「――――あん、たが……おまえたちが、ティオ先輩を! 絶対、絶対に許さないから!!」
男に向かって啖呵を切るピンク髪の少女。勝気でグラマラスな身体の持ち主は、怒りを灯した表情とは裏腹に男の――――ティオ・プラトーとのセックスに興じながらいやらしい視線を向けてくる男に対し、余すことなく身体を晒してしまっていた。
否。余すことなくというのは少々と語弊がある。何せ彼女の身体はその半分が全く見えない状態でたるのだから。
旅装を着込んだ上半身が壁に〝嵌って〟いる。それが壁尻と呼ばれる物であり、今まさに向こう側の下半身に危機が迫っているなど少女、犯罪者集団の共犯者となったティオの後輩、ユウナ・クロフォードは考えもしていない。
「おいおい、勘違いするなよ。これが欲しいって選んだのはティオちゃんだぜ? 俺たちは変なことはしてねぇって」
「嘘だ! 卑怯な手を使ってティオ先輩を……待っててください、ティオ先輩! 必ずあたしが正気に戻してあげますから!」
考え無しというわけではない。彼女は壁の中から脱出し、男たちを制圧し、ティオを救い出す算段を頭の中で立てている。
ユウナも伊達に修羅場はくぐっていない。この状況であっても諦めを知らず、罠に嵌ったと言うのにティオを恨むことすらしない。善良な少女、正義感の強い少女――――だからこそ堕ちる間際の味は一入であろう。
そう。今彼女が案じるべきはセックスに夢中なティオのことではなく、壁に嵌められた自分自身のこと。今のユウナがどれほど無力で無防備であるのか。
「あたしは絶対、負けな――――――う゛ぎぃぃぃぃ!?」
ユウナはそれを自分自身の野太い悲鳴で自覚することとなった。
下半身のある部位に生じた猛烈な痛みに危うく白目を剥きかけた。仮に特大の硬い汚物をひり出す際でも、このような痛みは感じない。冷たい異物で穴をこじ開けられたような感覚に、ユウナは涙目になりながら呆然と声を吐き出した。
「お、お……なに、何が……あ、あたしのお尻、スースーして……ま、まさか!?」
『へへ。やっと気づいたみたいだな。ティオちゃんと違って鈍いなぁ、後輩ちゃん♪』
壁を通して聞こえてくる男の声。つまりは壁の向こう側、ユウナの下半身――――ムッチリとした尻肌から足の裏まで、それこそ余すことなく曝け出した壁尻側から発せられたものだ。
壁の向こうに誰かがいる。足首まで壁に埋まり、一切合切動かすことができない状態で、男に何かをされている。危機的状況を理解し、顔を青くしたユウナが声を返した。
「っ、あ、あたしのお尻に、な、何して……!?」
『安心しな。ちょっと拡げてやっただけさ。楽しいのはこれからだぜ』
「ひっ……い、いや! さ、触るなぁ!!」
また別の男の声に加え、拡がった肛門周りを指で撫でられる感覚がユウナを襲い、おぞましさに彼女は悲鳴をあげる。だが、ガッチリと壁に嵌った尻は身体の震えで尻臀を僅かに揺らす程度で拘束はビクともしない。
上半身はある程度の自由を許されながら、肝心の下半身は一切の身動きが取れない。壁に阻まれて手は出せず、どうなっているかさえわからない。
未知の恐怖がユウナを蝕む。彼女からは見えていないアナルを四方に拡張したフックの影響で直腸に風が入り込み、得も言えぬ解放感が背筋をゾクリと撫であげる。やがて、そんなアナルにぬるりと何かが塗りたくられた。
「ひゃあんっ♥」
「お、いい声出すねぇ。ティオちゃんに負けず劣らずだ」
「うふふ。わたしの後輩ですから……あっ、あぁんっ♥ エッチが大好きな子に、決まっています♥」
「な、が……う、うるさい! ティオ先輩から離れ、んひゃあ!?♥ あ、あたしのお尻……な、なにしてんのよぉ!」
ぬるり、ぬるり、ぬるり。ティオと対面座位で熱いセックスに興じる男の前で、ユウナは次から次へと声色を変える。アナルの刺激で飛び出す甲高く甘い声。ティオを好き勝手に味わう男に対しての鋭い声。再び尻穴を撫でられる官能の声から、壁裏で彼女を弄ぶ男たちへの怒りの声。
二色の声音が代わる代わるに上がる中、ユウナの直腸をくすぐる感触は縦横無尽に動き回っていた。生暖かいものが腸壁に塗られる不快感にユウナは総毛立つ。
「あ……な、に……これ。身体が、あつい……♥」
全身が熱い。肛門内と下腹部が特に熱を帯びている。ユウナが知る感覚で言えば、切ないと言い換えてもいい。
ここでようやく彼女は筆のようなものでアナル内に塗られたものを知った――――媚薬だ、とユウナは切なさともどかしさを振り切って声を荒らげた。
「っ! こんなもので、ティオ先輩を……許さない! 絶対に、絶対に許さないんだから! 絶対に、ティオ先輩を助けて、あんたたちなんか!」
『おい、うっせぇぞ! そっちで何とかしとけや!』
「はぁ? たくっ、仕方ねぇなぁ」
ティオを抱く男しかいない上半身側に比べ、壁尻部屋の集合は群を抜いている。皆、新しい玩具に夢中だ。
しかし、ユウナの喧しさに怒鳴り散らすものもいる。確かにティオに比べれば怒声は多い。顔を見れば緩和されるだろうが、彼らが見ているのは尻だ。
その尻から怒りの声が出ているという間抜けさがいいと男は考えているのだが、そうでない仲間のために彼はセックスを中断し、小部屋にあるテーブルの上からあるものを拾い上げた。
「ごめんねユウナちゃん。我儘な奴もいるから、ちょっと静かにしようか」
「な、なに? そ、それって……あがっ!? あが、あぁぁぁっ!! は、はじゅれにゃ……っ!?」
ユウナの口に嵌め込まれる透明なパーツ。それはガチリと唇の裏に喰い込むと、特殊なジェルを噴射し口内に定着する。
医療用の開口器を改造したそれは、ユウナに口を閉じるという行為を封じる。開閉を封じられて言葉が上手く発せなくなった……どころか、可憐だったユウナの顔が一際醜く見える歯茎丸出しの下品な面に変わり、彼女は両手で必死に取り外そうとして唾液を飛ばすみっともない顔を見せつけてしまった。
「これでどうだ?」
「あ゛ぁ゛ぁ! やへ、やえなはい! やめへっへばぁ!」
『まだうるせぇなぁ……そうだ。逆にこうしちまうか』
それでもまだユウナは喚き散らす。みっともない顔を晒す羞恥より、肛門に媚薬を塗りたくられる嫌悪感の方が勝っているようだ。
ティオ以上に気が強く、我慢より声を荒らげることを優先する。ティオのため、というのもあるのだろう。そんな気丈な少女に壁側の男たちがとっておきの責め苦を用意した。
「――――ぶっひゃっひゃっひゃっひゃっ!?」
突如として笑い声が上がる。頬が引き攣り、歯茎を剥き出しにした不細工な顔のユウナが品性のない大笑いをする。
鼻水を吹き出しながら唾を飛ばす様は、如何に美少女といえど見るに堪えない。無論、原因はユウナから見えない壁の向こう側にあった。
『そら、こいつは効くだろ。足裏まで気持ちよくしてやるぜ』
「あひゅっ、ひゃら、ひゃめへへへへ! あふぁふぁははははは! ひゃめへええええ!」
「おいおい、結局もっとうるさくしてるじゃねぇか」
さっきまで腸壁をくすぐっていた筆たちがユウナの足裏を襲う。腸汁を吸って濡れた筆は、程よい柔らかさでユウナの足裏を刺激し、そこから足の隙間に至るまで念入りにくすぐりの責め苦を与えていった。
「ひゃははははははは! あひゃああぁぁぁぁ! あひゃはははは! あひゃひゃひゃひゃひゃ! ひゃぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁぁ!! はぁ゛ーっ! あ゛ひゃあはっはっは! はめっ、ひゃめ、ひゃめへへへへへへへっ! やひゃいっ、ひゃらぁぁぁぁぁっ!」
『お、くるぞくるぞ!』
煩わしかったはずのユウナの笑い声を堪能しながら、壁裏の男たちはある反応を待ち構えていた。ユウナの言葉の端、つまりは言葉にならない声に入り交じる制止の懇願。これまでのように怒りではなく、切羽詰まった無意識的な哀願とも言えるもの。
それが何であるのか、ユウナと違い彼女の下半身が見えている彼らはよくわかっている。意識が覚醒する数時間前から拘束された身体。バンバンと何かを訴えるように両手で壁を叩く彼女の反応。何よりヒクつく陰部が媚薬の影響ではない痙攣を起こしている。
つまるところユウナは限界だった――――その尿意を我慢することができない。
「あひひひひっ、あひひひひあははははははははっ! あ゛っ、あ゛っ、あ゛ァ゛ーーッ!!」
ユウナが濁声で泣き笑いの叫びを上げた瞬間、じょぼぼぼぼぼぼ、と壁の向こう側から水飛沫の音が響き渡る。
水が壁と床に向かって叩きつけられる激しい音。一体何が起こったのかは、歯茎を剥き出しにしながら呆然とするユウナから如実に感じ取れる。彼女は遂に我慢の限界を超えたのだ。
「あ、あひゃし……こんひゃ、ひゃつりゃのまへへ……もらひへ……」
如何に気が強いとはいえ年頃の少女がくすぐられ、失禁をしてしまうという行為のダメージは相当なものだろう。
垂れ続ける涎を拭うこともせず愕然とするユウナ。だが、くすぐりが止んだ現実から目を背けている暇はない。
「……うぎっ、いぎぃぃぃぃッ!?」
愕然とした表情が一気に切り替わる。痛みに呻き、悲鳴を上げる苦しげな表情へ。
「あ゛う……あっ♥ あっあっあっ、あぁぁぁぁぁッ♥♥♥ ひゃに、これぇ♥ あおっ♥ んぃ♥ ふ、ぐっ、おぉっ♥」
そこからさらに蕩けた表情へ。ユウナが感じた〝破瓜〟の痛みは一瞬のことであり、媚薬の効果が身体に行き渡っていたことでレイプされているにも関わらず快感を覚えてしまう。
『ぶはは! 処女の癖に感じてやがるぜ。あー、失禁マンコの締め付けは最高だなぁ!』
「はっ、ぐ……う、うぅぅ……っ! あっ、んんっ♥♥ ぜっひゃい、ゆるさな、い゛ぃ♥」
処女喪失という最悪の痛みを快楽で上書きされる。それが感じなければいけないはずの屈辱感を無理やり消し去られたようで、ユウナは憎しみ篭った思いを呻き声に乗せた。
大切な処女を散らされただけでなく、無様に喘がされるなど屈辱極まりない。膣壁の締め付けで肉棒を引き千切ることができたならとさえ考えるが、ユウナの膣圧ではチンポを喜ばせることしかできない。
「ぜったい、ゆる、しゃない……あんひゃたひ、ぜっひゃいんぶぉ゛ぉ!?」
「いい加減馬鹿の一つ覚えも飽きたなぁ」
喉奥に肉棒が突き刺さる。ティオとセックスをしていた男が味変とばかりに、或いはユウナが自分を奮い立たせるための言葉に煩わしさを覚えたのか、彼は開口器で歯茎が剥き出しになった口内をイラマチオという形で活用した。
「ティオちゃんとはもう少し楽しくお喋りできたけど、ユウナちゃんはそういうタイプじゃないもんなぁ。単に喘いでる方がいい味しそうだね」
「ん゛ごっ、お゛ッごぉ♥ おぶ、ごっ、ぐぉぉぉ……ん゛ッぼぉ♥♥」
ピンク髪のポニーテールを掴まれ、鼻の穴に男の陰毛が入り込むほど巨根を捩じ込まれる。ほんの十数秒前までティオのマンコに挿入されていたものが、今は自分の喉奥に入り込んでいるという表現し難い嫌悪感にユウナが喘ぐ。
噛み付こうとしても開口器が邪魔になって上手くいかず、口の端から涎を垂らすことしかできない。せっかく自由でいる両手で男の腕や腰を掴み返すも、媚薬を塗られながら犯された身体は力が抜けて弛緩し、力のほとんどを引き出せない。
『うおっ、出る!』
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ♥♥」
ドプッ、ドプドプドプッ、ブビュルルルルルルッ!♥
やがて壁の向こう側から酷く心地よげな声が響き、ユウナの膣内と子宮に勢いのある粘着質な液体が流れ込む。処女喪失だけでなく膣内射精までされたユウナは、イラマチオでの嘔吐感が入り交じる涙を人知れず流した。
肉棒が秘部から引きずり出され、ずりゅりと液体ごと零れ落ちるような感覚――――そして、二度目となる肉厚な棒を挿入される感覚。
「んぼごぉぉぉッ!♥♥♥」
『二発目いただきまーす。ま、これから先何発でもいただくけどね〜』
強烈な感覚を間違えるはずもないユウナが、肉棒でくぐもった官能の声を上げる。乙女の秘所を犯しているとは思えない軽薄な声に合わせて、ユウナの尻がパンパンとピストンの音を奏でていた。
「あ、こっちも出そう」
「むぶっ!? ごぼっ、ごぼぼっ、んくっんぐっんぐ……♥ お゛っぷっ♥♥」
ブピュッ♥ 白目を剥きかけたユウナの顔面、その鼻穴から白濁液が鼻水のように溢れ出す。逆流した精液が口の端と鼻穴から暴発し、ただでさえ開口器で醜くなっていたユウナの顔面をより卑猥な形で不細工に飾り付ける。
「ふぅ。ティオちゃんほどじゃないけど、もうなかなか使えるねぇ……じゃ、頑張ってねユウナちゃん♪」
「げほっ、ごほっ、んほっ♥♥ おッほ♥♥ ん゛ほぉぉぉぉッ!♥♥♥♥」
壁の向こう側で何が起こっているのか。肉棒を引きずり出され、精液に塗れた顔面で色とりどりの顔色と表情を見せるユウナからそれを想像するのもまた一興。
「絶対負けないなんて言ったんだから、ティオちゃんのためにも負けたら駄目だぜ」
「お゛ッほ♥♥ あ゛、あんひゃに、ひわれ、なぐで、もォ゛♥♥♥ お゛っ、お゛っ、お゛ほぉぉ〜〜〜〜〜〜〜っ♥♥♥♥」
そう笑う男に向かって舌足らずな汚い声で啖呵を切り、それが自身のオホ顔を晒した喘ぎ声に呑まれていくユウナ。
果たして彼女は何日持つか。ティオの尻を揉みしだきながら、男はそれが楽しみで仕方がなかった。
結論から言って、ユウナは三日は優に耐え抜いて見せた。
「いやぁ、凄いねぇユウナちゃん。ここまでされてまだ諦めないとか、ティオちゃんより立派だぜ」
「……ひほ、せんはいを……ばかに、ひゅる、なぁ……」
いつの間にか衣服は剥ぎ取られ、顔面から胸下に至るまで白濁液に塗れている。ユウナの抵抗が激しかった証として、自由だった両手は背中に回され枷を嵌められていた。恐らく、下半身はこれの比ではないのだろうが。
透明な開口器が変色して濁るほどぶっかけられ、瞼にまでこびりついた精液。ぐったりとした様子のユウナからは覇気というものが感じられない。が、同時に諦めという文字もその瞳からは伝わっては来ない。
ティオの場合は寸止め調教。ユウナの場合は三日三晩続く輪姦調教。その違いはあれど、彼女の精神力は異常の一言であった。全身から白濁液の鼻につく匂いを醸し出しながら、散々と乙女としての姿を凌辱されて揶揄されながら、ユウナは抵抗という行動を止めるつもりがない。
「当然です。ユウナさんは、わたしが驚くくらい成長していましたから」
「っ……」
その理由はもちろん、彼女の心の拠り所であるティオ・プラトーの存在だろう。
ティオが大切だから。自分が諦め屈すればティオを助けられないから。そういったユウナの考え方は信念になり、媚薬を盛られた快楽調教では揺らぐことを選ばない。
実際のところ、ユウナが堕ちなければという考え方は間違ってはいない。如何にティオが信頼されているといっても、数日間のフィールドワークからの帰還を先延ばしにし続けるのは難しい。ティオの様子がおかしいとなれば、先の事件が明るみに出ることは想像に難くなかった。
「じゃあティオちゃん、こっち側は任せていい?」
「はい。わたしに全て任せてください」
故に、様々な意味で重要なティオ自らが手を降すことが切り札。白衣を羽織ったティオが男の合図に頷き、精液塗れのユウナに駆け寄って――――開口器を取り外した。
「へ……げほっ、ごほっ。ティオ、先輩……?」
「ユウナさん、大丈夫ですか。相変わらず、ここの方々は女性に容赦がありませんね。かく言うわたしも、その容赦のなさを受けた口ではありますが」
ユウナの開口器を外し精液塗れの顔面も優しく拭ってやったティオは、まるで世間話のような明るさで彼女に語りかける。
「ティオ先輩、もしかして……!」
その様子からユウナは僅かな希望に顔を綻ばせた。自分が耐え抜いたことでティオが正気に戻り、助けに来てくれたのではないかと。
「……ぶぎっ!? うんぎぁぁぁっ!!」
「はい♥ わたしは、諦めの悪いユウナさんを調教するために来ました♥」
「そ、そんな……ふごっ、あたしの鼻に、変なのが……」
無論、そのような都合のいい美談は存在せず、ユウナは開口器を取り外された代わりとして、鼻の穴を大きく開く鼻フックを顔に取り付けられた。
他ならないティオの、戻るも何も初めから正気だという彼女の手で。上からのみならず左右からも穴を拡げることで、赤みの肉や光る糸すら丸見えになる三点鼻フックをユウナに与えた。
その表情は笑っている。後輩に希望を与えながら、一気に絶望の淵に叩き落とす。男たちの仲間として迎え入れられたティオは、もはや大切な後輩であろうと容赦という感情を持たない。
「さあユウナさん、鏡を見てください」
鼻フックを取り付けたユウナの眼前に鏡を置くティオ。当然、その中にはユウナと同じ顔が映り込んでいる。連日の輪姦で休む間もなく犯され、疲れ果てた顔の鼻に鈎を着けた不細工な顔を。
あまりに醜い豚鼻の女が自分であることを自覚し、カァっと頬を赤らめるユウナ。そんな彼女を可愛らしいものでも見るかのような微笑みで見るティオが、その耳にそっと語りかけた。
「ユウナさん。目の前の豚鼻女を見て、あなたの正直な感想を言ってみてください」
「へ……?」
「言わないと……また、ユウナさんにとって苦しいことの繰り返しですよ」
まるでティオにとっては苦しくないとでも言うかのような物言い。変わり果てたティオにユウナが渋面を作るも、鏡に映るその表情すらも醜い。
そう。三つもの方向から開かれた両穴は、ユウナの可憐な美貌を以てして擁護のしようがない。少なからず弱った精神。他ならないティオの言葉。彼女の持つ機械の猫耳が見せる光が〝促す〟ままにユウナはボソリと呟きを零した。
「すごく、不細工、です。豚みたいに鼻が潰れて……みっともない、です。うぅ……」
それは単に事実を口にしたに過ぎない。鏡に映るユウナ・クロフォードへ現実のユウナ・クロフォードが正当な評価をした、それだけだ。
「じゃあ次はこう言ってください――――――」
何も恥ずべきことはない。事実は事実として受け止めればいい。快楽を前に無様な敗北を喫したティオが〝これから〟敗北するユウナにある言葉を植え付けた。
ユウナの歯が震えてカチカチと鳴り、悔しさと屈辱を込めた表情で唇を動かした。
「……あなたは、マゾで淫乱な……変態女、です」
ユウナがユウナに語りかける言葉は、虐められて悦ぶド変態なマゾであると言い聞かせるような内容で、彼女には意図が読み取れないものであった。
こんなことを言わせて何の意味があるのか。だが時間を浪費させられるのならユウナにとっては意味があるかもしれない――――そう思った矢先、甲高い音が壁越しに響き渡った。
「ひっぐぅ!?」
パァンッ! と小気味の良い肉の音色は、ユウナの胸に負けじと大きな桃尻から響いた。精液が張り付いていてもなお、その音は濁りがなく澄んでいる。もっとも、スパンキングの音が澄んでいるというのもおかしな話ではあるが。
全力のスパンキングは、恐らく先ほど退室した男がやっているのだろう。本当に何のつもりだろうかと涙目で訝しむユウナに、ティオは妖しく微笑んで促し続けた。
「もう一度です」
「…………あなたはマゾで淫乱な、変態女です。ひぐっ!」
屈辱の表情で豚鼻女に語りかけ、痛みに呻く自分自身を見守る。
「続けて。何度も、何度でもです」
「あなたはマゾで淫乱な、変態女、ですっ。ひぎぃっ!」
言っても言わなくても尻は叩かれるだろう。それどころか、もっと精神的に苦痛な陵辱が行われるかもしれない。ならば、相手の違和感にならない程度でペースを決められる方がマシだとユウナは素直に言葉を吐き出すことを、己に語りかけることを選んだ。
「あなたはマゾで淫乱な変態女……ひぎっ! あなたはマゾで、淫乱な……変態、女……んぎぃ! はぁ、はぁ……あ、あなたは、マゾで淫乱な変態女――――ふぉうっ♥」
パァンッ♥
それが十数分繰り返され、臀部の痛みがおかしな感覚を持ち始めた頃、鏡の中の豚鼻女までおかしな表情になり始めた。
「あなたはマゾで淫乱な変態女♥ ん゛お゛ッ♥ あなたはマゾで淫乱な変態女……ほォッ♥ あなたは、マゾで、淫乱な、変態、女ぁ! ぷぎーッ!♥♥」
ジンジンと痛む尻が不思議な熱を帯びている。痛くないわけではないのに、気持ちがいい。媚薬のせいか、或いは自分自身を罵倒しながら笑みを浮かべ始めた心境の変化が故か。
「あなたはマゾで淫乱な変態女――――あひんっ♥」
鏡に映る少女の顔は心地良さげだ。頬を蕩けさせ、かっぴろげて奥まで見える鼻孔から鼻水を垂らし、目は酷くだらしのない形を描いている。
不細工でみっともなくて惨めな少女は、自分に罵倒されながら尻を叩かれて感じている。尻の痛みで興奮し、罵倒と結び付けられたマゾヒスティックな感情が精神の均衡を崩す。
「ユウナさん――――今の気持ちを、教えてください♥」
そこにひとしずく。機械と人を繋げる装置を煌々と輝かせた快楽を知る少女が、植え付けられた本性をひけらかす少女にほんの少しの誘導をしてやる。
「あなた――――あたしは、マゾで淫乱な変態女ですぅ♥」
バチィンッッ!!♥
「ぶひょぉぉぉっ!?♥♥♥」
するとどうだろう。自分の〝本性〟を認めた少女は、豚鼻から垂らした水を勢いのある飛沫に変えて本物の豚より品性のない嬌声を上げた。その顔は尻を打たれて気持ちがいい――――尻を叩いて欲しいがために己を罵倒する変態のものに成り下がっている。
「……あ、あぁ。違う、違います! あたしは、変態女じゃ……」
「ユウナさん。正直になったご褒美を差し上げます」
「ふぎぃんっ♥♥」
壁から飛び出したユウナの身体には豚鼻より目立つものがある。グラマラスな巨乳とその乳首。色褪せない女体の素晴らしい部位に、ティオは牙のような窪みを見せる痛々しいクリップを誂えた。
「はぁ、ユウナさんが羨ましいです。これだけの胸があったら……もっと気持ちよくなれるのに♥」
「ふぅ、ひぃ……あ゛ッ♥ あ゛ッ♥ ふぶう゛♥♥」
本来なら痛みで言葉を失うはずのそれを、ユウナは先端に取り付けてある鈴を鳴らして喘ぐ。たわわな胸を揺らされてチリンチリンと鳴り響く鈴の音。
先輩であるはずの少女に胸を羨ましがられながら弄ばれる。尻だけではなく、そんな被虐が気持ちいい。痛みで興奮する。それが段々と絶頂感に変わっていく。
「……あ、あたしはマゾで淫乱な変態女です! ん゛ッギィ♥ あたしはマゾで淫乱な変態女です!! う゛ッお゛♥♥ あたしはマゾで淫乱な変態女ですぅ!! お゛ォ゛ォ゛ッ♥♥♥」
段々と、段々と段々と段々と。素直になればなるだけ高みへと近づいていく。罵倒と痛みでどうにかなってしまいそうな感覚に脳髄が焼かれ、鏡に映るユウナがせっかく押さえつけていた雌豚の汚声を露にし始めた。
「ん゛ッお゛ほぉぉぉぉッ♥♥ あたしは、んっほ♥ マゾで淫乱な、ほぉっ♥ 変態女です! お゛ぎぃ♥♥♥」
それは媚薬が染み込んだ尻の穴を肉棒で掘られても変わらない。否が応でも感じさせられたアナルセックスがスパイスにしかならないほど、被虐の官能がたまらなくユウナを追いやっていた。
「もう一息です。ユウナさん、今の気持ちを正直に。達する言葉は大きく速やかに――――イケ、豚鼻変態マゾ女♥」
ティオが紐を引き、少女の顔面に彩りを加えるかのように引っ張り上げる。限界まで肉を引っ張られた鼻穴が醜く歪み、絶大な痛みを少女に与えた。
しかし、少女の顔に浮かんだのは被虐に対する苦しみなどではなく――――恍惚とした笑みであった。
「ぶひぃぃぃっ♥ あたし、ユウナ・クロフォードは!♥ ケツ叩かれて悦ぶマゾで淫乱で!♥ 先輩に罵倒されて下品に盛る!♥ 超ど変態の豚鼻女です!♥」
バチィィィィィィンッ!♥
「イグゥゥゥゥゥゥゥッ♥♥♥♥」
時間の感覚が薄れるほど散々と嬲られたペニスと、最上級の罵倒と尻の痛みでユウナが果てた。
鏡に映るその表情は――――アヘ顔から戻らない、惨めで無様で満ち足りたものであった。
◆
「本当に大丈夫なんだよな、ティオちゃんの後輩」
葉巻を吸いながら待ち合わせ場所の店裏で待つ男が、青髪の少女に向かって声をかける。異色の組み合わせ、将来を約束された技術主任であるティオが共にいるべきではない相手に見える彼に対し、けれど少女は何の抵抗もなく得意げに返答した。
「ご不安ということでしたから、あの後も存分に〝輪姦して〟悦んでいたでしょう? それとも……わたしはそんなに信用されていませんか?」
「まさか。ティオちゃんも言うようになったねぇ」
小悪魔のような微笑みで男を挑発したティオが言葉を続ける。
「エイオンシステムの応用でしたが、最終的には誘導でしかありません。催眠、洗脳の類より軽い〝暗示〟に近いものです」
「それも触りだけの、って感じ?」
それ以降は暗示を使用していない。あの輪姦の中で虚ろな目になりながら、それでも表情を蕩けたものから変えなかった少女が証明だとティオは首肯を返した。
「ええ。人間というのは脆い生き物です。あなた方から与えられたものに屈したわたしも――――被虐という興奮を知ってしまったユウナさんも、ほら♥」
裏手の扉が開く。彼らが管理する店の隠された裏の道に――――どさりと二つの〝モノ〟が置き捨てられた。
「はぁ、あ……あ、あは、あはははは♥」
少女は笑っている。従ってしまったという屈辱の表情。やってしまったという後悔の表情。これで与えてもらえるという悦びの表情。
様々な表情を綯い交ぜにしている少女は、壊れた笑みで袋を見下ろしていた。頭陀袋を被せられた二つのモノは蠢き、くぐもった声を上げている。どう取り繕っても中身が〝人〟であることは明白だ。
「お疲れ様――――ユウナちゃん」
それを成した人間がユウナ・クロフォードという正義感の強かった少女であるなど、誰が信じるであろうか。
「怪しまれなかった? この二人、かなり警戒心が強いってユウナちゃんが言ってたことだけど」
「……信用、されてるから。ただ、ここに誘う時にお尻が痛くて座れないって言ったから……」
少し危なかった、とユウナはスカートの下で〝腫れ上がった〟尻を片手で摩って恨ましげな視線を男に向ける。
――――親友を二人〝誘拐〟したとは思えないユウナの愛らしい態度に、男は勝利を確信した笑みを返す。
「はは、ごめんごめん。でもユウナちゃんがして欲しいって言うからさぁ……じゃあご褒美の時間だ。その二人の上に並びな、二人ともだ」
「……ん♥」
「ふふ。わたしまでご相伴に預かれるなんて♥」
ユウナがスカートを脱いで小柄な頭陀袋に跨り尻を向け、ティオが同じくスカートを下ろしてもう一つの袋の上にガニ股で股間を押し付ける。
どちらも下半身露出の恥ずかしい姿だが、抵抗や羞恥の感情はない。ティオはさも当然のように解放感に酔いしれ、ユウナは尻肌に描かれた『マゾ』の二文字をブルリと震えさせた。
「それじゃ、いっせーので!」
男が袋の頭部分を引き抜く。ティオに股間、ユウナに尻を突きつけられたモノの顔は、彼女たちに負けない美貌に満ちていた。
「ぷはっ!? っ、一体、何が……え?」
「んぶっ! ん、んっ、んんっ!?」
銀髪の少女は眼前に迫る尻とピンクの割れ目に目を見開き、ミント髪の少女は解放された途端にティオの陰部を鼻っ柱に押し付けられて呻き声を上げた。
「肉便器ティオ♥」
「……マゾ便器、ユウナ♥」
『新しい肉便器に、おしっこマーキングします♥ ご覧になってください、ご主人様♥』
――――歓迎された肉便器が悲鳴を上げている。その悲鳴が嬌声に変わる日は、喜悦の表情を見せる美貌の少女たちと同じく、そう遠くないのだろう。