※この作品はR-18です。

めぞん一刻 二次小説 流れる季節の中で   作:今津晶

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第19話  帰って来た二階堂君

秋は駆け足で過ぎてゆき、時計坂にも冬が訪れていた。

この所取り立てて変わった事もなく、平穏な日々を送っている一刻館とその住人。

 

<そんな11月のある日>

 

[そお~ら高い高い高い!]

五代園長は、いつものようにしいの実保育園で、園児たちの相手をしていた。

 

そこへ保母さんが一人やって来て、

[あの、園長・・・さっきから怪しい男が・・・園内を物色しているようなんですけど・・・]

五代君に“不審者がいる”と、知らせて来た。

 

[な、何だって!]

保母さんの知らせに顔が強張る五代君。

色々と物騒な世の中、緊張が走るのも無理はない。

 

[で、どんな奴なの?]

 

[ええ、見た感じ30~40歳位でスーツ着てますけど・・・]

保母さんの申告によると、不審者は30~40歳位でスーツを着ているとの事。

[よし、僕が見て来よう]

五代君は保育園の周囲を細かく見渡してみる。

“どんな奴だろ?”

“やだなあ・・・。”

“保母さんの手前カッコつけたけど”

小心者の五代君は、保母さんの前で格好良い所を見せたものの、内心“見えざる不審者”の影にビクビクしていた。

“ポン!”

 

誰かが背後から五代君の肩を叩いた。

 

[うわああああ~~!]

驚いて大声を出す五代君。

そのまま情けない事に腰を抜かしてしまった。

[どうしたんですか?五代さん?]

 

[に、二階堂?]

なんと“不審者”は二階堂君だった。

[二階堂じゃないか!久し振りだなあ!]

不審者が二階堂君とわかるとホッとしたのと同時に、懐かしい再会にビックリしていた。

[すいません、不審者何て言って]

さっきの保母さんは恐縮しきりで二階堂君に謝った。

[いいえ、いいえ。いいんですよ]

[僕もこの辺来るの久し振りなんで、細かく色々と見てたもので]

[それはそうと、五代さん、今日お時間取れますか?]

二階堂君は何やら五代君に話したい事があるらしい。流石はもう社会人。最低限の礼儀作法はあるようで昔と違いマトモな言葉遣いだ。

[ん?ああ、いいよ]

五代君は二つ返事でOKした。

 

 

~その夜 繁華街のとある居酒屋~

 

[かんぱ~い!]

 

“カチン!”

ビールジョッキで乾杯の合図。

[ホントに久し振りだなあ、二階堂]

 

[そうですね~五代さん]

 

[何年振りだろう?]

 

[え~と、5年はお会いしてないですかね]と過去を思い出しながら語る二階堂君。

 

[もうそんなになるのか]

[一刻館でよく悪さしたのも昔話だなあ、二階堂!お前のメチャクチャな言動をおれだけじゃなくて他のみんなも忘れてないぞ!]

[四谷さんの言い草じゃないけどお前の何気ない一言は微妙な人間関係を破壊する凶器だったからなあ]

 

[それは言いっこなしですよ、五代さん]

[五代さんのように、]と二階堂君は一呼吸置いて思い切り本音だけを洗いざらいにのたまう。

 

[あんなすんごい美人で優しくて・・清楚で上品な管理人さんをとうとうホントに嫁さんにしてしまうほど悪さしてないですから!]

[時計坂の聖女か女神様とまで称される女性だったのに・・テニスウェアとかビキニの水着姿とかスタイル抜群だから麗しのモデルさんか、本物のグラドルみたいな美貌だったし]

[誰が見ても絶対に反則で、ほとんど犯罪ですからね・・あ~んな綺麗な女性に手を出してモノにしたと思ったら、恋人になって半年足らずで結婚して夫婦にまでなってしまって、更にすぐ孕ませて子供まで産ませちゃったなんて、極悪非道な振る舞いでしょ]

[しかも結婚する前から五代さんの下着の洗濯とか朝晩の食事どころか愛妻弁当まで毎日作らせるんですから今時信じられないですね!ひょっとして今でもですか?え?そうですよね!羨まし過ぎて信じられないですよ~]

[ホントに上手いことやりましたよね?どうやったんですか?そんなに器用な人には五代さんは失礼ですけど見えないんだけどな~]

 

((管理人さんが油断した隙を見付けて無理矢理に手篭めにして、訴えられないように破廉恥な写真を激写しといてから・・腰が抜けるほど、それこそ子宮どころか臓腑まで犯し抜いて五代さんの立派な凶器で虜にしてしまったと俺は疑いたいんですけど・・下手すれば懲役ですが))

((まあ、そこまで悪辣なことが実際に出来るとはとても思いませんけど・・五代さんってお人好しで割りと小心者だし。でもだとすると管理人さんも同意の上で合意だったのがね、ホント信じられないですけども))

((だってあんな眩しいくらい美人の裸体を見放題、触り放題、性交とかエッチなことをしたいやりたい放題なのがねえ・・・その相手が五代さんなのがおかしいと本気で言いたいし、本音を言えば相当ずるいですよ))

 

[自然に手を繋いだり腕を組んで恋人デートしてるだけでもすっごく羨ましかったのに・・・夫婦になってからもすっごく仲良く寄り添って買い物もちょくちょくしてましたよね、ホント羨ましいを通り越してますよ]

[毎日毎晩欠かさず、好きなだけあんなこと(××××)とかをやったり、何遍も何回もそんなこと(△△△△)をたっぷりしたりとか、数え切れないくらいこんなこと(□□□□)とかをしてもらったりとか生唾モノのこと、風の噂で聞きましたよ!ホント有り得ないですからね~]

[おれが何回か目撃した廊下とか階段でしていたお二人の凄く自然な、お熱いキスシーンなんてそれこそ映画かドラマの撮影に見えましたよ・・管理人さんが女優さんみたいに綺麗なんで]

[もっとも五代さんはただの一般人でしたけどね?]

 

[こら!てめえ二階堂!]

[言いたい放題なのは相変わらずだな。その伏せ字は放送禁止用語だろ!誰も声に出して読めないじゃないか!(誰がじゃ?)おれのことを一体全体何だと思ってるんだ?]と反論する五代君だが気心は知れているので本当に腹を立ててでの言い返しではない。

二階堂がこういう表現でしか人を褒められないのはとっくの昔に百も承知だ。しかも奥さんの響子さんへの上辺ではなく本音の賛辞であるから実は何も腹など立たない。

 

[そう言うお前こそどうなんだ?彼女の一人もいないのか?若いんだから頑張って見付けろよ]と五代君も黙っていないで言い返す。

 

[いやあ、これがなかなか・・・・一刻館にいた頃からデートまで漕ぎ着けても後が続かなかったんですよね~。みんな怒って途中で帰っちゃうし・・・。何故ですかね?]

本気の溜め息混じりで二階堂君も、だが不思議そうに呟く。

 

[・・・まあ何となく分かるぞ。どうせ好き放題に言ってしまってたんだろ?大体想像が付くぞ・・例えばブティックなんかで彼女が綺麗な服を見付けても、『君みたいに背が低いとか胸が小さいと似合わないよ』とかな]と五代君、珍しく厳しくて鋭い突っ込み。

 

[あれぇ?何で分かるんですか、流石に五代さん・・・よく俺の言いたそうな台詞をご存知ですよね。聞いていたみたいに詳しいな??ひょっとして跡を追って付けてたんですか?]

真顔で返答する二階堂君。本当に空気の読めなさは筋金入りだ。

 

[そりゃお前、誰でも怒って帰るよ・・予想通り過ぎて呆れるな]と本気で呆れる五代君である。

 

[でも何だかんだ言っても五代さんって女性が勝手に言い寄って来る人でしたからね~。ほら、同い年くらいのショートカットの女性・・こずえさんとか、若い女子高校生の・・八神さんとかもね?何でだろうな~そんな人に彼女を作る苦労なんて分かってもらえませんよね?]

 

[人聞きの悪いことを言うなよ。おれがちゃんと付き合うって言うか、その・・大人の恋愛をしたのって嫁さんの響子だけだぞ。・・もっとも恋人になれるまで5年以上費やしたけど、な]

 

[でもですよ・・その一人だけって女性が、あの美貌の管理人さんですからね~。幸運の星が舞い降りたとしか思えませんよ、五代さんには!]

 

「まあ、それは否定しないが・・・お前知らないだろ?おれがどれだけ苦労したのかを。ただぼ~としていた訳じゃないんだぞ!]

「例えて言うならプロボクサーが3階級か4階級下まで限度を越えて過酷な減量を繰り返して(出典:力石徹)なおかつ試合に勝ち続けてタイトルマッチにも勝ってチャンピオンベルトを獲得した上で防衛も続けるようなもんだ。まあ防衛中はもう減量の必要が無くなった形だがな]

「ライバルはとてつもなく強力で手強かったし、勝ち目なんか無いと酷評されても折れない心が必要だったんだぞ]

五代君は珍しく具体的な比喩を使ってまで二階堂君に向かって演説のように力説する。少々大げさであるかも知れないが本当のことだ。大変な苦労で艱難辛苦の連続で紆余曲折だらけであった。

一刻館の住人ならば多少どころかほとんどその事情を知っていて応援はともかく理解はしてくれていたのだが・・二階堂君だけは最も住んでいる期間が短かっただけに、どこまで内容を理解しているかは不明だ。

 

[いやいや、五代さん、俺だって多少は状況って言うのか事情は知ってますけどね。でもな~何度も言いますけど羨まし過ぎてねぇ・・・。結婚された当時ってもう・・15、6年以上前ですけど、あ~語彙が浮かばないけど・・絶世の類稀な美貌の管理人さんを

五代さんが嫁さんにゲット!獲得したのは事実っすからね~。・・・最後にお会いしたのって5年以上前ですけど、やっぱ、メチャクチャびっじ~んでボイ~ンな印象しかないですよ。今でも綺麗なままでしょ?ですからホント今テレビで流行の美魔女で通用しますって!!]

[俺がもし芸能関係者ならマジにスカウトしたいくらいですよ!]

 

[う~む、まあ賛辞には違いないけど二階堂、お前のは露骨だな~褒め方が・・・ちょっとは言い方を工夫して変えろよ。でないとまた女性を怒らすだけだぞ]

 

((いやまあ変な話だが芸能界から響子がスカウトされそうで怖いなんて馬鹿な妄想・・・少しだけ浮かぶのは気のせいかな?何故かそんな心配が消えないな・・・))

((結婚して17年か・・・本当に容色が殆どと言える位に衰えないんだよな・・めちゃくちゃ嬉しいけど他の男の目に晒すなんてしたくないもんな、例え水着だってホントは嫌だしな、響子の滑らかで綺麗な素肌をおれ以外の男の誰にも見せたくないよな。絶対に!))

((かかあ天下だの、尻に敷かれ過ぎだの最近では春香にもよく言われるけど、別に食事でも弁当でも響子が必ず美味しいものを作ってくれるし、家事だって男手が必要な時以外はお願いされないし・・特に意識したこと無いんだからこのままでいいじゃないか!))

 

((おれが響子を独占したくて結婚したんだから、尻に敷かれてもそれこそこれがおれの・・男の本懐だよな。後悔など微塵も無いぞ!!結婚当時のスリーサイズがほぼ誤差の範囲でしか変わらないんだから今テレビで流行の美魔女に負けてないぞ!容姿だってうんうん・・・))

((見目麗しく皺なんか全然無いんだからな!おれが常日頃からあちこち点検しているから間違い無いぞ、うんうん、本当に凄いよ・・・色々と絶品なのが・・・まずはすっごくボインで全然垂れることの無い素晴らしいオッパイだよな・・・弾力も張り具合も凄いし・・・))

((鷲掴みしても掴み切れない位の巨乳だし・・柔らかくて弾力が心地良くて・・手触りも滑らかで揉み甲斐があって最高だし・・それにおれが響子と繋がってピストン運動するともうあんなに・・ぶるんぶるんと揺れて目も楽しませてくれるしなあ・・ホント絶品で物凄い!))

((仰向けになっても型崩れしないから・・あの、たぷたぷと微かに揺れる様子がそそるんだよなあ。素晴らしい膨らみに感謝感激だよ。真っ白くて静脈が透けて見えそうだし、絹みたいな肌触りがまた・・見惚れて触れ惚れて、揉み惚れて?なんて口で表現するのも難しいがな))

((乳首だって出産前のピンク色とは少し違うけど・・・春香を母乳で育てたからなぁ・・・でもすごく薄い茶色と言うか肌色に近いままで味は昔とほとんど変わらないし・・アンダーヘアーだってしっとりしていて髪の毛とはまた違った柔らかい手触りで気持ちいいんだよなぁ))

((性器だって春香を産んでいるのにまだまだ綺麗なピンク色のままだしな・・香りと言うか匂いも凄くイイし・・・姫穴を指でくぱぁって広げてくれると姫筒というか膣内なんかもっとピンク色だし。しかもすっごく締りが良くて感触が気持ち良さの極致だしなぁ・・・))

 

((俺が指を突っ込んで恥骨を刺激するとすっごい喜んでくれるし、イチモチを挿入するとすっごく優しく締め付けて包み込んでくれるあの具合の良さは正直言葉では上手く説明できなくらいだから、たまらんのだよなぁ・・いつもいつも、挿入したままで眠りたいくらいにな))

((生で射精されるのが好きだからコンドームなんて必要ないって言ってくれるし・・終わった後の御掃除フェラだって気持ちを込めて丁寧にやってくれるしな・・。俺のイチモツを頬っぺたでの頬擦りなんて健気でされるたんびに響子のことが好きなっていく気分だし最高だよ))

((もしおれがプロカメラマンなら毎晩のように響子のヌードを撮影して楽しんでしまうな・・撮影の真似事で何度かポーズをお願いしたことあるけど、とても人前では出来ない姿勢で頼むんで余程上機嫌な日に一旦は絶頂までイカさないとしてくれないのが残念だけどなぁ・・))

((でも普通に眺めるだけなら、あの美麗なすっごく素晴らしい全裸を幾らでも好きなだけ見詰めても構わないと言うか・・乳房とか乳首に恥毛に性器もおれが凝視しても全て何も隠さずに見せてくれるしなあ・・極楽の極致だよ。まさに至福の瞬間だなあ・・最高に最高だぞ))

 

((最近のお気に入りプレイはお医者さんごっこだよなあ・・おれが医者で響子が患者だから・・診察とか触診と称してキスとか乳房を揉んだり舐めたり・・悪戯をし放題だし、性器も弄って膣内検査ってことで挿入して締まり具合を堪能してから、射精すると喜んでくれるし・・))

((尿検査は紙コップに小水を入れるんじゃなくて、おれの目の前で放尿も望んだら風呂場でしてくれるしなあ・・後始末を兼ねて尿道を舐めて味を確かめるのが検査って言うと・・・エッチで破廉恥なお医者様ねって・・恥じらいながら抗議してくるのが・・可愛くて止められん))

((診察なのに一緒に入浴だなんて信じられないわって・・響子から呟かれると、その、ますます気分が盛り上がって・・丁寧に響子の裸体を・・性器も泡塗れにして洗い上げるのが興奮して何回もセックスしてしまうんだよな・・ホントに何も隠さないで全て見せてくれるのが・・

おれだけに許された最高最強の特権だな・・・”診察するよ”って言って、おれがトランクスを脱いでイチモツを晒すと・・・響子から・・”スケベ・・変態・・酷いお医者様ね・・あなたって一体何の専門なのかしら?”って上目遣いで囁かれるのが最高の気分で飽きないんだ))

 

((俺も調子に乗って言い返してしまうけどな・・”もちろん、男女の性愛で・・夫婦とか恋人の正しくて健康的な営みについての専門だよ。だから・・患者さんの響子を隅から隅まできっちりと触診と挿入と・・射精で診察して治療するんだ。たっぷり時間を掛けてね”と言いつつ))

((『ご褒美に今夜も精液をたっぷりと喉にごっくんさせてあげるよ・・響子がいつも貪欲に飲みたがるからね』なんて言うと・・『な・・そんな・・女が貪欲だなんて・・まるでがっついてる・・みたいなんて・・酷いわ』と俯き加減で必死に反論するけど、俺も負けじと

『でも響子も実は好きだろう?でなけりゃ飲み干せないよ。やっぱり味が美味しいの?』って突っ込んだ感じで聞いてしまったな。そこまで言われると響子も正直に告白してくれるんだよなあ・・流石におれの愛妻だけあって夫婦の営みには積極的で正直だもんな。

『もう!・・んん・・美味しいと言うより・・味とかじゃなくて、喉越しする感覚が・・何故なのかしら・・・嫌いじゃなくて・・その・・うん、本当はね・・嬉しいのかな?・・・満足って気がするの。だから・・・ごっくんしたいのかしら・・あたし・・・』

『でも、あなた?・・女にここまで言わせたんだから・・・今夜もごっくんとか・・いっぱい可愛がって満足させてね?・・そうでないと、あたし許さないんだから!』って、ちょっぴり拗ねた表情で目茶苦茶に・・すんごい健気で可愛い反応を示してくれるからなあ))

((男として物凄く嬉しいんだよな・・だから当然だけど俺って響子を溺愛するのが全然止まらないな、本当に。最近は夜のお勤めも3日に2回どころか、4日に3回くらいだし・・新婚時代にほとんど近いな・・・そうさ・・おれの、おれだけの響子なんだから、な!))

((はっ!!いかんぞ、また鼻の下を伸ばして不埒な妄想を始めてしまっていたな、こりゃ。・・うっかり外で妄想やってしまうと響子にすんごい睨まれるからなあ。ちゃんと気を付けないと・・・こんな所がおれって・・響子に頭が上がんないんのかな?))

 

・・・こんな風に五代君の愛する妻である響子さんへの妄想・・知り抜いているからこその具体的で不躾な内容になってしまう・・・既に結婚して17年が過ぎても尽きることは全く無いのである。

 

そんなこんなで昔話に花が咲く二人。

二階堂君の歯に衣着せぬ物言いは全く変わっていなかった。

 

[それで・・・何しに来たんだ二階堂?]

五代君は二階堂君がここまで来た目的を尋ねた。

 

[あ、いやあ、あはは!]

二階堂君の顔色が一変した。

[ただ顔見せだけにこんな所まで来たわけじゃないだろう、二階堂?]

 

[やっぱり五代さんには敵わないなあ・・・]

 

二階堂君は時計坂までやってきた理由をようやく話そうとし始めた。

[実は・・・勤めてた会社リストラされちゃいまして]

何とまあ、二階堂君はリストラされたと言い出した。

 

[この不景気で会社も業績が芳しくなくて、ついに人員削減が始まってしまって・・・]

[まあその後は社内でいろいろゴタゴタがあって・・ははは、気付いたら追い出されちゃいましたヨ!]

二階堂君は笑って話をしたが、内心ではヤケクソ気味であるのは言うまでもない。

[そっか・・・それは災難だったなあ、二階堂]

それしか掛けてやる言葉がない五代君。

一転して重たい空気に包まれる二人。

 

[で、その後どうしてんだ?二階堂]

 

[いやあ、無職になったんで職探しですよ]

[なかなか今厳しくて!]

[僕ももう若くないですし]

その後の二階堂君。

不景気と決して若くはない年齢とが災いして、どうやら再就職はまだ叶わないようだ。

[学校卒業してから就職して、それからしばらくして実家を出て自活始めたんですけど、今は仕方なく実家に帰ってますよ]

[もう居心地が悪いのなんのって!]

[気付いたら今日はいつの間にか時計坂をフラフラと歩いてましたよ]

色々と気苦労は絶えない二階堂君の現状。

二階堂君は息の詰まりそうな日々に、わざわざ遠路時計坂までやって来て、きっと誰かにこの苦しい心境を聞いて欲しかったの知れない。

そして居酒屋を出た二人はほろ酔い加減で夜の繁華街をフラフラと歩いていた。

 

[もう一軒行きましょうよ五代さん!]

 

[ば、ばか言うなよ二階堂!]

 

[奥さんが恐いんですか?]

[今でもやっぱりず~と尻に敷かれてるんですね五代さん?]

 

[バ~ロ~!見損なうな!]

[行ってやろうじゃねえか!]

二階堂君の口車にまんまと乗せられ2軒目の店を物色する二人。

 

[おう、五代じゃねえか!]

そこへ五代君たちに声を掛けてくるヤクザっぽい男が一人。

[い、飯岡さんですか?]

五代君たちに声を掛けてきたのは、キャバレーバニーでバイトしていた当時の恐い先輩飯岡だった。

 

 

以下、次回

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