前のアフターから(本番部分をスキップして)そのまま続きました
また、やってしまった。
「はぁっ…はぁっ…、ふうぅ……っ」
「…………………………ぁ゛…………♡」
只今の時刻、午後3時半。
飯も食わず水も飲まず、5時間程ぶっ通しでやってしまった。
「ハハ、ハハハ……ハァ」
乾いた笑いも漏れようというもの。
俺の意思の弱さと、欲にバグった俺の酷さには笑うしか無い。
こんなのもう、つい先週の事案の焼き直しじゃんかよー…
あの時と比べると、俺
多めに買っておいて良かった。最寄りのコンビニにセルフレジが無ければ、羞恥に耐えかねて買えなかったかもしれない。
窓の外に向かいの家が見える。今は部屋の中を見たくない。まさかあの玲さんがカエルの轢死体みたいになってるはずがないからな。はっはっは。
そうだ
シャワー
浴びよう
(現実逃避)
玲さんにシーツをかけて部屋を脱出、汚れを洗い落として新しい服を着る。
身体は綺麗になったが頭の中はぐちゃぐちゃのまま。余計な事ばかり考える注意力散漫モードだ。とてもではないが平常時のテンションには戻れてない。
「クソ…恨むぞ俺の理性ぃ……」
しゃがみこんで毒づくも、不可抗力なのではと囁く心の片隅が俺の中にいやがる。
だってしょうがないじゃん……俺の部屋に入れた途端玲さんにベッドに押し倒されてのディープキス。口内を舐り回されて抑えつけていた欲望の箍を外され、抱きしめた腰は力を入れれば壊れてしまうかと思うほどに細く、勝手に動いた両手が触れた玲さんの尻はスカート越しでもはっきりと分かる柔らかい肉付k
「煩悩退散!」
自分の頬を思いっきり引っ叩いて回想を中断。せっかく収まった火に燃料を焚べてどうする。
冷水で顔を洗って念入りに頭を冷やす。玲さんは起きるまで待って、体力が戻ったら流石に帰ってもらわねば…
ぴんぽーん
来客か。時間帯的に…訪問販売かな?
面倒だし家の中に踏みこまれても困る。厄介そうなら居留守を決め込もうと考えながら、とりあえずカメラ越しに誰何する。
『サーンラークくーん、あーそーぼ』
そいつは一見
マスクとサングラスで顔を隠した
ただの不審者
だが
あまつさえ俺は幾つものゲームでその忌々しい面を見てきた。間違えようはずもない。
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うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!
許されるなら俺の肺活量の120%を振り絞り叫んでいただろう慟哭を、どうにか口の中に押し込む。
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!タイミング最悪にも程があるだろ!!
おお乱数の女神様よ寝ているのですか!!
何故奴がココにいるかは今はどうでもいい。問題は俺の部屋の惨状!そしてそこにいる玲さん!!
付き合っていることはもう知れている。だが
火照りを収めたばかりだというのに、全身から嫌な汗が吹き出す。視界がぼやけて指先が震えだした。傍から見ると禁断症状でも出ているみたいだ。ち、違う俺はまだ合法に片足突っ込んだ程度…両足かな?
奴のことだ。帰れと言って素直に帰るタマではないし、居留守を決め込んでも瑠美にチクられれば俺は向こう一ヶ月は妹の冷ややかな視線を浴び続けることになる。…いっそその方がマシかもしれんが、奴が瑠美に限らず近隣住民に触れ回りでもすれば事は俺だけじゃ済まなくなる。
「落ち着け俺…諦めるにはまだ早い…」
目的を明確化しろ。
『玲さんがここにいる事を隠し通してアイツをやり過ごす』だ。そのためにも…
「全ての痕跡を隠す…!」
まずは玲さんの靴を靴箱…いや、勝手に開けられれば一発でアウトだ。俺の部屋に隠したほうが良い。玲さんを俺の部屋から脱出させるパターンも想定して、玲さんのものは同じ場所に固めるべきだ。
マイルームの扉を開けたらちょっとヒドい淫臭が鼻につく。そういう気分でない時にこの匂いはキツいな…窓開けとこ。
俺の身だしなみを改めてチェック。…さっき自分で叩いた右の頬が赤い。どうせ奴に素顔を晒す気もない。なにか被って誤魔化そう。
あとは…玲さんが持ってきたタケノコを野菜室に仕舞う。まぁこれは見える場所に置かなければ大丈夫だろう。
最後に俺の顔を隠すものを探す。GGCの時に使ったガスマスクでも良いが、なにか怪しまれた際にガスマスクは眼と眼があってしまう。動揺を隠しきるにはより堅牢な兜が…おっ。
……
…………
意を決し、玄関の扉を開ける。俺がこれからやるのは悪魔を自らのテリトリーに招き入れるようなものだ。細心の注意を払え。ちょっとでも脇腹を見せればすかさず取り殺されるのだから。
「ニンゲン……カエレ………」
「何、コスプレハマった?」
「そーゆーんじゃねーから」
ありがとう、ガトリングドラム社…ありがとう、えーっと……そう毘沙門天を名乗る幹部の人…このフルフェイスジャックヘルメット(ライオットブラッドカラー)が無ければ、俺は奴と同じ盤上に立つこともままならなかっただろう。
十中八九家に上げる事にはなる。が、上げずに済むならそれが一番。
すんなり引き下がっても却って怪しまれる。
「なぜ来た」
「この私が自宅に訪問してあげてるんだから、咽び泣きながら通すのが常識じゃない?」
「異界の常識を振りかざすな。なぜ来た」
「んー?ホントのことを言うとサンラク君に聞きたいことがあるから、用事で近くにきたついでに凸っちゃおっか、みたいな」
「凸っちゃおっか、じゃないわ人のプライバシーをなんだと思ってやがる」
「ともだちの家に遊びに行くことがそんなに変かなぁ」
「お前の今までの行いを省みて、その発言の信頼度を考えてくださるぅー?」
「んー……………受け入れるんじゃない?駄目でも受け入れさせるケド」
「脅迫じゃねーか」
渋るフリもいつまでもは続けられない。
あまり玄関先で言い合いしてる様をご近所さんに見られるのは風聞が悪いし、何より瑠美がバイトに行ってからもう結構な時間が経っている。この状況に瑠美が加わっても俺の得には絶対にならない。
粘るのはここまでにして、サッと上げてサッと帰ってもらおう。
「チッ……さっさと済ませて帰ってくれよ?」
「舌打ちが露骨ぅー!いいじゃんせっかくだし長居させてよー」
「カリスマモデル様を長居させるのはファンの方々に申し訳無いのでーあとまだ昼飯食ってないのでー」
「ほほうそれはつまりサンラク君の手料理を戴けると解釈して良いのかな?」
「油使いすぎて揚げの域に達した
「冗談冗談、もう食べたし。というかサンラク君そんなの食べてるの?エナドリ漬けに油漬けは生命活動に支障が出るんじゃない?病院で診てもらいな?脳を」
「食べねーよぶぶ漬け出したい気持ちを汲み取ってくれよ」
「ぶぶ漬けって美味しいのかな」
とりあえず玄関を通す。簡単な話なら此処でも出来るが「はい下駄箱パカー」待てや!!!
「親の教育ーっ!」
「わかってるけどね?ちょっと気になっちゃってさぁ」
「何が!」
「ホラぁ、今のサンラクくんには可愛い可愛いガールフレンドがいるじゃぁん?お家に呼んでたりするのかなぁ~ってネ?」
「っ!!」
こいつのこういう嗅覚はどこから来るのか。真面目に盗聴器発見器を仕入れるべきかも知れない。
しかし…本当に開けやがった。あの判断が無ければ既にゲームオーバーだったかと思うと、背筋が凍る。
「まさか。まだ高校生なんだから節度を守った清いおつきあいをさせていただいておりますともよ」
「えーつまんな。もっとがっつきなよ」
「他人の交際事情をたった四文字で切って捨てるのやめない?」
実際の所は…まぁ、その…アレなのだけれど。最近、俺はクソゲーマーである前に一人の男…というか雄だったと身に沁みて実感している。
「で、俺に聞きたいことってのは?」
「んふふ、まぁそう焦らないでさ、お茶でも飲みながら話そうよ」
「家凸してそれを吐ける肝の座りにいっそ感心ですわ。麦茶と氷な」
「天音永遠に麦茶を出す輩がいるってマジ?」
「アポなしでパンピーの家に突撃する天音永遠がいるってマジ?」
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なし崩しにリビングまで許すことになってしまった。
玄関の蛮行以外は今の所不審な行動は無いが、ペンシルゴンめ何を考えている…?
「ねぇサンラクくん」
「何だよ」
二人分の麦茶をコップに注ぐ。
「そろそろ三ヶ月、だよね?」
先週を思い出して一瞬心臓と手が跳ねた。
ギリギリ不審には見られてない…と思う。
「………俺と玲さんが付き合って三ヶ月経ったって話か?はい麦茶」
「んー惜しい。あ、どーも」
テーブルに向かい合って座る。
俺はリビングと廊下を隔てる扉に近い席を選んだ。
この位置ならペンシルゴンの活動範囲はこのリビングに限定される。俺が扉を塞ぐ壁になれるからだ。
「じゃあ何だよ」
警戒心は解かず、マスクの顎部分を展開して麦茶を呷る。
嗚呼、よく冷えた液体が身体に優しく沁み渡る…
「一般的に『
気道に麦茶が入って口から心臓と麦茶が飛び出した
「…………っ!……っ!!(むせ込みを我慢している)」
「きったなー」
「バーカ!!!バーーーーカ!!!!……げほっげほっ」
「罵倒にキレがないけど図星だった?」
「多感な時期なんだよわかれよ!!」
吹き出した麦茶を拭き取る。
くそう…責任は10割向こうにあるというのになんだこの虚しさ…
「はー最ッ低!見損なったぞペンシルゴン野郎!」
「100が98くらいになっちゃったかな」
「-100が-200になったわボケ」
キレたフリして自分自身を誤魔化す。この震えは恐怖ではない。デリカシー0の発言に対する怒りから来るものだから…!
「じゃあこの話題は一旦置いといて」
「置くな捨てろ」
「本題なんだけど…ところで玄関でこれ拾ったよ」
筍?あぁ、おすそ分けの…落としてたのか。
「ネコババしなかったことは褒めてやるから返しな」
「まあ待ちなって。私の元々の用事って、モモちゃんの実家にあったんだけどね?」
ペンシルゴンが斎賀家に行き、今俺の目の前にいる。
…嫌な予感がする
「仙さんがボヤいてたんだよね。『玲が彼氏の家に筍を渡しに行ったっきり戻ってこないのです。まぁ心配はしていませんが』って……彼氏クン、何か知らなぁい?」
ニタニタと厭らしい笑みを浮かべながら問いかけてくる。
どうしてなんだ仙さん……!こいつはそういう話を一番漏らしちゃいけない手合でしょうが……!
ペンシルゴンの表情は完全に獲物を追い詰めた捕食者のソレ。
奴は玲さんが俺の家にいると断定して、今詰め寄っている。
「いやぁ……玲さんなら、少し前に帰った、よ…?図書館で勉強してから…帰る……とか、言ってた、かなぁ……」
苦しい言い訳だ。だが現時点で物的証拠が無い以上はこれを嘘と思おうとも水掛け論になるだけ。
わかったらさっさと帰ってくれ…!頼むから…!
「へぇー?ふーん、ほぉ~ん???じゃあさ、サンラクくんの部屋見ていいかい?」
「なにがどうなって「じゃあ」になったんだよ」
「だって、ねぇ……嘘吐いてるじゃん?」
心臓が早鐘を打つ。
ヘルメットの中で脂汗が滲み出す。
「バッ、何を根拠に…つーか、お前今自分がとんでもないこと言ってる自覚はあるか?」
絶対に、絶ッ対に部屋に入れてはならない。
俺の部屋は、とても他人には見せられない性行為の跡が生々しく残っているのだから。
最早形振り構っていられない。
今後の事を考えるとあまり使いたくない手だったが…テメーの自業自得でもあるんだぞペンシルゴン!
語気は強めに。こういうのは波だ。波を作って押し流すイメージで…!
「俺しか居ない家で!お前が!強引に上がりこんだ挙げ句『俺の部屋に行きたい』っつってんだぞ!!スキャンダル待った無しだろうが!」
「ハッ、私がそんなつまらない脅しに屈するとでも?第一、サンラク君が今更私を
そこは屈してくれよ芸能人!
~~~~~~ああくそっ!もうこう言うしか無くなったじゃねーかよ!
「だったら!」
テーブルを叩き、椅子を蹴立てて立ち上がる。
「俺がお前を
……
…………
言った。言ってやった。
実際にはとても
そりゃあ確かに、見た目だけは性別を越えて人々を惹き付けるだけの魅力はあるんだろう。あくまで一般論として。
だがその性根がコールタールのような真っ黒どろどろなので…うん無理。
俺の勢い任せの大嘘を受けたペンシルゴンは、ガタタ!と椅子ごと後ずさる。
その表情は困惑一色。ペンシルゴンの困り顔って見たこと無いな?
「え゛……いや、流石に……無いでしょ………無いよね……?」
……なんかわからんが動揺してるなら良し!今が好機!
ここで押せばそのまま家から追い出せる!この件の訂正は後からでも出来る!…出来るよね?
「さてどうかなァ!俺だって健全な男子高校生なわけだしぃ!?お前が懇切丁寧に作りあげた完璧な天音永遠の
「ちょっ……やめて……、やめてってば……!」
俺は何を言っているんだろう。どこか遠のきつつある感覚で、やけくそで口から出任せほざいてる俺自身を眺めている。
どうして今こんな気分になるんだろう。
どうして肉体と意識が乖離している気がするんだろう。
どうして目の前で
今この家にいる人間はたった三人。
俺、ペンシルゴン、そして――
――ああ、そうか。
「・・・・・らくろうくん?」
さしもの俺でも理解できる。
…やっちまいましたな?
ア死 オオオ
イぬ イイイ
ツわ