※この作品はR-18です。

メイド長は見てしまった アズールレーン、母校のある日   作:ざぎねぅ

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 ああ、この資料ね…これは…何ていうのでしょう……そうね…ギャグって…いうのかしら。
 まあ、珍しくそういう類のデータよ。



file3 ぼぃ〜んでくぃ〜んなエリザベス

ロイヤル城、エリザベスの仕事場—

 

 

 いつものように城の一角で仕事を行うクイーン・エリザベスがいた。

 

—はぁ…下僕からこんなに長ったらしい資料を作れって頼まれたけど、たまの下僕の頼みだわ、しっかりやってあげましょう

 

 そう呟いてエリザベスはペンを走らせる。

 それにしても高い紙の山をみてふと彼女は口走ってしまう。

 

—こんな時ウォースパイトがいれば…

 

 しかし悲しきかな、彼女は今日、海域の警戒任務の為、1日中この城には居ないのだ。

 ぼやくエリザベスに、ウォースパイトの代わりとなるために呼んばれた、いわば秘書艦的な役割のイラストリアスは言う。

 

—私もしっかり手伝いますので、頑張りましょうね

 

 可愛らしいたれ目を更に下げ、女神のように微笑むイラストリアスの言葉に、エリザベスは少し心が和らぐ。

 

—ええ、そうね

 

 イラストリアスと同じく微笑む。

 そして、イラストリアスがエリザベスの隣の席に着くと彼女も仕事を始める。

 すると、

 

—あ、あの…

 

—ん?なにかしら

 

—ここ、どんな事を書けば良いのでしょうか

 

 普段彼女は、今行っている様な資料作りはしていないので、この様な質問がくるのはエリザベスには想定済である。

 

—ここはね…

 

 丁寧に教えていくと、イラストリアスもそれに応える様に仕事を進めていくが、

 

 あの…

 

 ここって…

 

 へ、へいかっ…

 

 中々上手くいかない。元より彼女はこの様な事務作業的な事は仕事の内に殆ど入っていないので仕方ない部分ではあるが、こう何度も聞かれてしまっては気が散ってしまう。

 それに今度はこんな事まで、

 

 ぽよん

 

 紅茶を持ってくると言うイラストリアスは席を立って移動するが、彼女の大きな胸がエリザベスの側頭部に当たる。

 

—あっ…ふふっ、ごめんなさい

 

—い、いいのよ…気にしないで…

 

 少し立って戻ってきたイラストリアスがもう一度席に着こうとするが、壁と机の間隔は狭く、やはり当たる。

 

 ぽよん

 

—ぁ…

 

 2度目。しかしこんな事で起こる女王ではない。なぁにが"ぁ…"だ、とはちょっとだけ思ったが。ちょっとだけ。

 

—ふ、ふふっ…

 

 エリザベスは気にしないと言う様子で引きつった微笑みを浮かべる。

 

—陛下、紅茶、お待たせしました

 

—ありがとう、イラストリアス

 

 イラストリアスから紅茶を受け取ると、彼女はまた自分の席に着く。

 座ると同時に、餅が落とされたかのように胸が机の上に置かれた。

 

—…

 

 エリザベスは気付かないふりをするが、気になってしまう。

 あの大きな胸、どんなものを食べればああなるというのか。

 そしてエリザベスはまた見てしまった。

 

—おっと…

 

 イラストリアスがそう言って、彼女が上体を移動させた時に、立ててあったペンがその胸で倒されたところを。

 ころころと転がるそれをエリザベスは拾い、イラストリアスに渡す。

 

—はい…

 

—ありがとうございます

 

 そんなやり取りの後しばらく立って、エリザベスは自分の資料を確認してもらおうと、イラストリアスに頼む。

 

—ねぇイラストリアス。この資料、誤字とかないか確認してもらえる?

 

—はい

 

 そして、イラストリアスが資料を覗き見ようとした時、惨事は起こった。

 

―あ!

 

 上体をずらしてエリザベスの方に向いた時、イラストリアスの胸は紅茶の入ったカップを襲いそして倒した。

 当然、注がれていた紅茶はどこに流れたか言うまでもない。

 

―ぁあ!…下僕に出す資料が…!…あぁ…ぁぁぁ…!

 

 ロイヤル陣営のトップ、クイーン・エリザベス女王の怒りはもうすぐそこにある。あろうことか、イラストリアスは最後の人押しをしてしまう。

 

―ご、ごめんなさい…私、"こんなに大きいばかりに"…すぐに拭きま…

 

―ぁぁあああああああ!!!

 

―きゃっ

 

 ドタン、と大きな音がする。床に背を着けたのはイラストリアス。エリザベスはそこに馬乗りになった。

 そう、エリザベスはイラストリアスが続けるミスに、"おっぱい災害"のストレスに耐えかねて押し倒したのだ。

 

―もう許せないわ!!

 

―ごめんなさい!こ、こんな事になるなんて

 

 普段、彼女がここまで怒る事はなかったため流石に焦ったイラストリアスであったが、次に起きたことは想像を絶するようなものだった。

 

―こんなもの!!

 

 ぱふん

 

 そう、"ぱふん"だ。今エリザベスが行った事で発生した音を文字で表すなら。

 そんな行為にイラストリアスは動揺する。

 

―え?…な、なんで…

 

 しかし彼女の言葉は遮られる。

 

 ぱふん

 

―あんっ!

 

 そしてエリザベスは話す。

 

―これが…これが悪いのよ…!

 

 ぱふん

 

―あっ!……へ、陛下…!?

 

 そしてエリザベスはその怒りの原因を語った。

 

―このデカイ"おっぱい"が悪いのよ!!

 

 ぱふん

 

―あんっ!

 

 そうだ、エリザベスの張り手はイラストリアスの横っ乳を叩いたのだ。

 そして今度はその乳を乱暴に揉む。

 

—私だって…こうやって…!

 

 むにゅぅうう!

 

—んぁっ!…へ、陛下…だめっ!

 

 エリザベスはその手を自分の上半身に上げながら言う。

 

―私だって揉みたいのに!こうやってむにゅむにゅ〜って……

 

 そう言いながら彼女は、目を瞑って自分のあるべき場所に無いその柔らかな空気(おっぱい)を揉んでいる。

 

―…って誰が無乳よ!

 

 ぱふん!

 

―あんっ!

 

 偶然生まれたギャグにすら当たり散らしている。

 

―この!このぉ!

 

 ぱふん!ぽふん!

 

 とうとう歯止めが効かなくなったか、エリザベスは両の張り手を交互に繰り出す。

 

―あんっ、お、おやめ下さい、あっ、陛下、い、痛いです、あんっ

 

―そりゃあんたの痛みじゃないわよ!私の痛みよ!とくと味わいなさい私の痛みぃ!!

 

 ぱふんぱふんと横っ乳を叩くエリザベスが次に見たのは、異変に気付いてやってきたメイド長、ベルファストだった。

 

―ど、どういたしましたのでしょうか、陛下!

 

 明らかにおかしいロイヤルの女王にそう投げかけたベルファストは、その奇行を止めようと、すぐさま彼女に駆け寄り片足をついてその様子を伺う。

 しかし、

 

―ぬん…!

 

 そうした故に、エリザベスの目の前にその豊満で今にも溢れ落ちそうな乳をずしりと見せつける形となってしまう。

 その巨大な果実を目の前に、エリザベスは顎に皺を寄せて更に心をたぎらせた。

 

―あんたもよ!!

 

 ぱふん!

 

―あんっ!

 

 ベルファストの声と共にばるんと大きく揺さぶられた乳を見てまた衝動に駆られたのか、エリザベスの平手が再びベルファストのそれを襲う。

 

―ふん!

 

 ぱふん

 

―あっ!

 

 そんな異様な光景を、ネルソンとロドニーが少し離れた陰で見ていた。

 こそこそと話している。

 

―ねぇ、大きいのってそんなに憧れるものなの?

 

―う〜ん、その様な娘もいるようですが、大きいと大きいで、肩も凝りますからねぇ。陛下のように小さい方が良いかも…

 

―ちょっとそこぉ!!

 

―"は、はいぃ!"

 

 かなり小さく話していたつもりだが、その内容を地獄耳の如く聞き取ったエリザベスは叫んだ。今ならその怨念の籠った声で悪魔も滅ぼせそうである。

 

―今、私の胸なぁんつったぁ!?

 

―"い、いえ!何も!!"

 

 今までに聞いたことのない彼女の、軍の教官然とした怒鳴り声は、2人に背筋を伸ばさせ気を付けをさせるには十分だった。

 

―あらそ、なら下がって良いわ

 

 無駄ににこやかに、怪しいほど優しく彼女は言った。

 いや下がれと言われても、2人は彼女に用があったから来たのだが。

 というところで、エリザベスは2人の胸元を見ると、

 

―やっぱり下がるな!!

 

―”ぇえ!?はいぃ!!”

 

 そんなこんなんで、次に部屋に現れたのはロイヤルの騎士長、キング・ジョージ5世、そして、駆逐艦大好き変態淑女(アーク・ロリコン)として名高いアーク・ロイヤルだった。

 

―なんだかとても不名誉な称号を付けられた気がするんだが…

 

―どうした、独り言なんかして?

 

―あいや、何でもない。それにしても…この状況は…

 

 同じくエリザベスに用があった2人は、目の前で繰り広げられる事に驚いた様子だ。

 そしてエリザベスはやって来た2人を見る。

 

―あんたたち!!

 

―はっ!

 

 どうやら今回の2人はネルソン達のように不意を突かれたような反応はなく、一介の騎士として、軍人としての堂々とした態度を見せた。それ故に、先の2人よりも気持ち綺麗な気を付けが見える。

 そしてエリザベスは問う。

 

―ジョージ!

 

―はっ!

 

―デカイ乳についてどう思う!?

 

―え…?

 

 何の意図があるのかわからない質問に、これは何かの暗号なのではと疑ったが、一先ず聞いた通りの質問に答える。

 

―あー、私の経験として、あまり大きいと戦い辛いので、それを考慮すれば小さい方が良いのかと…

 

―あ"ぁ"ん"!?

 

―ぅ…

 

 どこぞのマフィアか、角を突き上げるように反応を返すエリザベスに、流石の騎士長も怯んだ。

 

―じゃあアーク・ロイヤルはどうなの!?

 

 アーク・ロイヤルに求めたが、彼女の回答は予想の斜め上というか、やはり変態淑女の名に恥じない言葉を返す。

 

―あ、あの、陛下…お気持ちは分からなくもないのですが…えぇっと…

 

―なによ!はっきり答えなさい!

 

―は、はい…そのですね…駆逐艦の子の慎ましいお胸の部分…あれ……初めて見た時……なんていうか……その…下品なんですが…フフ…

 

―もういいわ!!

 

 ぱふん

 

―あんっ!……ぁ……こういうのも…

 

―ヘンタイ!

 

 ぱふん!

 

―ぁあ!

 

 アーク・ロリコンが新たな性癖に目覚めそうな所をよそに、彼女の横乳を叩くためにわざわざ立ち上がったエリザベスは、更に語気を強めて言う。

 

―ここにいる全員!そこに整列!!

 

――――――――――――――――————

 

 場所は同じくして女王陛下の仕事場、今彼女の前には哀れにも囚われの身となったイラストリアス、ベルファスト、ネルソン、ロドニー、キング・ジョージ5世、アーク・ロイヤルが横並びになっている。

 揃いも揃って皆、持たざる者(エリザベス)と違って神からの贔屓(バカみてぇにデカイ乳)を授かっていた。

 そんな乳圧に若干の怯みを覚えながらもエリザベスは立ち向かう。

 

—あんたたち一体どういうつもりよ!ぇえ!?

 

 イラストリアス以外には完全にとばっちりな言いようだったが、ブチギレ状態の彼女を止められる者はいなかった。

 そして怒鳴りつつ、ロドニーの片乳を乱暴に掴んだ。

 

—んっ…

 

—なぁにいっちょ前に、"んっ///"なんて声出してんのよ…下僕に触られたこともないでしょ!

 

—そ、それは…

 

 エリザベスの言葉に何やらもじもじとしたロドニーに彼女は睨む。

 

—なに、あるの?

 

—あ、ありません!で、でも陛下もありませんよね!…あ、でもそれじゃあ指揮官は…

 

—うるさい!!

 

 ぱふん

 

—あんっ!

 

 一言無駄に付け足そうとした所を乳叩きで黙らせたエリザベスは次の標的に赴く。

 

—なぁんでこんなにおっきいのかしらねぇ…おジョーさ、まっ!!

 

 どうやら獲物はキング・ジョージらしい。先程と同じように乱雑に乳を揉みしだく。

 

—んぁ!…ど、どうかおやめ下さい陛下、こ、こういうのは指揮官からと決めておりますので…

 

—関係ないわよ!

 

 ぱふん

 

—あっ!

 

 そして魔の手はネルソンに。

 

—あんたもあんたよねぇ…いっつも下僕にツンツンしてると思えば、ちょっとしたところで甘え出すんだから…隅に置けないわ!

 

—そ、そんなこと…!?

 

 ネルソンが赤面しながら答えたところで、エリザベスの手がその服からはみ出さんとする乳に向かうがしかし、ネルソンがひょいと一歩後ろに引くことで交わされてしまう。

 が、しかし、

 

—バカタレ!

 

 ぱふん

 

—んっ!

 

 避けられる事も考慮していたか、エリザベスは一歩踏み出しその横っ乳に1発入れてやる。悔しそうな表情を浮かべるネルソンとは正反対に、エリザベスは気持ちが悪いほど勝ち誇った顔を見せた。

 そして次、

 

—あんたはなぁんかうずうずしてるわねぇ、アーク・ロイヤルゥ

 

 そう言うエリザベスの上目遣いがアーク・ロイヤルを睨む。その視線に何か感じるのか、彼女は怪しい言葉を紡ぎ始めた。

 

—あ、い、いけません……私には、駆逐艦たちがいるんですっ…で、でもっ…神が許すのならっ…私の愛する駆逐艦たちでなくっ…普通のロリッ子にうつつを抜かすことを許してくださるのならぁっ…!

 

 そんなことを言い出すアーク・ロイヤルに、エリザベスはその睨みに更に、いっぱいの軽蔑を込めた。

 

—…ふんっ!

 

 しかしエリザベスの彼女への否定の意は、彼女に正確に伝わっているのどうか分からない反応を呼んだ。

 いや、伝わっているのだろう。しかしだからこそ、

 

—ぁあ!…その目っ、ダメですっ、その目で見られては、耐えられません!!……はぁ…はぁ……はぁぁぁぁ…!

 

 そんな狂った様子にエリザベスは呆れ、行動を起こす。

 

—ふっ…こうされたいの…ね!!

 

 もにゅぅうううう!!

 

—んおっほぉおおお!ぃぃいいいけませんんん!…へぃかぁああ!…ここここんなことぉ、駆逐艦の娘たちにもされたことないのにぃいい!

 

 白目を剥き、鼻血をだらだらと流す変態を見て、ネルソンは思わず声を出した。

 

—うわぁ…

 

 一方、キング・ジョージは頭を抱えていた。そして、

 

—ヘンタイがぁ!

 

 ぱふん!!!

 

—ぁぁあああああ!

 

 アーク・ロイヤルは最後に叫ぶと、機能停止したように虚空を見つめ、立ち尽くした。

 彼女の変態性は想像以上だったようで、ベルファストは驚愕した。

 

—ア、アーク・ロイヤル様…こ、ここまでとは…

 

 そんな彼女をエリザベスはじっと見つめた。

 

—ま、ベルはいつもしっかり仕事をしているから、許してあげるわ

 

—え?あ、はあ…

 

 すっかり自分もああされるのだろうと思っていた矢先、目の前の小さな口からこぼされたのがその言葉だったので、はっきりしない返事になってしまった。

 エリザベスはベルファストの胸元を見る。

 

—…!

 

 その時、エリザベスは先程の彼女の揺れる乳を思い出してしまった。

 

—やっぱり許さん!

 

 ぱふん

 

—あっ!…ゆ、許しいただけると…

 

 当然の反応だったがエリザベスは切り捨てる。

 

—気持ちが変わったのよ!

 

 ぱふん!

 

—んぅっ!

 

 そして満足したのか否か、最後に彼女がつま先を向けたのはイラストリアスだ。

 

—んでぇ?…なぁんであんたたちのおっぱいは服の上から触ってもこぉんなに柔らかいのかしらぁ?

 

 そう言い放ち、エリザベスはまたもやイラストリアスの乳をこれでもかと揉みしだく。

 

—んぅ…お、おやめ下さいぃ陛下ぁ

 

 そして、吐き捨てるように続ける。

 

—まさかブラ着けてないんじゃないの!?

 

 ぱふん!!

 

—ああっ!…そ、それは…

 

—当て付けかぁ!?してないんじゃなくできない私への当て付けかぁ!?

 

 ぱふんぱふんぱふん!!

 

—あああ!

 

 イラストリアスは頬を染める。

 

—それは…それはぁ…

 

—それは何よ!?

 

 ぱふん!

 

—あっ!…

 

 そして、彼女はぽつりと話した。

 

—着けていないのは、その…指揮官さまがいつでも触っていいように…

 

—アホタレかあんたバカタレがぁ!

 

 ぱふん!

 

—あんっ!

 

 バカタレである事は確定しているらしいイラストリアスを見るエリザベスは、今までの怒りを全て吐き出すように言う。

 

—KANSENである前に軍人であるあんたがそんなうつつを抜かしてどぉすんのよぉおおお!!!

 

 ぱふぱふぱふぱふ!!

 

—んぁあああ!

 

 繰り出されるエリザベスのラッシュにイラストリアスはいよいよリタイアしそうになるがその時、ベルファストからの意外な援護があった。

 

—ま、まあまあ陛下。しかし、一応この世界の軍人は戦いでのストレス発散のためにも、"そのような"行いをする事が推奨されていますし、実際、私もいつご主人様に求められても対応できるよう、ブラジャーの着用はしておりません

 

 真顔で、早口で、下着を着けない事がさも当然かのように言うベルファストにショックを受け、エリザベスは溢れ落ちそうになる涙を堪えに堪えて、張り手で彼女の乳に喝を入れる。

 

—あんたもしてないんかぁああああい!!

 

 ぱふぅうん!!

 

—あぁん!!

 

 もう耐えられないと、かのロイヤルの頂点、クイーン・エリザベスは決めた。このクソデケェ乳どもに気が済むまで喝を入れようと。

 まず目の前に迎えたのは全身を白いドレスで包む乳。そして隣にあるのはメイドの長の凛と堂々とした乳。

 

—あんたも!あんたもぉ!

 

 ぱふんぽふん

 

 イラストリアス、ベルファスト。

 

 そして一気に、赤い布が掛かったツンデレ乳、実は中身に黒い意思が詰まってそうな乳、未だ慎ましい乳にご執心の変態乳、最後に、騎士長の名に相応しく悠然と立ち構える乳。

 

—あんたもあんたもあんたもあんたもぉお!!

 

 ぱふぱふぽふぱふん!

 

 ネルソン、ロドニー、アーク・ロイヤル、キング・ジョージ5世。

 

 エリザベスは蟹のような横移動で、次々と立ちはだかる2つの大山に呪詛を叩き込んでいった。そして、

 

 ガチャ

 

—むっ…!?

 

 エリザベスの後方で扉の開く音がした。そこに立っているのは。

 

—あ、あの…何してるん、ですか…?

 

 最後に彼女の目についたのは偶然部屋に入ってきたユニコーンだった。そしてその胸にはその膨らみを隠す様に彼女のぬいぐるみ、ゆーちゃんが抱きしめられている。

 しかし虚しく、いや胸しく?その角を引き抜かんとする勢いで、エリザベスはゆーちゃんを取り上げた。

 

ーああ!ゆーちゃん!?

 

 すると、見えたのだ。

 今までの者とは格段に小さいが、そこには彼女の見た目相応以上のモノが見えたのだ。

 明らかにこの女王とは違う、3次元があったのだっ

 彼女の姉の様に豊満に育たんとする、今はまだ小さな果実があったのだ!

 

—おまえもじゃぁあああああ!

 

 ロイヤルの女王は叫ぶ!

 およそ優雅とは思えない、もはやクソ喰らえだと言わんばかりに叫ぶ!

 同じ年頃の娘に見せておいてその乳は何様なのだと叫ぶ!

 そんな嫉妬、逆恨み甚だしい叫びはやはり、彼女のほんの一瞬緩んだ手を張り手に変えた!

 その手は今!ユニコーンの!何の罪も無い幼い娘のしかし幼くは無い"一部分"に!いや"一対"に振り下ろされようとしている!

 

—何してるんだ!エリザベス!?

 

 そこに現れたのは指揮官だった。

 女王の理不尽極まりない、魔女狩りの犠牲者が復活した後に行う絶対王政だと疑わざるを得ない仕打ちを、止めに馳せ参じた。

 きっと女王の無慈悲な断罪を受けた美女達は、そして、勇ましい騎士長すら彼を見て思っただろう。

 ああ、この方が私を助けてくれる白馬の王子様なのね、と。

 当の王子様は寸でのところで暴走する女王を羽交い絞めして、ユニコーンから彼女を遠ざけていたが。

 

—んんんん!何するのげぼくぅぅううう!!

 

 自分のしたイタズラを決して認めないような、何なら他人にその濡れ衣を着せるような勢いで、エリザベスは指揮官の両腕から逃れようとしている。そして、

 

—その乳よこせぇぇ!300グラムずつぅううう!!

 

 と、妙な事も言っている。

 

—どうしたんだよ!

 

 指揮官が尋ねると彼女は言う。

 

—どうせ下僕もああいうおっきいのが好きなんでしょ!?

 

 叫びながら、人差し指を彼女の前に立ち並ぶ爆乳達に向ける。

 

—え?…あ、あの、それは…

 

 歯切れの悪い反応に、

 

—ほら!だから私以外にケッコンしたのは大きいのばっかりなんじゃない!

 

 彼女の言う通り、今彼の目の前にいるKANSEN達の手には指輪が輝いている。

 

—え…で、でも最初に俺がケッコンしたのはお前だぞ…

 

 指揮官はエリザベスの問いにそう返すと、彼女は今までになく声を張り上げた。

 

—そんなのロイヤルのトップになりたいからでしょ!!!

 

 そんな事を言う彼女に指揮官は、羽交い締めにした腕をほどき、彼女を無理矢理こちらに振り向かせ、両肩を掴んで言う。

 

—エリザベス!いい加減にするんだ!こんな事して、お前おかしいぞ!

 

—…!

 

 指揮官の言葉にエリザベスは一瞬体を震わせると、彼女の瞳は潤み、そしてその頬には一筋の涙が流れた。

 

—なっ…ちょっと、どうしたんだよ…

 

—げぼくのばかぁあ!

 

 そう言って指揮官を振り払い、彼女は勢いよく自分の部屋の方へ駆けて行った。

 指揮官はその後を追う。

 

—あ…ま、待って…!

 

—来るな!

 

 しかしエリザベスは強く否定する。今追っても彼女にとっては逆効果か、指揮官はそれ以上の追跡を諦めた。

 

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エリザベスの自室—

 

 

—はぁ、はぁ…

 

 逃げるように自室に潜ったエリザベスは部屋の鍵も掛けるのを忘れて、そのままベッドにうつ伏せでダイブする。

 

 ぽすんっ

 

 無いと言っても過言ではない胸のおかげか、皮肉にも何の違和感もなくこうして寝転がる事ができる。

 

—…

 

 先ほどから瞬間的に体力を使い過ぎて疲れていたのか、彼女が眠りにつくにはさほどの時間はかからなかった。

 

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次の日—

 

 

—ん〜

 

 閉めていなかったカーテンから、鬱陶しい程に眩しい日の光がエリザベスの顔を照らす。

 

—んぅ…?

 

 昨日の様にうつ伏せの状態で目を覚ますエリザベスはしかし、昨日とは明らかに違う感覚を得た。

 

—ん?………ん!?

 

 その違和感は胸に集中していた。何故かは言うまでもない。そして、それに気づいた時には上半身は起こされていた。

 思わず口走る。

 

—ある…………あるぅ!!

 

 そう、あるのだ。特大の、

 

—おっぱい!!!

 

 夢なのではと横っ乳を両手で叩く。

 

 ぱふんぱふん

 

 やはり夢ではない。

 

—お、おっぱい!おっぱい!!

 

 ぱふんぱふんぱふん

 

 自分でも側から見ればアホな事をしているとは分かっている。しかし、それでもそうせざるにはを得ないほどの歓喜があった。あのイラストリアスよりもこの乳はデカいだろう。

 それに鏡を見れば、

 

—おぉ

 

 そこに写っていたのはいつも見る幼い自分ではなく、正に女王に相応しい風貌の美しいお姉さんではないか。

 以前"ベルちゃん"なるものが出現したこともあったが、今回はさしずめ、"エリザベスさん"といったところだ。

 

—あはっ☆

 

 あまりの喜びに女王らしからぬ声を出してしまう。

 今ならこの胸で特大の榴弾や徹甲弾をも弾き飛ばす事ができよう。その確信すらあった。

 そして気付けば、彼女は部屋を飛び出したのだった。

 

—んふっ

 

 走りたい気持ちもあったがそれは女王として恥ずかしい。そんな中、廊下で通りすがるKANSEN達に見せ付けるように堂々として胸を張る。

 通りがかったジャベリンが彼女の胸を見る。

 

—へ、陛下…それは!

 

—ふふんっ…どうよこの胸は!

 

 ぼよんとそれを揺らすと、ジャベリンは目を輝かせた。

 

—す、すっごいです!憧れちゃいますぅ!

 

—ふふっ…貴方もこのエリザベスのようになれるよう、頑張るのよ

 

—はい!

 

 自信に満ち溢れる彼女は更に乳をばいんぼいんと大きく揺らし、そして心も負けじと弾ませて、他にも多く通りがかるKANSEN達の羨望の眼差しを受け、いつもの仕事場に向かった。

 

—————————————————————

 

ロイヤル城の一角、エリザベスの仕事場—

 

 

—おはようございます、陛下

 

 昨日、母校にいなかったウォースパイトがエリザベスを迎えた。

 

—おはよう、ウォースパイト。昨日の出張、お疲れ様。あ〜、こんなに胸が大きいと、少し歩くだけで肩が凝っちゃうわ〜

 

 そんな事を言いながら席に着き、机の上に重い乳をぽふっと置く。

 

—ふふっ、労いの言葉ありがとうございます。陛下のお言葉は毎日、その大きな胸のような活力を私共にお与え下さいます

 

 その言葉に出来るだけ優雅に、"出来る女王感"を出して言う。

 

—あらそ。なら、私もみんなのためになるよう、乳力(にゅーぱわー)を高めなくてはならないわね

 

—はい、それでは今日もよろしくお願いします。早速、扉の前にKANSEN達が集まっていますよ

 

—あら、もうそんな時間なのね

 

 そして今日のエリザベスの仕事が始まる。

 

—御参パイの時間よっ

 

 目の前の扉が開かれ、今にもなだれ込まんとするKANSEN達の行列が見えた。

 今からこの娘達にエリザベスが聖なる力を与える"御参パイ"の時間が始まるのだ。

 

—さあ、どんどん来なさいっ

 

 まずは騎士長、キング・ジョージ5世だ。

 

—エリザベス陛下、私に今日の乳力(にゅーぱわー)をお与えください

 

 彼女は跪きそう言う。するとエリザベスは聖母のような微笑みで彼女に近づき、その乳を差し出す。

 

—いいでしょう。今日、海域の警戒に出向く貴方に乳力(にゅーぱわー)を授けます

 

—はっ…ありがたき幸せ…!

 

 そうしてキング・ジョージは両手を前に出しエリザベスの乳に置くと、

 

 もみっ

 

 その双丘を一揉みした。エリザベスは乳力(にゅーぱわー)を与えた証拠となる小さな声を出す。

 

—んっ…

 

 彼女曰く、この声は意識しているのではなく勝手に出てしまうものらしい。

 力を与え終わると、エリザベスは彼女を激励する。

 

—はい、これで乳力(にゅーぱわー)は与えられました。今日も一日頑張って下さいね

 

—はっ!

 

 こうして乳力(にゅーぱわー)は授けられるのだ。

 大抵、エリザベスの午前の仕事はこれに費やされる。

 そんな仕事も終わりに差し掛かり、いつも最後に来るのが指揮官だ。

 

—ふふっ、今日も来たのね、げ・ぼ・くっ

 

—ああ、本当はKANSENでない俺がここに来るのはおかしいんだが、どうも俺にもの効果があるかも知れないと思って、いつも来てしまうんだ

 

—そうね。でも、貴方ならいつ来ても良いわよっ…さあ、来なさい下僕!

 

 エリザベスは椅子に座って両腕を広げて指揮官を迎え入れる体勢を取る。

 すると…

 

—エリザベスぅ!

 

—げぼくぅ!

 

 ぼふっ

 

—あんっ

 

 指揮官はエリザベスの乳に顔をダイブさせ、ぐりぐりと押し付ける。もちろん彼の両手は、

 

 もみもみもみもみぃ!

 

—ぁあ!…下僕のくせにえっちぃ!

 

—仕方ないじゃないか!エリザベスのおっぱいが良すぎるのがいけないんだ!!

 

 もみん!もみもみぃ!

 

—はぁん!でも、下僕ならどんなにされても良いわ!

 

 そんな時、突然指揮官の声が低くなった。

 

—違う…

 

 もみもみもみ…

 

—え…?

 

—こんなのエリザベスじゃない!

 

 もみもみもみもみ…

 

 指揮官は顔を彼女の胸に押し付けながら人が変わったようにそう言った。

 

—こんなの…エリザベスじゃないんだ…!

 

 もみもみもみもみもみ…

 

—揉みながら言うな!!

 

 ぱちんと指揮官の頭を叩き彼を引き離すと、彼女の周りはいつの間にか暗い闇になっていた。

 すると周りには彼女の記憶に新しい人物達が現れた。

 

—ああ、そうだな。指揮官、私はお前の騎士になるぞ。こんな女王、いらない…

 

 キング・ジョージ5世だ。彼女は背を向けて去ってゆく。

 

—え、ちょっと待ちなさいよ…!

 

 次はネルソン。

 

—胸が大きいだけでこんなに偉そうにするなんて、仕えても意味がないわ…

 

—大きいだけって…そ、それだけじゃないわ!

 

 ロドニー。

 

—私もネルソンに賛成です

 

—ロドニー!貴方もなの!?

 

 そしてベルファストだ。

 

—これからはご主人様へのご奉仕に専念します…

 

—ベル…!

 

 今度はイラストリアス。

 

—私より胸が大きいなんて…うぅ…

 

—嫉妬!?嫉妬なの!?

 

 指揮官とユニコーン。

 

—お兄ちゃん、行こ…

 

—ああ、こんな女王、相手にしてられないよ…

 

—さっきまで嬉しそうに揉んでたでしょ!?

 

 そして最後に去っていくのはアーク・ロイヤルだ。

 

—うん、一瞬でも気を許したのがおかしかったんだ。駆逐艦サイコーだ…

 

—いやあんたは何なのよ!

 

 皆が背を向け去っていく、その姿は段々と小さくなっていく。

 エリザベスは暗闇の中で独りぼっちとなった。

 

—ちょっと…みんな待ってよ!…待ってぇ!

 

 走っても走っても背中は大きくならず、やがて消えた。

 

—みんなぁあああ!

 

 周りからヒトが消えると、今度は1番消えて欲しくないところが、ゆっくりとその形を小さく変えていく。

 そう、それは…

 

—ぁ…ぁあ!…お、おっぱいが消える…!

 

 おっぱいが消えるのだ。

 

—私のおっぱいが消えてゆく!!

 

 あまりの衝撃に言葉をなくす。

 

—あぁ…ぁぁああ!

 

 今までたわわに実っていたものは更に消滅する速度を早めていく。

 

—おっぱいが消えるぅぅううう!!!

 

 遂に夢にまで見た特大の果実が種すらなくなろうというその時、

 

—……はっ!?

 

 彼女は、ベッドの上で目を覚ました。

 

—————————————————————

 

エリザベスの部屋—

 

 

—お…目、覚ましたか

 

—げぼく…

 

 エリザベスが目を覚ますと、まず見えたのは指揮官の姿だった。

 次に気付くのが自分の身に綺麗にかけられた布団、そして窓から差す夕日だった。

 彼女は上体を起こす。

 

—あのまま半日眠ってたから、心配したよ

 

 指揮官がそう言う。

 

—うそ…

 

ー嘘じゃない。何があったのかは分からないけど、あんなに暴れて、どうしたかと思ったんだぞ

 

 ほんの少し強めた語気は、今のエリザベスの目を潤すのには十分だった。

 

—あ、え…ちょっと…

 

—私のせいじゃ…ないもんっ…

 

 指揮官はどうして良いか分からず、エリザベスを抱きしめた。

 すると程なくして、彼女は静かに泣き出した。彼女は指揮官に力いっぱいに抱きつく。指揮官は彼女の頭を優しく撫でた。

 しばらく経ってエリザベスが落ち着くと、もう一度指揮官は聞く。

 

—エリザベス、一体どうしたんだ?

 

 彼女は静かに話し出す。

 指揮官に頼まれていた資料を作っていた事、イラストリアスのミス。そのことはエリザベスが起きる前にイラストリアスから聞いていたことと概ね間違いなかった。

 細かい内容はエリザベスから聞いた事で、彼女がこうなっているのもまあ、致し方ない事なのかと気持ちは分かった。

 エリザベスを抱きしめていた腕を緩め、体を離す。今まで両腕に収まっていた温もりがなくなり、少し寂しさを覚えた。

 エリザベスは俯く。

 

—まあでも、こんなになるくらい、一生懸命に俺の手伝いをしてくれてるんだよな…

 

—…

 

 彼女は俯いたままだ。

 指揮官はそんな彼女に優しく言う。

 

—でもな、エリザベス

 

—…

 

—俺は、そういう一生懸命で、心優しいところが好きなんだよ

 

 彼はぽつりぽつりと話し始める。

 

—俺がここに着任してきて右も左もわからなかった頃、お前は俺を何度も助けてくれただろ

 

—俺はそれがすごくありがたくて、いつしか…

 

—あ、いや…なんか恥ずかしいな…

 

 そう言って話を中断してしまう彼に、エリザベスは催促する。

 

—いつしか…何?

 

 問うその姿はいつもの彼女のような幼い印象ではなく、大人びた色気のあるものだった。

 

—えっと…

 

 エリザベスは彼を見つめる。そんな彼女に指揮官は少し頬を染めて、そして覚悟を決めたような目で見つめ返す。

 彼女の両肩を掴んで言う。

 

—エリザベス…俺はお前が好きだ

 

 改めてこんな事を言うのはいつぶりだろうか、指輪を渡して以来かも知れない。

 彼の熱い囁きに、エリザベスはみるみる顔を赤くしていく。そして、その熱を更に増すような言葉を、彼女はこぼした。

 

—だったら…証明して…ほんとに好きなら…それを教えて…言葉じゃなくて……態度で…

 

 指揮官の目に写る今の彼女の姿は、彼にとって何よりも美しく、そして愛おしかった。

 指揮官はそんな彼女に唇を近づける。

 

—ん…

 

 エリザベスの甘い吐息が指揮官にかかる。

 少しして唇を離すと、彼女のとろけた顔が見えた。

 

—ふふ…

 

 満足そうなエリザベスを見て、指揮官は言う。

 

—伝わったかな…?

 

 そして彼女は静かに答えた。

 

—伝わったわ…

 

 一呼吸置いて、彼女は言う。

 

—1度、みんなのところに戻ろうかしら

 

—————————————————————

 

エリザベスの仕事場—

 

 

—陛下、お目覚めしたのですね

 

 迎えたのは部屋の片付けをしているベルファストだった。

 

—ええ、面倒かけたわね

 

—いえ、とんでもございません

 

 そしてエリザベスはベルファスト意外にKANSENがいることに気付く。

 

—理由は何となく分かりますが、あんな事まで…

 

 そう言って腕を組んだのは若干頬を染めたネルソンだ。彼女にロドニーが続く。

 

—まあまあ…でも、落ち着いたようで良かったです

 

 そして現れるアーク・ロイヤル。

 

—陛下ぁ!

 

—な、何よっ

 

 視界に入り唐突にそう言うアーク・ロイヤルにエリザベスは驚く。

 

—先程はあのようなお見苦しい姿を見せてしまいぃ!申し訳ございませんでしたぁ!

 

 彼女はかなりまじめというか、本当にまずい事をしたというような表情で頭を下げる。

 

—い、いいわよ、それは…もう…

 

 そしてアーク・ロイヤルの姿を見て何故か感心しているキング・ジョージ。

 

—うむ、悪いことをしたらしっかりと謝る。これも騎士道だ

 

 アーク・ロイヤルのしたことが悪いことなのかどうかはともかく、騎士道は生活の初歩的なところにあるらしい。

 遅れて指揮官がやってきた。

 

—どうやらいつも通りに戻れたようだな

 

—ええ、何とかね

 

 エリザベスはふと指揮官の後ろを見る。そこにはユニコーンの、眉を八の字にした顔だった。彼の軍服の袖を摘み、隠れている。

 

—だ、大丈夫よ。もうゆーちゃんを取り上げたりしないから

 

—…!

 

 エリザベスの言葉を信じたようで、ユニコーンはにこっと微笑み指揮官の隣に立った。

 

—後は…

 

 エリザベスの目線は、部屋の端に寄っていたイラストリアスに向いた。何やら申し訳なさそうな表情だ。

 

—ご、ごめんなさい。陛下…

 

—もういいのよ、イラストリアス。今度は気を付けなさいね

 

 優しい声音のエリザベスにイラストリアスは安心した表情を作る。

 最後にエリザベスが言う。

 

—今日は…まあ、色々と騒動があったけど…

 

 色々。確かに色々あった。結局その原因の全ては、言ってしまえば彼女の"おっぱいへの憧れ"であった。

 そして、彼女は頬に朱を塗る。

 

—ま、まあ…今回は…許してあげるわ…

 

 彼女の言葉に、イラストリアス以外の誰もが苦笑いした。

 当たり前である。

 この騒動を引き起こしたのは陛下、あなたではないですか、と。

 しかし当のイラストリアスは、エリザベスが激怒していた理由をしっかりと理解していなかったようで、恥ずかしそうに眉を八の字にして言う。

 

—へ、陛下、もし大きい胸が恋しければ、いつでも私の胸を触っていただいて構いませんからね

 

 ぽよんと揺らしながらイラストリアスは言い放ったが、

 

—そういうことじゃないわよ!

 

 ぱふん

 

 ロイヤルの城にその音が響くことは、それ以降しばらくなかった。

 




 感想、評価など、良かったらお願いね。

 また、私が主に活動している世界の資料もあるから、そちらも見てもらえると面白いと思うわ。

 あと、アンケートもあるからそれもお願いね。

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