※この作品はR-18です。

エロ短編集   作:いかじゅん

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原稿シリーズ物は極力投稿していこうと思ってます的なやつ。






七草はづき(催眠)

 

 その男は他者との交流に秀でた能力を持つわけではなかった。いいや、むしろ他人より劣っているハッキリ言われたとしても、それがどうした、自分は悪くない、悪いのはおまえたちだ、と開き直れてしまうような人間だった。

 スクスクと育っていく中、そんな男の自分本位な考え方が矯正されなかったのは他人にとっては不幸であり、男にとっては幸運だったのかもしれない。

 彼はアイドルが好きだった。煌びやかで楽しい世界を見せてくれる偶像、だからなどではない。人に見せること、テレビに映ることを前提に選ばれた彼女たちの容姿はすべからく美しいからである。要するに、不純極まりない性的欲求を余すことなくぶつけられる相手として、有名なアイドルを選んだのだ。

 気に入ったアイドルを厳選していく彼が、その素直な性的欲求を支配欲に変え、彼女たちを手に入れたいと考え始めるのに時間は必要としなかった。

 偶像崇拝の逆を行く独占と支配欲。アイドルのファンとしてではなく、アイドルを支配し所有物にしたいというどこまでも自分本位な観望。

 

 普通なら並の人間の妄想か、その妄想を叶えようと自滅の道を歩むだけのことだった。が、男はそのどちらにも属さないある才能を持って生まれた人間だった。

 歪んだ願望を糧とし、時間をかけて〝開発〟した。独自の技術を結集して自作したスマートフォンに、とあるアプリを組み込んだのだ。

 

 その名は【催眠アプリ】。読んで字のごとく、スマホでアプリを起動して対象に映像を見せることで、相手に催眠をかけることができる素晴らしい力だ。

 無論、その力にも幾つか制約はあるが、普通は眉唾物として吐き捨てられる〝人を自在に操る力〟を具現化させただけでも、彼の才能は保証されるものだ。もし人格が矯正され、人と正しく付き合うことができていたのなら、彼は稀代の発明者として名を馳せたであろう。

 当然、人格を矯正されなかった彼はありえたかもしれない未来などに興味はない。彼が興味を惹かれるのはもちろん、煌びやかで美しいアイドルという名の若い牝どもなのだから。

 

 

「……さて、どう攻めるかだな」

 

 先日完成させた【催眠アプリ】入りのスマートフォンを片手で遊ばせ、男は車の中で独り言ちる。

 若い青年が車の中で休憩をしているだけ、という体を装った彼の視線はある一件の建物に集中していた。

 街角の3階建て家屋。幾つか他の店が軒を連ねているが、彼の本命はただ一択。『283プロ』と呼ばれる小規模な新興芸能事務所、つまりはアイドルたちが所属する会社なのだ。

 小規模とは言うものの、アイドル事務所としてはかなり名を馳せていると言っていい。小さいのはアットホームな事務所内くらいなもので、テレビや雑誌、ネットのニュースなどではかなりの頻度で『283プロ』所属のアイドルが押し出されている。

 だからこそ開発した【催眠アプリ】でアイドルを狙うにはうってつけだ。既に誰を狙うかの目星も付けている。あとは機を計り、催眠でアイドルを操るだけ。しかし、それは言うは易しというものだ。

 

「情報が足りん。関係外から集めるのは限界があるな」

 

 アイドルという職業柄、変装や送迎等の理由から彼女たちと直接接触する機会はそうそう得られない。

 仮に得られたとしても、その状況が彼にとって都合の良い状態であるとは言い切れないだろう。

 たとえばアイドルが複数人で移動している。これだけで、リスクが跳ね上がる。万能とはいえない【催眠アプリ】を一気に複数人に掛けられると驕るほど男も馬鹿ではない。

 ならアイドルが一人で移動するタイミングを狙えばいいのだが、それを偶然狙えるほど男の直感は優れていない。狙えたとしても、不確定な情報は男を迷わせる。このまま深い催眠を施すべきか。しかし周りに関係者がいないとは限らない。目的地へアイドルが遅れた場合、不自然な綻びが生じるかもしれない。

 【催眠アプリ】の能力を考えれば、些か慎重すぎると思える。が、男は初めの一歩だからこそ慎重を期している。アプリの全能感に酔い、偶然を残し続けるなど馬鹿のやることだ。アプリがあるからこそ、その力で偶然を消して確実にアイドルたちを支配したいと男は考えていた。

 

 まず何よりも〝情報〟が必要だ。アイドルの動向、行方、変装の手段や私生活を覗くことができる手段。それが情報に繋がり、アイドルたちに確実な催眠をかける隙を見いだせる。

 

「……ん? あの女は、事務員か」

 

 何か付け入る隙がないかと、不自然にならない場所に止めた車の中から事務所を観察していた男は、事務員と思われる女性が出てくるのを見かけて声を発した。

 少し遠目だが、大人びている女性だった。だがまだ若い。283プロ所属のアイドルでは桑山千雪と同世代くらいか、と想像ができる見た目だ。

 

 事務員なら悪くない。男は見つけ出した隙から【催眠アプリ】を使用する算段を立て始めていた。

 アイドル事務所で働く事務員なら、色々なことを知っているに違いない。どこまで知っているかは催眠かけてみてからになるが、足掛かりにはなるだろう。ガードの緩い事務員から支配し、情報を得てアイドルたちに催眠をかける。

 安定を取る選択肢としては、単純ながらかなり上策だ。催眠アプリの限界を細かく試すという意味でも、彼女はうってつけの人材と言えた。

 

「それに……あのくらいレベルの高い事務員なら、前座として十分に楽しめそうだからな」

 

 催眠をかけて情報源とするなら、ああいう美人が一番いい。

 醜悪な欲を覗かせながら行動方針を決めた男は、早速彼女に催眠をかける手筈を整え始めるのであった。

 

 

 男が事務員の――――七草はづきの動向を完全に把握できたのは、それから二日ほど経った頃のことだ。

 アイドル事務所を切り盛りする事務員の情報を引き出すだけなら、ネットを使えばすぐに済む。もっと細かく身近な情報を得るなら、それこそ【催眠アプリ】を用いれば容易い。近隣の人間に軽い催眠をかけ、それとなく世間話を装えば何一つ違和感を残さずにはづきのことを聞き出せた。

 意外なことに、はづきは正式な従業員ではなくアルバイトであること。夜、事務所を閉めて別のアルバイトへ赴くこと。その時、彼女は一人で行動すること。

 はづきの情報を知ってからの作戦決行は早かった。彼女に狙いを定めてから僅か三日後、男は帰宅途中のはづきへ声をかけた。

 

「あのぉ、すみません……」

「……あ、はい。何か、困りごとでしょうか〜」

 

 仕事の疲れからか、ぼんやりと帰路に着いていたはづきだったが、自分が声をかけられたことに気づくと足を止めて笑みを浮かべた。

 その顔は警戒が少しと親切心が大半。男は人付き合いに秀でていないと言っても、それはコミュニケーションが取れないということではない。性格の問題で、言葉を交わせば交わすほど彼の身勝手さに人が離れていく。つまり彼の横暴な態度に誰もが辟易するとにかく自分本位の人間なのだ。

 しかし、それ故に仮面を被ることは上手い。はづきを相手に〝非常に困っている〟という演技をし、身なりも整えて普通の人間に擬態することで、一瞬の信頼を得ていた。

 無論、表面だけを取り繕ったところで、それはハリボテだ。少し言葉を交わすだけで、はづきも彼の横暴さに気づくだろう。彼女は男がスマホを手にし、困ったという表情をしているのを見ただけで、ある程度の察しを付けられる理知的な女性なのだから。

 

「実は道に迷ってしまって……スマホで調べたのですが、細かい部分がわからず。申し訳ありませんが、これを見て分かりそうな部分を教えていただけませんか?」

「あー、私に分かる範囲でよければ…………………………」

 

 もっとも――――男と言葉を交わすだけの時間があれば、の話だが。

 考えておいた適当な理由を並べ、四の五の言わせずにスマホの画面をはづきに見せる。もちろんそこには地図アプリなどなく、催眠をかけるための映像が流れているだけ。

 

「…………………………」

 

 その映像、光を見た途端、はづきは言葉を止めた。否、身体の動きを止めたと言うべきか。手をだらんと下げた直立の姿勢で、虚ろな目をした人形のような姿を晒す。

 

 【催眠アプリ】の基本動作の一つ、スマホで映像を見せることで催眠にかける。催眠にかけられた人間は、事前の仕込みがない限りは表面意識が失われたトランス状態になり、操ることが出来る。はづきの反応は、アプリの力が正常に作用している何よりの証拠だ。

 

「俺の車に乗れ。その後は俺について来い」

「はい」

 

 はづきの情報集めと違い、彼女自身と自然な言葉を交わす必要はない。問答無用で催眠状態にしたはづきを眺め、成功を確信した男は彼女に命令を下した。

 はづきは淡々と答えると、先ほどまでのぼんやりとした雰囲気を潜ませて無機質な行動を取る。何の指示も出していない催眠状態、意識を奪われた人間が行う機械のように従順な動作。しっかりと催眠が機能しているその光景に、男は得も言えぬ官能を覚えた。この支配感をアイドルにかけることができた日には、絶頂してしまうかもしれない。

 

 己の理論が間違っていなかったこと。はづきを手に入れることができた確信。恍惚とする多幸感に身を震わせながら、男は車を走らせて人気のない場所へはづきを移動させた。

 

「そこで立て。俺から命じるまでじっとしてろ」

「はい、わかりました」

 

 人気のない場所にも目星は付けていた。明かりは薄いが、近くに寄れば十分に見えるだけの光源も確保してある。

 ならばあとは情報を引き出すだけ――――とはならない。一体何のために美人な事務員に目をつけたと思っているのか。

 初めの一人としては申し分ない。アイドルとは別の枠で精々楽しんでやるよ、と上から目線で男ははづきの衣服を剥ぎ取ろうとした。

 

「あ?」

 

 が、その手が止められる。誰の、とは言うまでもない。ここにいるのは男と催眠にかけられたはづきのみ。

 

「……な、なに、しようと……してるんです、か……!」

 

 男の目の前には、悪意に対して明確な敵意の視線を向けた七草はづきの姿があった。彼女の衣服に手をかけようとする男の手を、彼女自身の手で掴むことで防いでいる。

 その抵抗自体は弱々しいものだったが、男からすれば〝抵抗されたこと自体〟が甚だ納得のいかない反応だった。催眠状態で従順なはずの女が、催眠に逆らって抵抗しようとしているのだ。

 

「ちっ」

「あ……………………」

 

 男は舌打ち交じりにスマホを翳すと、再びはづきへ【催眠アプリ】の映像を見せ、トランス状態へと導く。

 それではづきは再度立ち竦む。先ほどの抵抗が嘘のように、彼女は命令なしでは喋らない人形のような立場へと逆戻りした。が、その人形に抵抗された男の機嫌は見るからに不機嫌なものだった。

 

「クソが。こいつも効き目が浅いタイプか……しかも他で試した時には見れなかったレベルだ」

 

 【催眠アプリ】は強力だ。それは開発者である男がよく知っている。同時に、そんな催眠能力にも瞬間的な限界があることをある程度は実験済みであった。

 催眠の効果には個人差がある。表面意識が強く拒絶をするような命令。極端な例で言えば、自殺をしろと命じることは不可能に近い。そういう常識を逸した命令や、身体的な接触を行った場合、極一部の人間に対しては催眠が一時的に解けてしまうケースが【催眠アプリ】の明確な欠点だった。

 その極一部、催眠に対しての抵抗力、心が強い人間とでも称する相手には、初めから強い命令を下すことは不可能。男が嬉々として催眠を振り撒くことをせず、念入りな作戦を立ててはづきから狙ったのは、そういう欠点を誰より知り尽くしていたからだ。

 

「ちっ。事務員の癖にお高く止まりやがって。この分じゃ、身体に触れたら完全に解けちまうな」

 

 しかし、欠点を知っていたからと言って苛立ちがないわけではない。目的とするアイドルではないとはいえ、その足掛かりとなる美人事務員を味わえると思った矢先の出来事だと考えれば、彼の苛立ちを推し量ることは容易だ。

 催眠への抵抗力は実際にかけてみるまで判明させられない。まさか七草はづきが抵抗力を持ち、衣服を脱がそうとした〝程度〟で催眠が解けかけるほどとは思いもしていなかった。

 男は馳走にありつく前の前菜を、目の前で取り上げられた形になる。だが、そういった催眠の欠点に対して、彼の手持ちに対策がないわけではなかった。

 

「おい。喋れる範囲でいい。おまえ自身のことを教えろ。出来るだけ細かくな」

「はい」

 

 催眠の効果が薄い人間はいる。けれど催眠に〝かからない〟人間はいない。全ての人間に試すことは不可能だが、男は自分の造った【催眠アプリ】がそれほど無能ではないと確信していた。

 身体に触れることができないなら、それ以外の情報を引き出す。彼女に軽い催眠をかけ、アイドルの情報だけを引き出していく、という方法も考えられたが、それでは男の気が済まない。アイドルを所有物にしようという男が、たかが事務員ごときを支配できないなどあってはならない。そんな自尊心が男の原動力となり、はづきを支配する手管を着実に整え始めていた。

 

 男は七草はづきの経歴を洗いざらい聞き出した。触れることは出来ずとも、彼女のことを知るだけならば造作もない。

 彼女の家族構成、懐事情、どうしてアルバイトを複数掛け持ちしているのか。特に複数のバイトを掛け持ちしている理由に関しては、男は確実に〝使える〟と満足気に頷いた。

 

「スマホを出せ。それから、俺が伝えることをしっかりと覚えろ。そのことは催眠を解いても〝絶対に覚えて実行すること〟だ、いいな?」

 

 ――――極上の馳走の仕込みをじっくりとするのも悪くはない。その先の楽しみを想像しながら、彼は美人事務員にとある命令を仕込むのだった。

 

 

 

 

 七草はづきへの催眠を行ってから数日後、彼は仮の自宅で優雅に寛いでいた。

 その自宅は〝友人が善意で貸してくれた〟一軒家だ。あくまで仮のもので、本命は別に用意するつもりだった。ここは283プロとそう離れていない物件のため、そういう意味で彼にとっては重宝する場所なのだ。

 と、彼がリビングのソファーで酒を煽りながら寛いでいると、スマホが震えて来客が近いことを知らせた。

 

「今日も来たか」

 

 夜も拭け始めた中での来客は、下準備ばかりで退屈な日々の癒しとも呼べる物。

 あるいは〝成果の進捗〟と言うべきだろうか。彼は玄関の扉を開けると、その隙間から差し出されたSDカードを受け取る。代わりに金が入った封筒を差し出して受け取らせた。

 来客との時間はたったそれだけで終わった。SDカードと金封のやり取り。幸い、男は金や住居に困ることが今後一生ないため、懐は痛くも痒くもない。

 男は鼻歌を歌いながらSDカードの中身をリビングのモニタに出力し、その成果をソファーに座って我が物顔で鑑賞し始めた。

 

『七草はづきです。これからー、いつものアルバイトを始めますよ〜』

 

 大きなモニタに事務員の服を着た女性が映し出された。七草はづき。先日、彼が身体を味わい損ねた女だ。間延びした声色とは裏腹に、身持ちが固く厄介な相手である。

 そんな彼女も金銭面では苦労をしているらしく、複数のバイトは家計を支える意味が大きい。彼はそんなはづきに大いに同情した。だから、彼女がその身体で出来る美味い稼ぎを提供してやったのだ。

 

『今日は、おまんこを中心にオナニーします〜♥』

 

 それが、七草はづきが誰もいなくなった事務所の中で堂々と裸になり、カメラの前でオナニー宣言をする〝アルバイト〟の風景に繋がるというのは、まさに〝催眠〟という要素が欠かせない証左である。

 普段のはづきなら、如何に大金を握らせたとしても事務所の中で裸になり、卑猥な淫語を交えながら堂々とオナニー宣言をしながら撮影するなど、ありえるはずがない。

 

「なかなかいい感じじゃねぇか。お、相変わらずムダ毛の処理が甘いねぇ、はづきちゃんは。忙しいからってサボりすぎだ。ま、俺からすれば見れてラッキーだけどな」

 

 それを易々と成し遂げた男は、まだ触れることの出来ない彼女の身体を映像越しに観察することで、絶対的な優越感に浸っていた。

 

 はづきの催眠抵抗力は高い。それを噛み砕いて細かく言葉にするなら、常識外な命令や行動を拒絶する精神の〝壁〟が大きく厚く、激しく違和感を持つことで表面意識が浮上しやすい体質なのだ。

 だが、催眠が通じないわけではなく、彼の造った【催眠アプリ】は人を人形のように操る以外のこともできる。それがはづきにさせている〝常識改変〟だ。

 アイドルを所有物にしても、受け答えがトランス状態の人形めいた物ではすぐに飽きてしまう。そのための常識改変。人格を残したまま、常識を書き換えることで男に従順で都合のいい奴隷とする力。

 無論、改変にも限界はある。男がはづきに〝身体を使わせることは当然〟と暗示を仕込んだところで、強い精神の壁に阻まれて同じように失敗するだけだろう。

 故にその壁を溶かし、トランス状態での命令や常識の改変が通じやすくする。

 

「経過観察から五日……代わりのバイトに違和感を持つ場面はなし。仕込みは上々ってか」

 

 するべきことは単純明快。強固な壁を溶かすのは彼女の常識。言わば刷り込みをしてやればいい。七草はづきの身体と心は、男に催眠をかけられて使われるべきものである、と。

 そのために彼ははづきのスマホに【催眠アプリ】の簡易的な機能を入れ、彼女にアルバイトの暗示をかけた。

 

【自分で自分に催眠をかけ、催眠に対する抵抗力をなくすアルバイトをしている。それは一人きりで行う撮影オナニーであり、その映像を雇い主に渡すことで報酬を受け取る】

 

 という催眠だ。彼女に金銭を与えることで、これは正しい労働なのだと思い込ませる。正しさが僅かでも含まれているならば、それを催眠で信じ込ませるのは容易いことだ。

 金銭を受け取るという義務感は、はづきから抵抗の選択肢を奪う。そしてアルバイトの内容が、はづきからさらに抵抗力を奪う。

 

 映像の中のはづきはバイト開始の宣言をした後、ソファーに座って大股を広げた。濃いめに生えた縮れ毛に隠れた陰裂が『くぱぁ♥』といやらしくその姿を見せる。はづきはカメラに裸身を映しながら、その秘所に指を擦り当てて自慰行為を始める。

 

『んっ♥ 私は、催眠に抗えない……私は、ご主人様の命令に、絶対服従……あんっ♥ 私は催眠に抗わない♥ ご主人様の命令は、絶対服従ぅ♥』

 

 恥部を擦るだけの簡単なオナニーだが、催眠による開発の促進で身体は極端に素直な反応を返している様子だ。

 身体は快感に逆らわない。気持ちいいという感覚に、決められた暗示を呟かせることで抵抗力を奪っていく。はづきの強固な常識を、自らの手で書き換えさせていく。

 男はただ事務所と自宅をはづきが行き来する中、通りかかるこの家でSDカードを受け取り、金銭を渡しているだけでいい。それで男ははづきに催眠の仕込みをさせられ、彼女は生活が豊かになる。家族に苦労をさせることも減って、楽ができる。

 何も問題はない。はづきに了承は得ている。彼女にとって有利な条件であれば、催眠を拒絶する理由は何もないのだから、問題など起こり得るはずがないだろう。

 

『んあっ、あっあ♥ 私はぁ、催眠に、服従……♥ 私はー、ご主人様の、牝ペットぉ……んんっ、イク♥♥』

 

 膣に指を食い込ませ、愛液を吹きながら果てる。はづきはこうして毎夜、一人きりのオナニー撮影をご主人様と呼ぶ誰かに送り届ける。

 その自慰ははづき自身が違和感を覚えぬまま、じわりじわりと彼女の心を溶かしていく。催眠に抗うための精神。アイドルたちを男の所有物などにさせないための防波堤――――それが着実に崩れていく光景を眺め、男は酒を煽って愉悦に浸る。

 

 

 

 

 男が再びはづきと接触したのは、彼女にアルバイトをさせてからたっぷり数週間後のことだった。

 必要そうな仕込みを粗方終えたのもあり、あとははづきを手に入れてしまうだけ。仕込みの収穫が出来ると確信していた彼は、気味が悪いほど上機嫌な笑みを浮かべ、大胆にも283プロの事務所へと足を運んだ。

 はづきがアイドルたちを見送り、事務所の鍵を閉めるタイミングを見計らい、彼は堂々と姿を現して彼女に声をかけた。

 

「すみません、七草はづきさんですよねぇ?」

「え……? あ、あの、あなたは……?」

 

 数週間前とは違う、困惑と警戒を強めた表情だ。

 いつでも逃げられる、反撃できるように男と正面から見合う。さっきまで〝アルバイト〟をしていたのだろう顔は、緊張の中に扇情的な赤みを灯していた。

 

「そう警戒しないでくださいよ。実は俺、こういう人間なんです」

 

 そんな警戒心に溢れた〝隙だらけ〟な七草はづきへ、男はスマホを翳して【催眠アプリ】を使用した。

 

「とりあえず中に入れて貰える? 外で話すと寒いっしょ、お互いにさ」

「はい。ご主人様の言う通りにします」

 

 すると何と不思議なことだろうか。はづきは警戒心のない無表情になると、施錠したばかりの事務所の中に男を招き入れたのだ。

 アイドルたちの明かされていないプライベートなものや、それこそ仕事の内容が詰まっているであろう資料。そういったものがあって然るべき事務所の中に、はづきは見ず知らずの怪しい男を〝ご主人様〟と呼んで招き入れた。

 

「へぇ、ここが283プロの事務所か。思った以上にこじんまりとしてやがるな……っと。ここがプロデューサーさんの席か」

 

 はづきの手で事務所へ招き入れられた男は、当然の権利とばかりに中を見渡し物色し、挙句の果てにはアイドルたちをプロデュースする男が事務をするための椅子に我が物顔で座るなど、自分の家のように好き勝手に振る舞った。

 

「しっかし、こんな距離でアイドルたちと触れ合えるなんて良いご身分なこった。ま、俺はもっと良いとこを用意して〝触れ合う〟つもりだがね」

 

 プロデューサーとしての触れ合いと、アイドルをモノ(所有物)にしようと画策する男の言う〝触れ合い〟は、その意味を大きく違えるものであろう。

 だが男からすればそんな差は関係ない。プロデューサーからしても関係があるとはいえない。何故なら彼は、男がアイドルを所有物とすることを何も知らぬままに役目を果たしてくれるのだから。

 

「はづき、こっちに来て立ってろ」

「わかりました」

 

 少し先の未来を夢想してニヤリと笑った男は、今度は目の前に広がる未来に手を伸ばして醜悪な笑みを浮かべた。

 男の目の前で無防備に立つはづきの姿は、初めて催眠をかけた時と変化がないように見える。が、過ぎた時間とシチュエーションが異なるのなら、同じとは言えない。

 大事なアイドルたちに繋がる事務所に部外者を招きながら、はづきは抵抗する素振りすら見せない。

 

「さぁて、ようやくご開帳だ」

 

 しゅる、と衣擦れ音が静かな事務所の中に大きく響いた。

 それははづきの事務服を男が手で掴み、無理やり脱がした音。しかしはづきは抵抗しない。立っていろ、と命じられたからには自ら動かないのが催眠中の常識だ。

 即ち、はづきの精神の壁が催眠のトランス状態に敗れ、表面意識の眠りが維持されているということに他ならない。男は笑みを深めると、はづきの衣服を一枚足りとも残さずその手で剥ぎ取ってしまった。

 

 露になる七草はづきの一糸纏わぬ身体。それは一介の事務員バイトの裸としては、些か優れすぎているものだった。

 

「へぇ。生で見るのはやっぱり違ぇな」

 

 映像越しの多少乱れた裸とは違う。触れられる距離で見るはづきの女体は、毎夜その自慰姿を観察していた男をして息を呑むものだ。なまじ知っているからこそ、彼は〝ようやく〟という感慨を覚えているのかもしれない。

 事務仕事でたるんでいるのかと思いきや、くびれは思いの外しっかりとしている。もちろん現役でレッスンをしているアイドルには及ばないだろうが、アルバイトの事務員と考えればはづきのスタイルの良さはお釣りが帰ってくるクラスだ。

 胸は膨らみ、腹に無駄な肉はほとんど見られない。摘めばさぞ柔らかい感触を返してくれることだろう。強いて言うなら、相変わらず下腹部はムダ毛の処理が甘いことか。

 

「ちゃんと今日のバイトもこなしたらしいな。勤勉なのは良いことだ」

 

 そのムダ毛が湿り気を帯びていることから、ついさっきまで〝バイト〟をしていたことはやはり確実だ。

 男ははづきの秘部に指を伸ばした。陰毛に隠れた淡い色の陰裂に、指をグッと擦り付ける。

 

 くちゅっ♥

 

「おぉ……」

 

 秘部に喰い込んだ指が水を絡めて音を鳴らす。思わずため息が零れた。自分が下した催眠命令の成果に、彼は本気の感動を覚えたのだ。

 オナニーをして間もないマンコを指で弄った男は、続けて催眠の具合をしっかりと確かめていった。

 衣服を脱がされることに抵抗はなく。日々弄り回している秘部にも反応はなかった。

 

 次は胸。正面から両方を鷲掴みにしてやると、手のひらを大きく開いてちょうどよく揉みしだける美乳の感触が、男の神経を伝って至極の感触が確かな快感として脳髄を興奮させる。

 その次は尻だ。表面をスリスリと撫で回し、力強く全体を鷲掴みにする。手の痕が残る白磁の尻は、日々の事務仕事で椅子に敷かれているとは思えないムチムチの柔らかさだ。

 頭の上から足の先まで、一糸纏わぬ美女の胸と尻を丹念に揉みしだいたところで、男は勝ち誇った笑い声を上げた。

 

「はははは!! 完璧だ……完璧に成功した! これで283プロのアイドルは俺のものになったも同然だ……く、くくく、くはははは!」

 

 笑いが止まろうはずもない。一度は出鼻をくじかれた形になったか、はづきほど強固な精神を持っていたところで、最後には催眠に抗うことができない確固たる実証を得られた彼が、その笑いを簡単に止めることなど出来はしなかった。

 裸に剥いて触れても、一切の抵抗をしなくなった。催眠を受け入れ、男に絶対服従という心への暗示は彼女の抵抗力を完璧に削ぎ落とした。

 これでアイドルたちに催眠をかけるための土台、〝情報〟は手に入れたも同然だ。しかしその前に、ここまで苦労させられた対価を男は手に入れなければ気が済まない。

 

「さあ、俺のために育てたその身体を差し出してもらうぞ…………いや、ここまで手間をかけたんだ。もっといい反応で楽しむとしようじゃないか」

 

 男は虚ろな目で直立するはづきの前で芝居がかった仰々しい態度を取ると、彼女に向かって言葉を続けた。

 

「いいか、はづき。おまえにかけた催眠を解く。ただし、それは意識だけで身体は俺の指示を一番に優先して、自由には動かせない。ついでに、俺の命令を受ける度におまえは気持ちよくなる。わかったか?」

「はい。私は意識を取り戻します。ですが、身体はご主人様の命令で動かします。ご主人様からの命令で、私の身体は気持ちよくなります」

 

 トランス状態と根本的な常識改変のみならず、催眠が深く浸透していれば意識を解放し身体だけを操る芸当さえ、この力があれば容易い。

 

「さあはづき、おまえの意識を解放してやろう」

 

 パチンッ、と男が合図の代わりに指を鳴らした。その姿はマジシャンか、はたまた神気取りの全能者か。

 

「ん……あ、んん……?」

 

 瞬間、はづきの目に光が戻り、彼女は知らぬ間に落ちた深い眠りから覚めたように視線を巡らせた。

 

「事務所……あれぇー? 私、確か施錠して、そのあとぉ…………お?」

 

 記憶を掘り起こして数秒、はづきは目の前で座った男を見て目を瞬かせた。

 それ以前に、素っ裸で彼の前に立っていることを知って、彼女は顔を真っ赤にして叫びを上げた。

 

「きゃぁぁぁぁぁ!? わ、わ、なんで裸……あ、あなた誰ですか! け、警察、警察に……」

 

 いやはや、人間はこれほど動揺することができるものなのかと男は感心した。

 素の七草はづきに近かったオナニー撮影で感じ取れた緩慢な喋りはなりを潜め、自分の裸と不審者に挙動不審で要領を得ない言葉を並べ立てる。その様はあまりに滑稽だった。催眠状態で人形のようだった彼女を見ていれば見ているほどにだ。

 今の彼女におまえの胸や尻、秘部を触ったこと、そもそも自慰行為を何週間もじっくり鑑賞していたことを告げたら、一体どんな反応を返すのかと男はくつくつと笑った。

 しかし、このまま騒いで暴れられて面倒になるのは面白くない。男は椅子の背もたれに体重を預けると、この場をより面白くする言葉を発した。

 

「はづき……気をつけ」

「ど、どうして私の名前――――え!?」

 

 ぴしっ♥

 

 気をつけ。小学生でも知っている単調な動きをはづきは取った。

 素足の踵を事務所の床につけ、真っ直ぐ伸ばした指の爪は身体の横にピタリと止め、その裸を背筋を伸ばし直立で維持をする。

 もちろん、その【気をつけ】という行動を取る身体に一番動揺をしたのははづき自身である。錯乱状態で暴れかけた身体が、男の一声で直立不動の姿勢を取った。手足どころか首を動かすことすら出来ず、彼女は恐怖に歪んだ表情で彼を見つめていた。身体を震わせることすらできないはづきは、表情でしか恐怖を表すことができないのだ。

 

「いいぞ。命令が聞ける良い身体を持ってるじゃないか」

「め、命令って……私の身体、なんで……」

「おまえも馬鹿じゃないなら気づいてるんだろ? はづき、おまえは俺の言いなりなんだよ」

 

 目が覚めたら全裸で男の前に立っていて、身体は自分の意思を無視して彼の言葉だけを聞いて勝手に動く。

 夢であって欲しいと切に願う恐怖体験だろう。現実から目を背け、発狂したくなるようなおぞましい現実。さしものはづきも耐えられなかったのか、息を荒く涙を流しながら口を開いた。

 

「だ、だれか――――」

「助けは呼ぶな。俺に不都合なことが起こることは一切禁ずる」

「……っ、っ……!!?」

 

 だが、彼女の口はパクパクとマヌケに開閉するばかりで、肝心の言葉は全く出てこない。

 言語を発するという行為は〝身体を動かす〟ことに該当する。その気になれば、はづきの意識だけを残して発言さえ自由自在に操ることができる。ただ、そこまですると今の面白みがなくなってしまうと思ったから、男は肉体的な縛りに限定した。

 正気を残しているなら〝正気の言動ごと〟楽しまなければ意味がない。どこまでも自分本位な彼は、目に見えるものが好きだった。意識を掌握して完璧な形で牝を従えるか、正気を残した牝が恐怖と快感で発狂する様を楽しみながら弄ぶか。

 今は手に入れたばかりの玩具で遊びたい。故に、彼は当然のように後者を選ぶ。

 

「安心しろ。おまえを殺したりはしないさ。せっかく手に入れたんだ、色んな姿を見ておきたくてな……そら、股を開いて見せろよ」

 

 がぱぁ♥

 

「ひぃ!?」

「もっとだ。腰を低くして手は頭の後ろ。ああ、もっと分かりやすく説明してやろう。腋とマンコをガニ股で見せつけろ」

「いやぁぁぁぁぁっ!」

 

 勢いよく開かれた両足に続いて、腰が深く落ちて腋の下が男の前で暴かれる。身体の裏切りに叫ぶはづきだが、彼女の素っ裸は全身をほとんど隈無く晒したマヌケで下品なポージングで固定されてしまった。

 ガニ股腋見せ屈服ポーズ。前から見える尻から腋の下まで、さらに一番隠すべき秘部を突き出すように見せつける。全身の恥部をありったけ晒すことで、相手に屈服したことを全力で認める無様な姿勢。

 男は大喜びだが、はづきは人生で初めて行うガニ股腋見せポージングに悲鳴を上げることしかできない。

 

「やめて! やめてください!! どうしてこんなこと……何なんですか、あなたは! こんなおかしなこと、う、うぅぅぅ……」

「よく喚く女だ。いつもの口調はどうした、んん? それに……おかしなことと言っているわりに、おまえの股は濡れてるじゃないか」

「へ? ……えっ♥」

 

 わけも分からず泣き喚くことしかできないはづきが、男の指摘で自分の身体の火照りに気づき、カァと耳まで真っ赤に染める。

 大きく下品に広げたはづきの股座から、染み出すように垂れた粘り気のある糸。それは細く長くいやらしく地面に向かって伸び、ピチャンと音を立てて床に滴り落ちた。

 何を隠そう、それははづきの膣口から溢れた愛液。牝が気持ちよくなった時に出す淫乱な汁だ。

 

「う、うそっ♥ やっ、なんで、身体……どうしてっ♥」

 

 辱められて感じている身体にはづきが困惑の声を漏らす。

 男が身体を操る手段を持っているということは嫌でも知らされたが、まさか命令で発情するようにされているなど夢にも思っていない様子だ。馬鹿げたことを現実にされている中で、くだらない妄想の具現化が自分の身体に引き起こされている、などと想像しろというのは酷な話だ。

 

「ガニ股でマンコを見せつけて濡らすとは、とんだ痴女がいたもんだな。好き好んでやっているんじゃないか?」

「そんなわけ、ない……のに、どうして……うぅ、どうしてぇ……おまんこ、濡れちゃってるのぉ……♥」

 

 どうして、どうしてとしきりに呟くはづき。その言葉の端々には、染み付き始めた卑猥な単語が無自覚に出てしまっていた。正常な彼女の反応に異常が混じっているのも、彼の征服感を充足させた。

 

 

「今言っただろう。それはおまえが淫乱だからだ……背中を向けてケツを突き出せ。それから、尻穴を広げて見せつけろ」

「あっ!?♥ やだ、許して!♥ 許してください、いやぁぁぁ!!♥♥」

 

 となれば尚更命令は止まらない。すればするほど身体を火照らせ股を濡らすはづきが、涙と鼻水を垂らして許しを乞う顔を背け、尻臀を鷲掴みにしてケツ穴を曝け出す。

 遂には排泄に使う不浄の穴を自ら暴いたはづき。白日の下に晒された彼女のアナルは、その皺の数まで鮮明に数えられそうだ。穴は恥ずかしさの限界に達し、必死に閉じようと窪んでいる。それを阻止せんとして、はづきの両手が全力で尻臀を左右に引っ張っている。

 そんな恥辱極まりないマヌケな動きをするはづきの秘部がさらに愛液を垂らし、男の鼻腔を牝の臭いがくすぐり始めた。

 

「壁に手を突け。足はそのままでいい」

 

 ――――もうそろそろ良いだろう。

 数週間、映像だけで我慢していた女がケツ穴まで開いて従っているのだ。その涙と香しい牝の香りに、男の逸物は我慢の限界だった。

 事務所の壁に手を突くはづきの顔が絶望に歪む。その格好で何をされるのかくらいは、彼女ならば理解ができるだろう。

 命令で勝手にほぐれた膣口に、熱く煮え滾り血を脈動させる肉棒の先端を接着した。軽く擦ってやると、はづきの身体はビクビクと分かりやすく快感を露にする。理解して拒絶する心とは真逆の反応を身体は返していた。

 

「や、やめてください……それだけは……お願いします……お願いします、お願いします!!」

 

 恥も外聞も捨てた哀願がはづきの口から滑り落ちる。助けを求める声を封じられた彼女には、それしか発せられる言葉がない。

 悲しいかな、男は彼女の懇願を聞いて興奮した。わざわざ顔だけはこちらに向けさせ、涙を溜めて鼻水を垂れ流した美女の悲痛な顔に、今感じられる最大の興奮を彼は肉棒に集中させた。そして、それ以上の快感を求めて、彼は腰を一気に振り抜いた。

 

 ずりゅずりゅ♥ ずりゅりゅりゅっ♥

 

「あ、ぁ……んおぉぉぉぉっ!♥♥」

 

 膣口が肉棒を歓迎した。挿入の瞬間、はづきの膣壁が柔らかく蠢いて男のペニスを包み込んだ。尻穴は窄み、爪先は立ち、無様なガニ股で挿入を受け止めたはづきは、身体が感じた快楽で腹の底から下品な声を上げた。

 恐怖に歪んでいた顔が、鼻の下を伸ばして目を上擦らせた顔へと変わる。イク一歩手前というはづきの淫らな表情に、彼は子宮への一撃を以てトドメをくれてやった。

 

 ドチュンッッッッ!♥

 

「あっ♥ おっ♥ ……ん゛お゛っ♥♥ あっおっ♥ ほぉぉっ♥♥♥ い、ぐぅぅぅうっ♥♥♥♥」

 

 その顔はみっともないほど下品に歪み切った。数週間オナニーで解きほぐされた身体は、催眠という絶対命令の感度上昇に耐え切れず、はづきに下品なアヘ顔アクメをキメさせたのだ。

 ガニ股がガクガクと痙攣して崩れかけながら愛液を吹き散らかし、はづきは唇を尖らせたマジイキ顔を逸らして野太い嬌声を発した。

 あれほど大らかな美人だった女が、これほど下品な牝に成り下がれるものなのか。それを可能にした【催眠アプリ】という自らの叡智の結晶、導き出した現実の光景に男の気はこれ以上なく昂っていた。

 

「は、はは、あははは! いいぞいいぞ、豚みたいに啼いて喘げ! 俺の力に屈服しろ!」

 

 パンッ♥ パンッ♥ パンッ♥ パンッ♥

 

「お゛〜〜〜〜!?♥♥♥ あ゛ッ、お゛っ♥ ふぐッ、ん゛お゛ぉぉぅ♥♥ ッヘェ♥ う゛っ、あ゛っ、あ゛ァァーーッ!♥♥」

 

 初めて【催眠アプリ】で手に入れた牝のはしたない喘ぎ声。自分に支配され、屈服した身体でよがり狂うその姿。

 自分の力で手に入れ、成し遂げた成果に彼女の支配欲求が満たされる。膨れ上がった欲望をはづきへ叩きつけるように腰を振り、彼女の尻肉に卑猥な波を打たせる。

 こうなった彼は止まらない。一方的な欲望を開花させる手段を得てしまったこの男は、はづきという牝穴をとことん犯し、その優れた身体を味わい尽くすまでセックスを止めることはないだろう。

 

「く、くく。マンコだけじゃなくて胸も最高だ。あぁ、事務員でこれかよ! レベル高すぎてたまらねぇなぁおい!」

「やべっ、やめ、で……あひぃんっ!?♥♥ おっ、おっ、んほぉぉぉぉぉっ!♥♥♥」

 

 後背位で覆いかぶさり、腰を振りながら手伸ばして胸を揉みしだく。はづきの素晴らしい身体は、まだ事務員を抱いているだけだという期待感を煽ることにも一役買っていた。

 そうだ。彼の目的はやっと入口に立ったばかり。入口でこれだけ気持ちよく、たまらないと口走るほどなのだから――――真の目的を果たした時、彼は死んでしまいそうな多幸感に脳髄を焼き尽くされるに違いない。

 

「うぉぉぉぉ! 射精る、射精るぞぉぉぉ! しっかり奥で受け止めろおぉぉぉ……!!」

「あっ♥ あぁ♥ あぁぁぁぁぁっ♥♥ やめてやめてやべでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛っ♥」

 

 その快感を想像して腰を振る。想像を絶するであろう快感を夢想しながら、今味わっている最大級の快楽に彼は身を浸した。

 もちろんはづきの嬌声混じりの悲鳴など聞いてはいない。彼は極限まで昂った支配欲求をそのまま発露したように、はづきの髪を掴んで乱暴に振り向かせ、その唇を奪いながら奥に射精をした。

 

 ドピュ♥ ドピュドピュドピュドピュドビュブビュブビュルルルルルルッ!♥

 

「ん゛ォ゛〜〜〜〜〜〜〜〜っ♥♥♥♥♥」

 

 何もかもを奪いながら、何もかもを求める強欲な生ハメキス射精。

 締め付ける膣壁の肉に竿が唸り、陰嚢に溜め込んだ精液をはづきの子宮へありったけ注いでいく。

 中出しされる絶望が、開発された身体からもたらされる尋常でない快楽に押し流され、はづきが白目剥きかけの下品なアヘキス顔を男の目に焼き付けさせながら果てた。

 

 この女はこれから一生、俺のコレクションとして働くのだ。

 そんな醜く歪んだ独占欲を抱きながら、男ははづきの膣内に濃厚な精液を心地よく射精し続けたのだった――――――

 

 

 

 後日、男は新居に必要なものを移して寛いでいた。

 寛ぐソファーの質は言うに及ばず、彼が目にする天井とリビングは、何度見上げて見回しても飽きない広々としたもの。正しく豪邸と呼ぶに相応しい新居だった。

 

「これからアイドルを呼びつけるんだ。家はどれだけ広くても困らねぇ」

 

 これは仮拠点と同じく、彼の〝知人〟が〝善意で用意〟して〝譲って〟くれた豪邸だ。

 広さだけではなく、細かな設備や部屋なども彼好みに改築してもらい、その上で無償で譲り受けた。ここの維持費やその他諸々も彼の〝知人〟持ちだ。

 まったく、持つべきものは優しい友人だと彼はスマホを片手に独り言ちる。無論、はづきの抵抗力を削ぎ落とす時間で根回しをした成果であるのは、彼の止まらない笑い声から言うまでもないことだ。

 

「なぁ、そう思うだろ、はづき」

「はぁい♥ 流石はご主人様ですね〜♥」

 

 否、独り言ちるというのは間違っていた。この豪邸には彼以外にもう一人、自由に出入りが出来る人間の姿があった。

 はづきは手にした資料をテーブルに置くと、その姿を〝ご主人様〟へと見せつけた。

 

 下半身はオープンクロッチタイツに股上まで切られたミニスカで、はしたないマンコを丸見えに、ケツ肉がタイツに張り付いた扇情的な様を。

 上半身はハイレグカットされたシャツで横乳を丸出しに。いつでも揉みしだいて貰える奴隷のおっぱいを。

 事務員の服を改造した、全裸より滑稽で恥ずかしい服装をここでの正装としたはづきは、股間を晒しながら満面の笑みで言葉を重ねた。

 

「これがー、ご主人様がお求めになられていた283プロ所属のアイドルの個人情報です〜♥ それからぁ、こっちは当面のスケジュールになります〜♥」

 

 痴女の姿ではづきが嬉々として送り出したのは、男にとってはそれだけで彼女を有能だと理解するに足るアイドルたちの〝全て〟だった。

 

「口頭でもある程度はお伝えしましたけど、もっと細かい方がいいと思って資料にしてみました♥ あ、隠し撮りも何枚か挟んでありますよー♥ ふふ、千雪は酔ったら隙だらけだから、少し多めに挟んでます〜♥」

「この短期間でよくもまぁ……お、その千雪ちゃんのケツ、こんなにデカかったのか。うおっ、めぐるちゃんのおっぱい、この年で90はやべぇな……いや、果穂ちゃんも小学生とは思えねぇスタイルしてやがる……」

 

 全てとは、文字通りの全てだ。アイドルたちの個人情報を徹底的に書き記し、年齢血液型身長体重、果てはスリーサイズや着替えの隠し撮りまで。

 当面のスケジュールだけで十分なところを、七草はづきは事務員という立場を最大限に利用してご主人様が喜ぶものを全て取り揃えた。男はそれに驚きながら、念願叶ったアイドルたちの秘匿情報へ食い入るように目を向けた。それから、はづきにニヤリと笑いながら言葉をかけた。

 

「けど良いのかよ。事務所のバイトさんがアイドルの個人情報を横流ししちまったりしてさ。こいつは立派な犯罪だぜ?」

 

 実に白々しい指摘だ。はづきに催眠をかけ、アイドルたちのスケジュールを洗って来いと命じたのは他ならぬ彼なのだ。彼が命じなければ、そもそも催眠対象として目をつけなければ、はづきが情報の流出や盗撮のような犯罪に手を染めることなどなかった。

 

「えぇー、そんなの当たり前じゃないですか〜♥」

 

 だが、はづきは何ら罪悪感を感じていない笑顔を返すと、おもむろにカーペットの上で膝をついた。そこから頭を下げたはづきは、男に対して全てを捧げる土下座で言葉を続けた。

 

「私は♥ ご主人様の命令を叶えることがだ〜いすきな♥ 淫乱事務員の七草はづき♥ ご主人様に従うことは、息を吸うより当たり前のことですよ〜♥ もっともっと、私にたくさん命令してください、お願いしますー♥」

 

 土下座をして命令をして欲しいと頼むはづきからは、元々持っていた倫理観や抵抗力などは一切感じられない。

 それがないことも彼は知っていた。完全に心を催眠に明け渡したはづきは、自分が何であるのかを完璧に自覚した。『男は自分のご主人様であり、どのような命令でも喜んで従うことが当たり前で、むしろ命令してもらうことで七草はづきは幸せになれる』という改変された常識を、はづきは心の底から信じていた。

 だから滑稽で無様な格好をしてアイドルの情報を横流しし、土下座で次の命令を懇願するはしたない行為だって厭わない――――ご主人様に絶対服従の奴隷であることを七草はづきは誰よりも認めている。

 

「はっ。なら精々、俺に従ってもらおうか――――その恥ずかしい格好のまま俺に奉仕しろ」

「はい♥ ご主人様っ♥」

 

 新しい命令を受けたはづきは機敏に立ち上がると、ソファーで寛ぐ男の横に座り、片手で彼のズボンを下ろしてその逸物に手で奉仕しながら、口にキスをし出した。

 

「ちゅっ♥ んちゅ♥ ん、んん……ちゅっ♥ ちゅる、ちゅぱっ♥」

 

 肉棒ははづきの手で扱かれて大きくなり、胴体ははづきの豊満な乳房が押し付けられて熱くなり、唇ははづきの愛情たっぷりのキスで快楽物質を脳髄に届け、目の前にははづきの愛らしいキス顔が映り込む。

 身体中が七草はづきという最高の事務員で染め上げられ、男は昇天してしまいそうな幸福感を享受する。

 始まりの一歩としては出来すぎている。顔と身体が良いばかりか、仕事まで有能な事務員を催眠で引き抜いたことで、彼は最高の足掛かりを手に入れたのだ。

 

 男の頭は幸福感でいっぱいだ。けれどそれ以上に、誰から催眠で支配しようか、どんな方法で催眠にかけてやろうか、というこれから先の楽しみが溢れ出していた。

 さあ、誰から催眠に堕ちてもらおうか。彼の頭は多幸感に包まれながら、アイドルたちを催眠で支配する計画を組み立て悦に浸る。彼のアイドルコレクション化計画はここから始まり、これからが本番なのだ――――――

 

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