※この作品はR-18です。

COC「同居人」リプレイ   作:又左衛門

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「手土産は?」

「持ってるよ」

「ネクタイは?」

「それは締めた方がいいな、サンキュ」

「香水は付けすぎないようにね」

「分かってる」

「髭、そってないわ」

「これはお洒落なの。お前こそその服でお見舞いに行くのか?」

「あら、この服で夜会にだって行けてよ」

 お互いのファッションや持ち物のチェックを経る程度に、緊張する初訪問だった。

 何せ本人の希望とは言え、私たちは彼女にとって最も忌まわしく消し去りたい過去に、直接関わった人物に他ならない。

 あのような非道な目に遭った少女にどんな言葉を掛ければよいのか、正直言って分からなかった。

 だが、それは杞憂だった。

 

 一駅離れた大きな総合病院の病棟に、凛は入院していた。鬼嶋に案内されたのは6階の個室だった。

「来てくれたんだ、嬉しい」

 ぼふんという可愛らしい衝撃とともに、胸の下に小さな顔が埋まった。そのまま幼さを残した手が背中の方までまわり、きっとそれが彼女の精一杯の力なのだろう、ぎゅうと抱きしめられた。頭の後ろでは、艶がかったポニーテールが揺れている。

病室の戸を開けるや、熱烈な歓迎を受けてしまった。

「こら、凛。粗相の無いようになさい」

 折角お見舞いに来てくださったんだ、と窘める鬼嶋の声は、私が初めて聞く父親としてのそれだった。

「すみません。娘が失礼を」

「構いませんよ。お元気そうで安心しました」

「だって、お父さん!」

 言葉ではそう言ったものの素直に少女は身体を離し、私の顔を真っ直ぐに見つめて破顔した。

 あの時痛々しく腫れ上がっていた傷も、すっかり癒えたようだった。

 それを見て、胸の中の針が、するすると溶けていくような感覚を覚えた。

「はい、これ」と言って、マドレーヌが入った紙袋を渡す。亜嵩の助言を得て駅前の百貨店で購ったものだ。

「わ、お菓子だ」と飛び上がらんばかりの喜びを見せる凛。「お兄ちゃんありがとう!」

「他にも言うことがあるだろう。折角二人でいらしてくださったんだ」

 鬼嶋の言葉に凛はきょとんとした顔を見せたが、すぐに気を取り直し、お行儀よく紙袋を脇に置いてから、深々と私たちに向かって頭を下げた。

「事故から助けてくれて、ありがとうございます。あんまり覚えてないけど、お兄ちゃんが助けてくれた事ははっきり覚えてるから」

 そこまで言って照れくさくなったのか、少女はもう一度タックルの様に抱き着いてきた。

 再度鬼嶋が窘める声を、私は遠いところで他人事のように聞いていた。

 交通事故?

 鬼嶋が察したのか、ばつの悪そうな顔をしている。

「凛、少し向こうで遊んできなさい。私はお兄さんと仕事のお話があるから」

 お二人ともこちらへ、と鬼嶋は面会スペースへ誘った。

 

「娘は、酷い暴行を受けました」

 あの出来事を忘れ、いや、記憶にある過去を改ざんすることでようやく心の均衡を保っているのです、と苦汁を絞り出すような顔で鬼嶋は告げた。

「お察ししますわ」と亜嵩。

 私も、心から凛と鬼嶋に同情していた。しかし一方で、忘れてくれてよかったとほっとしているのも事実だった。向き合うことで心が張り裂けてしまうような現実であっても、無かったことにして平和に過ごせるのであれば、それはきっと良いことだ。

 だが、鬼嶋は納得していないようだった。

「これは、今まで仕事にかまけ娘を蔑ろにしていた私への罰だと思っています」

「そんなことは……」

「娘は、意識下で貴方がたを希望の象徴として捉えています。自身を絶望の淵から救い上げてくれた存在であると。そしてそれは真実そのものです」

 そこで、鬼嶋は一度言い淀んだ。

「これからも、定期的にお見舞いに来てはくださいませんか? それによって、娘は救われ続ける。これは一種のセラピーであり、同時に私から貴方がたへのふたつ目の依頼です」

 もちろん、料金は御支払い致します、という言葉に亜嵩が優しく首を振った。

「それは頂戴できませんわ。ただ、娘さんの友人として、日を置かずこちらに伺うことはお約束致します」

「ええ、勿論」私にとっても、あの幼気な少女の心が少しでも平穏に近づくのであれば、協力を惜しむつもりはなかった。

「ありがとうございます」鬼嶋は、滲むような涙声で言った。

 

 それから、3日と開けず病院に通う日々が続いた。手土産は早い段階で鬼嶋が遠慮を申し出たが、駄菓子でも飴玉でも、必ず何か甘いものを差し入れるのが私たちの間の暗黙の了解となった。凛は意外なほど、昔ながらの安っぽい駄菓子を好んだ。「俺も昔、その飴よく食べてたな」と言うと、少女ははにかんだ顔で笑った。

 またある日は、亜嵩の強い提案を受けて小説を何冊か持って行った。コナン・ドイルやエラリー・クインなどの古典的な探偵小説ばかりだったが、これがまた受けた。凛は、1日1冊という恐ろしいペースで読破していった。退屈な入院生活には良い刺激になったようだ。

「お兄ちゃんの仕事って、こんななの?」と目を輝かせる凛に、私は内心冷や汗をかきながら適当にお茶を濁した。本職は違うしこんな物騒な殺人事件ばかりではないのだということは言いそびれた。少女の純粋な眼差しを少しでも曇らせることは、何より躊躇われた。

 見舞いに行くときは必ず亜嵩と連れ立って行ったが、凛は決まって私に纏わりついた。半ば無視されるような形に、亜嵩は嫌な顔一つせず、むしろ母性に満ちたような顔でそれを見ていた。私はと言えば、嫌な気こそしないものの、少々複雑な気分だった。しかし、記憶が失われたとはいえ男に酷い辱めを受けて、それでもこのように振舞えるということもまた、人間の強さなのかもしれない。

 これが何度目の見舞いか数えるのも億劫になった頃、私は凛の微妙な変化に気付いた。最初の頃よりも、表情が豊かになっている。笑顔だけでなく、時折こぼす小さな苛立ちや不安、垣間見える様々な感情表現が、年齢相応の瑞々しさを放ち始めていた。いや、これが本来の彼女で、今まさにそれを取り戻しつつあるのだ。『一種のセラピー』と評した鬼嶋の言葉は、正しかった。すっかり回復したと思った私の第一印象こそが誤りだった。

 鬼嶋の依頼を、依頼という形ではなく、少女の新しい友人として私たちは全うしようとしていた。

 

「はい、亜嵩探偵事務所です」

「ああ、どうも、鬼嶋です。今日のお約束、覚えておいでですか?」

「勿論です」

「ああ、良かった」

「ただ、退院当日というのはお忙しくありませんか?」

「とんでもございません。万難を排して準備いたしますので」

 電話口の後ろで、凛がはしゃぎまわる声が聞こえた。会話の内容に聞き耳を立てていたのだろう。鬼嶋が受話器から口を遠ざけ、「こら、静かになさい」と苦笑交じりに窘める声が聞こえた。

「では、18時に。お待ちしております」と言って電話は切られた。

「鬼嶋さん?」と亜嵩が聞いてくる。

「ああ、予定の確認。あの人もよっぽど楽しみにしてたんだろうな」

 カレンダーを見れば、今日の日付の下に『退院日』と私の字で書いてある。

 見舞いに通い始めて、ちょうどふた月が経とうとしていた。

 もう暦は春で、この頃は時折驚くほど暖かい日がある。

 桜の開花もそう遠くない頃合い、退院パーティを提案してきたのは、鬼嶋だった。

「折角の退院日というのに、祝う相手が私だけというのは忍びなく思いますので」と鬼嶋は照れたように頭を掻いたものだ。

「退院の手続きや移動は午前中の内に終わります。ですので、夜、私の家でささやかながらパーティを開きたく思いまして」

 差し支えなければお二人にも是非ご参加頂きたいのです、という鬼嶋の誘いに、私も亜嵩も諸手を上げて飛びついた。思えば、凛にとっては4ヶ月もの入院生活である。心身の傷を癒すのに必要な時間であったと言えばそれまでだが、特に年若い少女にとってそれは余りに長い時間だったろう。そして、それを差し引いても、退院というのは彼女の友人として祝うべき一大イベントだ。来たる日に備えて、私はジャケットとパンツをクリーニングに出し、亜嵩は手土産と花束の選定に余念が無い。

 

 鬼嶋家は、邸宅と言って差し支えない外観だった。高級住宅街の中にあればこそ埋もれがちだが、100坪は下らない広さの土地に建てられた平屋の屋敷には、独特の存在感があった。庭もたっぷりとって、芝が植わった上にシンプルながら品の良い洋風のエクステリアがアクセントを添えている。

「すげえ家……」

「さすがお医者さんねえ」

 門扉の前でインターホンを押せば、「は~い」とスピーカー越しに応えるのは凛だった。誰何の声に、既にして隠し切れない喜色が滲んでいる。

「どうも、お招きに預かりました」

「はーい! 今開けます!」

 鉄製の重そうな門扉が、滑らかに動いた。どうやら遠隔で操作しているらしい。何から何まで凝っている。

 向こうから、凛が腕を振って掛けてくる。ぼふん。もう何度も繰り返された、お馴染みの挨拶だ。リボンのついたブラウスと暗い色のフレアスカートが、新鮮だった。

「こら、凛」と声を張って、鬼嶋が玄関扉から顔を覗かせている。こちらはいつも見るよりカジュアルな服装で、チノパンにワイシャツと、その上にカーディガンを羽織っていた。どちらも、ホームパーティという場を意識してのいで立ちだろう。

「ようこそいらっしゃいました。どうぞ中へ」

 そして、ダイニングルームへと通された。10人は掛けられそうなダイニングセットを備えて、まだ余裕のある広さだった。天井には煌びやかなシャンデリア、壁には年代を感じさせる柱時計が飾られている。併設された対面型のキッチンには、大火力のガスコンロが3発。その内の一つには大振りの寸胴鍋が置いてあり、とろ火に掛けられている。パーティに供されるスープだろうか。馥郁たる香りの中に、爽やかで複雑なハーブの香りとその奥行きを感じた。

 そういえば、鬼嶋は料理が趣味なのだという。今夜の料理もすべて彼の手により作られ供される予定と聞いている。漂うスープの香りから、腕前の程が期待できた。

「お父さんの料理、すっごい美味しいんだよ」と自慢げに凛は言う。

「まるで、自分の手柄のように言うのだな」と鬼嶋は目を細めた。暖かな室内とあって既にカーディガンは脱いでいる。ワイシャツの袖を捲ってエプロンを着ける様が、何とも様になっていた。

「いやはや、早くに妻を亡くしたもので、男手ひとつで家事育児とこなしてきたのですよ。中でも料理は性に合っていたというか、生来凝り性ということもありましてねえ」

 まあ半分はただの食道楽ですよ、という言は、彼一流の謙遜だろう。

あらかた準備を終えた鬼嶋はエプロンを外し、「さ、さ」と手ずから私たちのグラスにワインを注いで回った。微かに緑がかった清廉なレモンイエローの液体が、大振りなグラスボウルの中で揺れる。

「今日の料理には、白の方が合うと思いましてね」

「なるほど。先生は、ベジタリアンでいらしたんでしたっけ?」と亜嵩。

「先生はやめてください。まあ、娘の食の好みに合わせた結果ですが、何とぞご容赦を」

「いえ、とんでもない」

「ねえお父さん、どうして」

「凛、まずは乾杯しよう。お客様をお待たせしては申し訳ない」

 鬼嶋は自らも席に着くと、「少々臭いかもしれませんが」と改めた上で口上を述べ始めた。

「今日この日の、娘の退院と、皆さまと出会い食卓を囲める幸運に、乾杯」

 グラスを持ち上げ、私と亜嵩も「乾杯」と続く。凛もオレンジジュース片手に元気よく「乾杯!」

 料理はどれも、素晴らしい出来栄えだった。

 ひよこ豆を使った冷製のカポナータは、甘かった。砂糖を使わずとも、しっかり時間を置く事で味に丸みと甘みが出るのだという。

 ゼリー寄せは色鮮やかな野菜を層状に重ねていて、断面が目を奪われるほど美しい。

 期待していたスープも、想像以上の味だった。野菜だけで煮出した出汁が、こんなにも豊かな味になるものなのか。

「この穀物はなんです?」

「キヌアですよ。見た目が鮮やかで、触感も面白いのでこのようなサラダによく使っています」

 

 料理に舌鼓をうち程よく酔いも回った頃、鬼嶋が私に切り出した。

「そろそろデザートをお出ししようと思うのですが、申し訳ない、キッチンまでお皿運びのお手伝いをお願いできませんか? 私も向かいますので」

「分かりました」

 ゲストに皿を運ばせるという鬼嶋らしからぬ振る舞いに不自然さ感じないでもなかったが、酔いも手伝って深く考えることもせず、私は快諾した。

 キッチンに向かい、鬼嶋が両開きの冷蔵庫から出した大振りの陶器皿を受け取る。皿には高さのある金属製のフードドームが被せられていて、中身を伺い見る事はできない。

「中は、まだ見ないでくださいね」と鬼嶋は悪戯っぽく笑う。両手に、追加のワインボトルと新たなグラスが握られていた。次は赤ワインらしい。

 カウンター越しにダイニングを見ると、凛が所在なさげに脚をぶらぶらさせている。どうやら亜嵩との会話は余り弾んでいないようだった。

 そういえば、乾杯の前、凛は何を言おうとしていたのだろうか?

 ダイニングテーブルに戻り、鬼嶋の指示通りに皿を置く。それは凛の目の前で、置かれた少女は目をぱちくりさせている。つまりは彼女にとってもこれはサプライズなのだ。

 ワインとグラスを置いた鬼嶋は、「では、蓋を開けてください」と言い、私はそれに従った。

 陶器と金属の擦れ合う微かな音と共に持ち上げられた蓋の下には、何も無かった。

「え?」

 人間は、立場が同等以上の誰かが放った些か場にそぐわないジョークを聞いた時、決まってひどく曖昧な笑顔を見せる。

 私も亜嵩も、そうした。

 凛だけが、空っぽの皿を見てきょとんとしている。

 鬼嶋が、凛の後ろに回って側頭部に手を添え、反対側のこめかみに思い切り、アイスピックを突き立てた。

 アイスピックは、その根元までが一気に、13歳の少女の小振りな頭部に差し込まれた。

「え?」と凛は言った。

 私も亜嵩も、目の前で起こる余りの出来事に、精神の反射を全く失っていた。

 鬼嶋がぐり、と手首を捻ると、そちら側の眼球だけがぐるりと裏返った。

「あは」と凛は笑い声のような呼気を漏らした。「どうしたのお父さん、何も見えないよ」

 鬼嶋は答えず、どこから用意したのかもう一本のアイスピックを反対のこめかみにあてがい、金づちで叩き始めた。叩いて骨を穿っては、そのすぐ横の箇所を穿つ。そうして、頭の鉢の線をなぞるように叩き割っていく。滑らかそのものの手捌きだった。

 噴き出した血と脳漿が、少女の顔をまだらに染め上げていく。その頃には、凛は狂ったような笑い声を絶えず発していた。片方の目は白目を剥き、もう片側は瞼を痙攣させ、壊れたように涎と涙を垂れ流しながら。

 私も亜嵩も、微動だに出来なかった。今にして思えば、何がしかの催眠術中に陥っていたのだろう。

 仕上げに、鬼嶋は脳天に手を添え、むんと腕に力を込めた。シャツを捲った前腕に思いがけず鋼の様な筋肉の束が浮かび上がり、鉢をあるべき場所に繫ぎ止めていた最後の骨が、あっけなく割れた。

 慎重に鉢を持ち上げたその下から、脳髄がその形を保ったまま露出した。凛はまだ笑ったままで、ゼリー状の脳が、彼女の首から上の動きに同期して小刻みに揺れていた。

「何度経験しても、この瞬間は感動的なものです。実物を見るのは初めてですか? これが、とても美味なのですよ」

 何を言っているのか、分からなかった。

 鬼嶋は恭しい動作で、スプーンひと匙分凛の脳を掬いとった。

「ぎひ」と凛が笑う。

 そのまま、スプーンを捧げ持ってキッチンへと向かう鬼嶋。

 音と匂いで分かった。油で大蒜を温めているのだ。

 そしてジュウという音と、蛋白質の焼ける匂い。

 程なく、小皿を持って、鬼嶋がゆっくりと戻ってきた。

「最初の一口目ですが、ゲストの特権です。遠慮せずに、さあ」

 私は、動かない。動けない。

「そうですか。仕方ありませんね」気分を害した風もなく、鬼嶋は小皿の上のそれを掬って、凛の口元に持って行った。

「お前自身だ。良く味わいなさい」

 歯を食いしばり歯茎を剥き出し、口角から泡を吹きながら笑っていた凛は、顎関節の辺りを握られ開いた口に、自身の脳のソテーを放り込まれた。

「美味しいかい?」

「おいしい! おいちい!」

 食べながら、まだ笑っている。かつて私は牛山のアジトとその有様を指して地獄と称したが、それは違った。ここが、目の前の光景こそが、狂気の地獄だ。

 過去を思い出すことが、何かの切っ掛けになったのかもしれない。突然、私は私の身体が思うように動くことを自覚した。

 隣の亜嵩のドレスを引っ掴み無理やり立たせて、玄関へと駆け出した。亜嵩はまだ精神状態が正常に戻らないのか、目の焦点は未だ合わず、なすが儘になっている。

 構わずに鍵を開け、裸足のまま外に飛び出した。

 日はとうに暮れて、暖色のエクステリアライトに照らされた庭の向こうにあったのは、天を突く岩壁だった。

 明らかにおかしい。あり得るはずがない。

 私の頭は、激しく混乱した。

 岩壁は継ぎ目なく、鬼嶋家の邸宅をぐるりと囲んでいた。高さがどれほどあるのか、見当もつかない。

 ここは日本で、隣町の高級住宅街で、つまり私たちは私たちを取り巻く世界と日常が連続したそのただ中にいたはずなのに、いまや完全にそこから隔絶されていた。なぜこんなことが起こり得るのか、全く分からない。

 ただ、これだけははっきりと理解した。

 私たちは、逃げられない。

 掴んだままの亜嵩の腕が、震えるのを感じた。

 

 庭を散歩するかのような優雅な足取りで、カーディガンを羽織った鬼嶋が玄関から姿を現した。

「どこに行こうというんです? 今これから、貴方がたと私は、この家に住まう同居人だというのに」

 

 ここに、最低最悪の同居生活が、始まった。

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