新世界の第3村で、愛を育む二人(LRS) 作:ハル(LRS活動推進中)
第9話と同時間軸のレイ視点です。
初夜。
自分の主観と相手から客観的に見た反応にズレがあったり、相手のことを勘違いしてたり、すれ違ってたり。
それでも成り立つ心と身体のやりとり。
前回のと比較して読んでいただくと、二人の考え方の違いがわかって面白いかと思います。
——いつか碇君の子供が欲しいと思っていた。
けれど、私の身体はそれを望めない。
私のために、碇君は涙を流してくれた。
力強く私を抱きしめる腕から、碇君の気持ちが伝わってきた。
とても、とても優しい人。
私はそんな碇君が好き。
布団の上で二人向き合い、あたたかな彼の手に指を絡める。
——碇君と手を繋ぐのが好き。
何度か唇を合わせた後、目を開いて見つめ合う。
碇君の深い蒼の瞳は、しっかりと私の瞳を捕らえている。
視線を合わせたまま、再び唇を重ねた。
——碇君とするキスが好き。
優しくて、柔らかくて、とろけるように甘い。
気付くと、彼の唇を自然と求めている自分がいた。
私は欲張りになった。
彼の指が、私の唇に触れた。
口を開かれ、彼が顔を傾け、私の唇の形と合うように隙間なく唇で塞がれる。
彼の舌が、私の口内へと入ってきた。
この前の続き。
舌を絡め、顔の角度を変えながら互いに求め合う。
彼の手が、服の上から私の身体に触れてきた。
背中から腰、尻へと流れるように手を滑らせる。
身体に力が入った。
緊張……しているのかもしれない。
それは身体に触れられたこと自体にではなく、この後の展開に対する期待と不安から来るものだと自分でも理解していた。
そして、彼の手が私の胸に触れた。
「んっ、」
指で、胸の突起への刺激が与えられる。
気持ちいい……のかは正直まだよくわからない。
ぞわぞわとした、くすぐったいような感覚を覚えた。
すると彼が私の首筋と耳を舐め、髪に顔を埋めてきた。
耳の後ろにかかる吐息がくすぐったく、笑い声が漏れてしまう。
彼は私の匂いを嗅いで楽しんでいるようだったが、この体勢だと私の方からも彼の匂いがよくわかる。
——碇君の匂いが好き。
せっけんの香りのような清潔さと、ミルクのような甘い香りが混じった、落ち着く匂い。
最初はエヴァ初号機に乗った時にふと感じたものだった。
今は彼の首筋から直接感じることができる。
私の方からも、彼の身体に触れてみた。
胸に触れ、細身の腰へと手を伸ばす。
両手で彼の腰を抱くような体勢になると、彼が私の頭を支え、布団へ仰向けに寝かせられた。
彼が私の上に膝立ちで跨る。
額、瞼と順にキスをされ、パジャマの胸元のボタンへと手が掛けられる。
服を左右に開かれ、少しひんやりとした空気が肌に触れた。
服の下は、下着一枚。
私の姿を見て、彼の様子が変わったのがわかった。
緊張しているようだ。
早く触れて欲しい、と思いながら彼を見つめた。
「綾波……」
彼の手が、下着の隙間から胸へと直接触れてきた。
幾度か形を確かめるように触れた後、胸の先への刺激が始まった。
「んっ、ん……」
指を動かされる度に声が漏れた。
先程服の上から触られたときのは違う、胸の先からくすぐったさが全身へと伝わるような、不思議な感覚。
暫く続けた後、彼は私の背面のホックを外し、下着とパジャマの上着を取り外した。
先程から胸への刺激が続いたので、なんとなく胸を隠したくなった。
「……恥ずかしい?」
「……碇君が、いっぱい触るから」
見られるのが恥ずかしいわけではない。
実際に、彼にはもう何度も裸を見られている。
本当は胸以外も触って欲しいと思っていたのだが……やはり男の人は胸が好きなのだろうか。
「……もっと触らせて?」
腕にキスをされ、隠している腕を外された。
そして、左胸は先程のように手で触れられ、右胸に彼の顔が移動した。
「あっ、」
胸の先に、唇と舌での刺激が加わる。
「あっ、ん、碇くん」
先程は胸以外も触って欲しいと思っていたのに、予想外の展開になってしまった。
でも……断続的に両胸に与えられる刺激は、私の感じたことのない感覚で、波となって全身に伝わった。
「んん、はぁ、あっ、」
声が漏れてしまう。
触れられているのは胸なのに、背筋や首筋にゾクゾクとした感覚が走った。
……その感覚は、下半身へと伝わっていた。
彼が身体を離し、上半身の衣服を脱ぎ捨てた。
私は彼の身体に手を伸ばす。
その薄い胸板に触れる。
男の人というよりもまだまだ"少年"といったその身体つきは、細く、守ってもらうよりもむしろこちらが守ってあげたくなるような華奢さだった。
でも……私は今から、この身体に抱かれるのだ。
胸が高鳴る。
不安ではなく、期待の気持ち。
パジャマのズボンを脱がされ、彼も同様に衣服を脱ぐ。
互いに上半身は裸、下半身のみ下着を着けている状態になった。
彼の下着の中の男性器が隆起しているのが見てとれた。
中の、というよりも完全に布を押し上げている感じ。
以前見てしまったものの記憶と比較すると、大きさが全く違うように感じた。
つい視線が釘付けになっていたら、不意に唇を塞がれた。
そして……何かが、私の下半身の谷間に触れた。
「……っ、」
彼の指だ。
下着の上から、秘部へと触れられる。
軽く撫でられた後、その手はすぐに肌と下着の隙間から滑り込んできた。
「あ……」
自分の身体に対して執着のない私でも、この身体の奥まった部分……所謂"秘部"や"恥部"に対しては、流石に抵抗を感じる。
私を造った人たちにも、触られたことも見せたこともない。
けれど、碇君なら。
彼になら触れられてもいい……むしろ触れてくれて嬉しいと感じていた。
彼の指が、私の性器に直接触れた。
何かを探るような動き。
「ひゃっ」
ある部分に触れられた時、自分でも思ってもいなかったような声が出た。
彼はその反応を探っていたのか、その部分へと集中した動きを開始した。
「あっ、あ、碇くん……」
直接的な刺激。
先程とは明らかに違うその衝撃に戸惑った。
彼の指が動く度に腰が疼き、声が漏れる。
余りの刺激に耐えられず、彼の腕を掴んだ。
「んっ、ん、……変、あっ、碇くん」
不思議な感覚。
私の身体なのに知らない感覚、変な感じ。
どくどくと触れられた部分が波打つ。
——これが、気持ちいい……?
その正体を探るために意識を集中させていたら、彼が指の動きを止めた。
履いていた下着を脱がされる。
先程まで顔の近くで私の様子を見ていた彼が、頭の位置を変えた。
「えっ?碇君?」
脚を広げられ、秘部の突起へとやわらかいものが触れた。
「んっ——!」
意図せず、ビクッと身体が跳ねる。
「あっ、碇くん、だめ……」
碇君が……私の秘めた部分に口を付けている。
何をされているのかわからない。
舐められているのか、吸われているのか、ただただ強い刺激と羞恥心が私を襲った。
耐えられず、彼の肩を掴み押し退けようとした。
腕に力が入らない。
そのささいな抵抗で彼の動きは止まることはなく、愛撫は続いた。
私の胎内へと続く隙間に、ぬるっとしたものが入ってくるのがわかった。
熱く、柔らかな彼の舌。
くちゅ、ぢゅっ、という音が耳から入ってくる。
唾液だけではない、粘着質な音。
その音から今の状況を認識し、恥ずかしさが更に込み上げる。
このような行為をするときは、女性側から体液が分泌されるということは知っていた。
けれど自慰をしたこともなく、それが自分の身体が生み出される状況を全く想像できなかった。
私の身体も、普通の女性と同じように反応して、普通の女性と同じように愛液が分泌されている。
生理はなくとも、「女性」としての身体機能は携わっていたのだと知った。
「ああ……ダメ、うっ、私……」
これが"快楽"だと、ハッキリと認識した。
けれどこれ以上続けられたら、本当にどうなってしまうかわからない。
もっとして欲しいけど、もうやめて欲しかった。
そして……更に追い討ちをかけられることになる。
舌で隙間の中や周辺への愛撫は続けたまま、指で突起への刺激が始まったのだ。
「ひあっ、あっ、だめ……」
制止の言葉が口から出るが、本当はどうして欲しいのかもう自分でもよくわからなくなっていた。
身体の制御がきかず、自然と彼を求めるように腰が浮いてしまう。
気持ちいい。恥ずかしい。もうやめてほしい。もっとして欲しい。
私の気持ちを知ってか知らずか、指の動きで連続的に攻め立てられる。
「あ、あっ、あ、もう、あっ、んんっ、わたし……っ、」
上擦った声が漏れる。
息ができない。
身体に力が入る。
……駄目だ。
もう素直にこの刺激に従うことにした。
そしてこの快楽の行き着く先は———
「ああッ——」
一瞬、目の前が真っ白になった。
同時に快楽の大きな波が身体を襲い、波の引き際にも快楽が身体を撫でていくような、そんな感覚だった。
——息を吸い、酸素を身体に取り込む。
今の表情を見られたくなくて、手で顔を覆った。
「うっ……」
身体が落ち着いてきたのと反比例して、悔しさが込み上げてきた。
「大丈夫?」
大丈夫?とは呑気なものだ。
私は彼の手により一方的に快楽を与えられ、一人で果てたのに。
「……大丈夫じゃないわ……」
彼を見つめ、不満の視線を送った。
「だめって言ったのに」
駄目とは言ったけれど、決して"嫌"だったわけではない。
彼が男性として主体的に進めてくれたことも、どちらかというと嬉しかった。
嫌だったのではなく、私は……二人で一緒に気持ち良くなりたかったのだ。
「……ダメだった?」
少し申し訳なさそうに彼が言った。
私は、彼の自信を失わせたいわけではない。
矛盾した自分の気持ち。
抗議はしたいけれど、あのまま進めてくれて良かったとも思う。
だからちゃんと、正直に伝えることにした。
「…………ダメじゃなかった。
すごく……気持ちよかったの……」
恥ずかしいけれど、それは、本当。
快楽というものがどんなものかを知ることができた。
私がそう答えたことに、彼は少し驚いているようだった。
自分の選択が間違っていなかったという安堵の気持ちも伝わってきた。
でも。
私ばかり気持ち良くなるのはやはり悔しい。
碇君にも気持ち良くなってもらいたい。
「……今度は碇君の番」
「え?」
身体を起こし、彼の胸を両手で押すと、思ったよりも軽い力で布団に倒れ込んだ。
彼の身体に跨り、顔を寄せた。
「碇君も気持ちよくなってくれなきゃ駄目」
「あ、綾波!?」
今度は、私が碇君を気持ち良くしてあげる番。
碇君の下着を脱がすと、布に隠れていた男性器が露になった。
……以前病院で見たことのあるものと全然違う。
質量も見た目も異質なそれは、普段控えめな碇君のものとは思えない程に猛々しく、脈打ち、天に向けて主張をしていた。
「……これ、碇君の?」
「え、そうだけど……」
わかっている。
わかってはいるけれど、にわかに信じ難かった。
恐る恐る、その先に触れてみる。
指を這わせ、軽く握り込んでみた。
「んっ……」
指を滑らせる度に、碇君の口から吐息が漏れた。
彼が反応を示してくれるのが嬉しい。
暫くその形状を観察しながら、どの位置が特に反応があるのかを探ってみた。
さっきは、碇君が口で愛撫をしてくれた。
私もこのまま手で触り続けるより、舌で刺激を与えた方が気持ちよくなってくれるかもしれない。
顔に落ちる髪を耳にかけ、その熱い柱を唇で包んでみた。
「っっ!」
碇君が腰を引こうとしたが、両手でしっかりと押さえ込み、口に咥えた。
「うっ、あ、……」
彼の中心がどくどくと脈打っているのを感じた。
わかりやすく反応を示している。
ただ、口とモノの大きさが合わず咥えたまま顔を動かすには少々厳しそうだったため、舐める方向に作戦を変えてみた。
男性器は肉棒とは別に、精巣も付属している。
手で触ると柔らかく、先程のモノとは違いひんやりとしていた。
もう片方の手で竿に触れながら、先程の検証で良い反応を示していた笠裏の筋を舐めてみた。
「うあっ、んっ、」
碇君が可愛い声を漏らしている。
……楽しい。
「あ、綾波っ、」
彼の手が私の額を押さえた。
私の顔を離そうとしている。
きっと彼は、先程の私と同じ状況になっているのだとわかった。
「も、出そうだから、離して……っ」
射精をする、ということだろうか。
構わない。むしろ解き放って欲しい。
私がそうさせられたように、私の口と手で果てて欲しい。
先程は連続的な動きで攻め立てられたので、私も同じように動きを与えてみた。
「んっ、う……、あや、なみ……」
碇君の息が荒くなっている。
相変わらず頭を押されていたが、そのまま続けた。
すると、ビクッと彼の腰が動き、男性器の先から精が放たれた。
「———ッッ!!」
パッと身を引いたが、私の顔と胸、そして手に熱いものがかかった。
「……はっ!ごめん綾波!!」
碇君は焦って謝っていたが、顔や手にかかったことは特に気にならない。
それよりも……気になることがある。
手の腹に付いたのは、白濁した粘度のある液体だった。
これが、碇君の精液。
その滴を舐めてみた。
「!!」
「……これが、碇君の味……」
「あっ、綾波……」
少しの苦味と、鼻に抜ける男性の香り。
これが碇君から出たものだと思うと、興奮した。
彼は赤面しながらこちらの様子を見ていた。
手に付いたものを全て舐め取り、彼に向けて言う。
「碇君も、気持ちよくなってくれた……?」
恥ずかしそうにしたまま、笑顔で答えが返ってきた。
「うん……すごく……、気持ちよかったよ」
よかった。嬉しい。
彼のその言葉に、満足している自分がいた。
一緒にではなくても、相手を喜ばせることはとても満たされることなのだと気が付いた。
先程不満を持ってしまったことに反省したが、結果攻める側の気持ちも知ることができたので、何事も経験してみないとわからないなと思った。
*
碇君が、私の顔や身体に付いた精液を拭いてくれた。
ティッシュのゴミを彼が捨てに行っている間、私は布団の上でそのまま待っていたのだが、突然後ろから抱きつかれた。
「碇君?」
彼の手が私の下腹部へと伸びる。
触れられたときの感覚を思い出し、少し構えた。
「あっ、碇くん……」
先程とは違い、秘めた部分の中の方へと指が差し込まれた。
ああ、もしかしたらこれは、挿入の為の準備なのかもしれない。
初めての体験は痛みが伴うと聞いたことがある。
先程見て触ったあの質量のものが、すんなり入るとは到底思えなかった。
事前にしっかりと準備をしてくれようとする碇君の優しさが嬉しい。
「んん……」
指の数が増やされる。
中を広げるように解されるが、正直言って指だけでも異物感を感じ、違和感があった。
少し不安になりながらも、彼の行動に身を任せた。
暫く解した後、彼は私の前にまわり、膝の間に割り入った。
こちらの様子を伺うように尋ねられる。
「……いい?」
もう心の準備はできている。
「……うん」
承諾の意図を伝えると、彼が頷いた。
脚を左右に開かれ、秘部が彼の前に露になる。
「入れるよ……」
「ん……」
既に再び硬くなっていた彼の中心が、そこに押し付けられた。
……けれど、なかなか進む気配がない。
隙間の狭さと挿入する質量の差に、勢いで突いて破瓜してしまうことを躊躇っているようだった。
私は自分の入り口を確認し、彼の性器に触れ、そっとその位置へと誘導した。
大丈夫よ、と。
微笑み、視線を交わした。
彼は頷き、覚悟を決めたようだった。
腰を掴まれ、ぐっと圧力がかかる。
ずぷ、と胎内へと異物が入ってくる感覚があった。
「うっ、」
チリチリとした痛みと、肉を押し広げられる感覚。
ゆっくり慎重に奥へと進んでいるけれど、痛みが先行し、その時間がとても長く感じられた。
「あっ」
ある部分を過ぎたとき、突然摩擦がなくなり、その反動で少し勢いが付いた状態で最奥へと収まった。
今は、痛くない。
まだ気持ち良さを感じているわけではないけれど、挿入が無事に済んだことに安堵した。
二人が繋がっている部分に目をやると、彼のものが完全に根元まで収まっていることがわかった。
その部分に手を触れてみる。
しっかりと、隙間なく噛み合う身体の一部。
彼の方に視線をやると、こちらを見て微笑む彼の瞳と目が合った。
「碇くん……」
「綾波」
唇が重なる。
両手を彼の頬に添えた。
「わたし……今、碇君と、ひとつになってる……?」
「うん……」
「…………嬉しい」
やっと、碇君とひとつになれた。
ずっとこの瞬間を夢見ていた。
目から涙が溢れた。
身体がひとつになったことだけではない、魂の片割れがやっとひとつになれたような、不思議な感覚。
私は、幾度も彼に恋をした。
ハッキリとした記憶はないけれど、何度も生を繰り返し、その度に彼に惹かれ、一緒になりたいと願っていた。
けれど私の運命は定められていて、その願いが叶うことは一度たりともなかった。
私には代わりがいると思っていたけれど、彼は「綾波は綾波しかいない」と私の"個"の存在を認めてくれた。
それを理解していなかった私は、きっと何度も何度も彼を傷付けた。
けれど今は違う。
彼がエヴァのない世界を造り、
運命が、変わった。
この世界で新たにヒトとしての生を受け、私はここにいる。
もう自分の命を犠牲にしなくてもいい。
ずっと彼と一緒にいたいという私の願い。
そしてそれは同時に、彼の願いを叶えることでもあった。
重なる願い。
ひとつになった、身体と心、そして魂。
もう二度と、彼の元を離れたりはしない。
*
私は彼の頭に手を回し、ひとつになれたことの喜びを分かち合うように優しいキスをした。
もう十分に心は満たされていたが、繋がったまま互いに快楽を追い求める行為はこれからなのだ。
あまりにもしっかりと噛み合っている為、ここからどう動くのかよくわからない。
彼は再度私の腰を掴み、ゆっくりと、前後の動きを始めた。
「つっ、」
摩擦による痛みが生まれる。
「……痛い?」
「少しだけ……。
……でも、平気」
今までに戦闘で受けた痛みと比べれば、些細なものだ。
私の肯定の言葉を受け、彼は動きを続けた。
「うっ、んっ、」
ただ、まだ「気持ちがいい」というよりも痛みの方が勝っている。
わざと気持ちがいいフリをするというようなことが私に出来る筈もなく、呻くような声が漏れてしまう。
彼は暫く探るように動きを続けていたが、ついにある一点に辿り着いた。
「あっ、」
一瞬、チカッと目の前が白くなった。
私の反応を見て彼もそれに気付いたのか、その位置に意識的にアプローチをしてきた。
それは、身体の最も奥深いところ。
根元まで噛み合った状態の更に奥深く、それ以上に押し込んだときにだけ感じることができた。
私の脚を彼の肩上に上げられ、より密着できるような体勢になる。
早い動きではなく、深く、深く、ゆっくりとねじ込まれる。
「ああっ……」
私の胎内の、最も奥の壁に当たる感覚。
押し付けられる度に、甘い声が漏れた。
「あっ、あん、ああっ」
気付いたときには痛みよりも、気持ち良さの方が勝っていた。
先程は苦しかった途中の道のりも、緊張が解れたのか、新たに分泌された潤滑液のお陰か、動きを阻害することはなくなっていた。
私の脚は彼の肩に乗せられたまま、腰を持ち上げられ、より動きやすい体勢へと整えられた。
彼はひとつ深呼吸をし、勢いよく打ち付け始めた。
「んっ、綾波、あやなみ……っ」
「あっ、あっ、碇君、碇くんっ……」
奥に到達する度に目の前が白くなる。
頭の後ろが痺れ、何も考えられなくなってくる。
「あやなみっ、もう——」
「んっ、碇くん……」
好き。好き。碇君。
頭の中はそれだけでいっぱいだった。
「いかりくんっ———」
「綾波ッ———」
一際大きな波が襲い、続いて、私の胎内に彼の性が吐き出されるのを感じた。
ああ、今私は碇君と———
*
繋がったままの状態で抱きしめ合う。
涙が止まらなかった。
彼の目からも涙が溢れていた。
「好きな人とひとつになる」。
子孫を残すことと性欲を消費すること以外に、恋人同士が行うその行為に意味はあるのだろうかと思っていた。
けれど今ならわかる。
好きな人と繋がることは、互いの存在を確かめ合い、互いの身体にその存在を刻むこと。
私は確かにここに存在している。
その実感を強く得ることができた。
そしてより強く感じた、彼への「好き」という気持ち。
多分私はこれからも、彼をどんどん好きになっていくのだろう。
身体も心も満たされ、
彼への感謝の気持ちが溢れた。
「綾波……」
「碇君……」
名前を呼び合う。
多くの言葉は必要なかった。
「「 ありがとう 」」
声が重なり、一瞬驚いたが、二人で微笑み合った。
あたたかな幸せが、私達二人を包んでいた。
つづく
少しだけ、補足解説です。
シンジは相手の反応を見ながら相手がどう思っているかを考えたり、自覚情報から興奮するタイプ。
レイは自身の中から湧き出る気持ちを分析しながら状況を客観的に把握して、頭で考えて興奮するタイプだったりします。
そんな二人の性格と心の動きの違いも出してみました。
そのような違いはあれど、最終的に行き着くところは「相手への感謝の気持ち」で互いに同じだった、というところが、9話と10話のポイントになっています。