偽装された貨物船から押収品を一旦陸自の駐屯地へ移送し鎮守府に戻った。
「何で陸自の駐屯地へ置いてきたのですか」
明石が質問してきた、
「安全の為だ……恐らくはあの手の電子機器には位置や不正アクセスを検知するシステムが組み込まれているだろうからな…アンブレラの回収部隊と遭遇しても被害は少なく出来るようにと言う事だ」
私は明石と夕張に鎮守府へ持ち込まなかった理由を説明すると駐屯地で回収した資料の整理にあたっていた。
「提督!パソコンが!!」
私は明石の叫び声に振り向いた。
「明石、パソコンがどうした!」
私の目に飛び込んできたのは、勝手にデータが消されていくパソコン画面だった。
「推測ですが、正規の手順で起動させないと全データの削除が始まるようです」
船長室から回収したパソコンのデータがみるみる消えていった。
「研究室や医務室のは慎重に…押収した書類の中に起動手順書が有れば良いのだが……後は研究員の身分証も用意しておくか…」
私は北上と書類の山と格闘する羽目になった。
「提督、あったよ〜起動手順書ってこれでしょ」
北上が一枚の紙を手にするとこちらによこした。
「あったか」
私は北上からそれを受け取ると、明石に回した。
「身分証必要だったの……」
「ほれ」
私は研究員の社員証を夕張に渡した。
「もう一度やってみます」
今度は成功した、無事にパソコンが起動した。
「この調子で電子データの解析を頼む」
私は明石と夕張、北上にデータの回収確認作業を指示した。
「さて……何が出てくるやら」
私は椅子に深く座り直すと大尉と冷めたコーヒーを飲んだ。
「提督、これをみてくだい!」
明石が不意に私を呼んだ。
「何か見つけたのか?」
私は明石が驚きで声を出せない原因のパソコンを覗き込んだ。
「何だ…と」
その画面には艦娘に対するウィルス接種についての事が書き記されていたのだが……うちの…鎮守府の潜水艦娘の事が記載されていたのだ。
「やはりか…不法に潜水艦娘を拿捕して何らかのウィルス注射を行い……帰還させた、もしくは……という事だったか」
この事は回収した書類や海兵隊員が撮影した医務室の写真にも写っていた。
「提督、これはあくまでも推測ですが……潜水艦娘にウィルスを注入し、ゾンビ化する直前に鎮守府に戻し拡散させたというのが真相なのではないでしょうか」
夕張が仮説を口にした。
「鎮守府内での感染はそれで説明がつくが……市街地はどうだろう、鎮守府より早くに感染が拡がっていたようだが…」
「提督、それについては…これも仮説ではありますが、帰宅した研究員から感染が拡がったのではないでしょか」
明石が可能性を口にした。
「なるほど、感染後帰宅して発症……家族を巻き込んで感染拡大が……」
明石と夕張が押収したパソコンから感染経路やウィルスの特性を調べていた。
「ウィルス感染の確認された遺体の処理についての記載がありました、結論から言うと……高温で焼却とあります、ウィルスは高熱に弱いそうです」
明石がウィルス感染者の遺体処理についての記載を見つけた。
「そうか……焼却処理可能なのか、実際に実行するのはもう少し詳しく調査してからだな」
私の答えに明石と夕張、北上が頷いた。