あまりありふれていない役者で世界逆行 R18シーン集 作:田吾作Bが現れた
今回も十九話のお風呂のシーンで、濡れ場ではありませんがよろしければどうぞ。
「もうすぐ、お風呂……入れるからねっ! もうちょっと……だけ、我慢してっ」
ずぶ濡れになった恵里を背負い、脚を震えさせながらハジメはどうにか脱衣場に辿り着くことが出来た。あまり筋肉がついていない体でほぼ同じ体格の恵里を背負っていたためか、彼女から滴った水に彼自身の汗も混じったものも床にいくつも落ちている。
「はい、着いたよ。じゃあ僕は外に出てるから――」
脚どころか全身をぷるぷるとさせながらも恵里を下ろし、大きく息を吐いたハジメはそのまま脱衣場を出ようとする。
いくら幼馴染、いくら好きな相手とはいえど恵里の裸を見る訳にもいかなかったからである。恵里の方だってこういうのにかこつけて見られるのも嫌だろうと考えたのと、万が一見てしまったら先日精通したハジメのナニが絶対勃ち上がると確信していたからだ。そのため早く部屋に出てしまおうと考えていた。
とはいえ自分も全身が濡れてしまったため上だけ脱ぎ捨て、体を拭くためにタオルを持って外に出ようとする。だが、その瞬間恵里がハジメの腕をつかんだのである。
「あのー……恵里、さん? ぼ、僕はその、外で待ってるから……」
「いっしょに、いて」
声のする方向を見ればひどく心細そうにこちらを見つめる恵里が見える。瞳は揺れ、今にも大粒の涙がこぼれ落ちそうになっており、何度も何度もしゃくり上げながらこちらを見ていた。
「そ、その……ぼ、僕達もう中学生、だよ? え、えっと、裸を見られるの、イヤだよね……?」
罪悪感と羞恥心に苛まれながら必死に言い訳を考えるものの、イヤイヤとばかりに恵里は首を横に振るだけ。ハジメとしても恵里を放っておきたくはないが、このままでは何をするかわからない。
恵里を傷つけたくないと思って妙案はないかとなんとか頭を働かせるものの、張り付いた部屋着のせいで女性らしい体つきになりかけているのがわかる恵里の体に目と意識が行ってしまってロクに働いてくれやしない。
こうして自分を頼ってきてくれたのに勝手に湧いてきた煩悩に悩まされ、どうしようどうしようとハジメが考えていると恵里がまた言葉を紡いだ。
「ハジメくんと、いっしょがいい」
すがりつくように漏れ出た言葉にハジメの頭は更にぐちゃぐちゃになってしまった。このまま外に出てしまっては壊れてしまうであろう恵里の心を放っておけず、未だ暴れる場違いな煩悩に苛まれながらもハジメは決断する。
「……お互い、裸を見ないようにするなら。ね?」
どうしようもないヘタレっぷりをさらしたものの、恵里はそれにうなづいてくれた。こうして背中合わせになって服を脱ぎ、脱いだものを全部洗濯機に入れて回している間、一緒に風呂に入ることになってしまうのであった。
濡れたものを全部洗濯機に放り込んで回すと、ハジメは再度恵里を背負い、そのまま風呂場へと入った。
「えっと、これからシャワーするよ。いい?」
「うん」
そして置いてあった椅子に恵里を一度座らせ、了解を取ってから軽くシャワーをかけていく。
まとめ方がわからなかったのと、心が深く傷ついている今の恵里にあまり負担をかけたくなかったため、髪の毛はそのままにしてある。了解を取ってからその腰元まである黒い長髪にも軽くシャワーを当てると、一度だけピクリと反応し、そのまま身じろぎもせずに堪えていた。
濡れてあでやかに映る髪は、今この場でなければ思わず息をするのも忘れたであろうと思えるほどに美しい。しかし今はそうしている場合じゃないと自分もサッとシャワーを浴び、風呂桶の蓋をとってから再度恵里を背負ってお風呂に一緒に入る。髪の毛も一緒に入ってしまったけれど後で出してどうにかすればいいと思いつつ、ハジメは恵里に声をかける。
「足、痛くない?」
「……へいき、だから」
声色からして我慢しているのは、余裕のないハジメにも理解できた。とはいえシャワーだけでは体が冷えたままだし、かといって足だけ出してもそこから冷えるだろう。風呂に入るのでなく、一度服を脱いでからお湯で湿らせたタオルで体を拭けばいいということに思い至ったが今更だ。とりあえず我慢できない程ではないと判断したハジメはそのまま風呂から上がろうとする。
「――なんで? いっしょに、いてよ」
だが、か細い恵里の声と共にその腕を引かれてしまった。弱々しく自分の腕を握ってくる恵里に驚きや庇護欲、胸の高鳴りを感じるものの、それ以上に我慢が出来そうになかった。勢いに任せて恵里にひどいことをしてしまうかもしれないという恐れがハジメの中にあったのだ。
「だ、だって……僕達、男の子と女の子だよ? その、だから、えっと……」
振り向いて、裸を見ないよう恵里の顔だけに意識を向けながら諭そうとするも、恵里は顔を横に振るばかり。何度も鼻をすする彼女を見てしまえば罪悪感に押し潰されそうになり、『お風呂に入るぐらい別にいいんじゃないか』と流されそうになってしまう。それでもこれ以上はいけないと思って手を振りほどこうとした時、恵里のつぶやきがハジメの良心を射抜く。
「おねがい……ハジメくん、はなれないで。ボクを、みすてないでよ……」
頭がおかしくなりそうであった。このまま風呂桶から出てしまえばもう恵里は心を閉ざしてしまうという確信が、自分に助けを求めた少女を放置してしまう事への良心の呵責がハジメを苛む。恵里の揺れる瞳が、頬を伝って落ちる雫がハジメの頭をめちゃくちゃにしていく。
ボロボロの恵里を一人にしたくない。けれどもこのままだと何をするかわからない。傷つけたくない。堂々巡りに陥ったハジメの耳にまた恵里の声が届く――そばにいてよ、と。
「わかった……戻る、から」
やっぱり恵里を一人にしておけない、と結論付けたハジメはただ一言だけを告げて風呂に戻る。そしてハジメは恵里に背中を向けたまま、体育座りをして動かなくなった。向かい合ってしまったらどうなるかわからなかったのと、痛くなるほどに勃起してる自分のちんちんを見られないためにである。
「ありがとう……ハジメくん」
そのおかげか恵里も少し落ち着きを取り戻せたようで、声色から怯えの色は感じられなくなった。しかし恵里がまた抱きついて来たため、背中に当たる柔らかい感触にまた耐えなければならなくなった。
(――あ、おっぱい……お、おっぱいが、おっぱいがあ、あた、当たって、あぁあぁぁああぁああぁぁああ!! 息! 息! やめて、ちょっと! もう耐えらんなくなるから!!)
何度も何度もやられたせいか、ここ最近は腕に当てられるのは割と長時間でも耐えられるようにはなった。だが背中に、それも生のおっぱいが当たる感触は初めてであった。
手でなく背中に当たっているとはいえ、むにゅむにゅとした感触が、まだ柔らかいままだが確かにある乳首の感触がハジメの興奮を大いに煽る。段々と息を荒げるハジメの背中やうなじにほんのり温かくなった吐息が当たる度、理性はガンガン削られていく。
脱衣所や風呂桶まで運んだりする時はまだ布越しであったり、恵里を早く風呂に入れないとまずいと焦っていたのもあってそこまで考えなくて済んだ。
だが、恵里を一人にしないことを決意して再度風呂に入ってしまった。つまり“恵里の体が温まるまで風呂にいなければいけない”のであり、それまでじっと堪えなければならないのだ。
それに離れるのを嫌がっている恵里が抱き着いているのだからそれも受け入れなければならない。結果、生き地獄にハジメは突入せざるを得なくなったのである。
(お、おち、落ち着くんだ。こういう時は……えっと、素数だ。1と自分の数字でしか割れない孤独な数字は勇気を与えてくれる、ってJOJ○のプッ○神父も言ってたし。えっと、確か……1、2、3、5、7、8、9――)
「ハジメくん……ありがとう。好き。大好き」
(――無理無理無理! お、お願いだからもうやめて! どんどん我慢できなくなってきてるからぁ!!)
全然出来ていない素数のカウントをしながらもハジメはどうにか意識を逸らそうと努めるも、自分の名前を呼んで甘えてくる恵里に結局意識を持っていかれてしまっていた。
にっちもさっちもいかなくなったハジメは『ら、ラノベだったら幼馴染とこれぐらい普通にやるし……』だの『背中ならノーカンだよね?』だのと言い訳を並べ立てて自分を正当化するしか出来なかった。
残り時間が十分であることを知らせるアラームが少し前に鳴ったのをハジメは記憶していたが、それからどれだけの時間が経過したかをもう覚えていない。
自分のチンコは相変わらずガチガチに勃起したままなものの、今の状況にはどうにか慣れた。というかもう考えるのを止めていた。『悟りってこういうのなのかな』と薄ぼんやりと考えていると、何も言わずに後ろから抱き着いていた恵里がつぶやく。
「……ねぇ、ハジメくん。どうして、何も聞かないの?」
うかがうような、怯えるようなトーンで話しかけてきた恵里に、ハジメは自分が悶々としているのも忘れて柔らかな笑みを浮かべながら答える。
「何かあったのはわかるからね。それにきっと無理に聞き出したら恵里ちゃんが壊れちゃうから。だから聞かないよ」
恵里が落ち着けるよう優しい声色で伝えると、それっきり恵里も何も言わなくなってしまう。代わりに向けられる熱っぽい視線に気づかないフリをしながらもハジメは声をかける。
「あの、さ……そういえば髪の毛ずっとお湯につかりっぱなしだし、痛むと悪いから洗った方がいいんじゃ……」
恵里のおかげで軽く頭が冷えたため、とりあえず髪の毛を洗うよう促す。サラサラで、長くて、色々な髪型をきれいに見せてくれるあの髪の毛は恵里の好きなところの一つでもあったからだ。
「もう少しだけ、このままでいさせて」
しかし恵里は髪をまとめることもせず、ハジメの背に抱き着くだけ。静かに、ずっと甘えてくる恵里には敵わず、ハジメもそっかと返すだけであった。
後で風呂のお湯を張り直さないといけないなと思いつつ、洗濯が完了したアラームを聞きながらもハジメも恵里もまだ風呂から上がらなかった。