火埜翔織のHーEROACADEMYANOTHERLIFE 作:完全怠惰宣言
異論は認めない。
反省会から数日、耳郎響香は1人のクラスメートを凝視するようになった。
「(火埜の個性があればウチの願いが叶う)」
凝視されていることに気が付いていない件の生徒「火埜翔織」は戦闘訓練以降スキンシップが激しくなった「葉隠透」に後ろから抱きつかれながら、「緑谷静空」の個性学の勉強を見ていた。
葉隠透・緑谷静空。
この2人の存在により、耳郎は長年の苦しみから解放される光を見つけたのだった。
「火埜、明日何してるの」
1週間を無事に過ごし、最後の授業であったヒーロー学の授業が終わり、眠そうに目を擦り教室に戻る最後尾の火埜に耳郎が声を掛けたのは金曜日の放課後だった。
「明日ですか?特に予定もないので家にいるとおといますが?」
「じゃあ、明日あんたウチの家に来な」
唐突に切り出された自宅への誘い。
前方集団から離れていることが幸いして誰にも気付かれていなかった。
「えっと、耳郎さん?」
「訳は当日話す、で来るの来ないのどっち」
火埜と耳郎。
クラス内でも話をする方であり、感性“女の子”な耳郎が話をしてても楽な異性の火埜。
音楽の話になると殊の外饒舌で、旧代のアニソンがメインの火埜に話を会わせてくれる少女の耳郎。
そんな関係な2人だったのだが、火埜の目の前には何か覚悟を決めた少女が立っていた。
「僕じゃなきゃダメなんですね?」
その言葉に思い詰めていた耳郎の顔に若干の明るさが戻ってきた。
「うん、あんたじゃなきゃダメなんだ」
火埜と耳郎、見つめあっていたのはほんの数秒だったはずなのに、耳郎はとても長く感じた。
「いつ頃、お邪魔して良いですか?」
火埜は後に語っている。
その日初めて見た耳郎の無邪気な笑顔を独占したい黒い欲望にかられたと。
翌日、土曜日の昼下がり。
閑静な住宅街一軒家の玄関に火埜は立っていた。
思い起こせば女子の家に来たのは初めて(緑谷は幼馴染みなので除外)で、チャイムを押し後なのに急に整えた筈の髪やジャケットの下に着たYシャツの色味などが気になり始めた。
「いらっしゃい、悪いね休みの日に」
出てきた耳郎はハーフパンツにサマーセーターとラフな格好だった。
これは“男”として意識されていないと残念な気持ちになった火埜だが、なぜ残念に思えたのかよく解らなかった。
「ウチの部屋、2階の突き当たりだから先いっててよ飲み物持ってくから」
「それじゃ、お言葉に甘えて」
初めて入る異性の部屋(緑谷は幼馴染みだしガチオールマイト記念館状態なので認めない)はところかしこに楽器がおかれており、部屋の主が如何に音楽というものが好きなのか物語っていた。
しかし、どこか良い香りのするその部屋は紛れもなく女の子が生活する部屋であることを火埜に訴えていた。
「お待たせ、コーヒー飲めたっけ?一様砂糖とミルク持ってきたよ」
「あ、どうも。有りがたく頂きます」
そこから30分、日頃の学校でのことや中学時代のこと等、他愛ない話に花を咲かせていた。
すると、耳郎が真剣な面持ちで火埜を見つめた。
「火埜、お願いがあるんだ」
その真剣な眼差しに対して誠意をもって答えなければならないと覚悟した火埜。
「どうぞ、僕にしか頼めないことなんでしょ?」
相手を緊張させないために意識的に笑顔を作り、耳郎の話の続きを待った。
「う、ウチの」
意を決して口を開く耳郎、その姿には覚悟が現れていた。
「ウチの胸を揉んでくれ」
そんなに大声ではなかった。
むしろ、恥ずかしさで消え入りそうなその声は何故か部屋に響いたのだった。
「帰る」
瞬間的に立ち上がるとドアに向けて歩き出す火埜。
「待て待て待て待て待って、お願いだから話を聞いて」
耳郎も逃がさんと火埜の腰に抱き付き動きを止めた。
「耳郎さんなに言ってんですか?え、痴漢冤罪とか嫌なんですけど僕」
「お願い、ちゃんと説明するから待って」
数分後、服と息を乱した二人が椅子に座り直していた。
「まずは、この写真をご覧ください」
そう言って耳郎が机に置いたのは耳郎とよく似た女の子の写真だった。
「こちらはどなた?」
「ウチのお母さんの高校の時の写真」
そう言われてみると、雰囲気が柔らかそうなのと胸のサイズ以外は耳郎の面影がある、というか耳のプラグから血縁者であることは明白だった。
「見て解る通り、ウチと比べ否、同年代の平均と比べても明らかにデカイ」
何がと聞かなかったことに火埜は自分を褒めてあげたくなった。
何故なら目の前の少女からは並々ならぬ怒気が発生していたからだ。
「この人から産まれたのになんでウチは平均未満なんだと常に思っていた」
何やら演説が始まってしまい逃げ出す状況を逃した火埜。
変な覚悟が決まったのか、耳郎の演説を聞くことにした。
「だがしかし、遂にウチは希望の光を見つけた」
その言葉と共に火埜を指差す耳郎。
「火埜翔織、あんたの“晴の焔”の力でウチの願いを叶えてくれ!!」
この時、火埜の心は叫んでいた。
「(無茶言うなやボケー!!)」
何故なら、火埜の使用するオーラ“
大概の場合、大空を除く七属性の内1つしか適応せず、適応率が低い焔を使用する場合でも、大空の焔の特性である調和を併用することで害無く使用している。
しかし、世の中そんなにうまく出来ておらず、如何に調和させても適応率が低ければ効果は薄いし、もう1つどうしても無くすことが出来ない難点が発生するのである。
「耳郎さんは確か」
「そう、不幸にもウチが適応できたのは鎮静を表す雨だった。でも、ウチは諦めたくないんだ」
場面が違えばとてもカッコいいのに、いま現状はとてつもなく残念な少女の姿がそこにはあった。
「それじゃ、また来週」
「おい、ウチにここまで言わせといて帰るのか」
「いや、動機が不純過ぎる。何かの治療とかならともかく胸をでかくしたいってだけで僕の今後の人生賭ける要素どこにもないですよね」
その一言に耳郎は悲しみのあまり項垂れてしまった。
その隙にさっさと帰ろうとした火埜の耳に悪魔が囁いたのだった。
「緑谷と葉隠に有ることないこと言ってやる」
ドアノブまで手を掛けた火埜の首が音を立てて耳郎の方に向く。
そこにはテンパり過ぎて顔を真っ赤にして目がぐるぐる回っている耳郎が服に手を掛け立っていた。
「ウチに協力しないなら2人に有ること無いこと言ってやる!!」
戦闘訓練以降何かにつけて抱き付いてくる、なんなら意識して胸を押し付けてきている疑惑を感じる葉隠。
つい数日前プチ闇堕ちしたヤンデレの気質があることを知っている(さっさと爆豪が手を出せば良いのにとか思っている)緑谷にばらされる、ということは凄惨な光景がありありと想像させられた。
「鬼か!!」
「胸のためならウチは悪魔にだって魂を売ってやる!!」
「そんなことで安売りするなアホか」
「安売りじゃないもん」
ヒートアップしていく火埜と耳郎。
その時、火埜は気付いてしまった。
耳郎の目に涙が浮かんでいることに。
個性社会になっても、そういったところは変わることがなく、からかいの対象になりやすかった。
火埜が思っている以上に、耳郎は悩んでいたのではないか。
そう思ってしまった瞬間、火埜は根負けしていた。
「耳郎さん、約束できますか」
「んぐ、何を?」
「①“これ”は2人だけの秘密である
②施術時間は
③効果がでなくても騒がない」
「この3つは何があろうと守れますか」
「女に二言はない」
「それじゃ、ご両親が帰宅されるまでに終わらせましょう」
「いや、“やる”とは言ったけど、これは無いんじゃないかな」
「うるさい、タダで女の子の柔肌にさわれるんだから我慢しな」
「(そうじゃないんだけどな)」
現在、火埜はアイマスクとタオルで目隠しをされ、胡座をかいた股にはクッション、その上に上半身裸の耳郎。
「(ぶっちゃけ理性が持つ自信がない)」
「ほら、さっさとしな」
「(もう知らん)」
火埜は意を決して両手に“晴の焔”を灯し、更に“大空の焔”でコーティングし耳郎の胸に手を当てる。
「あぁー、暖か気持ちいい」
「(解ってたけどちゃんと女の子なんだよな、全体的に柔らかい)」
耳郎は自分の体を包み込むオーラの暖かさに気持ち良さを感じ、火埜はオーラを集中させた恩恵により、女性特有の身体の柔らかさを感じていた。
しかし、耳郎は知らなかった。
視覚を封じたことにより、火埜の身体は自己防衛のために残された4感を鋭敏にさせていることに。
「んっ、くぅあぁ」
時間が経つにつれて耳郎は徐々に、別の感覚を味わっていた。
火埜の個性にとってオーラは副産物に過ぎない。
しかし、本来であれば肉体と入れ替わる形で精神の器となるべき物、その一部であるオーラは言ってしまえば火埜自身である。
そして、大空の焔は火埜その物と言っても過言でない物であった。
つまり耳郎は今、肉体的にも精神的にも火埜翔織という存在に包まれ精神の繋がりが出来てしまったいる状態であった。
「(あぁ、なんだろうこの感じ。凄い気持ちいぃ)」
「(あ、まずい。そろそろダメだな)もしもし耳郎さんそろそろ終わりですよ」
「んぅん、やだぁ。もぉちょっとぉ」
「ウソ、相性良すぎやしませんか」
今、耳郎は15年生きてきて初めての感覚に襲われていた。
快楽を流し込まれ、後ろにいる男に全てを預けてしまいたい衝動に身を任せていた。
当初は隙間を空けていた身体を自分から密着させた耳郎からは女性特有の甘い香りが汗と共に漂っていた。
それは15歳の少女が醸し出してはならない極上のワインのような芳醇な色気だった。
そうなると当然クル物があり。
「あ(え、これって)」
「くっ(峰田のこと言えねえ)」
クッション越しとはいえ、耳郎は確かに固いものが自分の下に有ることを感じ取った。
「あぁ(ウチに“女”を感じてくれた)」
普段なら大騒ぎをする状況なのに、この状況に喜びを感じている自分に誇らしさを、ちゃんと自分を“女”と認識してくれている火埜に愛しさを無意識に耳郎は感じていた。
ふと、火埜は自分の視界か明るいことに気が付いた。
瞼をあげると目の前には瞳を潤ませ、頬はうっすらと朱く染まり、草木が放つような甘さを漂わした汗に濡れた耳郎が此方を見上げていた。
恐らく無意識にだろうが、腰をくねらせているのは自身の下半身が感じる固いものを意識して納まりのいい位地に誘導している。
互いに視線が交わる、耳郎は自分の胸にある火埜の手をゆっくりと掴み指を絡ませると、お互いが向き合う形に座り直した。
風邪を引いた時のように全身が熱を帯び、頭が思考をすることを拒否しているようだった。
しかし、2人はあの嫌な倦怠感とは別の心地好さに浸っていた。
徐々に近づく2人の顔、あと数cmの距離となった。
コンコン
窓をスズメが叩く音が部屋に響いた。
2人の瞳に徐々に理性の光が戻り始める。
「あぅ」
「落ち着いて耳郎さん、この距離でそれはまずい」
頬の朱色が顔全体へと伝わり、赤く染まった顔と混乱の色が見てとれる瞳。
「うぅあ、ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ちょ、マジでダメだってばぁぁぁぁ」
火埜の悲鳴に近い声は耳郎に届くことなく、火埜の身体にジャックが突き刺さり、猛スピードで轟く耳郎の心音が音の暴力となって火埜に響き、それと同時に左頬に強烈な平手打ちが打ち込まれた。
「(理不尽)」
火埜の記憶はここで途切れた。
「ん、あれ?」
火埜が目を覚ますと、外は夕暮れ時になっていた。
というのも気絶した時に見た耳郎の部屋はもう少し明るかったと記憶にあったからだ。
「あ、起きた」
そして、火埜は今の自分の態勢を知ることになる。
枕だと思った物は耳郎の“太もも”であり、俗にいう膝枕の状態だった。
必然的に顔が近くなるのだが、耳郎も落ち着いたようであった。
「顔、近いですが大丈夫ですか?」
さっきは殴られたけど“僕”は殴られないよな、という言葉が空けて見える言い方だった。
「さっきは“色々”あったからちょっとパニクっただけ」
その言葉を信じるかのように、火埜は耳郎のから離れていく。
「ねえねえ、気が付いた?」
「うれしいのは解りますが、僕に言わせないでください」
「だって、嬉しいんだもん。下に目をやっても直に景色が見えないんだから」
着替えた耳郎はワンピースにも見える丈の長いティシャツを着ており、そこにはハッキリと分かる程度には育った胸部があった。
「はぁ、当分はサラシ生活ですよ」
「え、なんで?」
「急激に育ったなんてそれこそバラしてるようなもんでしょう、それに適合率が低いんですから時間と共にゆっくりと萎んでいきますよ」
「え、絶対嫌なんですけど」
火埜の宣告にこの世の終わりの様な表情をする耳郎。
頭を掻き、深い溜息をついた火埜は本当に嫌そうに告げる。
「見たところ、2・3週に1回くらいのペースで施術すれば育っていきそうですね。心臓ドックンもビンタも無しならまた考えておきます」
その一言に神を拝むような目を向ける耳郎。
「火埜、ありがとう!!」
正面から抱き着かれ、火埜は遠く空を眺めた。
「(ああ、なんか蟻地獄に嵌ったようなきがする。けど)」
火埜のすぐ傍には純粋に喜ぶ愛らしい少女の笑顔と以前はそれほど感じられなかった確かな膨らみを二つ感じた。
「(まぁ、役得かな)」
火埜は気が付かなかった。
後に馴れと調子に乗った耳郎の下半身の悩みにも付き合わされ、数人の肉食系少女たちによる夜の戦闘訓練への幕開けだったことを。
被害者
耳郎響香
作者のエロ作品第一の被害者。
色々と出てないけど、ちゃんと女の子なところが好き。
今回のことで調子に乗ってエロい進化を遂げていく。
実はママもイワさんのホルモンで育ったという裏設定あり。
皆の癖を教えて。ズバリ、誰を汚したい?
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