火埜翔織のHーEROACADEMYANOTHERLIFE 作:完全怠惰宣言
怏々にして男と言う生き物は母性に弱いと断言していい。
フェチズムの関係があるため断言してこなかったが今ここに断言して構わない、と本気でバカ考えている。
色欲魔人峰田は勿論のこと、自身の幼馴染みに恋い焦がれる男子諸君は見事に実った果実に目が行くのを何回も見てるし、彼女持ちも大小の忌避なく皆が思わず揉んでしまうらしい。
つまり何が言いたいかと言うと。
「あん、トーリったらあまりいたずらしちゃダメよぉ」
「信乃ねぇのおっぱいおいしい」
母性高めの巨乳なお姉さんって最高ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
時は遡り火埜翔織中学三年生の冬。
「はい、お鍋出来たわよぉ」
「やっふぅ、信乃ねぇの手料理久し振りぃ」
合格通知を受け取り、だらだらと生活していた火埜の怠け具合を心配したイワさんが知り合いに連絡しまくった結果、火埜の幼少期から知っている者達の壮絶なお世話の取り合いが行われた。
そして、本日はワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ全員が来るはずであったが。
「柔の姐さんは解るよ、旦那が合わせて休み取るぐらいにはまだラブラブなんだし」
「うふふふ、そういってあの子に今日私達が休日になる事伝えたの翔織でしょ」
信乃特製つみれ鍋(一つ目)を目の前にしてひょいひょいと平らげていく火埜。
見慣れていたはずの光景に送崎は懐かしさを覚えていた。
「知ねぇも、何やかんやまさかあの人と付き合ってたのが今バレるのってどうなんよ」
「それは、ほら。気を遣ったんじゃないの」
「それが原因で精神状態崩した流ねぇやが大酒呑んでダウンって。なんか年々酷くなってない流ねぇや?」
「あははははは、なんか焦っちゃってるのよ適齢期的なアレで」
「家事全般得意だし、美人で気も効くし、お酒の飲み方を変えるかそれでもいいよって人じゃないともう無理じゃない。おかわり」
「ん~、それは流子には内緒ね。と言うかもう食べきったの!?相変わらず何処に消えてるのよ!!」
「まぁまぁ。ほい、信乃ねぇも一献」
「熱燗なんていつの間に。それじゃ、お言葉に甘えてっと。・・・・・・くぁ~、染みるわぁ」
そこからは2人で楽しくおしゃべりしながら食事は進んでいった。
「らいたいねぇ、あたしだって(ヒック)。けっこんしようとおもえばれきるんりゃからねぇ」
「なんでこうなったし?」
つい数分前までは、互いに楽しんでご飯を食べ送崎は熱燗を傾け、雄英というか高校生活に向けての有りがたい話を聞いて、なんとなしにテレビを着けた時だった。
『緊急特番!!なぜ結婚できない女性ヒーロー!!』
「(おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!)」
思わず内心でツコッミを入れてしまった火埜。
あまりにもタイムリーな内容で思わずという感じであった。
「にゃはははははは、いいじゃんいいじゃん。とーりろくがしてりゅうこにみせたげようよ」
「(こっちはこっちで出来上がってるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!)」
久方ぶりに見たマジ酔いモードの送崎に内心驚きつつ、遂面白そうで録画し始めた火埜も火埜だが。
番組にはコメンテーターとして様々な業種の見識者が出ていたが、とある人物の発言が送崎の導火線に火を付けたようだ。
『まず、えぇこれが日本の結婚平均年齢推移グラフになります』
『個性婚も含まれてしまっていますが、個性黎明期に比べて格段に落ちているのが解りますね』
フリップを出したのは全国に何カ所も結婚相談所を設けている会社の社長であった。
『そしてこちらがヒーロー全体の男・女・無性の結婚年齢データになります』
『こうしてみますと、異性婚のデータだけ見ますと男性ヒーローがキャリアを積むにつれて成婚率が上がっているのに対して、女性ヒーローはキャリアを積むのにつれて成婚率が下がっていますね』
『男性側が活躍している女性ヒーローに尻込みしていると思われていましたが、昨今ではプッシキャッツの虎さんのようにキャリアを積んでも成婚されている方もおりますからなんともいえませんね』
『てか、他3人は結婚しないのか出来ないのかはっきりして欲しいっすよね』
その時、結婚相談所社長の発言に反応した芸人の言葉がテレビから流れた瞬間、机にダンッという音と共に火埜邸に隠してあったイワさん取って置きの大吟醸の一升瓶が置かれた。
「えっと、信乃ねぇ?」
火埜の言葉に反応することなく、キュポっと指で蓋を外す送崎。
そして、そのまま一升瓶を口にくわえ、風呂上がりの瓶牛乳よろしく腰に手を当て一気に飲み干してしまったのだった。
「あらららら(これ、クッソ高いんだけどなぁ)」
「できるもん」
「ん?」
立った体勢のまま、下を向いてブツブツと何か呟き始める送崎。
「できるもん」
「ん?信乃ねぇどしたの?」
プルプルと震えキッとテレビを睨み付ける送崎。
指をテレビに向かって指すと顔を上げ睨み付ける。
「あたしだってけっこんできるもん!!」
「えぇぇぇぇぇぇぇ(そこかぁぁぁぁぁぁぁぁ)」
そして、数分後。
「ふじゃけんじゃにゃいわよ、けっこんしようとおもえばれきるんりゃからねぇ」
「あ、そうですか」
「あいてなんかすぐにみつりゃれりゅうだかれにぇ」
「えっと」
解りやすく酒乱状態に陥ってしまった送崎。
気が付くと、大人用にストックしておいたアルコール類は全て空になっており、送崎は空の一升瓶を片手に火埜を胸元に抱きしめながら狂乱していた。
「はぁ(しっかし、信乃ねぇのオッパイ良い気持ち。ん?まさかこの人)」
「そうおみょうでしょ?とーりだっておとこのこだみょん。あたしののーぶらおっぱいきもちいでしょ」
「(やっぱりかぁぁぁぁぁぁ、ごちそうさまです!!)」
アルコールの力はスゴイ、ということかダイブ酔って気が大きくなっている送崎はここでまた更にスゴイ行動に出た。
「あぁん、もう暑い!!脱ぐ」
そう言うと送崎はニットセーターだけでなく、下に着ていたロンTも脱ぎ去り上半身は完全に裸になっていた。
「あぁ、涼しい」
「(あぁ、お酒様有り難うございます!!)」
火埜の眼前には綺麗に整った撓わな胸がさらけ出されており、アルコールによるのか気も大きくなった送崎はそのまま火埜にヘッドロックをかけてきた。
「睡の影響もあるでしょうけど、トーリは美乳派とか言ってるけどしっかり大きい方が好きだもんねぇ」
「否定はしない」
火埜は今頃、婚約者に甘えているであろう姉的存在を思い浮かべたのだが突如、頬を潰されて送崎と顔を合わせられてしまった。
「トーリ覚えてるかにゃあ?あんた、アタシが30までに結婚できなかったら貰ってくれるっていってたんだよぉ」
そう言うと今度は顔ごと胸元に抱きしめて髪に頬擦りを始める送崎。
「あぁ、うん覚えてる」
「うれしかったなぁ、キャマバッカで修行した女性ヒーローは大概にトーリのこと好きになっちゃうんだもんねぇ」
「(ご褒美、あざっす)」
その後もなすがままにされている火埜であったが、その時彼の目に飛び込んできたモノに驚嘆した。
「うわぁ、エッロ」
「んにゅ、どしたの?」
アルコールによる作用か、肌は薄桃色に染まり、乳首は立っており、それは美味しそうに送崎の胸は火埜を誘うように主張していた。
「うん、いただきます」
「ん?よくわからにゃいけど召し上がれ」
ちう、と音をたてて甘噛みされ送崎は急激に意識を覚醒させた。
「(あれ、あたしもしかしてやらかした?)」
「信乃ねぇのおっぱい美味しいよ」
口に含まれながら喋られて微妙な刺激が送崎の脳を蕩けさせる。
「(あれ、これって淫行罪に引っかかるんじゃ)トーリちょっとまって」
「信乃ねぇは頑張りすぎだよ」
そう言うと送崎の胸に顔を埋めて感触と味を堪能していた火埜が顔を上げる。
「別に良いじゃん、信乃ねぇが30ってことはオレ18だよ」
「ん?そうよね」
「それまで1人でいてくれないとオレが困るよ」
上目遣いで甘えるように見上げられ女性を司る全ての部分が甘え鳴きし始めるのを実感した送崎。
「ふふふ、それなら期待せずに待ってるわ」
「あ、アルコール抜けてきたみたいだね」
そう言うと、火埜は突然立ち上がり座り込んでいる送崎の膝裏に腕を差し込み、肩腕を首の裏に回させる。
いわゆるお姫様抱っこの状態になる。
「あれ?」
「きょうは一緒に寝よ。久しぶりに甘えさせてよ“信乃”」
態とあねと言う呼称を外し名前だけを呼ぶ火埜。
「あ(私、ヤバいかも)」
「【愛してるよ、信乃】」
思考と言語が完全に一致した火埜の顔。
そこには弟扱いしていた少年はいなくなり、青年期に差し掛かろうとする男の色気を醸し出す雄がいた。
そう言うとセミダブルのベットに卸されパンツ1枚を残して全てを剥かれ、本当にそのまま2人は眠りについた。
「(あぁ、やっちゃったぁ。何してるのよ私!!)」
数ヶ月後、プッシーキャッツ事務所にてヒロコスに着替えず事務作業に勤しむ4人の姿があった。
「信乃、この間頼んでた資料出来た?」
「え!?ちょっとまって。って、きゃあ」
ここ数ヶ月、真面目な送崎には珍しく簡単なミスが目立つようになった。
たいした事故に繋がるわけでなく、直ぐにリカバリーできる事務作業だけであり、メンバーもそこまで心配していなかった。
「本当に大丈夫?具合悪いの?」
「信乃にしては事務作業でのミスが目立つな。我も気をつけてはいるが風邪か?」
「本当に大丈夫だから心配しないで(言えない)」
送崎はこの数ヶ月、事務仕事の折にふとよぎるあの晩の男としての火埜の顔を思い浮かべてしまう。
「はぁ(一回り年下の男の子を異性として意識してしまって仕事にならないなんて言えないわよ)」
彼女の苦悩をよそに一本の電話が事務所に掛かってくる。
「あ、あちしが出る」
偶々近くにいた知床が代表して電話に出る。
「はぁ」
「ちょっと、柔。信乃ったら本当に大丈夫なの?」
「うぬ、我も知らぬがここ最近、事務仕事で上の空になることが増えたように思うが」
「皆、ちゅうもーーーーーーーーく!!」
電話を終えた知床が大きな声で3人の注意を引く。
「今、根津校長から連絡があって今年の雄英1年生の林間学校の場所にウチを使いたいって」
「へ」
送崎信乃、弟みたいなモノだったはずの男の子と起きるこれからを彼女はまだ知らずにいた。