とある街にあるこれまたとあるなんの変哲も無い鎮守府
何時もと変わらない木曜日の朝……のはずだった。
「何が起きている!」
「誰が発砲している!」
「誰か!助け……」
鎮守府中に悲鳴と怒号と銃声が至る所で響いていた、ある者は噛み付かれ、又ある者は首筋を噛み千切られ、そしてまたある者はその群れに襲われ全身を噛みちぎられて……全身を貪られ食われた、生きたまま……そしてそれらの新たな仲間と化した。
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時間は少しだけ遡りとある木曜日の午前4時。
「総員起こしまであと2時間か…」
私は二度寝を決め込んだ、それからどれ位時間が経ったのだろうか、私は誰かの悲鳴で目を醒ました。
「キャー!何なよあれ」
「止まれ!止まらないと撃つぞ!」
誰かの悲鳴、警備兵の誰何そして鳴り響いた銃声。
「何が…」
私は私室の扉を少しだけ開けると外の様子を伺った。
「提督!ご無事でしたか」
警備兵の一人が私に気付くと声を掛けてきた。
「一体何が起きた?」
私は現状を確認しようと警備兵に聞いた。
「私にも何が何やらでして、いきなり襲われてこの有様です」
私は警備兵の指差す方向を見た、其処には口の周りを血で赤く染めた艦娘や職員の死体が転がっていた。
「アレに噛まれると……数分で死に至り…そして蘇って、我々を襲いだします…」
警備兵の話は突拍子も無いと最初は思っていたが、私の眼の前で一人の男性職員が警備兵の言葉通りになっていった。
「嘘だろ……まるでゾンビじゃねえか!」
私は声を荒らげた。
「それしか言い表せません、アレは頭を破壊しない限り……倒せません」
私はその場にいた全員を執務室に避難させた。
「執務室に!早く!」
私の指示で警備兵を始め職員、艦娘が執務室へと避難してきた。
「提督、現時点での生存者ですが……経理課4名、総務課2名、装備科6名、警備隊15名と鳳翔、間宮、隼鷹、千歳の艦娘さん4名の合計31名です」
警備兵が報告してきた。
「君達の中で最上位のものは?」
私は警備兵の指揮官を探した。
「自分であります、如月香津美といいます」
逐一報告をしていた女性少尉が名乗り出た。
「では如月少尉、君を私の権限で大尉に任官する、警備隊は君が指揮を取ってくれ」
「はっ」
「差し当たっては工廠へ避難とする、彼処なら地下に非常用食料や医薬品も備蓄されているかなら」
「了解しました」
「では移動を開始しよう」
私達は警備兵の護衛で工廠を目指した。
「…提督、意見具申宜しいでしょうか」
警備兵の一人が私に意見をした。
「何だ」
「工廠ヘ向かう途中にある武器庫で武器を入手した方がよろしいのではないでしょうか」
私は彼にある事を話した。
「彼処か…彼処には対空兵装しかないぞ、それよりも工廠の地下にある非常用武器庫は近接戦闘用火器と戦闘車両が主だからそちらに向かう」
その警備兵はシェルターに併設された武器庫は知らないのだ。
「一応はICVもあるしな……」
そうしている内に工廠へと到着した。
「工廠にはアレの姿は見えないか……明石と夕張が無事な事を祈るしかないか」
一人の警備兵が工廠入り口の扉を少しだけ開いて中の様子を確認していた。
「ルームクリアー、2階に人体によるものと思しき熱源確認!」
私達は工廠内へと入っていった。