終盤は結構駆け足になってしまいました。
「ただいま、団長さん」
「お帰り、キャロット」
団長はキャロットの肩を抱き、そっと口付けをする。
キャロットの帰還を喜ぶ団長に対して、キャロットの胸の内は複雑であった。
こうして顔を合わせると、団長への罪悪感が沸々と沸き上がってくる。そして、それと比例するように、甘い背徳感が彼女を満たしていた。
(団長さんを裏切って、団長さんの知らない男の人とあんなに……)
Aとの熱い夜を思い出すだけで、パンティに染みが出来てしまう。
「どうした、キャロット? 顔が赤くなってるが……」
「あ、う、うん……団長さん、ベッド行こう」
◇◆◇◆
「んっ……んん……」
電気の消された真っ暗な部屋に、キャロットの喘ぎ声が響く。
「き、キャロット……激し過ぎ……」
「はぁ……はぁ……」
(どうしたんだろ団長さん……全然大きくならない……こんなに腰振ってるのに)
キャロットは気付いていなかった。団長が既に勃起していることに。Aの、女を堕とすためだけに特化したような凶悪なモノに躾けられた彼女には、団長の粗末なモノなど最早子供のおもちゃのようなものだった。
「キャロット、もう……」
ビュルッと音を立て、精液が彼女の膣内に発射された。しかしキャロットは腰を休めることがない。射精に気付いていないのだ。精液の、そのあまりの量の少なさに。
「す、少し休ませてくれ……キャロット!」
「えっ? あっ、うん……」
団長の語気が強くなり、ようやく気付いた。団長が既に果てていたことに。精液が出されていたことに。
(こんなんだったっけ? 団長さんとのセックスって……)
変わってしまった。身体も心も、あの男に変えられてしまった。その事実を知り、キャロットの心は罪悪感と悦びを同時に感じた。
「んっ……んぅ……♡」
団長の寝静まった部屋の中、甘い声が漏れる。団長の隣でキャロットが自身を慰めていた。
「あっ、あんっ……全然足りないよぉ……」
イケなかった。団長のセックスでは、あんなに粗末なペニス、稚拙な性技では。
(A君……A君……)
愛おしい人の名前を、心の中で繰り返す。
(団長さんごめんね……私のおまんこ、あの人専用になっちゃったみたい……)
その晩、水音が止むことはなかった。
≪数日後≫
「キャロット、手紙が来てるぞ。差出人が書いていないようだが……」
「は~い。誰だろう……っ!?」
封を開け手紙を取り出すと、キャロットは明らかに動揺した。冷や汗が首筋を伝った。
「どうかしたのか?」
「う、ううん……何でもないよ」
手紙を後ろ手で隠し、そのまま自室へ戻っていった。
「A君……」
手紙は男からのものだった。胸の高鳴りを抑えながら、一文字一文字に目を通していく。
『キャロへ
夏休みの間、ブロッサムヒルに行けるようになった
〇〇ってホテルに泊まるから、時間がある時に来い
誰よりも愛してやるからな
Aより』
乱暴な言葉遣い。それでもその一文字一文字がキャロットの胸を高鳴らせた。
「A君……んっ♡」
甘い声がキャロットの唇から漏れ出した。あどけなさの残っていた顔が、みるみる内に色気を帯びていく。少女は、最早少女ではなくなっていた。
≪ホテル≫
「よぅ、キャロ」
「う、うん……」
結局キャロットは男の元へ行ってしまった。
あの手紙が来てからというもの、彼女の膣は、子宮は疼いて仕方がなかった。早くあの逞しい性器が欲しい。キャロットの頭の中はそれだけで一杯だった。
「旦那さんとはどう?」
「もう……いじわる」
「へへ、ごめんごめん」
謝ると同時に、男はキャロットの唇を奪う。ごく自然に、まるでそれが当たり前のように、二人の舌は混じりあっていった。
「会いたかったぜ、キャロ……お前以外の女じゃもう満足出来なくてな」
「ほ、ホント? 嬉しい……」
それだけでキャロットの子宮はきゅんきゅん疼く。求められることは何よりも嬉しかった。
「言っておくけど、俺は今まで女に困ったことなんて無かった。チンポが乾く暇もないくらい、たくさんの女が俺に媚び、抱いてくれとせがんできた」
「うん……」
キャロットの細く綺麗な指が彼の首筋を撫でる。
「正直、女なんてヤっちまえば皆同じだと思ってた。でもお前だけは違った。お前みたいなエロい女、最高のマンコ、知っちまったらもう忘れられねぇよ」
「あっ♡」
Aの手がキャロットのスパッツの中に入り込む。
「今日だってこんなエロい紐パン履いてきやがって……このスケベ女が」
「だって……だってぇ♡ A君はこういうの好きだって言ってたからぁ♡」
「そう言うところがスケベだって言ってるんだよ」
「はぁ……はぁ……♡」
キャロットの足元に水溜まりが出来る。内股で荒く息を吐きながら、キャロットはAに期待の眼差しを送っていた。
「そんな目しなくても、お望み通り抱いてやるよ」
「あっ……」
ベッドの上に押し倒される。浅黒い腕がキャロットの華奢な腕を抑え込む。
「これから何十回も何百回も抱いて、俺の子供孕ませてやる」
(やっぱり凄いチンポ……団長さんのとは全然違う……)
割れ目にあてがわれた男性の象徴。黒々と威圧感を放つソレは、キャロットのヘソの辺りまでそびえ立っていた。
(もうダメ……A君の声も匂いも、心地好すぎる。旦那さん以外の子供産むなんて絶対ダメなのに、彼の赤ちゃん欲しくなっちゃってる♡)
「あ……あっ……あぁっ♡」
ゆっくり、膣を押し広げるようにペニスが進んでいく。膣だけではない、頭の中までも犯されている。
「しゅごい……しゅごいよA君……♡」
「旦那とどっちが凄い?」
「比べ物にならないぃ♡ あんな粗チン、もうどうだっていいのぉ♡」
「おいおい、旦那が聞いたら泣くぜ」
一対の雄と雌の交尾は激しさを増していく。
「A君……A君♡」
「そんながっつくなって。時間はいくらでもあるんだからさ」
キャロットの腕と脚が、Aの筋肉質な身体に絡み付く。何度も何度も絶頂しながら、彼女は男の射精を求めていた。
「それじゃ、ほら、中出し」
「あぁ~~~っ♡ しゅごい♡ 精子しゅごいぃ♡」
肉棒から放たれた子種達は雌を孕ませるため、我先にと彼女の子宮の中を跳ね回っていた。
「はぁ……はぁ……♡」
「ほら、休んでる暇なんてないぞ」
キャロットは再び腟内に意識を向ける。先程子宮内を精液で満たした男性器は、キャロットの膣の中で再び膨らみ始める。
「凄い……あんなに出したのに♡」
「絶対孕ませてやるからな」
男はキャロットの柔らかい腹を撫でながらそう言った。
(団長さん……)
その時、彼女の頭の中には何故か団長のことが浮かんできた。
◆◇◆◇
「キャロットです。まだ花騎士としては未熟ですが、精一杯頑張ります!」
騎士団に就任した時、緊張で一杯だったな……。先輩達と上手くやれるかなとか、団長さんが厳しい人だったらどうしようとか、そんなことばっかり考えてた。
「君がキャロットだね? 私はこの騎士団の団長だ。君のことは責任を持って守るから、何かあったら私を頼りなさい」
不思議な人だった。私は匂いや音に敏感だったから、彼が嘘を言ってないとすぐに分かった。
普通、人間は自分を最優先に考える。別にそれは悪いことじゃない、当たり前のことだ。でも彼は、本当に私や花騎士のことだけを考えていた。彼女達を守るためなら、自分がどうなってもいいと考えるような人だった。
それは優しさだけれど、私は少し怖いと思った。そんな優し過ぎる人はいつ死んでもおかしくない。死の匂いが彼からはしていた。
「はぁ……はぁ……大丈夫か、キャロット」
「うぅ……私より自分のことを心配してよ……」
害虫から私を庇い、団長さんは重傷を負った。自分の不甲斐なさに、団長さんの優しさに、涙が止まらなかった。そんな私を見て、彼は優しく微笑んだ。
「私なら大丈夫だ。君だって怪我をしているんだ。しっかりと休みなさい」
この人を死なせちゃいけない。何としても守らなきゃいけない、私が。
彼の笑顔を見てから、私はそれだけを思うようになった。
「団長さん、カレーの味見して貰っていい? ……どうかな?」
「美味しいよ、キャロット。優しい味がする」
「えへへ……」
彼が笑ってくれたらそれで良かった。団長さんが自分を犠牲にしてまで私達を守る理由、何となく分かった気がする。
愛。無償の愛。団長さんと出会って、初めて気付いた。
「団長さん、好き。誰よりも」
◇◆◇◆
「A君しゅきぃ♡ 他のことなんてどうだっていい……あなたの赤ちゃん欲しいのぉ♡」
そうか、お別れなんだね、団長さん。私の心も身体も、もう団長さんには興味無くなっちゃったみたい。でも、今まで守ってくれてありがとう。愛を教えてくれてありがとう。
あなたに教えて貰った愛で、A君や彼の赤ちゃんを守っていきます。だから……
「孕ませて……孕ませてぇ♡」
彼の赤ちゃん、産むね。
「団長さん、話があるの……」
「キャロット。どうした?」
「赤ちゃん……出来たみたい」
………………
…………
……
もっと色々書きたいことはあったんですがねぇ……。
最後、団長と別れたのか、そのまま団長にAの子供を育てさせたのか、ご想像にお任せします。
どちらのエンドも好きですし、私には選べなかった……。
花騎士寝取られものですが、いずれオムニバス形式の作品を書いてみたいですね。しかし今の連載で一杯一杯なので、いつになるのかは未定です……。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。