エろぃせぇるすまん 作:S11
精神的BLです。エロシーンは薄いですが苦手な方はブラバ推奨。
この世は老いも若きも、男も女も、心のさみしい人ばかり。そんな皆さんの心のスキマをお埋め致します。いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。
さて、今日のお客様は……
【 成田 我流 】
ある夜、路地裏にある少し怪しい雰囲気が漂うBAR【魔の巣】のカウンターで、1人の男がくだを巻いていた。
「全くっ、女って得だと思いませんかっ」
店内に客は誰もなく、マスターも聞いているのか、いないのか皿を拭いている。
「ホーホッホッ。随分ストレスが溜まっているようですねぇ。良ければお話をお聴きしますよ」
「はぁ……? 貴方は?」
いつの間にやってきたのか、男ーー成田我流の隣の席に、どこか福笑いを連想させる黒い服の男が座っていた。
「これは申し遅れました。私はこういう者です」
「ココロのスキマ♥️お埋めします……?」
「私の名は喪黒福造……人呼んで笑ゥせぇるすまん。ただのセールスマンじゃございません。私の取り扱う品物は心……人間の心でございます」
「はぁ……? まぁ、なんだって良いんです。私はねっ! 世の中不公平だと思うんですよ! 男も女も異性を求めるのは同じじゃないですか!? それなのにっ、男と女でハードルが違い過ぎるんですよっ! 男だって気軽にアバンチュールが楽しめたって良いと思いませんか!?」
酔っていた成田にとって相手の身形や素性はどうでも良かった。これ幸いにと持論を展開させ始める。
曰く、何かにつけて女は狡い、大した苦労もなく世の中を渡っていける、金だってちょっと裸を見せるだけで直ぐ稼げるーー等々、世の女性が聞けば激怒するであろう熱弁を振るう。
「そうでしょうか? 女性は女性で、女性ならではのご苦労があるように思いますが?」
「そんな事ありませんよっ! 女なんてのはただそこに居るだけで相手の方から寄ってくるじゃないですか! それに引き換え、私なんか……」
一気に捲し立てた成田は怒り上戸から泣き上戸へと切り替わり、どんなに頑張っても女の1人も靡きやしない、交際経験はゼロですよ! と続け、もし自分が女なら同じ労力で確実に相手が見つかると締め括る。
「おやおや、随分と拗らせてますねぇ。
良いでしょう。そんな貴方にはこちらを……」
意味ありげにそう言った喪黒は、大きながま口の様な鞄から何かを取り出し成田に見せる。
「それは……?」
【笑】の様な文字だけがプリントされたスマホサイズの黒い袋。メーカー名はおろか、商品名すら書かれていない。
「これを使って女性になってみてください。そうして女性ならではの気苦労を知る事で、少しは鬱憤も晴れますよ。相互理解というやつですねぇ」
「女性になる? 私に女装をしろってことですか!?」
そもそも女装をしようにも、そんな小さな袋の中身で出来るものでもないだろう。
そうか。
この男は私を馬鹿にしてるのか。
と、成田が握り拳をカウンターに叩き付けた。
「いえいえ。文字通り女性に成るんですよ。こちらのグミを一粒食べれば、4時間だけ貴方は女性になれます」
「はぁ……?」
この喪黒という男は一体何を言っているのか?
あまりにも荒唐無稽な言葉に成田は怒りも忘れ、この日何度目かになる気のない返事をするのだった。
それから、混乱する成田をよそに、喪黒は女体化グミ(イチゴ味)の使用上の注意を伝えていく。
・一粒で四時間。時間切れに注意を。
・二粒で八時間とはならない。嘔吐します。
・連続使用不可。二時間のインターバルを。
・指紋は変わらない。窃盗行為は自己責任。
・他人に与えても効果はなく、イタズラは出来ない仕様になっている。
「なぁに。難しいことはありません。これを食べ、女性に成った貴方が夜の町に繰り出すだけで、貴方の考えが合っているのかどうか分かるということです」
「はぁ……そうですか……」
女体化するかどうかはさておき、この喪黒と名乗る男は自分の持論に否定的なのだろう。
そう察した成田は、もうこの男に関わるのを止めようと生返事をするに留めたが、喪黒の方には最後の一言が残されていた。
ずいっ、と成田に顔を寄せた喪黒が告げる。
「但しっ!
●●と●で●●●してはいけません!」
喪黒の言葉を聞きながら、そんな事をするわけがない……そう思いながら成田はグミを手にするのだった。
◇◇◇
明けて翌日。
成田は自宅で目を覚ました。
昨日は飲み過ぎた様で頭が痛い。
(そういえば……変な男に絡まれたな……)
自宅に居る以上、無事に帰ってきているのに間違いはなく、痛みも頭以外には特にない。
枕元の小棚には鞄と財布が置かれ、何かを失くしたと云うことも無さそうだ。
「ん? これって……」
財布と一緒に黒い袋が置かれている。
そうだ。
絡んできた変な男が、意味不明な理屈を述べながら押し付ける様に渡してきたグミだ。
「何が女になるグミだよっ」
ぶつくさ言いつつ、グミの袋を手にした成田が封を切る。その瞬間、甘いイチゴの香りが漂った。
ーーグゥ~~
香りに刺激されたのか、成田の腹の音が鳴る。
「腹減ったな……」
ふと見ると、時計の針が12時を回っていた。
やはり飲み過ぎで寝過ぎた様だ。
腹が減るのも道理と云うもので、幸いにも成田の手元にはグミがある。
黒い袋から一粒取り出した。
さすがに毒物ってことはないだろう、とグミを口に放り込むだ成田は一噛みしてから飲み込んだ。
存外に美味い、が……何も起こらない。
「ナンだよ……やっぱりデタラメ……って!?
おっ?
おおっ!?
おぉーーっ!?」
グミを飲み込んでから10数秒後。
成田の身体に変化が顕れる。
胸は膨み、肩幅は狭まり、腰回りが締まり、お尻回りの肉付きが良くなった。
股関の有るべきモノがなくなったのか、ズボンの中がいやにスッキリしている。
「夢でも見ているの……?」
そう呟いた成田は、膨らんだ胸に両手を寄せると、軽く揉んでみた。
幻影ではなく、造り物でもない。
確かな手触りがそこにある。
「あっ……」
夢中で揉んでいると、自分の声ではないような、可愛らしい吐息が漏れる。
「いけないっ」
ハッとした成田は慌てて胸から手を放すと、首を左右に振って頬を叩いた。
原理はさっぱりわからないが、女体化したからにはこんなことをしている場合じゃない。
先ずは着るものから買い揃えよう。
それから少しばかり化粧をして夜の町に繰り出せば、男はきっと寄ってくる。
「見てなさいよ」
自分の持論は間違っていないと証明してみせる、その為に女体化したのだ…………と頑なに思い込む成田はパソコンを立ち上げると大手通販サイトを開き、女性用の衣服を購入していく。
それから、成田は週末が来ると街に出て、男にちやほやされては自分の考えが間違いじゃないと確信していく。
◇
ーーピーン……ポーンっ♪
週末の夜。
成田が出掛けようとしていたその時、チャイムが鳴った。
面倒だ、いや、女体化する前で助かった。
そんな事を考えながら玄関へと向かう成田。
「よぅ! 久しぶり」
成田がドアを明けると、そこには学生時代からの友人ーー紀美野 有人が立っていた。
紀美野は成田にとって数少ない友人だった。
何故かモテる紀美野を妬ましく思う事があっても、不思議とウマが合う。
「なんだ……お前かよ。
いつ日本に帰ってきたんだ?」
「今日だよ、今日。
急に纏まった休みが取れたんでな」
「ふーん? ま、上がってけよ」
数年ぶりに再会した友人を無下に追い返す訳にもいかず、室内へと招き入れる成田。
「おぅ、邪魔する……って、お前……ついにそっちの道に進んだのかよ」
キッチンを抜けた紀美野がリビングで目にしたのは、キャスター付きのハンガーに吊るされた女性用の衣服の数々。
おまけにベッドの上には、コーディネートされた上下の衣装に加えて下着までもが数点並べられている。
「い、いや、これは違うんだって」
「何が違うんだ? 女と同棲でもしてるってのか?」
まずい物を見られた。
焦る成田は弁明に追われることになるのだった。
◇
「実はな……女になるグミを持ってる」
ガラスのテーブルの上に酒類を並べ、もてなしの用意を整えた成田は、正直に語ることにした。
にわかに信じられない眉唾物の話でも、証拠があるし女装癖があると思われるよりマシとの判断だ。
「いや……誤魔化すにしても、もうちょいマシな嘘つけよ? てか、お前は女に憧れてたんだから別に女装をしたって驚いたりしねーよ」
「ハァ!? 誰が女に憧れてんだよっ!マジなんだって! 見てろよ!」
自身では認められない図星を突かれた成田は立ち上がり、グミを口にすると一噛みしてから飲み込んだ。
一瞬の間を置いてその姿が変わっていく。
ピンぼけの様に姿がボヤけたかと思うと、次の瞬間には成田の姿が様変わる。
Tシャツに短パン姿。
纏う衣服こそ同じだが、ゆったりとしたTシャツを押し上げるふくよかな胸、短パンから伸びる脚にはムダ毛の一本も見当たらない。
成田が考える理想的な女性がそこにいた。
「は……? なんだそれ?」
「ね? 女になったでしょ?」
全く意味がわからない。
友人だと思っていた男の面影が有るにはあるが、化粧をした程度の変化とは思えない。
今の一瞬で妹や親戚と擦り代わる、大がかりなマジックでしたと言われた方がしっくりくる。
「お、おまっ……成田か……?」
「そうよ。でもこの姿の時はケイって呼んで欲しいかな」
そう告げイタズラっぽくウインクした成田改め、ケイと名乗った女が紀美野の隣に腰を下ろす。
「あ、あぁ」
あまりの出来事に酒を持つ手が固まり、パクパクと口を動かすも思うように言葉が出ない。
手にした酒をなんとか飲み干し喉を潤した紀美野であったが、かける言葉が見当たらない。
「ほら、前から言ってたでしょ? 女はズルい、って。この姿に成れてそれが実証できたわ」
ケイが顔を寄せ、隣に座る紀美野に持論を展開するも紀美野の頭には入ってこない。
「じ、実証?」
容姿だけでなく言葉使いや仕草、声質までもが女性化しているケイにどぎまぎしてる紀美野は、言葉尻一つを捕まえおうむ返しに答えるのがやっとだ。
「えぇ。この姿で飲みに行くと、男達がいくらでも声をかけてくるわ。思ってた通り、女は女ってだけで簡単に異性を捕まえられるのよ。こうやって胸を押し付けたらもっと簡単ね」
言いながら紀美野の腕を掴み、胸の谷間で挟み込んで包み込む。
「いや、それは‥‥」
お前の容姿が優れているから、そう伝えたい。
というか、ほぼ初対面で胸を押し付けてくる女性なんかは存在しないと突っ込みたい。
存在するなら是非にも紹介してほしい。
だが、言葉にならない。
紀美野の目から見ると、成田と云う男は本人は認めなくても女性的なヤツだった。
女性を口説いているようでいて、実際の所は女性に憧れからの敵愾心にも似た対抗心を抱いているだけだった。
それを見透かされるが故に、容姿は良くてもどの女性からも相手にされなかったのである。
重ねていうが、容姿だけなら整っていた。
そんな人物が女性化し、そんな気はなくとも薄着のままでぐいぐいと迫って来ているのだから堪らない。
「ちんぽ入れてみねぇか?」
紀美野が漸く言葉に出来たのは、混乱から多少の酔いも手伝って飛び出た突拍子もない提案だった。
◇
「ば、馬鹿じゃないの?」
顔を紅く染めたケイは紀美野の腕を離して距離を取ると、サッと両腕をクロスさせて胸元を隠した。
その恥じらう姿は女性にしか見えず、紀美野をより暴走させることとなる。
「ほ、ほら? 女の方がセックスは気持ち良いって言うだろ? 女がズルいって言うならそれは確かめないといけないだろ」
「で、でも……」
「別に男女のセックスってわけじゃなく、検証の為にちんぽ入れるのを協力してやるって話だよ。挿入だけならスポーツやマッサージと変わらないだろ?」
爆弾発言をしたことで開き直りにも近い心境になっていた紀美野は、よく分からない理論をペラペラと重ねていった。
黙り混んだら余計に気まずい。
このまま適当言ってたら、もう一度馬鹿じゃないかと一蹴されて場は収まる。
焦りながらも漠然とこう考えていた紀美野の思惑は、ケイの次の言葉で霧散することになる。
「変わるし。でも、そうね……入れるだけなら良いかも? あっ、ゴムは絶対に付けてよね?」
「え……? 良いのか?」
「貴方が言ったんじゃない? 挿入だけならオナニーと変わらないって。確かにそうだし、折角だし確かめないとね」
「あ、あぁ……そうだな」
自分から持ち掛けておきながら簡単にケイが受け入れた事に呆ける紀美野。
というか、オナニーと変わらないとか言ってはいないし、何が折角なのかも判らない。
「変なの。
じゃぁ、私はちょっと準備してるからシャワーでも浴びてきてくれる?」
混乱する紀美野とは対象的に、スッと立ち上がったケイはクローゼットからバスタオルを取り出す。
それを押し付けられた紀美野は追い出されるようにリビングを後にすると、風呂場へと向かうのだった。
◇
不味いことになった。
男が女に変化するという、あまりの展開に付いていけず、変な事を口走ったのは自分だが、これはヤバいのではないか?
風呂場へと向かいシャワーを浴び、念入りに股関を洗ったことで紀美野は冷静を取り戻していた。
よくよく考えればこんな事はおかしい。
よしっ、冗談だったと謝ろう。
そう考えながらリビングへと戻った紀美野が目にしたのは、予想外のケイの姿だった。
「電気は付けなくても出来るよね?」
豆電球だけが灯る薄暗い中、床に敷かれたカーペットに膝を立て、ベッドに上半身を預けたケイがこちらに向けて一糸纏わぬ姿でお尻を突き出している。
バックから挿入だけをしてくれ、との意思表示を全身を使って現している。
「あ、あぁ……」
冷静だった紀美野の何かが一瞬で切れる。
トランクスを脱ぎ捨てた紀美野がケイの元へとフラフラと歩み寄る。
こいつは成田じゃなくケイだ。
これはセックスじゃなく検証なんだ。
自分に言い聞かせながら歩んだ紀美野はケイのお尻に合わせる様に膝立ちになると、その細い腰を両手で掴む。
目標を確認しようと視線を落とすと、肉付きの良いケイお尻の割れ目の中心から液が溢れ、太腿の辺りに流れているのが見て取れる。
【私はちょっと準備してるから】
なるほど、そういうことか。
こいつは自分がシャワーを浴びている間に指、或いはおもちゃ等も使って十分に受け入れ体制を整えていたのだろう。
だったら遠慮はいらない。
ケイの腰を引き寄せようと、紀美野の腕に力が籠る。
「お願い……ゴム付けて」
ベッドに押し当てていた顔をあげ振り返ったケイが、紀美野に向けて右手を伸ばす。
その手にはコンドームが握られていた。
「そうだったな」
ケイからゴムを受けとると、袋を破り慣れた手付きでイチモツへと被せていく。
薄暗闇の中、微妙な時間が流れるも紀美野の滾りが収まることはなく、それは、ケイも同じであった。
「挿れるぞ」
「んっ……」
確認ではなく宣言。
ベッドに顔を埋めたままのケイが小さく応えた。
ケイのお尻を引き寄せ、秘所を目掛けて腰を前へと突き出す紀美野。
亀頭がヌルッとした感触に包まれたかと思うと、抵抗らしい抵抗もなく呑み込まれていく。
(あっ……)
友人のちんぽが入ってくる。
指やおもちゃの比ではない。
(あぁ……やっぱり女しかズルい……)
友人が激しく腰を打ち付けてくる。
その度に全身が快楽に包まれるケイは、自らの持論が間違っていなかったと確信していくのだった。
自分で書いたけど、なんだこれ?
一応完結編となる続編の構想もあるけれど、需要とかあるのだろうか。
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