頭でものを考えられる程度に落ち着きを取り戻した俺は、ゆっくりと腰を引いて逸物を引き抜く。
ゴムの周りに赤い液体が少しまとわり付いている。
この事実に気付く余裕すらなかったが、俺が、玲さんの初めてを奪った事を実感する。
…なんだろうな、この、なんとも言えない気持ち。嬉し…くはあるんだがそれだけじゃない。悲しいでもない。喜怒哀楽の全部を複雑にミックスした感情が。
全部引き抜いた瞬間玲さんの身体が跳ねた。あ、玲さんどうなってる?
「は…♡へ……♡ぁ……♡」
「…間違っても他人には見せられない顔ですねこれは…」
女性の余韻は男より長いって言うし、これは復帰までもう少し時間がかかりそう。
次に、用済みとなったゴムを装備解除。
中身がこぼれないように口を縛ってゴミ箱にシュート。
陽務 楽郎
E:使用済みコンドーム → E:なし
「あ゛ー…」
なんかめちゃくちゃ叫んで喉が乾いたので、適当に水を一杯。
色々と火照った身体に水が染み渡り、浮ついたテンションが落ち着くのを感じる。
そして終わり際の自分の発言に再び顔が熱くなる。ゴムでガードされてるってのに、なーにが「受け止めろ」だよ…しかも呼び捨てにしちゃったし…
「ふぅー…」
まぁそれもこれも終わったことだ。俺は過去を振り返らない系男子なので。
黒歴史は振り切っていけ。
お世話になったゴムの箱を、ありがとうの気持ちを込めて手に取り――
――
いやね、水飲んで冷静になっても収まらないんですわ。興奮も勃起も。
異常な空気に身体が適合したというか、バグったというか。鎮まる気配がまるでない。脳髄が冷えても頭ん中ピンク一色じゃ何も変わらんよねっていう。
2回戦?3回戦?いいやもっと!全部だ!全部寄越せ!と欲望に膨らむ身に新たなゴムを再装備。
陽務 楽郎
E:なし → E:コンドーム
未だノビたままで身体が無意識に痙攣してる玲さんに、三度あることは四度ある覆い被さり。さっきは玲さんの膣穴の事しか考える余裕が無かった。
玲さんの身体は、全てがこんなにも魅力的だと言うのに。
せめてものお詫び、今度は他の所もちゃぁーんと、弄くり回してあげようねぇ…!
「れーいーさん、起きて起きて」
「ふぇぁ…♡らくろー…くん…ひっ!?」
今度は肩を揺すったら起きてくれた。助かるわ。
そして玲さんの顔に恐怖が浮かぶ。俺そんな怖い顔してる?
…してるかもしんない。
「あ、あの…らくろうくん…?ど、どうして…そんな
「え?あー…んー…まぁその、なんて言えば良いのかな…」
穏当な言い方を俺が考えているうちに、余韻の抜けきらない身体で少しだけ玲さんが後ずさる。…あ。
カサッ。後退る玲さんの手に、俺がブチ撒けたコンドームが当たる。
「?これ、は……、…!!?」
玲さんの顔が強張る。察してしまわれた?
「なら、もういいか…言葉を選ばなくても」
「ら、らくろ…くん…何を、言って…ぇ」
玲さんの肩を掴んで押し倒す。
俺と玲さんが至近距離で見つめ合う。相手の感情が伝わるほどに。
上気した頬と荒い息、そして潤んだ瞳に、俺は、少しの恐怖と……破滅的な欲望の混じった、淡い期待を見て取った。
「ご想像の通り…って言ったら?」
「はぁっ♡…はぁっ♡…そんな…それ、ってぇ♡♡」
「俺、収まんなくなっちゃった。本当に玲さんのこと――」
――壊すかもしれない。
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お互いに、もう目の前の肢体しか見えていなかった。
――ぱぢゅっ!ぱぢゅっ!ぱぢゅっ!ぱぢゅっ!
「あっ♡やぁっ♡んぁっ♡♡ひぅっ♡♡♡」
腰を打ち付け、胸を揉みしだき、乳首を抓り上げ、唇同士を重ね合わせる。
舌を混ぜあって、唾液を交換して。
身体中至るところに口付けを落として、小さな口吸い痕を望むままに刻み込み、刻み込まれる。
「きす♡きもひぃれす♡はむっ♡じゅる♡もっと♡もっときす♡してぇ♡」
胸に吸い付き、赤子のように乳をせがんだ。
当然出るはずもないのだが、恥も外聞も捨てて母性に甘える事がどうしようもなく思考を痺れさせた。
「ふぁ…♡ちくび♡すわれるの♡すき♡すき♡すきです♡♡♡」
体位も思いついた端から試した。
正常位、騎乗位、立ちバックに、駅弁。
対面座位、後背位、松葉くずし。背面座位。
――ぱんっぱんっぱんっぱんっぱんっ!
「おっ♡あっ♡いっ♡ら♡めぇ♡♡」
抱き合って、熱を分け合う。
腕を引っ張って向こうから尻を叩きつけさせる。
深く深く挿し込んだら欲望をゴム越しに吐き出す。
――びゅぐっ!!どくっ!とくっとくっとくっ…
「あ♡♡なか……ぁつ、いぃ…♡♡」
時間の感覚なんてとっくに消えた。
それどころか、中身の詰まったゴムの口を縛ることすら忘れて、ただ目の前の恋人の身体を貪る淫蕩に耽りあった。
部屋の中に充満する淫らな匂いが、頭を狂わせ興奮を煽る。
気付けば体力が限界に近づき、意識すら朦朧とし始めて。
いつものように次のゴムを手に取ろうとしたが、見つからない。
…箱の中にあったゴム、全て使い切っていたらしい。
流石に生はまずいと、ぼやけた頭で僅かに考えていたが、
「らひゅ、ろー、く、ん…♡♡」
「くら、ひゃい…♡らみゃで、くりゃ、ひゃひ…♡♡」
「あなたの…もの…♡あか、し…ほしー…れ、す…♡♡♡」
呂律が怪しいどころではなくなっていた恋人に、そんな甘え方をされてしまえば、最後の最後に残ったブレーキもぶっ壊れる訳で。
ゴムのローションと愛液でベトベトの肉棒をお構いなしに玲さんに突っ込む。
「ぁぅうっ♡♡らく、ろーく、んぅっ!♡♡の、がぁ…♡♡わたひの、なか…じか、にぃ…♡♡♡ごり、ごりってぇ…♡♡♡」
膣肉の感触は覚えてない。快楽にショートした脳と脊髄はその程度の記憶力すら持ち合わせていなかったらしい。
何もかもが気持ちよすぎて、記憶がぼやけてしまっていた。だが、俺はこの朧な記憶を生涯忘れられないだろう。
「ぜんぶっ…!そそぎ、こむ…!れい…!れいぃ…っ!」
「はひ!♡きて♡♡らひへ♡♡ら…ろーくんの…ぜんぶ…っ!♡♡♡」
今日?それとも昨日?の夕方まで、ここが限界だと思っていた恋人繋ぎをしながら。
自分の身体で玲さんの身体を押しつぶして。
一滴たりとも漏らさないように、正常位で上から腰を打ち付け、奥の奥に肉棒を押し込み。
「…ッくぁ!」
その日、最後の射精をした。
――どぶっ!びゅぐびゅぐびゅぐっ!びるるるるるるっ!
「んきゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅんっ♡♡♡♡」
ここまでに何回出したのか覚えてないが、この時の射精はその全てよりも長く、深かった。
――どぷっ…!どびゅっ…!びぐっ…!
「ふぁぁぁ…!なか……らく……くんで……いっぱ、い…♡♡♡」
生物の本能が、この瞬間を待ち望んでいたかのように作っては吐き出す。そんな錯覚じみた何かを感じながらも、身体を震わせ、何度も、何度も、精子を送り込み続ける。
――びゅくっ!びゅぐ…!どく…
「ぁ…♡♡ぁぁ……♡♡♡」
生命を燃やすような射精が終わる。
入り切らなかった分が、僅かな隙間を逆流して膣口から溢れる。
「はぁっ…ぁっ…んぬあ!」
余韻に浸る時間すら残っていなかった俺は、気力だけで玲さんの上から身体をどかし、直後に意識が暗転した。