八日目……②から続くお話となります。
私と夕張が船橋で船内各所をモニターで見ていた、そんな時だった…………。
「提督、こっこっこっこれを見てください」
一人の海兵隊員が数枚の書類を握りしめて船橋に飛び込んで来た。
「何をそんなに慌てて…」
私は海兵隊員から書類を受け取ると目を通した…。
「なんだと…おい……嘘だ…」
私の様子がおかしい事に気が付いた夕張が私の手の中にある書類を覗き読んだ。
「そんなっ!」
彼女もまた驚き信じられないという顔をした。
私は無線で鎮守府の大淀を呼び出した。
「近くに明石は居るか?」
「いえ、陸自の方と駐屯地に資材の確保に向かいました」
都合の良いことに明石は外出していた。
「これから言うことは口外禁止とする良いか?」
「了解しました」
私は大淀に箝口令を出すと、詳細を話す事にした。
「明石と大井はアンブレラの社員で今回の事件を引き起こした当事者側の可能性がある、証拠も確保している…私が戻り次第明石の身柄を拘束する、それまでは何も知らない風でいてくれ」
「了解……しました」
大淀もまた信じられないと口を閉ざした。
私は海兵隊員達と船内での資料をありったけ回収すると、鎮守府へと戻った。
私は鎮守府に戻るキングスタリオンの機内で、海兵隊中尉と警備隊大尉とでこれからのことを話した。
兎に角私は大尉に先程の書類を見せることにした、
「大尉、これから見せる書類は……」
「大丈夫です、提督の態度から内通者がいた事は想像できますから」
私は言葉を続ける代わりに書類を大尉に渡した。
「そうですか…彼女達が……確かにそうであれば総て繋がりますね……わかりました、それでは明石の拘束はいつおこないますか?」
大尉は私が言いたい事を理解してくれていた。
「現在明石は陸自の駐屯地にいるそうだ、戻りしたい身柄を拘束する…できれば手荒な事はさけたいがいが、抵抗する場合は実力行使も致し方ない…以上だ」
駐屯地に付くと大尉がキングスタリオンから降りた。
それから二時間後あたりが暗くなり始めた時刻に明石達が帰ってきた。
「個人の部屋からありったけの食料と飲料水を確保してきました」
明石が私に報告してきた。
「ご苦労…」
私は一言だけ言うと頷く仕草をした。
「工作艦娘『明石』大規模テロ事件加担の容疑で身柄を拘束する」
武装した警備兵が執務室になだれ込んできた。
「なっなっ!」
明石は抵抗する間もなく拘束された。
「明石、事実を報告してくれ」
私は明石の写真付きアンブレラの社員証や明石のサインのある書類を明石の目の前に突き付けた。
「私は知らないですよ」
明石は知らないと言い張っていた
「提督、その社員証ちょっと貸してください」
横から何かに気が付いた青葉が顔を出した。
「何故だ?」
「社員証なんですが、何というか不自然な厚みなんですパソコンで内部の社員データを読み込んでみます」
私は青葉に社員証を渡した。
青葉が社員証にカッターをあてがった、
「やっぱり…」
明石の写真付き社員証は2枚のカードにあっさりと別れた、そして青葉がもう一枚の白いカードの磁気データを読み込ませようとパソコンと格闘していた、そして……。
「提督、明石さんを開放してあげてください」
私は青葉に示された画面を見た。
「別人のカードの上に偽造した明石の写真付き社員証を…それならば書類も……という事か」
私は明石の手錠を外した。
「明石、済まなかった」
明石が説明を求めてきたので貨物船内で発見した社員証やレポートをみせた。
「ですが提督…その大井さんだけは本当にアンブレラ社員だったようです……恐らくは書き換えやサインの捏造は大井さんによるものかと……」
大井が鎮守府に於けるゾンビ化事件の元凶だったのだが、その彼女自身も奴等の仲間入りをしてしまっていたのだった。