「ぐぎゃ!?」
男が吹き飛ぶ。否、男より小柄な女の手で吹き飛ばされた。
「なんだテメェ!?」
「邪魔すんな。ぶっ殺されてぇのか!?」
「どうやら、この国の治安は情報を精査するまでもないようですね」
吹き飛ばされ、街中で転がった男同様に真っ当な身なりをしていない者たちが女に向かって唾を吐くが如く威嚇をする。しかし、女は気にした様子もなくただ治安の悪さを憂うようにため息を吐いた。
それを見る民衆たちも〝またか〟といった諦めの視線を投げかけていることから、彼らの横暴は日頃から行われている……つまり、自浄作用などは期待できそうにもないらしい。
恐らくこの国では常識的なのだろう。そして、女は男たちの行動を目にすることでそれを理解した。そのことから、彼女はこの国の出身ではないということも理解ができるだろう。
(この世界の管理者を見つけるまでは、あまり目立つ行動は避けねばなりませんが……仕方ありませんね)
いいや、彼女は国どころかこの〝世界〟の出身ですらない。柔らかなイメージのフリルと硬いイメージの甲冑。言うなれば高貴な者に仕えながら、その者の警護も行うメイドであり騎士。
彼女の名はエリカ。自身の世界を静止させた管理者『安寧』のネクサスを追い、仲間たちと世界を旅する者だ。
新たな地へと赴いた彼女は、荒れた街中で露店に因縁をつけるチンピラたちの光景を発見し、見かねて止めに入った。もっとも、彼女の性格と話を聞く気が一切感じられない男たちの間に、説得などという生易しいやり取りはなく、問答無用で戦いとなった。が、歴戦の猛者であり闇の世界にいたエリカとチンピラでは勝負にならない。刀を抜くまでもなく、エリカはチンピラたちを制圧する――――――
「動くな!」
「っ!?」
はず、だった。だが、エリカは劈くようなその声に動きを止めざるを得なかった。正確には、彼女を止めた男が抱えた少女を見て、迂闊なことをできなくなっていた。
「アリサさん!?」
「う……、ぁ」
男に刃物を突きつけられ、その手に抱かれた少女。身につけた衣服は汚れ、傷つけられて本人も気を失って苦しげに呻いている。
「へへ、やっぱり知り合いだったか。この辺じゃ見ない格好してるからまさかとは思ったが……」
「っ」
知り合い以上だ。人質に取られたエルフの少女・アリサはエリカの仲間であり友でもある。エリカが顔色を変えて、奥歯を悔しげに噛み締めた。
出会った当初であれば、アリサは人質として成り立たなかったかもしれない。この程度の男たちに敗北するなど、未熟にも程があると。
しかし、アリサを知り、彼女の強さを教えられ、恩義を感じて共に戦うことを選んだエリカだからこそわかる。きっと何かの事情が……それこそ、今のエリカのように人質を取られ、敗れてしまったのだと。
――――エリカがもう少し戦っていれば、この世界を取り巻く〝異常〟に辿り着けたかもしれない。だが不幸にも、エリカはそうなる前にアリサという人質に抵抗を止めざるを得なかった。今の彼女に、アリサという優しい友を見捨てることはできなかった。
「その方を離しなさい」
「離して欲しけりゃ、俺たちの言うことを素直に聞くんだな」
「ちっ……」
やはりそうなるか、とニヤニヤと笑ってアリサを離さない男たちにエリカが舌打ちし、刀を地面に放る。
「…………降伏します」
両手を上げて、渋面を作ったエリカが屈辱の言葉を吐き捨てた。本心で負けを認めたわけではない。あえて大仰に負けを認めることで、彼らの油断を誘ってアリサを奪還する。彼女の頭の中では、その算段が既にできあがっていた。
そこに誤算があったとすれば、この世界の秩序は彼女が思う以上に意味を成していないものだった、ということ。アリサを見捨てる、一度撤退する。そのどちらかの選択肢がエリカにあれば、この先にある凄惨な責め苦を彼女だけは受けずに済んだかもしれない。
「降伏します? 降伏させてください、だろうが」
「女騎士ちゃんがその良い服をここで脱いで、全裸で頭下げたらこいつを離してやらないこともないぜぇ?」
「……!?」
そう、男たちの無法はエリカの想像を超えていた。街の体を成している往来で、まさか人権を辱めることはできないだろう。
しかし、頬を紅潮させたエリカが視線を巡らせ、彼らの言動が冗談でも何でもないことを彼女は悟る――――民の誰一人として、彼らの蛮行を見咎めることをしないのだ。
「さあさあ、その刀を拾って俺たちを斬るか……こいつを見捨てててめーの綺麗な素っ裸を晒すか、好きな方を選びな」
「……下衆が!」
ここで自らの辱めを受け入れ、男たちの油断を誘うか。それとも情を捨てて自らのために刀を振るい、アリサを危険に晒すか。
否、自らのためではなく、仕える姫を救うためにここでアリサを見捨てる――――そのような考えで仲間を見捨てるようでは、到底『管理者』に届くことはない。
「……わかりました」
せめて時間を稼ぐことができれば、同じくこの世界に転移した仲間たちが駆けつけるかもしれない。一抹の望みに縋るように、エリカは己の衣服に手をかけ始めた。
無論、視線は男たち、特にアリサを人質に取っている男からは外さない。だが外さないからこそ、エリカのストリップに興奮して下卑た息を吐く不快な姿が目に入ってしまう。
柔らかい生地の衣擦れと硬い甲冑の音色。時間を稼ぐため、ゆっくりと落としていく様がより艶やかに脱衣を着飾る。逆に、エリカを守る衣類は着実に削り取られていった。
「……くっ」
心を無にすることを心がけていた。が、元暗殺者として並々ならぬ経験を持ったエリカと言えど、公衆の面前で全裸になるなど今生の恥。扇情的な黒下着を晒したところで、思わず両手で身体を隠して男たちを睨みつけてしまった。それが彼らを調子づかせ揶揄を許す結果になると予測しながら。
「おいおい、ひよっちゃったのかぁ?」
「早くそのエロい下着脱いで、もっとエロい格好になってくれよ!」
「〜〜〜〜〜〜〜っっ!!」
これ以上奴らを付け上がらせるわけにはいかない。けれど、ここで手を止めてい続けることもできなかった。
怒りと羞恥で叫びを上げそうな赤面で男たちを睨みつけながら、エリカは下着を取り外した。豊満な胸をぷるん♥ と光の元に曝け出し、ムチっとした太股からパンツを引き抜き鼠径部の内側までをも晒す。
「――――っ?」
エリカが裸体を晒したその瞬間、彼女の頭に何か鈍痛のようなものが走ったが、彼女がそれを気にかけている暇はなかった。
一刻も早くこの屈辱を終わらせなければ。その一心で彼女は身体を動かした。頭を下げろと言われた通り、エリカは全裸で〝跪いて〟黒色の髪ごと地面に頭を擦り付けるように下げ、声を発した。
「……あなた方に謝罪します。敗北を認めます。私を降伏、させてください」
逆らったことへの謝罪。全面的な敗北を認めることへの許可。形の良い美尻を掲げ、気の強い可憐な面をそのケツ以下の高さに下げた全裸土下座。
頭を下げろと言われて、このような屈辱の土下座を選んだことにエリカは〝疑問を感じない〟。その動作に恥辱と怒りと途方のない羞恥を覚えてるというのに、土下座を選んだ思考自体に彼女は違和感を覚えてはいなかった。
まるで彼女の中の常識が頭を下げることと土下座で繋がり、訴えているようなやり方に、この世界のとある仕組みを知る男たちは醜悪な笑いを零した。
「女騎士の全裸土下座が、そそるねぇ」
「じゃあ〝次は〟本気で負けを認めたのかを証明してもらおうか、立て」
「…………」
やはり、とエリカは二度目も想像はしていた。しかしながら、一度目と違い毅然とした態度を全て貫くことはできなかった。
土下座からの直立。それは、身体を曲げることで隠されていたエリカの裸身を余すことなく見せることに他ならない。乳頭と乳輪まで晒した美乳。鍛えられた身体に備わった女体のムッチリとしたライン。秘部を包む薄毛の陰毛があまりにも頼りなく、エリカは言われるがまま男たちの〝検査〟に付き合わされた。
「両手を頭の後ろで組んで脚を開け」
急に憲兵気取りの態度か、とエリカは軽蔑の視線を向けながら素直に手を頭の後ろで組み、脚を開く。
「まだだ。もっと開け……もっとだ」
「く、ぅ……っ」
開いて開いて、開く。僅かに膝を曲げる程度だったエリカの下半身は、段々と目的を逸脱した下品な装いに変わっていった。足裏が離れるほど股座に空間を作ったガニ股。腰が落ち、エリカの両脚が小刻みに震えるほど無茶な姿勢となる。
震えているのは無茶な姿勢だけか、といえばそうではないだろう。腋を晒すことさえ生ぬるい方だと思える恥知らずな体勢。股を開いてマンコどころかアナルまで見えそうな下品なガニ股屈服をされられているのだから。
「よしそのまま。身体検査の時間だぜ……触られた場所を正確に言えよ。まずはここだ」
「っ!」
ぷるんっ♥ ぷるぷる、ぶるんっ♥
徐ろに近寄った男が、下品ポーズで制止させられたエリカのある部位を手で持ち上げるように揺らす。そこは言うまでまもなくエリカの豊満な胸。メスにしかない魅惑の生肉。
「ほらほら、自分のおっぱいの大きさくらい覚えてるだろ? それとも、俺たちが測ってやろうかぁ?」
「……85。Eカップです」
このくらいの恥、どうということはない。そんな態度を取りながらも、エリカの頬は否が応にも恥辱の色を深め、可憐な女騎士を弄ぶ〝珍しい〟機会に男たちのモチベーションというものも加速していった。
「ここは?」
「58……」
バスト、ウェストとくれば残りはヒップ。不快な手が臀部を撫でる予想に覚悟を決め、精神を落ち着かせる。一時触れられる程度などわけはない。
バチィン!♥
「いっ、ぎぃ!?」
瞬間、エリカの大きめのケツを全力で平手打ちした炸裂音が響き、全く予想外の一撃に彼女は両脚を痙攣させながら間抜けな悲鳴を上げた。
「おら、ケツのサイズはどうした?」
「っ……きゅ、90」
「へっ、胸に比べて立派なデカケツ、だなぁ!」
「んぎぃ!?」
ベチィンッ!♥
二発目の殴打が街中に響き渡った。ムチッとした太股で支えられたエリカのデカケツに、紅葉のような赤い裂傷が刻まれる。左右でしっかり一撃ずつだ。
「まだ終わらねぇぞ。次は尿検査だ。マンコの奥まで暗器がないことを確かめないと〝営業〟ができないからな」
「な……そ、そんなことができるわけがありません!」
尿検査。全裸を晒して土下座をし、下品なポーズでスリーサイズまで言葉にさせられた。その上、排泄を行うなど常識を逸している中で耐えたエリカの許容範囲を超えすぎている。
「できるできないじゃなくて、やるんだよ。それともさっきの言葉は嘘か? 今からあいつも巻き込むかぁ?」
「!!」
言葉で促されたエリカが、羞恥責めでいつの間にか離してしまっていた視線を人質の少女へと戻した。
気絶したアリサに突きつけられた刃物は、急所ではなく衣服を切り裂くことを示唆するような動きを取っている――――今なら最小限の動きで助けられる。
「……わ、わかりました。尿検査を、します♥」
そう考えなければいけない立場のエリカは、何故か自然とそう言って排泄を受け入れてしまった。アリサをこのような辱めに巻き込むわけにはいかないと、正気のエリカであれば間違えない優先順位を違えてしまう。既にこの世界の術中に嵌った彼女たちに退路はないとばかりに、選択肢を誤る敗者に羞恥の責め苦が襲いかかる。
「こいつに出せ。よく狙えよ」
「……は、はい♥」
何かがおかしい。身体が、言葉が、自分の意志を裏切り始めている。そう頭のどこかで理解はしていても、人質という絶対的な存在と全裸で恥を晒していることがエリカの思考から理性の防御を奪い去っていった。
ビーカーのような目盛りが付いたガラス容器が、おっぴろげたエリカの股に構えられた。ここへ出せと告げられ、喉を鳴らす声が妙に熱いことに疑問を抱きながらエリカは尿道に力を込め始めた。
「ふ、んっ……んんっ」
しかし、視線の意味が変化しつつある大衆の目に見守られての放尿は、そう簡単なものではない。とてつもない緊張感は彼女から尿意というものをなくさせ、ビーカー狙いで突き出した腰を色っぽい声でくねらせる敗北女騎士の滑稽な姿がしばらくの間続く。
「手伝ってやろうか」
と、そこに救いの手が差し伸べられた。往来で全裸を晒し、ガニ股公開小便をしようとしている女騎士に対しての救いの手だ。
男の手がエリカのマンコに迫る。不躾な男の手など、触れられても感じるものは不快感だけ。
「あん♥」
そういった理屈は、エリカが生まれて初めて出す甲高い声色によって掻き消された。
「あっあ……あぁ♥ あんっやっ、あっ♥♥」
陰裂に指を添えられ、擦られる簡易的な愛撫。マンコと尿道の緊張を解すような手付きに、エリカは無自覚なメス声で悶えてしまっていた。
快楽物質が脳髄に行き渡り、膣壁から愛液が生成されて粘着質な音が鳴る。この状況で愛撫され、秘部を濡らしてしまうのは余程の淫乱か、何かしらの〝術〟を受けているかだ。
男たちにそのように高度な技は扱えず、エリカが淫乱ということもありえないだろう。その原因を突き止められれば或いは――――――
「は、あっあっ♥ はぅぅ……♥♥」
当然ながら、今のエリカにそのような余裕はなかった。羞恥露出と敗北宣言、身体検査を超えて女の弱い場所にまで触れられたエリカは、この世界を取り巻く力に呑み込まれかけている。
「マンコの準備は万端か?」
「は、はひっ♥ オマンコからおしっこ、出ますっ♥♥」
絶対的な羞恥はある。事実、はしたないことを堂々と叫び上げたエリカの体温は、限界を突破しそうなほどに高ぶっていた。外に裸一枚とは思えない熱を帯びた女体でガニ股を突き出し、尿道を緊張から解き放った。
「……っ!? い、いやっ、いやぁぁぁぁぁ!」
――――運悪くというべきか、エリカの理性が取り戻されたのはまさにその刹那だった。
時すでに遅しと、秘部から一本の線が空を切った。その線の色は黄色く濁り、狙い済ましたようにビーカーの底を叩きながら中で飛び散っていく。
「あ、あぁ、ぁぁぁぁぁぁ……」
じょぼぉ、じょぼぼ、じょぼぼぼぼぼぼぼっ♥♥♥♥
直前まで緊張を解されていたからか、エリカの放尿は本人に対して容赦のない勢いで迸った。たっぷり数十秒使い、エリカに恥辱の涙を流させるに十分な量を排尿させたところで、男が手に持ったビーカーをエリカの鼻下に突きつける。
「よーく出たなぁ。どのくらい出たか、おまえがどれだけ考えなしでもこれならわかるよな?」
「うっ……」
出したばかりの小便液が揺れ、独特の強い匂いが鼻腔を突く。顔を顰めながらビーカーの目盛りを視界に収めた。
(いい加減、我慢の限界です……っ!)
が、わざわざそれを口にしてやる義理はない。屈辱だがエリカの放尿は男たちに決定的な油断を引き起こさせた。
堪忍袋の緒が切れたエリカが口を大きく開き、
「エリカのおしっこ500mL!♥ たくさん我慢した濃厚でくっさい小便たっぷり出しました!♥ ――――え?」
そう、ビーカーに注ぎ込まれた小便の量を口に出した。街中に響くような大声で、小便を我慢していたことまで口に出して、死より恥ずべき放尿量を申告したのだ。
そのことに気がついたエリカの顔は、男たちからすればこれまで以上に滑稽極まるものだっただろう。何せ自ら恥を晒したガニ股全裸の変態女が、今さら恥だと自覚したように顔を赤色で猛烈に染め上げ始めたのだから。
「あ、ぁ……ぁ……?」
さらに言葉を失い、目を泳がせる。見学者たちも正常な視線はとっくの昔に消え、エリカという美女が繰り広げる公開羞恥に釘付けだ。
そんな彼女を嘲笑いながら男たちは声を上げた。先の態度は油断や慢心ではなく、エリカが堕ちた確信だったのだ。
「ぶっはははは! エリカちゃんはどんな田舎から来たのかなぁ!?」
「ここの〝ルール〟を知らねぇなんてとんだモグリがいたもんだ。この女といい顔も身体も最高で、俺たちにとっては願ったり叶ったりだがな」
「ルール……!?」
それがエリカの身体を縛る――――今にして思い返せば、数々の違和感を浮き彫りにするものだと言うのか。
目を見開いたエリカに対して、男たちは尚も言葉を続けた。
「ああそうさ。知りたきゃ俺たちに着いてきな……四つん這いでな」
「く、何を馬鹿……なっ!?」
ガクンと、エリカの身体が跪いた。土下座やガニ股屈服のようにエリカの意思が残った動きではなく、不自然に足をくじくような勢いで両手を突いたのだ。それは人ではなく負け犬の歩行。エリカは男が言うことに従い、全裸四つん這いで連れていかれてしまった。
(一体何が!? か、身体が言うことを効かない、なんて!)
一糸纏わぬ美女の四つん這い。衆人環視の意味は様々だ。またか、という諦めの視線はむしろ少数であり、エリカとアリサを連れた男たちのように下卑た視線が大半だった。
その中でエリカは必死に身体の自由を取り戻そうとするが、これといった成果はない。平手がくっきりと残る腫れたデカケツをフリ♥フリ♥ と無自覚に振りながら、残尿混じりの愛液を地面に垂らして負け犬の四つん這いを晒し続ける。もはやエリカの身体は彼女のものではなく、男の……〝オス〟に従う〝メス〟のものだった。
やがてエリカの素手と素足が汚れ、彼女の武器と衣服が遠く離れた頃、男たちは地下に足を運んだ。そこにはいくつもの牢屋が連なっており、拷問部屋と見紛う器具まで置いてあった。
エリカはアリサと別れた牢屋に入れられ、男たちに囲まれた。その目は未だ彼らを睨みつけてこそいるが、体勢はまたも下品な腋見せガニ股ポーズを命じられている。
「無知なエリカちゃんに教えてやるよ。この国はな、女が男に従う場所なんだよ」
「女が、男に……?」
「もっとわかりやすく言うとだ、おまえらメスが俺たちオスに絶対服従を誓う国なんだよ、ここは」
メスがオスに従う国。女は男の資源であり奴隷であり搾取される対象……今にして考えれば、表通りにエリカやアリサ以外の女性がおらず、辱めの見学者も男のみだったのはそういった理由からだ。
「そんな理不尽があるはずがありません!」
「なら今の自分を見てみろって話だ」
敗北を宣言し、ガニ股全裸で牢屋にぶち込まれている。まんまと男たちの言う〝ルール〟に組み込まれたエリカが、ギリッと唇を噛んだ。
「ま、たまに外から来て何も知らずにかかりにくいやつもいるがな。俺たちも理屈は知らねぇが、ちょうどエリカちゃんやさっきの変な耳した女とかな。けど時間が経てばこの通りってなぁ」
――――或いは、少しでも従ってしまえばこの国のルールが適応されるか、だろう。
あまりに理不尽なルールに憤りを感じたエリカだったが、ハッと目を見開いてある仮説へと行き着いた。
(まさか、この世界の『管理者』が関わって……!?)
『安寧』を司るネクサスのように、管理者はある一つの特徴を持つ。だがもしそうであれば、この世界の神を名乗る管理者は醜悪極まりない。男が女を支配し、管理する世界。それが徹底した統治ならまだ理解はできるが、この世界の荒れようを見れば結果は一目瞭然だ。
男が女を支配するのではない。男が欲望の限りを尽くす世界。そのような世界を許容し、享受する男たちを許してはおけないとエリカは彼らに声を発した。
「くぅ、そのような縛めなど……」
「何しても遅せぇんだよ。テメェはとっくに俺たちの奴隷だ」
「黙りなさい! 全員ここで死んでもらいます!」
啖呵を切るならば、せめて腋見せガニ股を止めてからの方がいいだろう。顔は修羅の如き怒りを見せていながら、それより下の身体は全裸で下品な姿勢。これでは迫力どころか、おかしな顔で男を誘っているようにしか見えない。
「ぐ、ぬぅぅぅ! 動き、なさい! 動けぇ!」
カクカク♥ カクカク、カクッ♥
いくら叫びながら身体に命令しても、エリカの意思は肉体に宿らない。それどころか踊るように腰を振り始めていた。
「無駄だって言ってんだろう、が!」
そして、無意味な抵抗を続けるエリカの臀部にあるものが押し付けられた。
「みっ――――いぎゃああぁぁあぁぁあぁあぁっ!!」
多少の痛みには悲鳴を上げることのないエリカが凄惨な悲鳴を上げ、デカケツの表面に押し付けられる人体を焼く熱に涙を流して凄惨な悲鳴を上げた。
『あづい、あ゛づいぃいぃいぃいいいいいいい゛ーーーーッ゛!!』
隣の牢からの叫びが遅れて聞こえてくる。恐らくはアリサのものであり、愛らしくも凛々しい声色が濁った痛みの悲鳴になっていることから、エリカと同じものをお尻に入れられているのだろう。
もっともエリカがアリサを案じる余裕はない。右尻の表面を焼かれ、刻印を刻みつけられる。その痛みが段々と快感に変わる――――それこそ、エリカがこの世界に順応し始めた証だった。
「出来たぜ。これからおまえは俺たちのために働くんだ」
「はぁ、あ゛ぁ……」
エリカの尻に焼き付けられた刻印。文字の羅列にも見えるそれは、この世界でメスとしてオスに管理されていることを示す身分証のようなもの。つまるところ、エリカたちはこの男たちが持つ所有物になったわけだ。
「ぐ、あぁ……殺す、殺してやる……! 絶対に……っっ!!」
視線と言動だけは威勢がよく射殺さんばかりだが、雌奴隷の証が刻まれた時点でエリカに未来などない。
それを彼女が知ったのは、もう少し後のことだった。
◆
女が男の資源となる国において、金を稼ぐことは簡単でもあり難しくもある。女が男に楽々と従ってしまうことで、その価値は著しく下がるからだ。並の女では見向きもされず、精々と労働力にしかならない。
ならばどうするか――――揃えればいいのだ。肥えたオスの目を引き、金を落とせるメスを。
「皆様、ようこそおいでくださいました♥」
煌びやかで怪しい雰囲気を醸し出すステージ。荒れた街中とは一線を画す整えられた場に、数人の女がコートで身体を隠して現れた。
そのうちの一人、店の新人であるエリカが代表して観客たちに丁寧な言葉をかけて、合図と共にコートを剥いだ。
「今宵は、どうぞごゆっくり私たちをお楽しみください!♥」
一斉に脱いで大胆なストリップ。彼女たちは細い紐のようなVストリングだけを纏った身体を晒し、股と腋を開いて腰をヘコヘコ、ヘコッヘコッ♥ と前後させ、腰をくねらせ観客たちに雌アピールを行った。
優れたスタイルはエリカやアリサだけでなく、美しいの祭司や爆乳の魔女、まだ幼い金髪の少女に、冷えた印象を抱かせる神秘的なオーラを纏った銀髪美女の姿もあった。とはいえ、祭司や魔女、銀髪の美女は皆が髪色と同じ腋毛、陰毛を生え散らかし不衛生な印象を抱かせるだらしのない身体をしている。
「あっあっ♥♥ 私のオマンコ、気持ちいいですか♥ もっと、もっと使ってくださいぃ……あひん♥♥♥♥」
「おぉ♥♥ 我がマンコ……汝に、捧げ……我も、イグッ!♥♥♥♥」
しかし、そのだらしのない身体を好むものもいるのか、チンポを入れられよがるアリサと並び、壁に手をついてお尻を向けて銀髪剛毛エルフが犯される姿も見て取れた。
美しい女たちの娼婦館。よりすぐりの美女を集め、金を取る。女が自由にできる世界においても法はある。自由にした雌を管理できるのは、所有権、即ち刻印を刻んだ当事者たちに限るのだ。故に彼女たちのような美女は貴重であり金になる。
だからこそ、こうした娼婦館やそれに類するものは確かな金になる。店を開くということは、相応のメスを揃えていると言っているようなものだからだ。
「おほっ、おほぉ♥♥ い、いかがでんほぉ!♥♥♥ エリカのデカケツっ♥♥ 敗北騎士の雑魚アナル♥ どうかご満足くださ、おっほぉおおぉぉぉっ!♥♥♥♥♥」
たとえば、寝そべった客にお尻を向け、騎乗位でチンポをマンコに咥えて打ち付けるエリカのように、だ。
彼女たちにとって不幸だったのは、チンピラに見えた男たちがこの街で有数の娼婦館の関係者であり、この店が比較的〝アブノーマル〟な演し物を平気でお披露目するような過激な場所だったことだろう。
「便秘雌奴隷ケツ構え♥♥ 本日のフィナーレ、私たちのザーメン脱糞ショーをご覧ください♥」
それは、今日の雌奴隷たちがステージでお尻を突き出すように並んだ姿からも伝わってくる。股から逆さに頭を出した美女たちが、ケツ穴をモコモコ♥モコモコ♥ と蠢かせてそれをアピールしている。
店を過剰に汚さずに済むようお尻を洗浄し、出すのはあくまで射精分の精液だ。まあ、数時間では飽きたりない人数を考えれば、むしろ精液の方が悲惨かもしれないけれど。
「3、2……1!♥ ザーメンうんち、発射ぁ!♥ ぶりぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!♥♥♥♥」
ぶぼぼぼっ、ぶりゅりゅりゅりゅっ♥♥♥♥
『んほぉぉぉぉーッ!♥♥♥♥♥』
エリカの低俗な排便擬音と共に大小様々なケツ穴から吹き出した白濁液。半ば固まったそれらが勢いよく排泄され、ザーメンのアーチを挟んだ逆さの顔たちが一斉に下品な表情へと変わった。エリカは言わずもがな、アリサや最も小さい少女、神秘的なオーラを纏った人外じみた美女も、排便の快楽にアヘ顔を晒してケツ穴に力を込め続けた。
「ぶりぶりー、ぶりー♥♥ ザーメンうんこぶりぶりイッくぅ!♥♥♥♥♥ ぶりっ、ぶりぶりぶりゅう!♥♥♥♥」
ぶぼっ、ぶびびッ♥♥ ぶりゅぶりりりり、ぶりゅーッ!♥♥♥♥
そして上の口から汚らしい排便音を再現し、下の口から実際にひり出す音を限界まで踏ん張り、激しく鳴らすエリカ。
(やめ、やめて! やめてください! いやああああああああああああああ――――――ッ!!)
自らの品格を貶めるどころか、人権そのものを打ち砕く排泄姿に彼女は叫びを上げていた。
もちろんエリカはアヘ顔排便を続けている。だが、内心で叫びを上げているエリカもいるというだけのこと。それは、他も雌奴隷たちも変わらない。
いつしか彼女たちの肉体の縛りは精神を隔離し、雌奴隷に相応しい動きを取る人格を生み出すに至った。
もはや彼女たちは立派な雌奴隷になった身体を何も出来ない精神だけで見ていることしかできない。
やがて叫ぶ気力すら奪われ、身体が壊れるまで酷使され、打ち捨てられるその日まで――――絶望すら許されず、負け犬たちは雌奴隷としてこの世界の雄に尽くし続けるのだ。
どこぞの管理者の威厳が消えかかってる気がするけどネネカ様ほどじゃないから……最近はなかなか書く機会がなくなってますが、どこかでサラッと書けたらいいねぇ。いや一時期の出演率が異常だっただけな気がするけど。
依頼文にあることをこなして、よし後は好きにするか!タイムが無法地帯過ぎる。確かこれアズを書く前なので下品が我慢できなくなってた直前くらいでしたね。焼印も大概趣味。
感想、評価、お気に入りなどなどお待ちしておりますー。ファンボ思ったより支援してもらえたのでぼちぼち書いていきたいですね。多分こっちじゃムリヤナ、的な特殊性癖が基本だとは思いますが。色んなことを気にせず短く書ける分色々挑戦したいとこ ろ。性癖を自由に書くって難しいね、バナージ。ではまた次回〜