今回は久しぶりにリクエストではない作品になります。
草神様のトリックフラワー姦です。
トリックフラワーの独自設定個体が登場します。
ご注意ください。
スメールシティ──スラサタンナ聖処
薄緑色の光に満ちた不思議な空間に、その少女はいた。
幼い体躯、毛先がこの場の光のように鮮やかな緑に染まった白い髪。
髪と同じく白と緑を基調とした独特なデザインの衣装に身を包んだ、深緑の瞳の少女。
少女とは言ったが、彼女の生誕は500年前。
あらゆる叡智をその身に宿し、スメールを見守る──知恵の神。
ナヒーダと呼ばれるその少女に、この日、珍しい来客があった。
金に輝く髪と、花弁の色が1枚だけ違う花飾りが特徴的な旅人。
以前ナヒーダとスメールの危機を救った女性だ。
「あら、珍しいわね。わたくしに何か用事かしら?」
「うん。実は、ちょっと聞きたいことがあって……」
そう言って、旅人は事情を話し始める。
冒険者協会からの依頼で、過去に記録の無い魔物の調査をしているという。
その魔物というのが……
「桃色のトリックフラワー?」
ナヒーダは旅人の話を聞いて首を傾げる。
確かに聞いたことが無い。
トリックフラワーとは、植物に擬態することで有名な魔物で、使用する元素の種類によって体色が変化する。
現在確認されているのは、炎元素を扱う赤色、氷元素を扱う水色、雷元素を扱う紫色の3種類。
桃色のトリックフラワーなど見たこともなく、何の元素を扱うか予想もつかない。
「結構色んな場所で目撃されてるみたいなんだけど、詳しいことはわからなくて……最近スメールでも見かけたって話があったから何か知らないかなって」
「ごめんなさい、わたくしも分からないわ。桃色のトリックフラワーだなんて、見たことも聞いたこともない……」
「そっか……わかった。ありがとね、ナヒーダ」
「こちらこそ、力になれなくて申し訳ないわ。わたくしも少し気になるし、こちらでも調べてみるわね」
挨拶を交わし、旅人はスラサタンナ聖処を後にする。
その背中を、ナヒーダは顎に手を当てて思案しながら見送った。
「久しぶりに、少し出かけてみましょうか」
自分の知識の中に存在しない生物に興味をそそられたナヒーダは、少しだけ楽しそうにスラサタンナ聖処を出ていった。
◇◆◇◆◇◆
ナヒーダがまず行ったのは、スメールシティの住人への聞き込みだった。
しかし、結果は芳しくなかった。
そもそも、スメールにはトリックフラワー自体がそこまで多くない。
いないわけではないが、一般人の立ち入るような場所にはほとんど生息していないため、研究のテーマにでもしていない限りは本物を見たことが無い人がほとんどだった。
冒険者協会が旅人を頼ったことからわかるように、冒険者でも見たことのある人は少ない。
結果として、ナヒーダはあまり人の立ち入らない場所に絞り込んで実際に歩いて探してみることに決めた。
効率的とは言い難いが、情報が少ない以上それしか手が無いだろう。
「ここも空振りかしら……」
ナヒーダが今いるのは、デーヴァーンタカ山。
スメールシティから南南東に位置する場所で、キノコンやヒルチャール、リシュボラン虎などが生息しているため、一般人が立ち入ることはほぼないだろう。
しかし、やはりトリックフラワーは見当たらない。
植物が鬱蒼としたこの場所は基本的に暗く、桃色の物体があればかなり目立つと思われるが、今のところは見つからない。
「もう少し見て回って、ダメそうなら別の場所に行ってみましょうか」
両手を腰に当てて、ふぅ、と溜息をつく。
再び歩き出したその時、ナヒーダの視界の端にあるものが映った。
「あれは……」
桃色の小さな花。
見覚えのない花だった。
先程までは木の幹の陰に隠れていて気付かなかったが、立ち位置が変わった今、その存在はあまりにも目立つ。
少し警戒しながら、ナヒーダはその花へと近づく。
近くから見てみても、やはり今までに見たことのない花だ。
トリックフラワーの擬態だとすると、引き抜こうとしたりなど、何か刺激があれば飛び出してくるはずだ。
「新種の植物、という可能性もあるけれど……」
周囲を見渡しても、同じ花の存在は確認出来ない。
トリックフラワーだとするのが妥当だろう。
このまま引き抜いてみるか、それとも旅人に知らせるか……少し悩んだナヒーダだったが、旅人の話では件のトリックフラワーはあちこちで目撃されているにも関わらず情報の少ない個体。
であれば、少ない数の個体があちこちを移動していると考えることが出来る。
ここで見逃して、また探すことになると非常に手間がかかる。
「……」
ナヒーダは周囲を見渡す。
幸い、ここは水が多く存在する。
大量に水元素が存在するこの場所であれば、草元素を扱うナヒーダは元素反応を利用して非常に楽に立ち回れるだろう。
ナヒーダ自身もそう判断したのか、足元にある桃色の花の茎を両手で掴んだ。
その時。
「きゃっ!?」
花弁の中心から、花と同じく桃色の花粉が大量に噴出した。
両手で茎を握っていたナヒーダは、その花粉を顔にマトモに浴び、半分以上を吸い込んでしまう。
怯んだナヒーダの目の前で、トリックフラワーが地上に飛び出してきた。
桃色のトリックフラワー。
目的の存在が、今目の前にいる。
しかし、ナヒーダはそれどころではなかった。
(力が……抜けて……!?)
吸い込んでしまった花粉の影響か、身体に力が入らない。
立っていられなくなり、地面に膝を落とす。
それどころか、頭の中もどこかボーッとした感覚に襲われる。
思考が纏まらない。
今何をするのが最善か、今の自分に何が出来るか、トリックフラワーはどんな行動をしているか。
情報が頭の中を駆け回り、一向に整理出来ない。
その結果、ナヒーダはトリックフラワーの目の前に膝をついたまま、身動きひとつ出来ていなかった。
ふわっ、とナヒーダの身体が宙に浮かんだ。
両腕にトリックフラワーから伸びた蔓が巻き付き、ナヒーダの身体を持ち上げたのだ。
「んむ……!?」
身体を持ち上げられたナヒーダの顔に、別の蔓の先に付いている花弁が押しつけられる。
当然、その花弁にも大量の花粉が付着している。
(この、花粉……だめ……吸い込んじゃ……)
纏まらない思考の中、本能的に危機感を覚えたナヒーダだったが、鼻も口も花弁で塞がれており呼吸の度に花粉が体内に入り込む。
ナヒーダの身体からは完全に力が抜け、両手足はだらんと垂れ下がった。
思考も更にモヤがかかっていく。
すでに、ほとんど何も考えられなくなっていた。
そんな時。
「ナヒーダ!?」
聞こえたのは、聞き覚えのある声。
ナヒーダは無意識に、その声の方向を横目で見た。
霞む視界に、黄金に輝く髪の旅人が映った。
(たび……びと……)
旅人の存在に気付いたのは、ナヒーダだけではなかった。
トリックフラワーもまた、その存在に気付いていた。
ナヒーダの身体を自らに引き寄せ、全身を蔓で抱くように包み込む。
旅人がとてつもないスピードでトリックフラワーに肉薄し、その手に持った剣を振るう。
しかし、その剣は空を切る。
旅人の足元に、大きな穴が開いていた。
「逃げられた……! ナヒーダ……」
トリックフラワーはナヒーダを抱き込んだまま、地中へと逃げおおせた。
穴を通っていけば追跡は可能だろうが、地中の移動速度でトリックフラワーには敵わないだろう。
どちらにせよ追いつくのは難しい。
「とにかく、冒険者協会へ連絡して、ナヒーダを探そう」
旅人は穴の続く方向だけ確認し、その方向へと走り出した。
◇◆◇◆◇◆
いつの間にか眠ってしまっていたナヒーダが目を覚ました時、ナヒーダは薄暗い場所にいた。
まだ意識はハッキリしないが、目だけ動かして周囲を見回す。
木の根のようなものが集まったような壁と床。
というよりも、木の根が球体状に集合しているのだろう。
その中で、ナヒーダは両腕を頭上で蔓に拘束されていた。
顔には木の根の隙間から伸びてきている花粉の詰まった花弁が押しつけられており、呼吸の度に甘い匂いの花粉を吸入してしまう。
(からだが……あつい……)
ボーッとした頭で、なんとか考えられたのはそれだけ。
花粉の効果なのか、身体が熱を持っている。
特に熱を持っているのは、ナヒーダが先程から擦り合わせている太腿の間。
(いじり、たい……)
ナヒーダの秘所は既にグショグショに濡れており、刺激の無い状況がもどかしく、ナヒーダは全身をくねらせてなんとか刺激を得ようとする。
しかし両腕を拘束され、頭も花弁によって後ろの壁に押し付けられていて上手く動かせない状態では、快感を得られるほどの刺激を生み出すことは出来ない。
そんなナヒーダの前に、木の根の間からトリックフラワーが現れる。
ナヒーダを連れ去った、あの桃色のトリックフラワーである。
「ん、ん……ふっ……」
逃げようとしてか、それとも自身の衝動を主張しようとしてか、ナヒーダは身体をより激しくくねらせる。
すると、ナヒーダの顔から突然花弁が離れていく。
ナヒーダの口はだらしなく開いており、まるで名残惜しいと言いたげに離れていく花弁を見つめる。
「はぁ……はぁ……」
すぐに、ナヒーダの身体に異常が現れた。
息が荒くなり、身体の熱は増していく。
疼きに身体が焼かれ、花粉の甘い匂いが愛しくて堪らなくなる。
桃色のトリックフラワーの花粉は、中毒性の非常に高い媚薬成分が含まれており、その花粉を長時間吸引し続けたナヒーダの身体は完全に中毒状態で、花粉の供給が滞ったことで禁断症状が現れたのだ。
(からだがっ、あつい……!いじりたい、いじりたい……!)
花粉を吸引している最中よりも更に強い疼きに、ナヒーダの脳内が快楽の渇望に支配される。
なんでもいいから弄りたい、弄ってもらいたい。
ナヒーダは開けた口から舌を突き出し、トリックフラワーに主張する。
そんなナヒーダの様子を観察していたトリックフラワーが、蔓の1本をナヒーダの目の前に差し出す。
桃色の蔓の先端は縦に筋が入っており、そこからは薄桃色の蜜が染み出してきている。
ナヒーダは突き出した舌でその蜜を舐めとる。
トロリとした舌触りと共に甘い味が口の中に広がり、もっと舐めたいという気持ちを煽る。
「おいし……♡ わたくしの、味わったことのない味……♡」
抵抗の意思の消失を感じ取ったのか、ナヒーダの両腕が拘束から解放される。
その瞬間、ナヒーダは蜜の滴る蔓にむしゃぶりついた。
普段の落ち着いた様子とは似ても似つかない行動だが、自身の身体を蝕む渇望には抗えない。
右手で蔓を握り、夢中で吸い付く。
空いた左手は自身の秘所を激しく掻き回している。
「んっ♡ れろ、ちゅっ……んんっ♡」
右手と口腔内で刺激すると、蜜がより多く分泌される。
ナヒーダはそれを溢さないように飲み込んでいく。
左手の自慰行為はますます激しくなっていくが、ナヒーダは違和感に気付く。
(もう、何回もイキそうになってるのに……イけない……!)
ナヒーダは自慰を始めた瞬間から何度も絶頂を迎えるほどの快感を享受している。
それなのに、ただの一度すら絶頂することは出来ず、絶頂寸前の状態が続く。
最も快感の強い状態が延々と続き、ナヒーダは頭がおかしくなりそうな感覚に襲われる。
「なん、で……♡ イけない、のぉ……♡」
ナヒーダは気付かない。
その絶頂出来ない事の原因が、今まさに舐め続けている蜜であることに。
桃色のトリックフラワーの情報が少なかった理由がこれである。
このトリックフラワーは主に女性を中心に襲う。
そして、花粉で発情させ、蜜で寸止め状態を維持して思考力を奪い、それと共にその身体にある『改造』を行う。
言うなれば、『苗床改造』。
トリックフラワーの種子を、人間の子宮に着床出来るようにする。
目撃情報は出るのに詳細な情報が出ないのは、何かの偶然で目撃者が逃げおおせたとしても、『何をされたのか』を証言しないからだ。
トリックフラワーに犯されたなど、公言出来るわけがない。
神であるナヒーダとあっても、身体自体は人間の女性と同じ。
女性としての欲求を増幅されれば、なす術は無かった。
「おね、が……イかせ、て……!」
ナヒーダがついにその言葉を口にする。
この責めに屈した証とも言えるこの宣言の意味を理解してか、トリックフラワーが先端に小さな蕾のついた蔓を1本、ナヒーダの秘所に向かわせる。
それをナヒーダは期待を込めた視線で見つめる。
何を思ってか、それまで自慰行為を止めなかった左手を止め、その幼いワレメを広げた。
「ここ……ここ、に……はやくぅ♡」
どうしても我慢出来ないのか、ナヒーダは声に出して催促する。
本来であれば忌避すべき行為を、行動だけでなく言葉で求める姿に神としての威厳などカケラほども残っていなかった。
例えるならそう、売女のそれ。
トリックフラワーはナヒーダの望むままに、蔓をナヒーダの秘所にあてがい、そのまま貫いた。
破瓜の痛みが微かに思えるほどの快感がナヒーダの身体を駆け巡る。
乱暴に子宮口を叩かれ、ナヒーダは身体を撥ねさせた。
「あっ……あぅ……?」
声にならない声が口から漏れ出す。
脳が処理しきれないほどの快感。
にも関わらず、ナヒーダは未だに絶頂を迎えられていなかった。
もう何回……何十回絶頂していたかもわからないほどに感じているのに、ただの一度も絶頂出来ない。
ナヒーダの絶頂禁止は、トリックフラワーが目的を達するその瞬間まで解かれることはない。
すなわち、ナヒーダがトリックフラワーを身籠ったその時だけ。
「ぉっ……♡ あっ……♡」
ナヒーダの身体からは完全に力が抜け、半開きになった口から意味を成さない音のみが溢れる。
身体を蔓に支えられ、激しい抽送から与えられる快感の波をその身に刻まれ続ける。
いつになったら絶頂を迎えられるのか、ナヒーダはそれすらも考えられなくなっていた。
「あぁ……♡ ぉ……?」
そんな時、ナヒーダの体内に異変が起こる。
挿入された蔓の先端の蕾が、徐々に膨らみ始めたのだ。
身体の内側から無理矢理に広げられていく異常な感覚にすら、今のナヒーダは快感を覚える。
絶頂に至るほどの快感が、再び身体に蓄積されていく。
そして、蕾はナヒーダの体内で見事に開花した。
開花した花弁の中心には、いくつかの種子がついている。
開いた花弁が、まるで獲物を捕食する食虫植物のように子宮口周囲の肉に吸い付く。
必然的に、種子のついている部分が子宮口に押しつけられるような形になった。
「……! ……♡」
子宮口を少し硬い物体が擦り、例の如く絶頂に至るはずの快感がナヒーダを追い詰めていく。
しかし、それももう終わりの時が近づいていた。
花弁はそのまま吸い付く力を強め、種子を無理矢理ナヒーダの子宮内に捩じ込む。
と同時に、種子を切り離して子宮内に散らした。
種子がナヒーダの子宮内に着床する。
その瞬間。
「〜〜〜〜!?!?!?」
ナヒーダの身体が、今までに無いほど大きく跳ねる。
跳ねる、というのは表現が正しくないかもしれない。
ナヒーダはトリックフラワーの蔓に身体を支えられたまま、暴れ狂った。
今まで何回も、何十回も絶頂するはずだったナヒーダの身体は、ついに絶頂することが許された。
それはすなわち、それまでに蓄積されてきた幾度もの絶頂が全て同時に襲い掛かることを意味していた。
ナヒーダが求め続けたその瞬間がナヒーダに与えたのは、終わる事のない絶頂地獄。
髪を振り乱し、身体を激しくくねらせ、ナヒーダは絶頂を享受し続ける。
酸欠で死んでしまうのでは無いかというほどに、獣のような喘ぎ声を上げ続けた。
蓄積していた快感を処理し切った時、ナヒーダは意識を失った。
強過ぎる快感に、それまで気を失うことすら出来なかったのだ。
トリックフラワーに身体を支えられてダラリと四肢を垂らしたナヒーダの腹部は、その幼い容姿には似つかわしくない膨らみを見せていた。
体内でトリックフラワーが成長しているのだろう。
トリックフラワーはナヒーダの身体を仰向けにして床に下ろし、拘束を解く。
ようやくナヒーダに休息を与える……なんてことはなかった。
意識を失っているナヒーダの身体がビクン、と跳ねる。
腹部が少し動いているようにも見えた。
それが意味することは一つだろう。
すなわち、出産。
子宮口を内側から広げられる感覚に、ナヒーダは目を覚ます。
「ぇ……? おなか、変……!?」
再び跳ねるナヒーダの身体。
ズルリ、と子宮口を何かが通過した気がした。
ナヒーダの身体はもう、些細な刺激ですら容易く絶頂を迎えてしまう。
この出産も、ナヒーダにとって快感を生み出すものであった。
「んぁ……♡ なにか、でて、くるぅ……♡」
しかし、先程まで耐え続けた絶頂地獄に比べればかなり優しい絶頂。
ナヒーダの表情はトロトロにトロけ、その快感を楽しんでいるように見える。
「ん……♡ うまれ、ちゃう……♡」
ナヒーダが息むと、小さめのトリックフラワーがナヒーダの秘所からズルリと這い出してくる。
その際の快感で、ナヒーダは再び絶頂した。
「……はぁ♡ 産んで、しまった……わね……♡」
産んでしまった、とは言うものの、ナヒーダの表情はどこか嬉しそうに見える。
まだ大きいままの腹部を右手で撫で、うっとりとした表情を浮かべる。
ナヒーダの子宮に入れられた種子は一つでは無い。
すぐに、次の個体が子宮口を通り抜けた。
「んぁっ♡ そんなに、乱暴にぬけちゃ、だめ……♡」
その個体は身体をばたつかせながら無理矢理子宮口を抜けたらしく、ナヒーダは先程より大きい快感に少し驚く。
「もう……しかたない、わね……♡」
驚きこそしたものの、すぐにナヒーダは優しく微笑み、腹部越しにトリックフラワーの幼体を撫でる。
慈愛に満ちたその表情は、愛しい我が子をあやす母親のよう。
「ん、うぅ……♡」
先程よりも少しだけ大きな個体が、暴れながら産まれ落ちる。
続けてもう一体、さらにもう一体産まれ落ちていく。
「わたくしの……こども……♡」
体内に宿った全てのトリックフラワーを産み落としたナヒーダは、産まれたばかりで小さなトリックフラワーを優しく撫でる。
トリックフラワーはプルプルと身体を震わせ、ナヒーダの掌に身体を擦り付ける。
トリックフラワーの幼体とナヒーダがそうして交流していると、親であるトリックフラワーが近寄ってくる。
先程の開花した蕾とは違う、まだ開花していない蕾の付いた蔓をうねらせている。
「また、わたくしとしたいの? しょうがない人ね」
ナヒーダには既に、逃げようとする意思も、このトリックフラワーを退治する意思もない。
むしろ、自身のパートナー……伴侶と認識している。
愛すべき相手であり、共にこの幼体を育てる相手。
この日、スメールから草神の姿が消えた。
そして、ナヒーダの知恵を得た桃色のトリックフラワーによる被害は増え続ける一方となった。