「サイパンの曳航やはり無理だったか……」
「やはりと云うか、下層の機関室や居住区画に集中してましたからね……取り敢えずは医薬品や消耗品等をある程度の量確保出来たので良しとしておきましょう」
私と海兵隊中尉がそんな話をしている最中の事だった。
「提督、中尉殿、左下方十一時!国籍不明の大型貨物船発見」
キングスタリオンの側面窓から海兵隊員が何かを見つけた様だった。
「東京湾のど真ん中で国籍不明は無いだろう」
私と海兵隊中尉は何を言ってるのだと思いながら側面窓から海面を覗いた。
「船名もなければ母港の記載も無い…」
私の視界に大型の貨物船があった。
「社名の表記が無いですね…」
海兵隊中尉が貨物船の外壁を確認していた。
私は貨物船の外周部を確認した。
「確かに何処にも書かれていないな……調査の必要があるか…機長、無線機を貸してくれ」
私は機長から無線機を受け取ると、
「全員へ達する、これより下方に見える船籍不明の貨物船の調査を行う、各員は接敵に注意せよ」
護衛の為に同行していたスーパーコブラが貨物船の周囲を警戒しながらいつでも発砲出来るように旋回していた。
「こちらパイパーワン、甲板上に動きなし」
スーパーコブラからの偵察結果が報告されてきた。
「提督、それでは我々海兵隊が先に降下して様子を見ます、降下用意!」
そう言うと海兵隊中尉が部下達に降下用意の指示を出した。
「頼む、だが無茶はしないでくれ」
私は海兵隊員を送り出した。
「降下開始!」
キングスタリオンの後部ランプから海兵隊員達がロープを使って降下していった。
「ヘリパッド確保!着船よし!」
海兵隊員からの報告を受けると私を含む陸自隊員を乗せたキングスタリオンが降下を開始した。
「船橋クリアー!」
ヘリパッドに繋がる船橋を海兵隊員が確保した。
「提督、何か嫌な予感がします……人の気配がしません」
陸自隊員が小銃を構えながら私に耳打ちしてきた。
「放棄されたとは考え難い代物だしな……」
私と陸自隊員はそんな事を考えていたそんな時だった。
「提督、これは貨物船ではありません!偽装された何らかの研究施設です!」
私は報告のあった場所へと急いだ。
「どういう事だ!」
私は報告をしてきた海兵隊中尉に説明を求めた。
「説明も何も、貨物船にウィルス兵器製造ラインなんて必要が無いですよね…」
海兵隊中尉が眼の前の設備を指差した。
「つまり……この貨物船が元凶なのか…」
「恐らくは…それとこの書類をみてください」
海兵隊中尉が数枚の書類をみせた。
「このマークは……!」
「提督の考えている通りです、アンブレラ社のロゴです、今回の事件はアンブレラが引き起こしたバイオテロの可能性が非常に高いです」
海兵隊中尉が一番高い可能性を口にした。
「……この貨物船内を徹底的に調査する、ワクチンが有る可能性がゼロではない……何か見つけたら触らずに直に報告を私か海兵隊中尉へ速やかにするように」
海兵隊と陸自の隊員が混成小隊を編成すると船内各所に散って行った。
私は夕張、海兵隊中尉と船橋を拠点にすると施設内のモニター映像を確認するとこにした。
掘削施設から大型貨物船へ変更しました。