ」
「百竜夜行という奴か?……種類の異なるモンスターがこぞって里を襲うなんて聞いたことない現象だ」
「うむ、その百竜夜行の撃退に里は全力を注いでおる。だから今の里の財政も受付をしているあの姉妹は分かっておるのだろう……だからこその提案なのだ」
里長は鉛を食ったような顔をしてあの提案のわけを話してくれた。
そんな話を聞いて俺は素直にあの提案を受けるほどこの世界のハンターに染まってはいないが、しかしあの姉妹を逃すのは勿体ないと思うほどの美人なのも確かなのだ。
ゆえに。
「ならば里長……」
俺の提案に里長はどこかホッとしたような顔をして快諾し、俺はここカムラの里に一ヶ月ほど滞在しながら名前はヤマトというあのハンターと組んで里周辺のモンスターを狩る仕事をこなしていくのだった。