「天龍…良く無事でいてくれた」
私は天龍を抱いてあげた、彼女は私の腕の中に顔を埋めると泣いていた。
「暁が……響が、雷と電も……」
六駆の二人を眼の前で奴等に襲われたのであろう、
「天龍、安心なさい、雷と電は無事に保護されて一緒にいるから」
「天龍ちゃんなのです…」
いつの間にかやってきていた雷と電が天龍に抱きついていた。
「おまえら、済まねぇ」
天龍は泣きながらしきりに謝っていた。
「あの状況では仕方のない事なのです」
電が天龍を慰めていた。
「天龍、気休めかも知れないが……まだ生存者がいる可能性もある、現状助かった駆逐艦娘達を龍田と木曾、神通、由良でまとめてもらいたい」
私の命令に天龍は涙を拭くと力強く応えた。
「おぅ、任せな」
私は天龍達とのやり取りを終えると、大尉を呼んだ
「大尉、この鎮守府北端にある航空機運用施設の偵察を頼みたい」
私は鎮守府地図のとある場所を指し示した。
「ここですか、確かに此処を確保出来ればオスプレイもある程度は運用可能になるのとロクマルも入手出来ますね」
「ただここに向かうには…」
大尉がとある場所を差した。
「やはり此処が問題か…」
其処は仮称ゾンビが知る限り一番いる場所だった。
「司令部と出撃待機棟及びそれに付随する艤装保管庫か…」
私は鎮守府の地図を見ると各棟の位置関係を再度確認した。
「大淀すまないが明石を呼んでくれ」
私は大淀に明石を呼ばせた。
「提督、何でしょう」
明石は直にやってきた。
「この司令部と出撃待機棟をつなぐ連絡通路を破壊してコンテナ通路及び燃料移送管を造れるか」
明石は建物の図面と鎮守府図面を見比べながら何かを考えていたが、
「そうですね、大型コンテナを幾つか、それと安全の為に司令部と出撃待機棟の建屋側の扉を封鎖してここだけ側面に装甲板を、あとは天井部分と高い位置に窓を取付ければいけます」
私は明石の回答を聞くと直に取り掛かるように指示を出した。
「では明石、速やかに作業に取り掛かってくれ」
明石が敬礼すると工廠へと戻っていった、階下では明石が夕張と北上に今の命令を伝えながら必要資材を集め始めていた。
「オスプレイが常時使えるようなれば市街地での捜索活動が楽になりますね」
大尉がそんな事を言っていた。
「そうだな上空からのホイストも出来るからな、これにロクマルが加われば更にやりやすくなると」
私と大尉はこれからの生存者捜索についての事を話した。
そして日も暮れようとする時刻、明石がやって来た。
「提督、コンテナはサイズ40’HCという大型の物を使用します、これは長さが12m、高さ2.69m、巾2.35mのもので概ね出来上がっていますのであとは現地での設置、それと燃料の移送管を取り付けるだけです、それとヘリ用の施設周囲には仮設バリケードを新設しておいたので仮称ゾンビは入ってこれないと思いますが青葉のセンサー配置待ちです」
私は明石からの報告を受けると、静かに頷いていた。
「あかし、一つ確認だがロクマルは無事に残っていたか?」
「8機中3機が即時使用可能、その他1機は破損機体からのパーツ移植で使用可能となります」
「損傷機を修復すれば4機か」
「はい」
「そうか、ありがとう……今日の作業はここまでとしよう、日が暮れてからは危ないからな」
明石はそれではと言って執務室を出ていった。
「ヘリ用の施設まで奪還したとは……」
大淀がいつの間にか執務室の壁面に鎮守府の敷地地図を貼っていた。
「今後も避難民は増えるだろう……早急に医薬品や食料、部屋等を確保しないとならないか…」
私は地図上の赤いライン外にある複数の寮の事を考えていた。
コンテナ通路作製はオスプレイで移送して現地で降ろし内部をボルトと溶接による固定としています。