「さて、本日より市街地での捜索活動を開始する、各員は上空警戒中のロクマル並びにオスプレイからの空中管制を受けつつ従事してもらいたい、最後に自身の安全を優先して活動にあたってくれ、以上だ」
私は捜索活動に出発する隊員と艦娘達を激励すると送り出した。
「大淀、現在までに確保された施設の詳細を」
私は隣に立つ大淀に施設の現状を確認した。
「住居施設につきましては、駆逐艦、空母の各寮を確保内部においても特殊洗浄を完了しました2階部分以上で使用可能です、1階部分は駆逐艦寮と同様に使用禁止とし封鎖しています」
大淀が住居施設についての説明をした。
「続きまして、それ以外の施設についてですが、工廠、各種倉庫が6棟、食堂施設並びに食料用倉庫、回転翼機運用施設並びに燃料備蓄施設の奪還に成功、仮称ゾンビは各施設より完全排除を確認しています」
大淀からの報告を聞いた私は、
「となると、残る施設は本部棟、戦艦・巡洋艦寮、港湾施設、艤装保管庫、待機棟、事務棟を残すだけか……」
「はい」
私の独り言に大淀が応えた。
「逆に言うと、一番仮称ゾンビが密集している危険性の高い施設ばかり残ったという事か」
「明石からの報告では外周部バリケードはコンテナを2段重ねとして高さは5mを確保しているそうです、更に上段コンテナ内に見張り所を作製しているそうです…尚コンテナ内部は自転車にて移動可能との事です」
「少ない人数で明石はよくやってくれた」
私と大淀はその後も各施設の現状を確認していった。
「提督、市街地捜索隊より入電!『市役所内にて避難民多数を保護、一端帰還す』です」
無線機を操作していた青葉が報告してきた。
「わかった、大淀は明石に受け入れの準備を出してくれ、青葉、避難民の人数と怪我や病気の有無の確認を」
私の指示に慌ただしく動き出した。
「捜索隊より追伸!怪我人は捻挫と脱水症状を数名で確認、外傷はなし、人数は13家族47名」
私は青葉からの報告を明石にも伝えた。
「了解です、直に検疫と受け入れ準備に掛ります」
私は一息つくと、現在までの居住施設の空き状態を確認した。
「部屋は狭いが家族単位で皆纏ってくれているから助かるな…」
そんな事を考えていると窓の外からオスプレイのエンジン音が聞こえだした。
「戻ったか」
私が、工廠へ向かおうとしたその時だった、
「提督、緊急電!在日米軍海兵隊が合流を求めてきています」
「何だと!米海兵隊がだと!」
「はい、横須賀軍港で奴等に襲われて現在強襲揚陸艦サイパンに退避そこから此方への避難許可を求めています、航行は不能、但し航空甲板は確保、航空支援は可能との事です」
私は考えるより先に指示を出していた。
「陸自隊員へ命令、港湾施設の奪還作戦を緊急実行する、沖合からの米海兵隊と挟み撃ちとし一挙に殲滅する」
大尉が直に無線機に出ると米海兵隊の最上位階級となる臨時指揮官である中尉と詳細を詰めだした。
「提督、ハリアーとスーパーコブラが使えるとの事です」
「そうか、それならばスーパーコブラで地上掃討を依頼してくれ、然る後に地上戦に持ち込んで一気にかたをつける!」
それから約3時間後港湾施設が我々の手に戻った、米海軍の力を借りて、彼等もまた将校を失い下士官兵とその家族を乗せていたのだった。
「強襲揚陸艦か…艦の詳細な被害が知りたい所だな」
「そうですね可能ならば燃料弾薬、物資の回収をしたいところですね、輸送は台船と港湾施設にあるタグボートを使えば可能かと」
私は大淀と強襲揚陸艦に残された資材の回収を考えていた。
「先程の海兵隊中尉さんの話ではその……横須賀基地は壊滅だそうです……」
大淀の話を聞いた青葉が言葉に詰まっていた。
「横須賀基地も壊滅か.......」
私にも今何が起きたのか理解できなかった、いや誰も出来ないだろう。
強襲揚陸艦サイパンは最終的にタグボート数隻で曳航して鎮守府の港湾施設に係留、洋上回転翼機運用施設として使用する予定です。