※この作品はR-18です。

めぞん一刻 二次小説 流れる季節の中で   作:今津晶

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番外編07 受胎告知(後編)

パジャマに着替えてベッドの上に横になりタオルケットを被った響子さんを見てようやく安堵した五代君が優しく新妻の頭を撫でながら呟く。

「病院に行ったり来たりで疲れなかった?」

「うん、もうそんなの大丈夫よ・・」

「そうか、良かった・・。・・・・・嬉しいなぁ・・・響子のおかげで、おれも父親に・・・・パパになれるんだ。ゆっくり休んでよ、目を瞑って・・・」

心底嬉しそうに優しい眼差しで響子さんを見詰めてくれる五代君。

今更ながらに夫の・・彼自身よりも妻の身を案じてくれる心根にじわっと温かさを感じて嬉しくなる響子さん。彼の手の平の感触が心地良い。

やっぱり無理を言って実家に迎えに来てもらって良かったと思いながら・・・実は夫も夜勤明けという重大なことを思い出す。

「あ・・裕作さん、ごめんなさい。あなたもお仕事であんまり寝ていないのに・・・もうお昼近いけど眠りたいでしょう?」

「う・・ん、まあ眠いことは眠いけど。・・どこでも何時でも俺は寝るからいいよ、そんなことは。・・それより響子、君が眠って休まないと・・・」

「駄目よ、ちゃんと睡眠は取らないと・・・裕作さんもパパになるんだから大事にしないと」

「はは、ありがとう。・・・でも男って考えても・・いや、考えなくても出産に関して何も出来ないよね?だからせめて・・・奥さんには休んでもらわないと」

「もう、今からそんなこと言ってたら・・・少し気が早いわよ。・・・ね、あたしの横に入って眠ればいいじゃない。これダブルベッドだし二人でも狭くないわよ」

「・・・うん、響子と一緒に眠るのは嬉しいんだけど・・・・その、おれの体重で折角の赤ちゃんを潰したりしたら大変だし・・・・」

大げさに考え過ぎなことを言い、響子さんとお腹の赤ちゃんを気遣い過ぎて普段なら決して遠慮しないであろう妻からの同衾する申し出を断ろうとする五代君。

 

「・・・(幾ら何でも心配し過ぎよ・・)・・・・うん、ね?確かに昨晩あんまり熟睡出来なかったんだけど・・・それって一人寝だったからなの・・・。だから一緒に寝て欲しいな・・駄目かしら?」

響子さんも少々手段を変えて夫に提案する。無論、夫婦の営みを求めているのではない。ただ単にお互いの体温を感じて眠りたいと言っているだけだ。

「え・・う、うん。・・どうしようかな・・・・」

相変わらず優柔不断振りを発揮する五代君。奥さんの身を案じ過ぎてのものだから別に響子さんも呆れないが、ここははっきり誘わないと駄目かな?と思い、

「あたし熟睡したいな・・・だから横に居てくれるだけでいいから、裕作さん?ね?」

愛しい妻からのお願いに逆らうほど優柔不断ではない五代君はようやく同衾を決意する。

「うん、じゃあ横に居て・・俺も眠くなったらそのまま寝るよ・・・」

「ええ、それじゃあ・・一緒に休みましょう♪」

ニコニコした響子さんの笑顔に癒される思いで五代君も微笑みベッドに入る。もっとも夏場であるので邪魔な暑いGパンは当然脱いで上のシャツも脱ぎ、彼は寝巻きがここにはないのでアンダーシャツとトランクス姿だ。

「じゃあ、響子・・目を瞑ってゆっくり寝てよ。お休み・・・」

そう呟くと五代君は愛しい大事な奥さんである響子さんの唇に優しくキスをする。響子さんも腕を絡めて嬉しそうに夫からのキスを受け入れて唇をより密着させる。

「・・・うん、お休みなさい・・裕作さん。あなたも寝てね?」

優しい夫の真横で身体を密着させていることに安堵して安らかな表情で目を瞑る響子さん。目を閉じて安心そうな表情を浮かべている彼女の寝顔・・五代君も見慣れているが今日は特に綺麗に見えて嬉しい気がする。

余り詳しくはないがまるでイエス・キリストを身篭って受胎告知を受けた聖母マリア様みたいだよなぁ・・と妻の美しい寝顔を眺めながら思う。

響子さんは可愛いピンクのマジャマ姿で自分は上も下も下着だけ。そんな格好で同じベッドにて寝転がっている現在の状況に今更ながら嬉しさが込み上げてしまい感慨深い。

1年前の夏場など、こんな嬉しい場面は想像出来なかった。下着姿の自分が響子に・・パジャマ姿の管理人さんに対して”さあ、今夜は一緒の布団で眠りましょう!”などと言う恐ろしい台詞は絶対に、冗談でも口が裂けても吐けなかった。

もし万が一吐いた日には思いっ切り引っ叩かれていたのは間違いが無いし当分の間は無視されて口も聞いて貰えないところだった。想像するだに恐怖極まりないことである。

それが今や・・・ましてや先程、響子さんの方から”一緒に休みましょう”と誘ったのだ。同じベッドの中で。去年の秋までならば本当に有り得ない状況だ。

それにさっき、響子さんは五代君の目の前で洋服を脱いで下着だけの姿になりパジャマに着替えたのだ。別に裸になる訳ではないから・・彼女は堂々と何も気にせず自然な動作で着替えを行った。

男性の眼があるのに・・だがその男性とは夫である五代君だから悲鳴など当たり前だが何も挙げなかったし、それに着替えるから出て行ってとも言われなかった。

響子さんの下着姿・・ブラジャーとパンティだけの姿・・立派に眼福ものだが、それが夫婦の証しかと思うと素直に、非常に嬉しい。

自然に頬が緩んでいるのが自覚できるが、それは止められそうにない。そんな他愛も無いことを考えていると・・・。

「ねえ・・・まだ起きてる?」と目を閉じたままの響子さんが呟く。

「うん、ああ・・まだ起きてるよ。何かな、響子?」

「あのね・・今・・裕作さん、凄くにこにこしてるでしょ?」

目を瞑ったままだから見えるはずのない響子さんがズバリと五代の表情を言い当てる。

「え?・・・何で分かったの?目を閉じてるのに」

「うふふ・・・分かるわよ。だって・・夫婦だから・・・妻だから、よ♪」

自分の予想が的中したことが嬉しいのか更に笑顔になり、ようやく目を開ける響子さん。

「参ったなあ・・何でもお見通しなんだ、響子って」

「うん・・正確にはね・・・嬉しそうな視線を感じたから分かったの」

すこぶる上機嫌な表情で夫を見詰める妻。全幅の信頼をしているのはお互い様だが相手の行動形式まで把握している点は五代君よりも響子さんの方が上だ。

夫である五代君の行動をかなりの確立で予測が出来る響子さんだが、ほとんどの動機が妻への愛情で満ち溢れているのが以心伝心に近い形で理解できるから余計にそれが嬉しいのである。

「うん、その通りだよ。今かなりどころか・・おれ、相当に嬉しい気分がして消えないんだ。あ・・消えるなんてないな」

「え?・・やっぱり赤ちゃんのことかしら?」

「ああ、それは勿論そうなんだけど・・・何かこう、ね。響子と自然に一緒に枕を並べて横になっていることがね・・それは今更、なんだろうけど」

別に自分の正直な気持ちだ。隠すつもりなど毛頭ないから素直な感想を述べる五代君。自分が憧れて憧れ続けた女性・・綺麗なだけでなく上品で優雅で・・心も美しくて優しい本当に魅力的な響子さんが今では自分の妻である事実が嬉しくて堪らないのだ。

「ふふふ・・・あたしたち夫婦なんだから当たり前でしょう。いつもそうじゃない?・・二人とも・・裸のままでだって・・あるんだから」

4月に結婚しまだ4ヶ月目の新婚ほやほやの夫婦。寒くもない夏場だから全裸姿で抱き締め合ったままだったり、そのまま寄り添って寝ることも稀ではない。

仲睦まじく愛し合った後に眠る際でも、五代君は愛して止まない大好きな響子さんの乳房を見詰めたり撫でたりキスをしたりするのが本当に大好きだ。若々しくて瑞々しい禁断の果実であるかのように魅力的な彼女の美しくて張りと弾力のある乳房。肌触りも滑らかで最高なのだ。

仰向けに寝ても何も型崩れせずに・・たぷたぷ・・ゆらゆらと揺れる様が五代君は心底好きなのである。もっともあんまり凝視し過ぎると響子さんから、”もう・・そんなにあたしの胸が好きなの?”と言われた後に、”裕作さんは・・エッチなんだから”と軽く窘められるのが常だ。

実は五代君は男の性(さが)として響子さんの美しい女性器も眺めるのが大変に好きなのであるが・・いや別にちゃんと見せてくれるが、こちらを余りじっくり凝視すると、愛する妻から少し真面目な表情で、”裕作さんの・・す・け・べ”と、言われてしまうので・・・・。

五代君としては”エッチとスケベなら、エッチの方がマシかな?”と、ものすっごく無意味なことを考えていて、乳房を凝視して撫でることを寝る直前には大体のところ選択しているのである。

 

一方で響子さんが同じような行動をすることも実はある。生々しい情事の後に五代君の男性器をじっと眺めてしまい、触りたくなってしまうこともあるのだ。直前まで彼女自身を可愛がってくれた五代君のイチモツ・・後始末をしてあげると称して舌で舐め上げたり、

指や手の平で触って彼女も感触を確かめたくなるのだ。普段のように羞恥心を忘れた訳ではない・・恥じらいはあるが、それよりも愛する夫の男性器への興味や関心が湧き上がり、確かめたい触りたいとの欲求が勝つのだ。日常生活では初々しさが消えない清楚な雰囲気に

包まれた新妻の響子さん。だが愛する夫との営みでは大胆に振舞うこともあり、夫の五代君を大いに喜ばせ感激させている。男性器を情熱的に眺めて触って弄りつつ接吻する響子さんなど、この夫婦だけの空間でしか決してお目には掛かれないであろう。

その際には・・響子さんからしたら尽くす気持ちとご奉仕したい感情は無論あるのだが、愛する男の性器を女性として可愛がりたい気持ちの方がもしかしたら強いのかも知れない。

彼女のふっくらした唇を通過し口腔内に五代君の男性器が呑み込まれる・・胡坐を掻いて響子さんに全てを任せて美しい妻からの後始末と証する濃厚で愛情の込められたフェラチオに酔い痴れる夫の五代君。

愛する男の股座に美麗な顔を埋めて熱心に作業に取り組んでいると、その夫である五代君が響子さんの素晴らしく美しい・・ぶるんぶるんと魅惑的に揺れ動く見事な乳房を鷲掴みして何度も揉み上げて弾力と滑らかな肌触りを堪能したりする。

響子さんは夫を下から見上げて妖艶な光が輝く瞳で((あ・・ん・・裕作さん、あたしのオッパイも一緒に可愛がってくれるの・・ね?))と、訴えるかのようだ。また、乳房だけでなく響子さんの首筋も五代君は撫でる時もある。

フェラチオの途中なので口が完全に塞がっていて言葉を発することの出来ない響子さんが”くぅ・・・・んん・・・・・くうぅぅ・・”と鳴き声を上げて嬉しい気持ちを表現する。猫撫で声などという表現があるが、健気な彼女の喜ぶ音声は遥かにそんなものを凌駕している。

余りにも嬉しい甘美な刺激が強すぎて既に一度か二度奮戦した後なのだが、終了する為の後始末で掃除をしている筈が・・・五代君のイチモツは再度屹立の状態を取り戻し、激しく情熱的な再戦に挑むこともしばしばだ。

 

響子さんも当然ながらそれにすぐ気付く。夫の男性が復活していくのを彼女が口腔内に呑み込んでいるのだから即座に分かるので、大きく目を見開いて夫を見上げる。五代君の表情から((もう一度、いいかな?))との意思を悟ると男性器を口内から抜き取る。

そんな時の彼女の視線は夫の復活したイチモツに釘付けだ。響子さんは何も語らなくて表情では((あぁ・・もうこんなに逞しく・・若々しく・・勃起してしまってる・・凄いわ))とでも言いたげなのは明白なくらいに情熱的に見詰めている。体位は色々試みるが今回は・・・

背後位、いわゆるドギースタイルを選択し五代君が響子さんの女体を裏返してうつ伏せにさせる。彼女は何も逆らわない。ただ頭も布団や枕に自分で押し付けて夫が挿入をし易いように指示も受けずに腰を高く上げていく。五代君は無言で彼女の臀部を、尻たぶを揉み始める。

明かりの消えた暗い寝床であるのに響子さんの真っ白なお尻は光を反射して、その白さが余計に目立つ。五代君は遠慮なく尻たぶを二つに割ったりして彼女の慎ましいアヌスの窄まりをじっくりと眺めたり性器の膣穴を尻の肉を引っ張ることで自然に広げて性器の中までを

覗いたりする。つい先程、自分が排出した精液が少し垂れて来るのも目にしてしまう。余りにもじっくりと凝視する夫を咎めるように美しい妻が”・・あん・・・裕作さん・・・そんなにじっくり覗かれたら・・・恥ずかしいわ・・・”と呟くこともしばしばだ。

だが何も拒絶の意思などは無い。五代君はただ”・・うん・・・”と呟きを返すか或いは無言で自分の勃起したイチモツを背後からいきなりではなく、ずぅぅぶぅぅぅとゆっくり挿入を開始する。妻の膣壁の感触、彼女が優しく締め付けてくれる味わいを堪能して・・抉るように

響子さんの膣内、姫筒の中身を攻めていく。響子さんも喘ぐだけでなく話し掛けてくることもある。”ぁぁ・・凄い・・・素敵・・・切ないの・・・あぁんん・・・裕作さん・・・逞しくて・・若々しいのね・・・はぁ・・んぁ・・ぁぁ・・も、もう・・また・・イキ・・そう”

愛して止まない麗しい妻から賞賛と喜びの声を耳にすると五代君も攻撃姿勢は更に過激になる。どんどんと速度を上げていって、響子さんを絶頂に導いていこうと努力をする。”きょ、響子・・おれ、凄い好きだよ、大好きだ・・響子・・もっといくよ!”彼の熱意は冷めない。

愛する夫から熱い感情も受け取り、更に気持ちも高ぶらせて・・響子さんはますます絶頂の域へと登り詰めていく。もう限界かも知れない。

”うん、あたしも、好き!大好き!・・あ・ぁ・ぁ・・もう、ホントに・・だ、駄目ぇ・・ゆう・裕作さん・・・かっ・・はぁぁ・・くぅぅ・・イク、イっちゃう・・・あ、お願い・・・一緒に・・一緒にね、ねぇ?・・あぁ・・裕作さぁん!!!・・くぅっっ!!”

遂に再び響子さんは絶頂を感じて全身を震わせて歓喜な気持ちを表し、むっちりとした臀部も夫の腰の動きに連動するかのようにクネクネと揺らしていってしまう。

響子さんが絶頂を迎えたたのほぼ同時か直後に五代君は己を精子を何億個も含んでいる白濁した精液を全て射精して排出し、彼女の膣内に注ぎ込む。今夜は3回目の射精だ。

響子さんの素晴らしく麗しい女体という美肉は満腹となったり食べ飽きることなど五代君にとっては全く無縁の様子だ。しばらく濃密であった性交渉の余韻を楽しみ二人は繋がったままだった。ようやく五代君もイチモツが萎んだので妻の膣内から抜き去る。

その先端からは精液が糸のように連なって彼女の膣穴との間に白い線が描かれる。流石にもう限界だ。無理に限界など突破する気は無いので今宵の営みを終了させようと五代君は響子さんの肢体をうつ伏せから仰向けにさせる。

そうして彼女の両脚を大きく開脚させて女性器を見詰める。自分の精液、彼女の愛液、二人の体液と汗でベトベトの状態であるのを今更ながらに視認すると傍らに用意してしていた濡れタオルやウエットティッシュなどを駆使して丁寧に丁寧に拭きあげて綺麗に後始末を行う。

至近距離で夫の五代君に女性器を凝視されているのだが、こんな時には響子さんも五代君に”えっち”とも”すけべ”とは言ったりしない。ただ、夫に身を任せて精神的にも依存の極みであるかのように・・恥ずかしそうに頬を染めながら夫の行動を見守っている。

五代君は響子さんの女性器の眺め柔らかい感触、芳しい特別な響子さんの香りを堪能し、本当に心を込めて拭いていく。この繊細な器官は日々愛し合う場所でもあり、将来は自分たちの愛の結晶を出産してくれる大切な場所であるから誠心誠意丁寧に掃除するのは当たり前だ。

今夜は最中に自分からの口数が少し少なかったかなと思えて情事の後ではあるが五代君は響子さんに話し掛けたりした。

 

”本当に物凄く気持ち良かったよ、響子・・・うん、君の体って何から何まで本当に綺麗なんだね?・・・オッパイも乳首も、恥毛も、性器も膣も・・全部綺麗で触るのが惜しいくらい・・・お尻もそうだね。ずっと触ったり眺めたままで、おれ・・眠りたいよ”

五代君は妻に絶賛する気持ちを感じたまま素直に呟いていく。自分が今夜も堪能した見目麗しくて柔らかい、滑らかな全裸の女体を知っている限りの美辞麗句、でもお世辞ではなくて本気で真面目な表情で・・心底から嬉しそうに語る。愛する男性に本気で褒められて響子さんも

頬をますます赤く、顔中を赤く染め上げていって、”・・裕作さんは・・・褒め過ぎ、よ・・いつも・・・見ているじゃない・・好きなだけ・・・”何か軽口を叩きたいのだが、こんな風にとことん可愛がられて本気で愛された後では愛する男性をからかうことすら難しい。

彼女自身の夫への真摯な恋慕と愛情が冗談を紡ぎ出すのを無意識に防いでしまうのかも知れない。響子さんを毎晩のように可愛がり満足させてくれる優しく逞しい夫の五代君。そんな彼を見詰める彼女の眼差しはとても熱く、その瞳は恋する乙女の如く、きらきら輝いて美しい。

こんなに心を込めて彼女の女性器を綺麗にしてくれる夫に対して、((この後・・あたしが裕作さんの男性器を綺麗にしてあげる・・・だからその時には、全部身を任せてね・・裕作さん♪))と響子さんも恥じらいながらうっとりとした表情の中、内心で考えて呟いていた。

昨日も今日も・・そして明日も繰り返されるであろう仲睦まじい夫婦の営み。本当に生きている実感が二人とも互いに五感の全てで感じられて、この生活が幸福の極み、本心から幸せで嬉しさや楽しさの極致であると考えてそう思えている五代君と響子さんであった。

そんな夜の充実した性生活の翌朝、この間は仕事への見送りに玄関口まで来てくれた響子さんを見詰めていると五代君はいつもながらの美しい新妻の立ち姿から・・昨夜の艶めかしい合体状況と麗しい女体を貪り尽くした記憶、超絶に眩しくて輝くように綺麗な妻の裸体を

目の奥に焼き付けた映像が甦ってしまい、見惚れたまま正直な感想をうっかり無意識に呟いてしまったことがある。

 

五代君が、”響子・・今朝も可愛くて綺麗だね。君は本当に歳なんか何にも取らなくて、ずっと素敵で凄く美人な女性のままだよ・・”などとお世辞や美辞麗句ではなくて本音を言葉にして響子さんに告げてしまった。響子さんもまさか公衆の面前で二人だけの時にしか言われない

睦み事の台詞を耳にすると、”・・(かぁぁぁぁっ)・・”と顔中をそれこそ完熟したトマトみたいに見事に真っ赤に染め上げ慌てて、”な・・ゆ、裕作さん・・止めて下さい。人前でそんな・・・あ・・あたし・・・恥ずかしいわ・・・・・”と赤面したままで俯いてしまった。

二人の背後には玄関で住人たちがたむろしていたのだが・・相変わらずの熱々な新婚さんがまたイチャイチャしてる!!とばかりに、その直後から(五代君は出勤と称して逃走)残された響子さんを相手にして散々に遠慮泣く冷やかしまくったのである。

朱美さんなどは、”昨日は激しかったからねぇ?深夜の地震って恐いわぁ。ねえ、管理人さん・・震源地はどこかねぇ・・へっへっへ?”、一の瀬さんも、”夜更かしが過ぎると体に毒だよ。若いんだからさぁあって過信すると体、壊しちゃうよ。腰の辺りは大丈夫かい?”、

四谷さんもクソ真面目な表情で、”充実した暮らし振り、何よりでございます。夫唱婦随とは管理人さん御夫妻の為に存在する言葉ですな。婦唱夫随と夫と妻の位置が上下に入れ替わり立ち替わり、夜も上下に位置が入れ替わり立ち替わり、ですぞ”、二階堂くんも負けていない、

”似合わないなあ~五代さんが女性を愛の台詞で口説くなんて。らしくない!管理人さん、もうちょっと旦那さんにセンスを磨くように指導して下さい。あれじゃあ、参考にならないですから。だって、あの台詞で五代さんは管理人さんを口説いて落としたんですか?

まさかね、違いますよね~?”・・などと、今回は生贄が赤面してて弱々しいので遠慮の無さも普段の倍以上だ。

いつもなら何を冷やかされても割りと平然としている響子さんであったが、今回は余りにも惚気が過ぎる台詞を愛の囁きの如く、夫の五代君に人前で言われたものだから、その赤面状態からなかなか回復できず管理人室に逃げ帰ってもしばらくは顔の紅潮が収まらなかった。

((もう・・・裕作さんたら・・・時と場所を考えてくれないと・・・みんなも遠慮無しに・・・冷やかすの大好きだし・・・・もう・・恥ずかしいなぁ・・・た、確かに昨夜は、その・・凄く充実が出来て・・・気持ち良くて・・・満足で・・愛し合えて・・嬉しかったけど・・))

((この間みたいに・・二人きりならまだ・・言われても・・大丈夫なんだけど・・・))

普段の何気ない会話の中で・・「裕作さん?あたしももう27歳なんですからね!」と響子さんが冗談みたいに軽口を叩くと、夫の五代君は即座に瞬時に凄く真剣な表情で「響子は歳なんて全然取らないよ!」と本気で強い口調にて断言する。

口説き文句などではなく心底そう考えているのが分かる口調で言うものだから、その時・・響子さんは顔中を本当にかぁっと真っ赤に染めてしまった。

響子さんはそうして真紅に染め上がった顔を五代に両手で包まれて「こんなに可愛くて綺麗なんだから歳なんて取る訳が無いじゃないか」と再び真顔で言われてしまい、つい響子さんは「・・・それは裕作さんが・・いつもあたしを・・可愛がってくれるから・・かしら?」と

照れ隠しの軽口を少し恥らいながら呟いた時に・・・お互いに何だか凄く欲しくなってしまい・・・・どちらともなくお互いに舌まで絡めたディープキスをし始めると、本当なら買い物に二人で出掛けに行くはずであったのに・・管理人室で激しく・・・濃密に・・・濃厚に・・・

後背位・正常位・騎乗位と続けざまに三回もたっぷりと貫かれ(合間にご奉仕フェラやパイズリも挟んだが)、その都度きっちりと射精もされてくたくたになるまで破廉恥に時間を忘れて愛し合ってしまった記憶を響子さんは思い出す。

(あれが伏線だったのかしら?・・・そして昨夜の裕作さんとのエッチが・・・凄くて・・・))

 

響子さんは正座して座り込みながら昨夜の生々しい営みの記憶をつい思い浮かべていた。余りにも甘美な遠慮など無い互いに激く求め合った交わり・・・正しく獣の・・発情期における雄と雌の交尾のような営みの性交を・・睦時を思い出し顔を赤くする。

二人で銭湯に行って帰って来たら、寝巻きに着替えようとする響子さんを制して、”おれが着替えさせてあげるね?”と言った五代君。『着替え』と確かに言った筈なのに・・結果的には裸に剥かれてしまい・・包み隠さず裸の全身を眺められて、それからが・・・開始だった。

いつもは五代に求められてからすることが多いフェラチオさえも昨晩は自分から積極的にしてしまった・・・でも夫の勃起したイチモツを頬擦りして呑み込み、睾丸も手の平で包んで重さや感触を実感させて貰ったから・・きっと気分的にも高揚できたのよねと自問自答する。

前にした時と同様に精神的にドキドキして興奮していくことが出来たし自分自身も濡れてしまって・・・あの人も凄く喜んでくれた。

次もまた・・・愛しい裕作さんの逞しい性器を自分で愛して可愛がってみたいなと考えを巡らせると、間違いなく彼も喜んでくれるし・・激しく嵌め込んで貫いて、とっても逞しく可愛がってくれるであろうことが確信できてしまい、響子さんはますます頬を赤く染めてしまう。

 

昨晩は確かに五代君から大好きな愛する女性として性的欲求の対象者として、女として求められ腰が抜けそうなくらい可愛がられてた。だが自分だって、大人の女として五代君を・・愛する男性として、女として性愛する相手として大胆に求めて・・彼の体を堪能させて貰った。

互いに文字通り貪欲に求めて快楽を絞り尽くしてしまった感がある。五代君とは最初に正常位で繋がり激しくピストン運動をしたかと思えば円軌道で腰をくねらせて攻められ、それに響子さんもしなやかな両脚を絡めて連動して絶頂まで導いてもらった。

膣内にたっぷりと夫の五代君に射精してもらった後、直ぐにイチモツを引き抜かれるのは響子さんは余り好まない。引き抜かれそうになると((あん・・裕作さん?・・まだ・・抜かないで?))とばかりの健気で可愛い表情を浮かべるのが常だから、彼女の望む行為は明白だ。

そう、響子さんは射精された後に夫の分身が萎むまでじっくりと膣の随意筋で締め上げて余韻を楽しむのが好みなのだ。

五代君も当然それを知っているので抜いたりせずゆっくり優しく子宮の奥まで突っ込んだり引いて戻したりして彼も妻の体内の柔らかい感触を楽しむ。

その後に一旦引き抜いて離れ離れになるが、今回は特に大量の精液を彼女の性器に射精できたのを実感したので、響子さんの股を大きく開いて膣穴から・・・・

収まり切らずにどろりと流れ出る己の出した白濁色の液体を眺め、その殆どが収まった膣穴に指を入れて掻き出してみたりもした。そうして膣穴の内壁を指先で撫でて確認もしていた。とっても柔らかくて・・しっとり潤ってるな、と夫は嬉しそうな顔をする。

今回の放出した量を指で確認して満足気な夫の行動をされるがままに受け入れて見詰め続けた響子さん。

”あん・・裕作さんって・・あたしの大切な性器に意地悪な・・・悪戯をする・・・悪い男の人なのね?”と呟いたりするから言葉尻では批判だが、意味は実際には異なる。

五代君もそれが分かっているから”うん、おれ、響子にエッチな悪戯するの・・性器だけじゃなくて、オッパイとかも・・全部大好きなんだ”などと戯れ事を言い返したりする。

響子さんに可愛い戯れ事のような軽口を叩かれながら・・・五代君は彼女にキスを・・舌を絡めたディープキスを行い妻の素晴らしい乳房を両手で鷲掴みして弄り揉む作業を同時進行させる。この間に二人の会話は実はそう多くはない。

((裕作さんは・・あたしに・・恥ずかしいけれど・・・卑猥なことをしても・・いいのよ・・・だって、あたしの愛する旦那様なんだから・・・・でも後で・・あたしにも・・・破廉恥なこと・・・させてね?・・・響子はあなたの・・妻で・・お嫁さん・・なんですもの、ね?))

響子さんも喋らずに内心ではそんなことを考えていたりする。夫の五代君を優しく信頼して愛情深く見詰める表情にはそんな気持ちが込められているのを彼も新婚生活を過ごすことで最近は特に良く理解している。

阿吽の呼吸で相手の望む行為を・・この時点では響子さんは五代君のなすがままである。だが後では五代君の体を愛でる行為に移行するつもりが満々で、五代君もそうなると響子さんに体を預けて彼女の望みを実現してもらう。

彼女も自分を満足させてくれた夫の男性器を可愛がりたいのだ。別に技術など稚拙でも構わないから気にしない。精神的に相手を愛でたい気持ちこそが尊いのだ。

五代君にとって理想を体現した最高に憧れている最愛の妻が、普段は慎み深くて上品な美しく魅惑的な女性の響子さんが五代君のことを愛する男性で夫として、彼の男性器に奉仕してくれたり丁寧にキスを繰り返し匂いを確かめ頬擦りなどもして彼女なりに愛してくれることが

睾丸の重さを手の平で確認して((あぁ・・重たい・・のね?))とばかりに熱い溜め息を吐いたりするのが、天にも昇る気がして堪らないくらい最高の気分を味わえるのである。

 

五代君にとって理想の女性とはズバリ響子さんのことであるが、響子さんにとっての理想の男性とはやはり五代君だけなのである・・だから傍に居てくれるだけで本心から嬉しいのだ。

頼りない面も見せる少年のような、母性本能を刺激する年下男性の可愛らしさを気質として自然に持ちながら一途に愛する女性を大切にして、心も愛惜し気に包み込んで四六時中守ってくれる。自分のことなど省みずもせずに、ただ一途に。

響子さんは自立した強い女性であるが、彼女にだって実は、か弱い女性の一面もある。とても頑固で融通が利かず割り切れない一面も、我が侭で嫉妬深いヤキモチ妬きな一面だってある。そんな彼女の内面を理解し、そんな女性だからこそ大好きだと本気で真顔で言ってのけて、

彼女の壊れそうに繊細な心の一部分も身を挺して守り覆ってくれる心の大きさが有るのが五代君であり、それだけではないのだが響子さんが昔から心惹かれて大好きな男性が五代君だけなのは、彼女の純粋な心の琴線に触れる好みを実際に体現化しているからなのだ。

だから彼ら夫婦は互いに理想の異性として熱烈に愛し合い暮らしているので並の新婚夫婦など比較対象ですらないくらいに仲が良いのもある意味当然であると言える。

 

黄金律の如きバランスで計測し創造され彫られた女神か天使の彫像とか思えないくらいに見目麗しい美貌の女性である響子さんの類稀な美しいヌードを、夫として好きなだけ堪能できる五代君は夫婦として営んで合体する前後に凝視し嬉しいのと同時に感嘆の溜め息を

内心でも口に出して言葉でも常に吐いているのは当然だ。絶品だとも超絶的に素晴らしい女体で”艶やかだね”・”綺麗だね”・”美しさの極致だね”などと言いつつ堪能されて恥ずかしいほど褒められる。

瑞々しい半円球を描く両乳房は滑らかな肌理に静脈が薄く透き通り、漆黒の恥毛はあくまでも控え目にたたずむ。そして染みひとつ無いバギナは本当に綺麗なピンク色で常に艶やかで五代を魅了して止まないのだ。

”響子のヌードって・・おれの理性を崩壊させてくれる程にね・・・ホント麗しくて綺麗過ぎだよ。見飽きないし・・見る度に嬉しくて・・おれ、鼻血が出そうに大興奮なんだ”五代君からの賞賛は全然全く終わらない。

”もう、何を今更・・・いつも見てるじゃないですか”・・(これは響子さんの口癖だ。あんまり毎回毎回、五代君が響子さんの女体を絶賛するので条件反射のように言ってしまう)

"・・・裕作さんたら・・両目をこんなに大きく見開いて・・至近距離で・・じ~っとじっくり凝視したりして・・えっち・・・すけべ・・・”と表面上は恥ずかしさを隠し煙に巻いて軽くあしらっているが、やはり女の性で好きな男性から真摯に綺麗だと

絶賛され褒められると嬉しくない訳が無い。

響子さんにとって、それこそ内心では本当に女冥利に尽きるというものだ。

 

もっとも、そもそもだが彼女の美麗なヌード姿を楽しむのは嬉しいが五代君にとっては響子さんと殆ど毎晩のように性交渉に挑んで若い性欲を彼女と一緒に満たしているのだから、そちらの方がより重要なことだ。

憧憬を持ち続けた理想の女性である響子さんとは夫婦として常に愛し合っていることが大切で最高に幸福な事実である。無理に押し倒さなくても五代君の目の前で無防備に寝転び、微笑んで信頼と愛情に満ち溢れた表情と瞳で響子さんは夫の自分を見詰めてくれるのだから。

別に承諾を得る為に尋ねなくても響子さんの名前だけを呼んで性愛の儀式であるセックスを求めても五代君の意図を読んで理解して、ほぼ応じてくれることが嬉しくて嬉しくて仕方がない。

その甘美な生殖行為の最中にも彼女は、響子さんは”あぁ・・裕作さん・・逞しい・・・素敵・・・大好き・・愛しているの”と麗しい嬌声と共に愛の言葉を・・五代君の体に腕や脚を絡めながら熱っぽく囁いてくれるので益々張り切ってしまうのが日常茶飯事だ。

何度も貪欲に求め合い性的な快感を味わい尽くした後に響子さんは夫の五代君に愛情に満ちたキスをしながら・・もっと物凄い愛の告白もしてくれたりする。

”裕作さん・・あたし・・・あなたに可愛がられているとね・・大げさじゃなくて・・生きている実感がするの・・本当よ。キスしたり、ぴったり寄り添って、二人で直接・・繋がってね・・愛し合っている瞬間が凄く好きなの”

”ねえ、聞いたことがあるかしら?ウサギってね、構ってもらえないと寂しさで死んでしまうんですって。・・あたしもね、かなり同じ。裕作さんにこんな風に愛されていないと寂しくて・・・生きていて楽しくないし嬉しくないの”

”だから、ね・・・また今夜みたいに、あたしを逞しく抱いて満足させてね?・・とっても気持ち良くて・・素敵だったから。・・・裕作さん・・・大好き・・・・あたし・・響子はあなたの妻なんですから・・・ね♪・・愛している・・の♪”

そんな感じで男として感涙したいほど素晴らしい、心からの愛を訴える響子さんを五代君も心から愛している。生理の時だって夫に対してしか出来ない話をしてくれる。

”生理の時でもね・・エッチするのは別に構わないのよ。それが重くて体調が悪ければ遠慮して貰うかも知れないけど・・病気じゃないんだし・・・でも出血とかオリモノが流れて出て来ても・・びっくりしないで下さいね、裕作さん?不可抗力なんだから”

少し恥らいながらも女性としての特別な身体の出来事を説明されると・・五代君は自分が響子の夫なんだと強く実感できる。こんなこと赤の他人である異性の男になんか絶対に言わない話なんだからな、と思えるから。

ふと考えてみれば彼女との性交渉で避妊したことは実のところ数回しかない。オーソドックスにコンドームを使用したのだが五代君も響子さんも性的な満足感を完全に得られなかったと感じて、確かに後始末は楽なのだが互いに余り好まなかったのと初めて結ばれて以来、

夫婦になって一緒に暮らす夢を見ていて純粋な子作りがしたい気持ちが強く既に将来を見据えていたので、その概念は余り頭に無かったからだ。

露骨な表現になるが五代君と響子さんはほぼ毎日お互いの性器を結合させる性交渉をして愛を確かめ合っている。相手の体の隅々までを見て触って熟知をしている。生殖行為を避妊せずに行い性的な快感を求め満足するまで愛し合う。

自分たちはもう既にそういう深い男女関係なのだと、夫婦なのだと考えて見詰め合うのが自然になっている。

例え性交渉を伴わない時間帯でも同じだ。昼間に五代君が響子さんの肩や腰に自然に腕を回すと、響子さんも自然に夫に身を委ねて寄り添う。

体温や香りを感じ心臓の鼓動も感じるだけだが、その単なる着衣のままで体を密着させるだけでも愛し合う行為の一つとして大切なものと感じている。

もう生きていく上で二人ともお互いが絶対に必要不可欠だと信じているのだ。

 

熱を帯びた瞳で夫に普段の一緒に寄り添って仲睦まじく就寝する状況を語る、待望の懐妊が判明したばかりの妻。夫婦だから同じ部屋、同じ布団で一緒に眠るのが当たり前。お互い裸だったりするのも日常茶飯事。そんな他愛も無い事柄が幸せで嬉しい五代君と響子さん。

彼女の無垢な微笑を見詰めると現実のことなのに夢か現か幻なのか・・上手く言えないが天国なのか桃源郷なのかも知れないなとも思ってしまう五代君。

「うん・・それがね・・・今でも、おれとっても嬉しくてね。響子が奥さんで、おれのお嫁さんなのがすっごく嬉しいのと有り難いのと幸せだから」

「それは・・うん、あたしも同じ。裕作さん・・あなたがあたしの旦那様なのが凄く・・本当に嬉しいの」

「ありがとう、響子♪・・・愛しているよ・・・一緒に目を瞑って寝ようか?」

「うん・・あたしも・・愛しているわ。・・・お休みなさい♪・・・・裕作さん♪」

もう一度、眠りに着く前の挨拶代わりにキスを10秒、20秒と長めに唇を密着させて行い、お互いに目を瞑って眠ろうとする相思相愛の五代夫妻。

温もりと共に気持ちの通じ合いを感じて安堵した表情で二人とも眠りに落ちていった・・・・・。

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17年前の受胎告知を受けた日・・・あれから目覚めてのんびりと二人で過ごしていたら母親の律子さんが帰宅し、早速報告すると当然ながら大喜びで大騒ぎ。父親の会社に連絡をするわ、お祝いだと叫んで今夜は祝賀パーティーとか言い出し物凄い舞い上がりっぷりだった。

父親が帰宅すれば更なる大騒ぎで全く落ち着かない。結局その夜も響子さんはもちろん、五代君も翌日仕事があるものの一刻館に帰ることが出来ず響子さんの実家に泊り込むこととなった。

夕食ではお祝いに響子さんだけアルコールを抜いての乾杯など、母親の律子さんが鯛の尾頭付きまで用意して前日を上回る(響子さん談)大変な盛り上がりであった。

響子さんの父親からは将来における同居など、するかどうかは別にして選択肢の一つとして検討するようにお願いされるなど五代君だけでなく響子さんもたじたじの勢いであったのが忘れられない。

何しろ響子さんが翌年に出産するまで夫婦二人で実家に泊まり込んでも全く構わんからとまで言い出したから、二人とも目が点になりそうだった。律子さんまで”お父さんにしては珍しく良い考えね”とまで賞賛して賛同したから参った。

(そんな父親、五代君にとっての義父も今は既に亡き人だ。3年前に突然の心臓発作で亡くなってしまった。もう少し孫娘の成長を見守りたかっただろうにと思うと気の毒だし残念でならない)

実際妊婦となった響子さんが一刻館の管理人を続けるのはかなり負担であったのだが、そこは五代君と二人で何とか乗り切り無事に翌年4月の出産まで漕ぎ着けたのも懐かしい思い出だ。

破水した響子さんが病院へ五代君と一緒にタクシーで行き、誕生するまでの時間を廊下でソファーに腰掛けて待機していた時は本当に気が気ではなかった。

でも無事に誕生し大きな産声を上げて、耳で聞いた瞬間は自分がパパになれた瞬間でもあったので最高に感動して感激したのを覚えている。その産まれた娘がすでに今年は高校1年生にまで健やかに成長した。

 

今はマンションを購入し風呂トイレはもちろん、夫婦の部屋、子供部屋、台所、食卓、居間、客間など複数の部屋がある住環境だが娘が9歳を過ぎる頃までは風呂無しトイレ共同という一刻館の管理人室に3人で一緒に6畳一間の空間で住んでいたのだ。

娘は最初からその環境なので何も不思議には思っておらず、夜に三人で寝る時も、どこで覚えたのか”おやこ3人川の字~”と呟いて無邪気な笑顔だったのが嬉しかったのと申し訳ないなとの気持ちが混在していた記憶がある。

 

独身時代を考えれば今の自分が信じられない位に凄く幸福なのは考えるまでもない。検討や考察なんて全く不要だ。おれがどうしても恋人になりたかった女性である響子と現実に結婚し夫婦となって娘にも恵まれて家族として家庭生活を営んでいるのだから。

考えてしまうのは・・よくもまあ、響子がおれを見捨てなかったことだ。浪人で苦しんでいた頃に知り合い、彼女の発破で何とか大学に受かり、でもバイトばかりで勉学には余り励まず卒業しても職探しは真剣にやったが上手くいかず就職の浪人にまでなってしまった。

今時のフリーターと全く同じ境遇で、でも少しずつ自分に向いている気持ちになれて興味も持てた保父の仕事を目指してバイトと専門学校の掛け持ち。そんな将来性が皆無の男をよくもずっと見守っていてくれたと感謝しか・・感謝だけでは足りないだろうな。

おれが響子を好きな気持ちだけはどんな状況でも境遇でも変わりは無かったけれど・・・本当に『それだけ』しか無かった。おれが誰を好きになるかは自由だ。それを相手の女性が受け入れてくれるのかどうか、それは無論のこと相手の女性の自由だ。

幸運であったのは当たり前。偶然の力も作用してくれたと思う。不運な男と自分でも思っていたけれど、それはこと、響子との恋愛に関してだけは運が少しだけ・・いや、かなり多く働いてくれた。おれの力だけで恋愛が成就したとは思い上がりに過ぎるだろう。

ただ、おれという男と響子という女・・それこそ”boy meets girl”だけれど、この運命が待っていてくれて幸福を掴めた。おれはおれなりに真剣に好きな気持ちを響子に伝えた。そしてそれを、その時には受け入れて貰えなかったけれど、けれども・・・

ずっとずっと何年もおれという男を見て、少なくとも響子を愛する資格だけは持っていると認めてくれて・・・5年以上だから2000日前後の月日を費やして・・・恋人に成れた。そしてその翌年の春には結婚して晴れて夫婦にだって現実に成れたんだ。

 

夢か現か幻か?・・昔よく不幸な悪夢を見てうなされてしまって、すぐ横で寝ていた響子を何度か心配させてしまった。

保父の国家試験で合格発表の日に不合格と判明し響子に振られて別離を告げられる悪夢・・・ただの夢であったが、何故かリアリティがあって忘れられない。なにせ響子の台詞が凄かった。それは想像でしかないんだけれども・・・。

掲示板に自分の受験番号を発見できずに会場で呆然とするおれの背後に何故か響子がいて、”お落ちになったんですのね・・試験。・・・お別れですわ”などと呟かれたのだから、夢の中のおれは焦った。メチャメチャに本気で・・。

焦って必死で言葉を紡ぎだして、”そんな、僕たちはもう・・・”と情けない声しか出せないでいると、響子から、”他人じゃないとでもおっしゃるの?・・冗談じゃありません、あれは1回きりの過ちですっっ!!!”と凄まれてしまい・・・

何故か響子は魔法使いのように愛用の竹箒に跨って”さようなら”と冷たく言い放ち飛び去ってしまったのだ・・・。

そんな響子に向かって、おれは”来年こそ合格しますから、捨てないでっ!!!”と叫んでいたのだから、自分でも情けなさが酷すぎて自己嫌悪に陥ってしまいそうになった。正直あの悪夢はもう見たくない。

 

でも実際には何とか合格できて・・保父として正式に採用もされて・・・確かに自分でも精一杯真剣に勉強したし努力もした。だけどそれだけではこの保父という仕事を掴めなかったと思う。響子の心からの応援が無ければ・・・無理だったんじゃないかと考えている。

いくら婆ちゃんから材料費を送って貰っていたとは言っても、おれなんかの為に手間暇を掛けて・・あんなに美味しく愛情の詰まった弁当を作って励ましてくれなければ・・・真剣さと集中力が極限まで湧いて来なかった。

その当時の弁当について何度か響子には直接お礼を言ったけれど・・彼女は笑って、”作り甲斐もあって楽しかったんだから、別にお礼なんかいいわよ。でも本当に合格できて励みにしてくれたんだったら作って良かったなって思うわ”とその都度返答してくれた。

 

なかなか感謝の気持ちを込めたプレゼントが思い付かなくて申し訳ないけれど・・・もし何かを購入して渡せば、受け取ってくれても”無駄遣いよ”・・なんて決して言いはしないけど、何か伝えたいなと思っている。あの時の嬉しかった気持ちに匹敵する何かを。

でも・・真剣に好きで、凄く大好きな女性から手渡された手作り弁当になんて・・匹敵するものはこの世にあるんだろうか?あんなに美味しくて見栄えも綺麗で可愛らしい・・どう考えても手間暇が必要でそれを掛けてくれてた、あの色んなお弁当。

特に忘れもしない・・おれが保育園のバイトを人員と経費削減の為に解雇されて・・・何とか見付けたキャバレーのバイトで糊口を凌いでいた頃、おれが保育園の仕事が嫌になったか飽きたかで勝手に辞めたと響子に勘違いされて、一時ストップされた弁当・・・。

でも事情をようやく知って、理解してくれて復活した彼女のお弁当・・ウサギさんをイメージした可愛らしい内容で、しかも平仮名で『しっかり』なんて文字まで入れて励ましてくれて・・おれ、頭を下げ続けて食べたっけなあ・・・。

結婚してから言われたことなんだけど、響子から・・”お弁当の頃ってね・・もうあたし、あなたのことが好きだったのよ。大好きだったの。・・だからね、お弁当を作ってたのよ。あたし、プロじゃなくて素人なんだから理由が無いと作ったりしなかったわ”ってね。

とっても嬉しい真相を、昔話として告白してくれたけど・・その時も嬉しかったなあ。そんな嬉しくなる彼女の、響子の気持ちと愛情を込めて作ってくれたお弁当・・・価値なんて大き過ぎて換算出来ないのが本音だな。でも、何か少しでも感謝と恩返しが今でもしたいんだ。

おれはそれをずっと・・自問自答している。果たして解答が導き出せるのかどうか自信は今のところ無くて・・思い付かないままなんだけれども・・・。

 

響子に内緒で、娘の春香に相談しようか?などと最近では考え始めている。同じ女性として何が喜んで貰えるのか、春香なら真剣に相談に乗ってくれると勝手に期待して思っている自分がいる。

でもそれでは根本的な解決には結局ならない気も実はしている。何でも良いから、不器用で不恰好でぶきっちょでもいいから・・・おれが、おれ自身で響子に感謝している気持ちを伝えることが出来るプレゼント・・・それが一体全体何なのかが分からないままなんだ。

優柔不断な己の性格が影響しているのだろうか?・・・最近は、響子からの応援の気持ちが篭った手作り弁当って金銭に還元して換算できるものだったのか?と考えれば何か購入するものではないと結論が出つつある。

 

だから・・おれが響子に、あの時の感謝の気持ちで何か君の望みを・・俺に対する望みを何でも構わないから言ってくれれば、おれは全力でそれを適えるよって言おうと考えてみた。響子はおれには物理的に絶対不可能なことは言わないと確信しているから、何でもするよ。

おれが・・あの時、毎日毎日受け取って嬉しかった、嬉しくなれた気持ちに匹敵する何かをして響子を喜ばせたい。おれ、今でも・・昔の学生時代よりは社会人として成長したとは思うけれど・・君から見たら頼りない男に見えてしまっているだろうな。

でも、そんなおれでも、何かしたい。おれが嬉しかった気持ちと同様に・・君に嬉しいと感じてもらえる何かをしたい。だって・・・本当に嬉しかったんだ。君の・・響子のお弁当。美味しくて温かみを感じて・・感激して・・・だから、何かさせて欲しい。

君にとって嬉しいことを。・・でも現在でも毎日、月曜から金曜まで響子が愛妻弁当をおれの為に作り続けてくれている事実を考えれば、果たして何回君の望みを適えれば匹敵するんだろう?

夜のお勤めを今以上に頑張る?いやいや、それは違う、完全に違う。おれたち夫婦の営みは義務なんかじゃない。すっごく自然なことなんだ。

おれが男として響子という素晴らしくも素敵な女性を性的に抱きたいから抱くんであって、おれが彼女を大好きな気持ちを伝えることなんだから、そうしてねって響子も告白してくれてる。あたしも抱かれたいから抱かれるの・・あなたに。と言ってくれてるから別次元の話だ。

そんな時の彼女の表情は響子がおれのことを”あなたはあたしの夫で旦那様なんだから”という固い決意を込めた眼差しで俺を見詰めてくれている。響子が”あなたはあたしの愛する男の人なのよ。ただ一人の”という感情を表情に露わにして腕を組んだり、おれの背中や胸板に

抱き付いて体を密着させて訴えてくれる。おれは響子のことを凄く愛しく思える瞬間だ。おれは彼女を響子を妻として考えるのは勿論だが、おれは響子に惚れているんだ!大好きなんだ!愛しているんだ!って気持ちが湧き出てきて、おれも彼女を思い切り抱き締めたくなって・・

いつも腕を絡めたり回したりして、ぎゅっとぎゅっとおれからも響子を抱き締めるんだ。響子のことが大切で大事で愛しくて、自分の体なんかどうでもよくなってしまう。おれは響子の身も心も壊れたりしないように守りたい。おれ、いつもそう思っている。

 

おれが響子の傍にいるのは当たり前のことだ。彼女の望みなのは確かだが、それはおれの望みでもある。いつも一緒に居て暮らしたいから結婚したんであって、それでは改めてのプレゼントにはならない。

夫婦二人だけの一泊か二泊の旅行?おれが全部取り仕切って響子には何もさせない。・・・でも旅行だと春香も連れて行ってやりたいし・・・・おれが仕切ると何故か失敗じゃないけど、変な突発事故を引き起こすし・・何かまた外しそうだ。思いっ切りズッコケなことを。

あんまし思い出したくないけど・・・初めてのデートみたいに場所を間違えて待ちぼうけとか・・・まぁ現代は携帯電話があるから、それはないだろうけどな。

 

一刻館の管理人代行をして響子に休暇を与える・・・余り良いアイディアじゃないかもな。おれに任せるのは響子も不安だろうし、掃除をするだけでも・・・おれの掃除能力は・・視野の狭さを指摘されてるし高い評価は今でも貰えてないから・・これは残念ながら却下かな。

せめてどこか美味しいレストランで食事するとか、夫婦二人だけでデートに出掛けるとかが一番無難なのかな?少しだけでも家事から解放させてあげられるし。これなら春香も不満を言わずに理解してくれるだろうから、これにしようかな。

デートといっても時間をゆっくり掛けてのんびり二人だけで過ごす・・時計とかも見なくていいくらいに。よし!早速提案を・・・する前に自分でもコースを考えて準備とか手配をきちんとしておこう。段取りが悪いから用意だけでもしておかないと・・・。

これでも響子の好きなこと、好きな場所、好きな食べ物くらいは・・おれだって把握しているから。長年連れ添った夫婦なんだから当然だけど、おれが好きな・大好きな・愛する女性の好みなんだから、知りたくて学んだんだから完璧に記憶しているさ。

よおし、取り敢えず決定じゃないけれど頑張ってみよう。少しでも・・少しでも、響子に喜んで貰えるように。彼女の喜びや嬉しさはおれにとっても同じ価値があるんだから。おれの大切な、愛する奥さんでお嫁さんなんだからな!

とっても優しくて朗らかで笑顔が可愛くて綺麗な・・おれだけの女性、大切な愛しい響子の為に奮闘するのは・・・彼女に喜んで楽しんで嬉しい気持ちになってもらう為に頑張るのが、おれの最大の生き甲斐なんだから・・・響子への恩返しに張り切って挑戦するぞ!!!

 

 

 

 

(完)

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