「それでは、米海軍強襲揚陸艦サイパンの現状確認及び曳航作業の為、横須賀向けて出発」
私と夕張、米海兵隊兵士、陸自隊員が陸自のCH−47JAへと乗り込んだ。
「提督、偵察用ラジコン戦車と防爆スーツの準備は完了です」
夕張がCH−47JAの機内で機材の最終チェックを行っていた。
「提督、あと15分程で強襲揚陸艦サイパンに到着します」
CH−47JAのパイロットが私に報告してきた。
「了解した、聞いてのとおりだ、総員作戦準備」
私の命令に海兵隊員が降下用のロープを準備を始めた。
「個人装備チェック怠るな!」
海兵隊中尉が陸自隊員を含む参加兵士の装備確認を徹底させていた。
「強襲揚陸艦サイパン上空です、降下ヨーイ」
CH−47JAの後部ランプからファストロープが降ろされ後部ランプドア、前方のキャビンドアと非常脱出ドアからブローニングM2重機関銃がドアガンとして姿を現した。
「各銃座ヨシ!」
「降下用意ヨシ!」
海兵隊員達が先陣をきってファストロープを使って降下を開始した。
「フライトデッキ クリアー」
海兵隊員達によって飛行甲板が短時間のうちに確保された。
「提督、これより着艦します、衝撃に注意してください」
パイロットの案内があると、CH−47JAは降下を開始した。
「着艦!」
着艦の合図と共にドンと衝撃がきた。
「エンジン停止、回転翼に注意!」
私と夕張が陸自の隊員に続いて飛行甲板に降り立った。
「提督、偵察行動開始します」
私は艦橋でラジコン戦車から送られてくる映像を夕張と見る事にした。
「格納庫クリアー」
防爆スーツを装備した海兵隊員がラジコン戦車の後に続きながら奴等との遭遇に備えながら進んでいた。
「静かすぎる……乗員だけでも1000名は乗っていはずなのに…」
私と共にモニターを見ていた海兵隊中尉がふと疑問を口にした。
「どういう事か?」
私は海兵隊中尉に聞き返した。
「強襲揚陸艦サイパンには士官65名、兵員1009名が固定乗員として乗り込んでいるのですが…全く姿が見えないのです、奴等の仲間になったとしても……その気配すらしないのは疑問です」
彼の疑問も当然であろう、1000名はいたであろう乗員が消えていたのだから。
「ここから下の甲板は要注意と言う事か……」
弾薬庫や各種倉庫のあるこの層から下は奴等の巣窟と云う可能性は高かった。
そして危惧していた事は現実の事となった。
「提督、ここの映像を!」
夕張が一つのモニターを指さした、其処には大量の奴等がひしめいていた。
「こんなに集まってきていたのか……この状況では排除は無理です、集中し過ぎで無駄に犠牲者を出す結果となりそうです……残念ですがサイパンは諦めて資材の回収を優先しましょう」
海兵隊中尉が断念した。
「隊員の安全を考えると致し方ないか…全部隊へサイパンは放棄、可能な限り資材の回収を優先とする」
「CH-53Kキングスタリオン6機確認!」
格納庫内で梱包されていたCH-53Kキングスタリオンを海兵隊員が発見した。
「3時間時間をください、飛行可能に出来ます」
夕張が海兵隊員の協力が有れば回収出来ると報告してきた。
「許可する、各位へ各自の判断で回収したいものが有ればキングスタリオンへ積み込んでおくように」
私は大型輸送ヘリコプターの回収を許可した。
「CH−47JAより速度も出せますし積載量も多いですから入れ替えても宜しいのではないでしょうか」
海兵隊中尉が意見をだした。
「陸自隊員が飛ばせるのは配備されているのがCH−47JAなのでなそれ以外は無理だ、キングスタリオンは海兵隊員に任せるしかない、だがCH-53Eスーパースタリオンなら飛ばせるそうだが……」
「教習しますか?スーパースタリオン飛ばせるなら然程変わりませんから」
海兵隊中尉がパイロットの育成を申し出た。
「可能ならば頼む」
「了解であります、それとAV-8B ハリアー IIが4機あるそうです、我々で運用可能なので回収します」
サイパンには旧型になったとはいえ戦闘機が残されていた、勿論補修部品もCH-53Kキングスタリオンで回収した。