※この作品はR-18です。

性癖に正直に生きてたらR18を求められたんだが   作:鷲羽ユスラ

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書き捨て。


聖王の処女喪失みたいな何か

 あの人の上に腰を下ろした時、何が起こったか分からなかった。

 ズドンッッッ!!! と下腹部に衝撃が走る。内臓を直接殴られたかのような、けれど熱く甘い容赦ない一撃。 

 視界が明滅する。頭の中でパチパチと火花が飛び散る。なんだこれは? 思考が鈍り、ぼーっとする。

 

「ああ……まさか、本当に捧げてくださるなんて。主よ、感謝いたします。私ごときにこのような機会を与えてくださったことを」

 

 あの人が何か言ってる。でも分からない。理解できない。疑問符ばかりが浮かんできて、訳が分からなくなる。

 ズルリ、と下腹部の焼けるような熱が動いたのは、その時だった。瞬間、胎から頭にかけてほとばしる甘やかな電流。

 思わず、私は声を上げた。高く、はしたない、すがるような、これまで上げたことのない声だった。

 なんだ? 何が起こっている? あの人は何をしている? 私はどうなっている?

 分からない。分からない。その間も下腹部の熱は動くのをやめない。

 ズリズリ、ゴリゴリ、ゾワゾワ。ゆっくりと味わうように、けれど止まる様子のないそれは私の中で上下する。

 肌が粟立つのが止まらない。感触が次第にはっきりと輪郭を帯び、下腹部のそれが太く、固く、長いことが伝わってくる。

 ズリズリ、ゾリゾリ。胎の内側を引っかかれた私は、はっきりとあられもない声を上げた。引っかかれた場所がいやに熱い。畳み掛けるように何度も、何度も引っかかれて、熱さがどんどん広がっていく。

 傘? そう、傘だ。私の内側をゆっくりと上下する熱い何かには、傘がついている。ぷっくりと膨れた、けれど雄々しい巌のような、弱い所を削るためだけにあるような部位。

 それが内側を、何度も何度も引っかけてたまらない。やめろ、やめてくれ。さっきから体が熱いんだ。肌を珠のような汗が滑っていくんだ。それは私を、おかしくする。

 

「っ……素晴らしい締め付けです、猊下。何の準備もしませんでしたゆえ、どうなるかと思いましたが……殊の外悦んでいただけてるようで、何よりです」

 

 あの人が呟く。獣のような呼吸を荒く、噛み締めながら。その息の熱さを想像して、あの人の歯を食い縛る顔に見入って、全身がカッと熱を灯し、ゾクゾクと背筋を甘い感覚が駆け抜けていく。

 知らない。知らない。こんなの知らない。こんな感覚、こんな感情、私は今まで抱いたことがない。決して、味わってはいけないと直感する。

 私は腰を上げようとした。何が起こっているのかまだ分からないが、元凶が下腹部にあるのは確かだ。腰を上げれば、抜けていく。だから私はぶるぶると震えながら、じりじりと腰を上げていく。

 胎の内側が焼き切れそうだった。ゆっくりしているのに、慎重にやっているのに、まるでそれが逆効果であるかのように感覚がほとばしる。ズリ……ズリ……と内側を引っかく傘のせいで、内側が引っ張られ、元の位置に戻る衝撃が甘く、切ない。

 頑張れ。頑張るんだ、私。このままでは駄目だ。このままではいけない。訳も分からず流されたら、絶対に後悔する。絶対に……逃げられなくなる……

 まだ、半分も抜けてない。それでもようやく下腹部の一番奥から引き抜くと、まるでそこが空っぽになったかのような寂しさと、物欲しさに襲われた。

 ようやく、半分。心を支配しようとする未知の感情に抗いながら、私はフーフーと唇の隙間から息を吐く。耐えろ、耐えろ。歯を食いしばり、頭に突き刺さる甘い電流の断続的波を必死で耐え抜く。

 やっと、七割。半分以上が抜けきった頃から、いやに胎の一番奥が物足りなさを訴えた。元に戻せと、満たしてくれと、必死に、けたたましく懇願する。

 うるさい。黙れ、黙ってくれ。私は頭を振って声を追い出そうとする。けれど声は大きくなるばかり。早く、早く引き抜かねば、この泥沼は終わらない。

 もう少し。あとちょっと。下腹部の入り口、そう入り口のように感じるところまで引き抜いた。熱く、太く、固く、大きいもの。それがやっと抜ける。やっと、終われる。

 だめだ、だめだ、だめだ。どうして引き抜く必要がある? それはこんなにも心地よいじゃないか。まるで最初からそう設計されているかのように、私の内側にぴったり合うじゃないか。

 なのに抜くなんて、どうしてそんなもったいないことをする? もう一度、入れるんだ。ずっぽりと、しっかりと、奥の奥まで迎え入れてあげるんだ。

 そうすれば、満たされる。この空虚を、一度知ってしまったら二度と忘れられない肉の広がりきった感覚を、はっきりと私の奥底で実感できる。

 そうだろう? もう分かっているはずだ。あの感覚。私の内側で激しく自己主張する、固く、太く、大きい、雄々しいものの正体を。

 受け入れろ。受け入れてしまえ。それは、あの人だ。あの人そのものだ。何も抵抗する必要はない。あの人を信じて、全て委ねるんだ。

 私の中でその声はすさまじい速度で大きくなっていった。支配される。支配される。身も、心も、この声に。パチパチと弾ける訳の分からない感覚が、次第に甘く頭に溶けていく。

 ギリッッッ。奥歯の軋む音を、その時私ははっきりと聞いた。

 そして停止していた腰を、渾身の力で再び動かす。

 聞いてなるものか。従ってなるものか。私には分かる。お前は邪なもの。

 私を陥れようとする、邪悪で許しがたい声。そんな声に身を委ねるなど、この私にありえない!

 自らにそう言い聞かせ、ガチガチと歯を震わせながら、私はやっとの思いで引き抜く寸前まで来た。あとは、ほんの少し腰を上げるだけ。私は最後の力を振り絞り、それを引き抜こうとして。

 

「いけませんよ、猊下。貴方様から捧げてくださったのですから、最後までやって頂かなくては」

 

 あの人の笑いを噛みしめるような声が、はっきり聞こえて。大きく、熱く、たくましい両手で腰を掴まれた私は、強引に、一気に、腰を落とされた。

 

 ごっっっ――――ちゅんっっっ!!!

 

 あの人の太ももに尻肉がぶつかる。私の、大きくはないけれど、ちょっとだけ気にしているお尻の肉が、あの人の筋骨隆々な体に押されて形を変える。

 そんなの関係なかった。そんなの分からなかった。私に満ち満ちていたのは、再び私の内側の、奥底の、一番大切なところを貫いた、甘く、甘く、力強い衝撃だけ。

 

 かっっっ……はっっっ――――!!??!?

 

 取り込んでいた空気が、全て口から溢れ出た。びくんと顎が上がる。ガクガクと全身が痙攣する。あの人の腹筋に押し当てていた手が、きゅうっとすがりつくように爪を立てる。

 明滅。発光。雷撃。余韻。パチパチと視界が弾け、目もくらむ光に覆われた私は、気がつけば絶叫していた。

 長い絶叫だった。甘やかで、あられもない、女であることを証明する声の響き。それは私の体が痙攣している間ずっと続き、やがてそれが治まった頃、吐息のような、甘い感覚の尾を引く断続的な声に変わる。

 ドクドクと脈打っている。心臓が早鐘のよう。【煌天女帝】の一撃を食らい、傷ついた時よりも熱くなる私の体は、今まで感じたことのない熱の中にあって、下腹部を至福で満たす剛直の熱さを際立たせる。

 剛直。そう、剛直だ。そうとしか呼べない。太く、力強く、決して曲がらない、あの人の雄。ここに来て私はやっと、何が起こっているのかを理解した。

 

 ああ――私は、まぐわっているのだ。他ならぬあの人と、神聖なる、聖王と謳われし私の執務室で。

 そう認識した瞬間、きゅううううううんっっっ、と、下腹部が……私の雌が、あの人の雄を咥えこんだのを感じた。

 

「っっ……締め付け過ぎですよ、猊下……そんなに気持ちよかったのですか……? どうやら絶頂なされたようですし……もしや、私の物を気に入って頂けましたかな……?」

 

 あの人が苦しそうに、けれど気持ちよさそうに声を発する。知らない。知らない。嘘だ。こんなの嘘だ。

 けれど。私の雌は、もうどうしようもなく目覚めていて。

 この夜が――――私があの人の雌になる瞬間が、まだ始まったばかりだと知るのは、もう少し後のことだった。




これで分かったやろ? 私に文才はないんだ。
期待しても無駄無駄無駄。さっさと全年齢に帰れ。
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