※この作品はR-18です。

真面目系スケベのアーミヤと発情期えっち   作:かよいの

3 / 8
本パートはエロシーンあり。本番なし。
若干ホラー風味。

【前話のあらすじ】
ドクターと性行為の了解を取り付けるまでは狡猾に事を進めたアーミヤだったが、興奮と発情が深まるに連れ知能が低下し、遂には処女だった事を自白してしまう。挿れるのは怖いが激しく発情してるので我慢できずにスマタでイッたのだが……


アーミヤ、理性の底が抜ける

発情が極まったあまり一方的に快楽を貪り、大股開きでアーミヤは床へとブッ倒れた。

その無様で滑稽な様子を呆然と見ながら、ドクターはひとりごつ。

「まぁでも、こんだけ派手にイッたら、ちょっとは大人しくなる――」

 

――だが、そうはならなかったのだ。

 

気を失ったアーミヤからドス黒い粒子が大量に立ち上り、帯状のアーツとなって中空に形成した。黒のアーツにマリオネットのように操られた少女の半裸がゆらり…と身を起こして膝立ちになる。それは幾度も斃れてなお復活するフロストノヴァの威容をドクターに連想させた。

 

「待った待った待ったなんだコレ……いや、キメラ化か?!」

ケルシー医師にかつて読まされたアーミヤの"仕様書"をドクターは思い出す。眼前のコータスは尋常な肉体の持ち主ではないのだ。

「外部刺激で行動不能になった場合、フェイルセーフで自動発動する事があるとは聞いてたけどよぉ……スケベの気絶でこうなるとかアリかよ?!」

 

「んぅ、うぅ……?」

目覚めたアーミヤは意思の読めないガラス玉のような瞳をいまだ屹立するペニスに向け、たっぷりと絡みついていた愛液の残滓が垂れ落ちていくのをぼんやりと見やる。

 

「どくたー、まだ、イッてない?」

知性どころか感情までも抜け落ちてしまったかのような平坦な表情と声で、少女はドクターに問いかける。

「そりゃな、ココまでヤられたらチンポもすっげえイライラしてるけど、キミ今それどころじゃない感じだぞ……」

「どくたーのせーえき、みせて?」

「聞けって」

「せーえき、でるとこ、みせて?」

「聞いちゃいねえ……まだ頭おかしくなる余地が残ってたんだな。悪い、さっきのは君が正しかった」

今さら詫びた所で話は通じず、少女は三度同じ求めを繰り返す。

 

「せーえき、みせて?」

アーミヤはすぅ…と片手を上げ、印を結んだ指先をドクターに向ける。

「ちょっ……何するつもりだっ?!」

五指の指輪すべてが薄く発光し、そして、

 

 

性欲 敬愛 情欲 劣情 肉欲 思慕 淫欲 憧憬 愛欲 獣欲 色欲 愛情 心酔 情欲 色欲 獣欲 淫欲 憧憬 劣情 肉欲 心酔 敬愛 愛欲 性欲 思慕 愛情 思慕 憧憬 愛情 情欲 愛欲 肉欲 劣情 性欲 敬愛 獣欲 心酔 色欲 淫欲 肉欲 愛情 憧憬 獣欲 心酔 愛欲 性欲 情欲 色欲 思慕 敬愛 劣情 憧憬 色欲 肉欲 敬愛 思慕 性欲 情欲 心酔 愛情 淫欲 愛欲 獣欲 劣情

 

 

アーミヤのありのままの強烈な欲望。

それが、ドクターの脳内に直接流し込まれていく。

「お゛っ、あ゛っ、おっお゛っ…クソっ、そういや、キミ……精神感応者(テレパス)だったなッ!?」

唐突な大量の情報に嘔吐しそうになり、どうにかこらえた所で、自身の欲望であると誤認した男の下半身が反応し、触れてもいないペニスの射精感が急速に高まっていることに気がついた。

 

「せーえき、みせて?」

再び光る指輪たち。再びドクターの脳髄を侵食するアーミヤの欲望。

「お゛お゛おっ、うげぇえっ………『感度3000倍でチンポのことしか考えられない』ってこんな感じかよ、ああよく解ったよ! 君それ、すっげえワルの敵が使ってくる奴だからな!」

 

今の彼女には敵意も悪意もない。

フクロウが夜を見通すように自明に、カメレオンが舌で獲物を捕らえるように自然に、ヒトが樹から果実をもぎ取るように当然に、ロドスの女主人であるこのキメラはただ、下僕の精神に侵食する。

 

「わたし、わる、ちがう。わるは、どくたー」

「なんでだよっ……!」

アーミヤは目を閉じ、ただのコータスの様にその長耳を澄まし、

「おちんぽの、こえが、きこえる。どくたー、がまん、しすぎ」

ただのコータスでは有り得ぬ事を口にする。

「おちんぽ、こまってる。せーえき、だしたい、だしたい、いってる」

 

そのやりとりで、ドクターは理解し、力なく笑う。

「ああ、ああ、そうか……ずっと"聞かれてた"のか、そりゃぁ、精神感応者(テレパス)の前で取り繕っても意味なんか、なかったな、は、は、ははは……」

 

アーミヤの能力は"送信"だけでなく"受信"も可能だ。普段は他者の思考をそのまま読み取れるほど万能でなく、相手の感情や感覚の表層を視る事ができるだけだが、キメラ化している今は特にその感度が上がっているようだった。

 

「どんだけ我慢して保護者ヅラかました所で……ハラの底のスケベ心まで結局は見透かされてたってわけだ、ははは……」

気の抜けきった自嘲が涙声になっていたのを、彼はだいぶ遅れて追認する。

 

「しってる、どくたーは、えっち」

「そうだ、そうだな、ははは……」

ドクターは気づけば、猛りきったペニスを眼前の少女に捧げるように差し出していた。

 

射精()したい。射精()す所を見て欲しい。

それが彼の欲望なのか、彼女の欲望なのか、混然としてもう解らない。

 

「うん、うん」

献上された肉棒を見やると、この小さな暴君は満足げにうなずき、そこで人形のように凝り固まっていた表情筋が形を作る。にっこりと愛らしく、無邪気なとびっきりの笑顔を。

「ア、アーミヤ……」

静から動へと移り変わる春の花咲くような美しさに見惚れていると、三度、指輪が煌めき、ドクターの脳細胞に叩きつけられたのは――

 

 

「どくたー、だいすきっ♡」

 

 

――嘘偽る事など有り得ぬ白痴の愛。

故にそれは一片の曇りもなかった。

 

「う゛ぁっ、あああ゛っ……畜生っ…そこで可愛いのは卑怯だろ…ああ、ああ…クソッタレ……そこで可愛いのは反則だろうがッ!!!!」

吐いた暴言とは裏腹に、今やドクターは身も心も彼女に屈服していた。

この恐ろしくも愛らしい存在の望むがままに、精を絞り出さねばならないのだと。

「わかったよもうっ……だしゃぁいいんだろ、だしゃぁ!!」

強烈な義務感に突き動かされたドクターは、己のペニスを握りしめる。それは普段の最大値より更に三割増しで硬く、太く、熱い。シゴきあげれば先程たっぷりと塗りつけられた雌コータスの潤滑油が、その動きを促進した。

 

「しこしこ、てつだう」

「お゛んっ…あ、やっべぇ、コレ…あ゛あぁぁッ……」

 

印を結んだアーミヤの両手が踊るように亀頭をなぞれば、灼ける様な刺激が粘膜上を走り抜ける。いたわるような優しい愛撫だが、性感のポイントをあまりにも的確に点いているのだ。

 

「きもちぃとこ、ぜんぶ、わかる」

「ああ、そうかよ…チンポのツボまで全部お見通しかよッ、お゛お゛おおっ……!」

 

一刻も早く射精したい。だが寸前の高まりを永遠に味わいたい。男にとっての究極の矛盾。それをも正確に汲み取ったアーミヤのマッサージは、寄せては返す波のようにドクターの快楽をコントロールし、鈴口に溜まった先走りの雫はとろり、とろりと垂れ落ちていく。

 

「きもちぃ、でしょ」

「やめろよ、優しくするなよ、可愛く振る舞うなよ……こんな風に頭おかしくなった奴はもっとこう……無理やり搾精してきたりするもんだろっ!!」

 

もっと蹂躙してくれ。もっと支配してくれ。もっと操ってくれ。

でなければ、でなければ――この胸中に沸き起こりつつある下卑た欲望が、自分自身のものであると認めなければならなくなる。

 

「……だったら、おのぞみどおり、こじあける」

 

()()()()

思考そのものに反応されたと気づいた、ドクターの脳内の何かがついに決壊し、その亀裂から侵入したキメラの精神的触手が、魂の最奥をノックする。

 

 

やめろ、そのドアを開けるな。

 

 

「どくたーの、すけべを、わたしのせいに、しないで」

 

 

ロドスの最高執行者様はご立腹のようだ。

抵抗虚しく、ニューロンの奥底に封じられていた光景が開放され、それを直視したドクターは絶叫する。

 

「ああクソッ、ずっと、ずっと昔から思ってたさっ! 君にチンポしゃぶらせて喉奥まで犯しぬいてエヅかせてから、その乳くせぇ顔にザーメンぶちまけて汚してやりたいってな!」

 

ずっと昔?

これは、いつの記憶だ?

おぼろに浮かぶアーミヤの顔は今以上に若く、あどけないばかりの年頃だ。

 

「しってた。でも、しなかった」

醜い欲望をぶつけられたアーミヤはしかし、それと淡々と受け止める。

 

「ガキのくせにッ……ガキのくせに男の誘い方だけはいっちょ前に覚えやがって……いつも思ってたんだぞッ……そのちびっこいマンコにチンポぶち込んでたっぷり精子注いで孕ましてやりてえってなぁ!!」

 

いつも思ってた?

これは、だれの記憶だ?

おぼろに浮かぶアーミヤの身体は今以上に小さく、全てのパーツが寸足らずだ。

 

「しってた。でも、がまんした。えらい」

穢れた劣情を聞かされてなおアーミヤはしかし、それを評価しさえする。

 

「物理的に挿入(はい)らねえから断念してました~~ってのは、我慢って言わねえんだよ! 君を手マンでイカせてコレは医療処置ですなんでもありませんって顔してたけど、その後、毎回毎回めちゃめちゃシコってたわ!!!!」

「しってた。せーえきの、におい、してた」

「はは…そうかぁ、テレパス関係ない所でもバレバレだったか…ははは……」

 

ああ、思い出した。

思い出してしまった。

処女こそ奪ってはいない。

だが、眼前の少女に肉の味を教え込む関係は長く、長く、続いていた。

 

「は、ははは……なんつー卑怯モンだよ…自分だってヤりたくてヤりたくて仕方が無かったくせに、逃げ回って、言い繕って、テメェの保身しか考えちゃいねぇ……君が一方的に迫ってくるのを良いことに、スケベの責任を全部こんな女の子におっ被せて知らん顔しようとしてたカス野郎だ!!!」

 

記憶の扉は一部開かれたが、ロドスの真の使命も、自らのかつての決意も、未だ杳として見通すことができない闇の向こう側だ。だと言うのに、たった1人への思い出ばかりがぽろぽろと零れ落ちてくる。

 

少女と初めて出会った時の事。保護し危険を排除した時の安心した顔。教えの全てをスポンジのように吸収するその利発さに舌を巻いた事。ドクター、そしてケルシーに師事する真剣な顔。キメラとしての能力を使いこなせず暴走した時の事。体を張って暴走を静止したドクターを見つめる泣き出しそうな顔。初めての発情に悩み、苦しみ、相談相手としてドクターを選んだときの事。サカリを散らす薬の開発を伝えた時の"そうじゃないです。この唐変木"と言わんばかりの顔。

 

アーミヤ。アーミヤ。アーミヤ。アーミヤ。

ああ、コレは執着だ。

ああ、コレはつまり。

 

 

「アーミヤ、君のことが好きだ」

 

 

告白してしまった。

チンポを握りしめた最低の状況で。

腐りきった劣情を自白したばかりのその舌で。

 

 

「びっくりした」

 

 

そして、魂を見透かすはずの魔人が、心底から驚いていた。

目をまんまるに見開き、口元に手を添え、長耳を真っ直ぐになるまで尖らせて。

 

「うれしい、これでやっと、りょうおもい」

 

やがて驚愕が喜びに移り変わったのか、目を伏せ、長耳はへにゃりと垂れる。

 

「すきの、しょうこ、みせて」

 

少女の口元がチンポに近づけられる。

 

 

「せーえき、だして♡」

 

 

ちゅっ

 

 

テクニック皆無。

唇が亀頭をついばむだけのバードキス。

だが、それが最高にキいた。

 

 

どく、どく、どく、びゅくるる、どびゅるるるるるんんっ

 

 

「せーえき、でたぁ♡」

 

 

陰嚢の奥底で煮えたぎっていた精液が尿道を押し広げるように駆け上り、鈴口から大量に噴出してアーミヤの顔に降り注いで白く染め上げ、先程の劣情そのままの光景を作り出す。

 

「お゛ああっ……ああ、やべぇやべえやべえ、なんだ、コレっ…どんだけ出っ…お゛っ、おっお゛お゛っっ!」

 

獣の如き白痴に詰め寄られ、昆虫の如くただの反射で射精する。

だが、人間性と引き換えに得られた悦楽はあまりにも甘美だった。

 

「いただきまーす」

 

第一射を見届け、その汚穢を微笑む相貌で受け止めたアーミヤは、ミルクを欲しがる赤子のように鈴口に食らいつき、続く第二射以降を絞り出すように吸い上げて、飲み干していく。

 

ずっ、ずじゅちゅっ、ずずぅっ、じゅうぅううっ、ごくん、ごくん

 

「う゛あ゛っ……やめろッ、も、もう…それ以上はチンポ壊れっ…あ゛っあっああっ……!」

 

強烈な性感がドクターの脳を灼き、意識を飛ばしそうになるが、ペニスへの続けざまの刺激がそれを許さない。彼はただ叫び、ただ震える。電気椅子で処刑される哀れな囚人のように、びくん、びくんと。

 

「ぷ、はぁ…」

 

やがて、拷問的なまでの奉仕を終えたアーミヤの口元が亀頭から離れ、彼女は唇に未だ張り付く濃厚な精液を自身の舌先を伸ばしてべろりと拭い取った。

 

「う、う、あぁ…あぁ……」

 

内臓の一部ごと引き抜かれたかと錯覚するほどの大量射精からようやく開放され、ドクターは呆けたように、ただ呻く。今は指一本動かすのも億劫なほどに脱力しきっている……にもかかわらず、勃起が収まる気配がまるで無い。アーミヤが男の脳に流し込んだ発情ウサギの欲望が熾火の様に、未だ剛直を猛らせているのだ。

 

 

「じゃあ、つぎは、こーび♡」

 

 

ぴょんぴょんと元気よく跳ねた仔ウサギが、再び膝上にまたがって来るのを、ドクターはただ、ぼんやりと見やる。

 

「こーびっ♡ こーびっ♡」

 

アーミヤはペニスを掴んで角度を固定。

女陰にあてがい重力に身を任せて腰を下ろす。

 

「あれぇ?」

 

ずるん。

豊富に分泌しすぎた愛液が仇となり、滑ったペニスの矛先が膣口から大きくズレる。

 

「はいらない?」

 

挿入るわけがない。

指の侵入すら許した事がない幼い膣に、ほぐしもしてない小さな穴に、いつにもまして猛り狂う成人サイズのペニスが挿入るわけがない。

 

「あれぇ? こーびできないよぉ…」

 

だが、ほおって置けば、この小さな暴君は強引にでもネジ込むだろう。そうなったら裂けて大惨事、血を見るのは明らかだ。

だからといって、止めようとするのもマズい。高確率で機嫌を損ねるだろうし、そうなったら、またもや脳味噌レイプのお時間だ。

 

 

「なぁ、アーミヤ。チューしようぜ」

 

 

だから、それは、射精直後の賢者の時間がもたらした、一瞬のひらめき。

 

「交尾の前にはチューするもんだ。サンクタ共の聖典にだって書いてある」

正直、かなりの博打だ。

実在さえ危ぶんでいたはずの"神"に、ドクターはいつの間にか祈りを捧げていた。

「両思いだってのに、チューもしてない。そんな馬鹿な話があるか?」

そして、その一言で、アーミヤは爆発的に動いた。

 

 

「ちゅーーーー、するっっっ!!!!!!」

 

 

アーミヤはペニスへの興味を一瞬で失い、食らいつくように唇と唇を重ねてきた。がつん。あまりの勢いに互いの歯が当たる。痛い。彼女も痛みは同様だろうが、それでもメゲずに激しくキスを求め続ける。

 

アーミヤは口づけ、

「ずっと、ちゅー、したかった」

息を吸い、

「こーびより、ちゅーが、だいじ、それはそう」

口づけ、

「だって、こいびとどうしは、ちゅーする」

息を吸い、

「すき、すき、どくたー、もっと、ちゅーして」

深く唇を合わせる。

 

ああ、こんな純真な存在を騙して申し訳ない――などと、罪悪感を抱いてはいけない。相手を騙す前に、まず真っ先に自分を騙す。キメラ化中の彼女は、いわば高感度の嘘発見器(ポリグラフ)、この怪物に感情の動きを読まれたが最後、手ひどい仕置きが待ってるだろう。

 

じゅっ、じゅうちゅっ、ぢゅうううっ

 

ことさらに音を立てて唾液を垂らしあった口元に吸いつき……

ぱきん

……その粘着音に紛れて、気だるい指先を気合で動かし、白衣のポケットの内側でアンプルを割る。

 

「口開けろ。舌出せ。大人のチューだ」

「うんっ!」

 

疑うこと無く従う少女の口内に舌を刺し入れ、少女もまた怖じること無くドクターの口内に侵入して舌を絡め合い、犯し、犯される。

 

「おとなのちゅー、すき…、おとなのちゅー、きもちいい…」

「目ェ閉じろ、もっと気持ちいいぞ」

「うん…」

 

アーミヤから視界を奪った事を確認すると、ドクターはアンプルの中身を2人が口づけ合う隙間へと垂らしていく。少しづつ、少しづつ。

 

「あれぇ? なんか、あまいよぉ?」

「本当に好きな相手とのチューは甘いんだ。知らないのか?」

「きいたこと、ある、ほんとだぁ…」

 

その大嘘を真顔で言う。

射精直後のフラットな精神でなければ無理だったろう。

 

「飲んでごらん、美味しいよ」

「うん、おいしい、あまい、おとなのちゅー、すき…」

 

互いの唾液の温かさ、濃縮された糖原のケミカルな甘味、先ほど吸わせた精液の青臭さ、ニューロンを蹴り上げる芥子成分の刺激。それらが混ざりあった液体を、舌で彼女の口内へとなるべく押し込み、嚥下させる。

 

ごくん、ごくん、ごくん

 

アーミヤの喉元が動き、薬剤が胃の腑へと落ちていくごとに、彼女の身体にまとわり付いていた黒のアーツは粒子となって大気中へと拡散し、やがて薄れきって、消えた。

 

 

「……えっと? あれ、私、ドクターと、キスして? 嘘、え、なんで?」

 

 

そして、息継ぐ時にまぶたを開いたアーミヤの瞳は、混乱しつつも理性を取り戻していた。

 

 

「ど、ドクターっ?! 口の中が薬臭いんですけど、私に、な、何を飲ませてっ?!」

「……何って、タダの理性回復剤だが?」

 

ご存知、理性回復剤。

『終わってない仕事がたくさんありますから、まだ休んじゃダメですよ』の非道なCMがテラ全体で賛否両論を呼ぶ、製薬会社としてのロドスの主力製品が、箱書き通りの効能を発揮し、ドクターは、賭けに、勝利した。

 

 

「えっ、うそ、私、なんでこんな、えっ、いや、覚えてる、覚えてるんですけどっ…」

 

 

"仕様書"によると、キメラ化の際などには時として知能低下が見られるが、人格は連続しており、記憶が消滅したりすることはないらしい、つまり……

 

 

「にゅ、にゅあ~~~~~~~~~~~っ!!!!!」

 

 

……さっきまでの痴態の全てを思い出し、苛まれたアーミヤは奇声を上げて、殺虫剤をかけられた芋虫のように床上を転げ回った。

 

「えっ、えっ、ええっ?! そりゃ私、性欲強いの自覚してましたけど、あんなになります?! あんなにイヤラシくなっちゃいますか?!」

「……アーミヤ」

「いやいやいや、あんなの、完全に痴女じゃないですか……私、え、嘘、あんなのが私? え、ホントに……?!」

「……アーミヤ」

「おまけに、エッチ中の私って、めちゃくちゃ馬鹿なんですね……ああもう、せっかく立てたプランが全部台無しにッ……!」

「……アーミヤ」

「わかってます、わかってますとも、ドクターッ……これだけの事をしでかしてしまったんです、お怒りはもっともです、ですけどっ、ですけどっ、あの、気持ちの整理がつくまで少しだけ時間をっ……!」

「いや、もだえたくなるのも解るが、そんなカッコでエビ反りしてたら、まんこ丸見え」

 

アーミヤはババッと身を起こして両手で股間を隠す。

 

「み、見ましたね?! 見ましたねっっ?!!!」

「今更かよ…さんざん見たし、触ったし、もっとヤバい事もヤったじゃん……」

「うっ、ううう、うぅぅ…………」

 

そのまま気まずく2人とも押し黙っていたが、先に口を開いたのはアーミヤだった。

 

「ありがとうございます……」

「うん?」

「あのままキメラ化を続けていたら私、守るべきドクターを自分の手で壊してしまってたかも、しれません……理性剤を飲ませてくれなかったら、本当にどうなっていたか……」

「いや、それはいい。怒ってない。調子こいてイジメた僕にも責任がある」

「でも……」

「あのな、君が謝るべきはそれより前の話だ。違うか」

「ううっ……」

 

アーミヤの顔が気まずそうにドクターから逸らされ、目が泳ぐ。

 

「わ、私、自分が非処女だとも、性交経験があるともいってませんし……」

「なるほど、バレたときの予防線は張ってたか。でもな"何の話"とは言ってねえぞ。騙した自覚が有るんじゃねえか」

「あの、えっと、その……」

「ごめんなさいは?」

「……ごめんなさい」

少女は、この世の終わりが来たかのような顔をしてうなだれた。

 

 

「よし、風呂いくぞ」

「………はい?」

 

 

ドクターの唐突な提案に、アーミヤはぱちくりと目を見開く。

「あの、細かい追求とか、詰問とか、しないんですか?」

「ヤりたいんだろ、セックス。まだハメてねえぞ」

「……はい、したいです。ドクターと……セックス」

「こっちもヤりたくてたまらん。ほれ、チンポ持ってみ? 君のせいでこんなギンギン」

「ちょっ……いきなりナニ触らせるんですかぁッ!?」

「いきなりマンコ触らせてくる痴女にだきゃぁ言われたくねえよ!!!」

「うっ、ううぅううぅぅ……」

「でだ、そんな全身マン汁まみれの女をベッドに連れ込んだら、シーツ汚れてヤダし、だからまずは先に風呂」

「言っときますけどコレ、ドクターの汁も混ざってますからねッ!!!」

「そうか、こっちも言っとくが、別に許したわけじゃねえからな。風呂場でめちゃくちゃに性的イタズラするから、手品の種明かしとかしたかったら、そん時しゃべれ。僕にも何割か責任ある感じだし、もうコトの善悪はヤりながら考える」

「……わかりました、覚悟はしてます」

 

そして、ドクターたちは連れ立ってバスルームへと歩み寄る。

 

「あの、1つだけよろしいですか、ドクター」

「なに?」

「私、さっきのが、ファーストキスだったんですけど」

「あー、そりゃ、悪い事した……」

「あんなのが初めてなんて認められません。やり直しを要求します」

「いや、君、立場わかってんのか? 今から仕置きされんだぞ?」

「顔が届きません。屈んでください」

「あのさぁ……」

「屈んで」

「……はい」

 

 

ロドス・アイランド製薬行動隊の戦術指揮官、通称"ドクター"こと、ドクターの1日は多忙であり、統括する部門の広範囲さから、求められる役割も戦術指揮のみならず多岐にわたり――幹部職員の避け得ぬ性衝動の解消もその業務内容に含まれる。

 




この体格差である。
十数分に渡り、腰をかがめ続けるのもいい加減に辛くなってきた。
「……なぁ、いい加減、堪能したか?」

執拗に男の唇を往復していた少女の舌が、ぬらりと糸引き、言葉を紡ぐ。
「物足りませんけど、これで本当に両思いです」

爪先立ちしていた少女のかかとがストンと降りると、男の手を取り、導いた。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。