灰色の髪に瑠璃色の瞳。髪を靡かせ、瞳を怒りで染め上げて魔法を使って店を荒らす魔女様は何者でしょうか。
「な、何すんだこのガキ!! ぐおぉ!?」
「うるさいです。何をする、は私の台詞ですよ」
そう、その名は灰の魔女・イレイナ。古めかしい店で自慢の魔法で風を起こし、彼女からすれば侮蔑の対象である店主ごと乱雑に扱っている少女の名である。
物が散乱し、声を荒らげながら風に押されて尻もちを突いた店主に対して、イレイナは悠然とその前に立って声を発した。
「高名な店ということで寄ってみましたが、先代からとんだ節穴店主になっていたようで残念です。ああ、本当に――――誰が貧乳守銭奴と?」
「ひぃ!?」
そうなった理由は、まあなんてことはない口論だった。路銀節約のために物を極力値切ろうとするイレイナと、古き歴史を守っていた先代と違って、現代的な方法で店をより繁盛させようとしていた店主。
結果、頭に血が上った店主が迂闊にも口を滑らせた。自他共に認める美少女であるイレイナ。そんな彼女が密かに――とはいえバレバレではあるが――気にしている体躯に関する罵倒。万死に値する、というのはこういうことを言うのだろう。
(誰が、誰が貧乳ですか。守銭奴なのは……百歩譲って認めるところではありますが)
満面の笑みだというのに恐ろしさを感じさせるイレイナは、血の上り具合はある意味で店主以上。店を全壊させないように抑えてこそいるが、あまりにも冷静な判断ができていないと自覚するには遅すぎる。
「……はぁ。もういいです。じゃあこれ、失礼のお題代わりにもらっていきますから」
「はぁ!? ふざけんな! 全部弁償して、ぐぇ!」
「さようなら。もう会うこともないでしょう……クソ店主」
とりあえず、頭を冷やすことから始めようとイレイナは踵を返す。目に付いた流麗な指輪を強奪し、追い縋る店主を適当に転ばせるオマケを付けながら。品のない罵倒は、自分にだけ聞こえるように呟いて。
「――――ちょっと、やりすぎました」
〝ちょっと〟で済むかは人によって定義が異なる、というよりイレイナ以外は十中八九ちょっとではないことをしでかしているが、イレイナにとっては正当な代償だ。偉大なる灰の魔女にあのような根も葉もない罵詈雑言を放ち、あの程度で済んだことに感謝すらして欲しいと少女は考えている。
「まあでも……ちょっと、ほんの少し、やりすぎました。反省です」
ただ彼女は彼女なりに、僅かばかりやりすぎたと宿のベッドにポスンと横たわりながら反省を口にする。今頃はイレイナが荒らした店内を何とか整えようとしているのかもしれない。その姿を想像すると――――やはり、イレイナの中に抑えきれない怒りが湧いて出てしまうのは、それほど貧乳守銭奴という事実無根な嘲罵が心底頭に来ているということだろう。
はぁ、とため息を吐いてイレイナが起き上がる。明日にでもこの国から出立し、嫌なことは忘れようと頭を振る。
「……ん? ああ、そういえば」
と、備え付けの小さな机に置かれた光り物をイレイナは手に取った。あの店の品で特に目立ち、怒り心頭の中で何となしに強奪、否、事実無根の罵倒代金にイレイナがいただいた指輪だった。
目を奪われるような美しい黒い宝石が嵌め込まれた指輪。何かのマジックアイテムなのだろうか。
「売ったら、それなりの値段になりそうですね」
とはいえ、イレイナの感覚からすれば興味は他の部分にあるようだ。それでも自分が美しいと知っている彼女は、手にした指輪を物は試しと自らの指に嵌め込んだ。
瞬間――――黒い宝石が僅かに輝き、イレイナの瞳が呼応するようにぼんやりと虚ろなものになる。
「……?」
しかし、それをイレイナ自身が知ることはなかった。何かの違和感を〝身体のどこか〟に覚えたようだが、それも少女の認知の外だ。
「今日は早く休んで、早朝に国を出てしまいましょう」
良いものが手に入った。そう思うことにしようと、イレイナは指輪を着けたまま明日の準備を早々に終えて就寝する。その間にも着け続けられた指輪は、彼女の美しく細い指で妖しく輝いていた。
◆
「おはようございます、セクハラ店主さん」
「な、てめ、灰の魔女……っ!」
翌朝、イレイナは件の店に笑顔で顔を出した。纏めた荷物や魔女としての姿は、既に旅立つ直前だ。なのに、何故か自分が荒らした店をわざわざ訪ねてしまった。何故か、本当に何故かなのだが、イレイナは首を傾げるどころか何ら違和感を持たず店内を我が物顔で散策し出した。
「わー、凄いことになっていますねー」
「誰のせいだと思ってんだ! その身体で俺の店で働いて賠償しろ!」
「はぁ? 誰のせいでこうなったと――――――」
自らの発言を棚に上げて、賠償しろなどと言語道断。至極真っ当な、というより混乱からか純粋な賠償ではなく彼女を働かせようとする店主に、イレイナは呆れた吐息を返して要求を拒絶する言葉を吐いた。
「――――まあ、たまには悪くないですね」
いいや、言葉を発しようとして、それとは全く別の意図を持った言の葉を彼女は紡いだ。この店を再度訪ねた時のように違和感なく、妖しく光る自身の指に着けた指輪の存在自体を喪失しているかのように、気づかない。
言葉を返してニコリと笑ったイレイナに、店主はまた暴れられるのではないかと身構えた。昨日のイレイナの様子から、彼女の素直な言葉など信じられないのだろう。
「あ、荷物は置かせてもらいますから。それと寝床も用意してくださいね。バイトでも相応の待遇を要求します。魔女を働かせると高いですよ」
「……は? あ、あぁ?」
しかし、冗談めかした口調で矢継ぎ早に要求を突きつけるイレイナに、店主は困惑を表にしてしまう。口調こそイレイナの猫を被らない傲慢で守銭奴もので、とても賠償を払うためにバイトを引き受けたとは思えない。そもそも、イレイナがこんなことを引き受けるはずがないのだが、付き合いが昨日からの店主は彼女の殊勝な態度に困惑をしながらも、とりあえずは受け入れてしまった。
(にしてもこのガキ……)
――――こんなに胸、大きかったか?
昨日までイレイナが着る白いシャツの胸元は、綺麗にペタンと凹んでいたはずだ。が、今目を凝らして見ると膨らみが大きさを増しているように、店主の目から見えていた。
「……ま、気のせいか」
イレイナの大人しい態度に惑わされて、昨日と違った目の錯覚というものだろうと男は頭を振り、新しく入った魔女の店員という珍しい少女と言葉を交わす。魔女の気まぐれを、精々怒りを買わぬよう引き伸ばすとしよう。
貧乳守銭奴と言い切ったように、彼は美しくも貧相な体躯のイレイナに性的な興味などなかった。それ故に――――その指輪は、主のために魔法の行使を続けるのだった。
店の業務は品の整頓、接客etcetc。最年少で『魔女』の称号を得た聡明な頭脳。旅の中で培った効率の良い働き方。数日もあればイレイナは古店に引き継がれていた基本技術を全て体得。
「その品はそちらに。ああ、それは貴重なものですので丁重に扱ってください。あなたは色々と雑なようですので」
「…………」
それどころか、あらゆる意味で店主の技術など超えていってしまった。ローブを脱いだ軽装で男に指示を出すイレイナの姿は、どちらが店主かわからなくなるほどだ。
世の中には本物の天才という人間がいる。そのうちの一人がこの『灰の魔女』イレイナなのだと、店主は今さらながらに思い知る――――そんな魔女が自分の店でアルバイトとして大人しく雇われている違和感は、未だ全くもって取り払えないものだった。
(こいつ、まさかな……)
まさか、そんなはずはない。しかし、この連日で店主はイレイナに対してある疑念を抱いていた。それは悪い方向のものではなく、むしろ良い方向に解釈をしている、し過ぎているものだ。
「店主さん、その品を運んでください」
「お、おう」
だが店主は頭を振ってその考えを追い出すことができないでいた。イレイナはバイトを早々に止めるどころか、素直にバイトへ精を出しすぎている。そして、イレイナの身体にはっきりと現れた変化を無視することも彼にはできそうになかった。
半ば肉体労働担当になった店主は荷物を持つと、業務を続けるイレイナの後ろをさり気なく通り過ぎ――――スカートに張り付いた肉尻を手のひらで掴んだ。
「ひゃんっ♥」
「うおっ」
イレイナは色っぽい声を上げて肩を跳ねさせ、店主は店主でその感触に驚嘆の声を漏らした。
触れた男がなぜ驚いたかと言えば、その尻肉が想像以上だったからだ。衣服越しであっても手のひらに伝わる重圧は、むっちりとした雌の肉を掴む悦びを彼に味わわせる。ほんの少し前、その貧相な身体を笑われたイレイナには決してないものだった。
明らかにおかしいこと、そして尻肉の魅力に取り憑かれて何度も手のひらで揉みしだいた店主は、それから自分がしたことにハッとなって慌てて声を発した。
「い、いや、わざとじゃねぇんだ。悪かったな、魔女の嬢ちゃん」
繰り返し尻を揉んだ言い訳としては不適切、不出来としか言いようがない。イレイナのように悪知恵を働かせる頭脳を持ち合わせていないばかりに、彼はこの程度の言い訳しかできない。加えて言えば、イレイナのように優れた容姿を持ち合わせているわけでもない。言ってしまえば、冴えない男が美少女に性的な狼藉を働いたと言っても過言ではない状況だ。
「このセクハラ店主――――――」
無様な言い訳をする店主にイレイナはゆらりと立ち上がって振り返り、言葉を返した。
「ついに私の美しさに気づきましたか? 愚鈍なあなたにしては、良い心がけですね♥」
たぷんっ♥
振り返った際に、その〝豊満な胸〟が大きく揺れた。想定されていない大きさに加え、急激な変化にシャツ側が耐え切れずボタンが外れかけ、魅惑的な生の谷間が内側から溢れている。そんなはしたない姿にも関わらず、イレイナは店主を嘲笑するだけだ。
尻を揉まれたこと。男の視線が彼女の胸に注がれていること。そういったセクハラの度を超えた行為に、イレイナは怒るどころか寛容な態度を、己の美を見せつけるような態度を貫いた。
その指輪の光は、未だ輝き続けている。
「く、くくく……そうだな。ああ、嬢ちゃんはたまんねぇよ」
「? まあ、私が如何に美しいか、それが理解できれば結構です」
見れば胸や尻は肥大化と言えるほど肉を増し、スカートから零れた脚は少女のそれではなく、むっちりと肉を付けた扇情的な太股になりつつあった。
急速に大きくなった胸や尻に、目に見えて増すイレイナの艶やかさ。元の容姿が優れているからこそ、彼女が【店主の好みに合わせて】成長する様は店主の欲望を開花させるには十分すぎる光景だった。
古い雑貨店に似つかわしくないほど輝いていた指輪。それは――――所有者以外が着用した時、その精神と肉体を所有者にとって都合よく変えてしまう禁忌のマジックアイテム。
イレイナはそれに気づかず指輪を嵌め、店主も指輪の力に気づくことはなかった。だが、原因を知らずしてイレイナが〝逆らわない〟ことを確信した男がすることなど想像に固くない。相手は――――美しき灰の魔女・イレイナなのだから。
◆
「イレイナちゃん、今日も綺麗だねぇ〜」
「ありがとうございます。当然のことですが、お礼は言わせていただきます」
「お、言うねぇ。じゃあまた来させてもらうよ」
「はい。またの来店、お待ちしています」
商売繁盛。この老店には関係がない熟語も、今やそう言い切って良いほどの盛況ぶりであった。
可愛く美しく愛想がいい看板アルバイターに魅了される者、その手腕に惚れ込んだ者たちの客足は絶えず、今日もイレイナは閉店間際まで休みなく働き、最後の客を見送って店の扉を閉めた。
「はぁ。看板娘というのも楽ではないですね」
朝から晩まで働いていた疲れに加え、店主からの〝言いつけ〟が疲労感を助長し、イレイナは柄にもなく肩を揉んでため息を吐く。チヤホヤされるのは悪い気はしないし、仕事で評価を受け、綺麗や美しいと褒められるのも心地よい。それはそれとして、日に日に増す口説きが煩わしくはあるが、それも美貌溢れる灰の魔女であるため、仕方のない有名税だろう。
それが煩わしいと思うのであれば、今までのように旅に出てしまえばいい。この国に来てかなりの日数が経過しているが、イレイナは全く旅の選択をしていなかった。あの日、貧乳守銭奴と謂れのない言葉を投げかけられ、すぐにでもこの国を出ようと決めてから、彼女は休むことなく老店の看板アルバイターとして働き詰めだった。
すると、疲労を顕にしたイレイナの耳に店の扉が開かれた音が届いた。
「あ、すみません。今日はもう閉店で……って、店主さんじゃないですか」
一瞬、閉店の印を見損ねた来客かと思い接客用の笑みを見せたイレイナだったが、その顔を見た途端に呆れ気味な表情になる。
「ようイレイナ。今日の具合はどうだった?」
その相手――――営業時間中、一度たりとも顔を出さなかった店の主に対して、イレイナは嘲笑混じりの声音で対応した。
「どうもこうも、忙しすぎて言葉もありません。店主さんも、遊び歩いてないで少しは手伝ったらどうです? 無能は無能なりにできることがあるんですから」
店主がアルバイトに全てを任せ、あちこち遊び歩く。そんな店は聞いたことも見たこともなく、無能だと罵られて然るべき事柄であろう。実際、店主も無能と言われて怒るどころか認めるように笑い声を上げた。
「ははは! いや悪い悪い、つい楽しくなってな。それより、俺は今日の具合はどうだった、って聞いたんだが……しっかり〝確認〟させてくれよ」
「む、仕方ないですね――――今日一日の報告をします♥」
途端、イレイナは店主の前で衣服を脱ぎ出した。あまりに唐突に接客用のエプロンを外し、シャツやスカートを脱いで美しく、そして店主好みのムチムチな雌肉が実った裸身を晒した。
「では、業務の確認から始めましょう」
それだけではない。彼女は一糸纏わぬ姿でありながらさらに恥ずかしい姿勢を見せつける。脚を四股踏みのように大胆な形に開き惜しげもなくガニ股を見せ、両手は頭の後ろで組んで服従のポーズを選ぶ。その上で、全身の〝惨状〟を当然のように受け入れながら言葉を続けた。
「今日の業務(めいれい)は『業務中の排尿禁止』と『様々な淫具の着用』でしたね。はい、おしっこの方は、このようにしたくてもできません。尿道……おしっこの通り道が、この通り塞がれていますので♥」
イレイナの丸出しになって蜜液を垂らし、濃厚な匂いを発する秘部の尿道。そこから飛び出したプラグが、彼女から排泄という人間的な尊厳を奪っている。
「一日中でしたし、バイブのせいで脚を擦ることもできず大変でした……こほん。淫具はご覧の通りです。マンコにはバイブ♥ ケツマンコにはディルド♥ どちらも力を込めていないと落ちてきて、なかなか苦労させられました♥」
イレイナの秘部、マンコと呼ばれた雌穴に突き刺さり、音を立てて蠢くバイブ。前から見える尻から突き出し、べっとりと腸液を絡ませたディルド。
「それと乳首の洗濯バサミ……もう淫具ですらないです♥ 乳首がじんじんして、痛気持ちよくて大変でした♥」
そして豊満な乳房の先端に、ギザギザの噛み口を持つ洗濯バサミ。ギッチリとその口で噛みつかれ、大きさ故に今にも弾けてしまいそうなデカ乳首。
一日中の排尿我慢に尿道プラグ。マンコのバイブにアナルのディルド、さらには乳首バサミ。ガニ股の服従ポーズで淡々と恥を言葉にしていくイレイナに、店主は純然たる事実の感想を口にした。
「そんな状態で、よくもまあ平気な顔をしてられるもんだ。さすがは灰の魔女様ってか?」
「当然です。無能店主さんと違って、私は優秀ですから。この程度は簡単すぎるくらいです」
どったぷん♥
それが強がりであることは、先の言葉や表情とは裏腹にビクッビクッと快感を覚えて跳ね上がる腰が証明している。そんな姿が楽しくて仕方がないのか、店主はガニ股ポージングで大きな大きな胸を堂々と張ったイレイナに近づくと、乳首に噛み付いた洗濯バサミをおもむろに弾き飛ばした。
「みぎゃっ!?♥♥♥」
ぶるんぶるんっ♥
洗濯バサミが強く外れた痛みで目を剥き、その快感でマンコから愛液を吹き出す。特に貧乳から100センチにも届く爆乳へと成長した胸は揺れに揺れた。
それが本当に愉快で堪らない。平気な顔で裸を晒し、オマケに店の切り盛りを全て担当してくれる爆乳魔女。男の欲望を突き詰めたような素晴らしい存在だ。
「い、痛いじゃないですか♥ このセクハラ店主♥」
「まあいいじゃねぇか。それより、ほら」
男が店内の端に寄せられていたものをイレイナの前に放り出す。それを見た彼女は、見覚えしかない道具の一式に小首を傾げた。
「私のローブと帽子、杖と箒、それにブローチですね」
これが何か? と自身の大事な道具を雑に扱われながら、なぜ今目の前に放ったのかを優先してイレイナは問いかけた。
灰の魔女の旅道具、特にブローチは魔女の証とも言える一種の証明書だ。それらを他人に渡すなど以ての外であり、店の脇に置かれていること自体がおかしいと思わなければならない。
「いやなに、イレイナも店(うち)で働いてそれなりだろ? ――――こいつはもういらないよな? 二束三文で売る前に、魔女様の小便で箔をつけて欲しいんだよ」
あまつさえそれを要らないだの売り払うだの、挙句の果てに魔女本人の小便で汚して欲しいだの。普通なら怒り狂うどころか、半殺しにしてゴミとして捨ててようやく怒りの半分が収まるだろう愚行だ。
もちろん、持ち主であるイレイナは――――仕方がないと、ため息を吐いていた。
「はぁ……要はここで排尿をしろ、ということでしょう? 相変わらず自分の変態性を回りくどい言葉で隠すんですね……っ、んあっ♥♥」
ずりゅりと尿道プラグとバイブを引き抜き、恥ずかしげもないガニ股でしゃがんだ姿勢に映る。その広げられた股座の先には、もちろんイレイナを魔女たらしめる所有物。
「ふぅ、ふぅー……は、んんんんん♥♥ っ……はぁぁぁぁぁ♥♥♥♥」
そして、イレイナは一日中働き詰めのまま一度も用を足していない――――イレイナの歓喜の声が店の中に響き渡り、じょぼぼぼぼ♥ と小便が帽子とローブに、その下の箒と杖に、魔女ブローチにぶちまけられた。
一日我慢し切った排尿の感覚は得も言えぬものに違いない。匂いと色は濃厚。勢いは留まることを知らない上に長く太い。尿道を水が擦る快感にイレイナの脳髄が焼かれ、可憐な顔の唇から涎が零れて形容し難い歓喜の表情を生み出していた。
「おらよ」
「ひゃっ♥」
そんなおしっこ魔女に対し、店主は嫌悪を抱くどころか激しく勃起したグロテスクなモノを顔面に突き付けた。
自らの所有物に小便を撒き散らす変態魔女。だが男はチンポを萎えさせて引くどころか、痛々しいほど膨張させて興奮を何よりも明確に表す。指輪は嘘偽りなくイレイナの精神と肉体を主の望むままに変えた――――今のイレイナは、間違いなく彼が望んだ性的な魅力に溢れた雌なのだ。
「な、なんですか急に」
「使わせろよ。変態魔女……いや、もう魔女じゃねぇか。ちゃんとそのローブでマンコ拭いとけよ、変態」
「ああもう、誰が変態ですか。粗末な男性器を丸出しにして歩かないでください」
それを言えば全裸で衣服に小便をかけるイレイナは最も変態的であり、汚れた秘部をたった今変色させたローブで拭いているともなれば、もはや言い訳の余地がない。
淫具を取り外し自由の身になったイレイナは、店主の命令に口では嫌味を吐きながらも身体は一切の抵抗を見せることなく、言われるがまま望むがままに店内の窓壁に両手をついて下半身を向ける。魔女の証だったものに、一瞥をくれることさえしない。
「どうぞ、無能店主さん。私のオマンコとケツマンコ、お好きなように使ってください」
接客をしながら一日中濡らした秘所と肛門。マンコはピンクの花を咲かせ、ケツ穴は縦にいやらしく割れた見事な性器。汗をかいた肉尻は眩しく、小刻みに揺れて巨根を誘っている。
「まったく。毎日あなたの猿のような性欲処理に付き合わされる身にもなってください。ため息を吐くほどの美貌を持つ私を使えることに、精々感謝をしてくだ――――おぉぅっ!♥♥♥♥」
ドッチュンッッ♥
力強い腰突きに押し出され、巨尻が変形し爆乳が窓に張り付いて潰れる。その一見アンバランスに思えるグラマラスな身体を美しく纏めあげる美貌は、子宮を突かれて野太いイキ声を上げながら鼻の下を伸ばした無様な表情に歪んでいる。
「感謝? ああ、もちろんしてるさ。こんな都合のいい玩具が転がり込んで来てくれた幸運に、ありがとうってな。それより、随分不細工に喘いだもんだな!」
「あおっ♥♥ せ、生理現象、です♥ あなたのような人間に、私がそんな……お゛ッ♥♥♥」
後ろからチンポで穿ちながらイレイナの爆乳を揉み、デカ乳首を指で握る。まだ赤く腫れて、男の望み通り感度も抜群な乳首だ。両方からの刺激にイレイナの喉が震え、下品な嬌声が上がった。
「おっ、おぉっ♥♥♥ あっあっ、あおっ!♥♥ いひっ、んぎぃ♥♥」
「どうした、俺みたいな人間になんだって? 粗末なチンポに小突かれて腰が下がっていってるぜ!」
「くぅ、こんな性処理程度で調子に……おっほ♥♥♥」
今度は指が尻穴に回り、性器らしく柔らかくなった肛門が男の指を出迎えるように開く。ムワァ♥ と性臭香しいアナルを皺ごと押し広げられ、イレイナの口が窄み、窓に映る顔が歪んで戻らなくなる。
「おっ、おぐっ♥♥ んほっ、おっお、おぉんっ♥♥♥」
「そら、そら、そら! 気持ちいいなら素直になれよ!」
「だ、だれがぁ♥♥ こんな、ケツ穴ほじられておまんこの穴をチンポにずぼずぼされたって、私は……お゛ぉぉぉッ!!♥♥♥♥」
リズミカルに肉の尻が音を鳴らし、イレイナが吠える。いつまでも本来の性質を保とうとする姿は、店主の性処理道具に堕ちた今となっては哀れなだけだ。もっとも、それが彼の望みなのだろうが。
変えようと思えば、もっと素直に従順な形にできるはずだ。指輪は望めば望むだけ、店主の欲望でイレイナを染め上げる。そうならない理由は、店主の好みが今のイレイナ――――自分がどんな立場かを理解できていないのに偉ぶる、惨めで無様な雌奴隷であることを望んでいるのだ。
「あっあっあ♥♥♥ お、くぅ!♥♥♥ いぃ……い、ぐっ!♥♥♥♥」
「おう、イけ! 俺も、くおぉぉぉっ!」
ドピュッ、ビュクビュクビュクッ、ブビュルルルルル♥
すっかり慣れたガニ股後背位で果てたイレイナは、その膣内に精液を流し込まれる。
「あ、あっ、あぁぁぁぁっ!♥♥♥♥」
配慮など一切感じられない生の射精、その熱にイレイナが甲高い嬌声を上げた。そこには幼くも自由な旅人であり、才覚に溢れた魔女の姿はない。欲望の限りを固めた雌の身体を差し出し、男に使われることに疑問を持たない無知な雌奴隷がそこにはあった。
「んあぁ……あつ……もう、本当に勝手なんですから。後で大変なんですからね♥」
子宮から膣口に逆流し溢れ出したザーメンを手ですくい上げ、はぁと息を吐くイレイナ。
「じゃあ、私は休みますから。明日こそはちゃんと店を手伝ってくれると嬉しいです……まあ、期待はしていませんが」
朝から晩までの店番から店主の性処理。疲労が取れるはずもない。どうせ明日も一人で店を切り盛りするのだから、勝手にバイトを雇ってしまおうかとイレイナは思案をしている。けれど、それらは店に関する思案であり、旅を再開することなど微塵も考えてはいなかった。
「待てよ、もう少し付き合ってくれ――――夜の散歩といこうぜ」
そして店主も当たり前のように一度で満足などしない。口では嫌味を言いながら絶対服従の魔女に、犬の首輪とリードを見せつけて外への道を首の動きで促す。
その要求が何を指しているのか。聡明なイレイナであればわからないはずもなかった。わからないはずはないし、理解したくなくてもしてしまう。どれだけ人間的にズレていて、畜生のような扱いを受けるだろうことも想像に易い。
だから、イレイナは彼を睨みつけてこう言ってやったのだ。
「馬鹿な発想だけは一流ですね、この変態店主――――まあ、たまにはいいですけど♥」
灰の魔女・イレイナ。とある国のしがない老店を訪ねた少女――――以降、魔女が世界を旅する姿を見た者はいない。ただその老店に灰の魔女と似ていながらも、誰もが目を奪われる豊満な美貌を持った看板娘が居着いたという噂だけは、まことしやかに流れている。